『異世界で勇者召喚されたけどなんか勇者多くね?』   作:じぇのざうらー

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続きです


波への準備

 

 

数日後、俺たちはクラスアップと波の対処のために近隣の狩場で着々とレベルを上げていった

その過程で…

 

『力の根源たる。剣の勇者が命ずる。理を今一度読み解き。彼の者を水の弾で撃ち貫け』

「ファスト・アクアショット!」

 

「ピギャァッ……」

 

 

王に貰った水晶を使って戦闘の合間に初級の魔法を使っている

 

最初に魔法を使えたときは魔力を使う感覚ってこういう感じなんだなと感動した

 

 

「だいぶ魔法の扱いも慣れてきましたね」

 

「もう少しすれば応用した魔法も使えるかもしれないわね」

 

 

テルシアとファリーが言う

 

 

「そういえばタクミ様、そろそろ波の刻限が近づいてきましたね」

 

 

おっと、もうそんな時期か…

 

 

 

「そうだな、一度みんなのクラスアップも兼ねて城下町に戻るか」

 

「「「はい」」」

 

 

 

────────────────────────

 

 

 

 

俺たちは再び三勇教会に足を運んだ。ここも出来ればあまり来たくはないが……しょうがない

 

 

受付のシスターが俺たちに近づき声を掛ける

 

 

「ようこそいらっしゃいました剣の勇者様。本日はどのような御用で?」

 

「仲間たちのクラスアップをしに、龍刻の砂時計を使わせてもらっても?」

 

「かしこまりました。既に槍の勇者様と盾の勇者もいらっしゃいますのでご案内いたします」

 

 

おっとそういえばこのタイミングで他の勇者たちとの顔合わせがあったな

 

元康は良いとして、尚文とラフタリアの様子がどんな感じか確認しておこう

 

…つうかこのシスター普通に尚文を呼び捨てにしたな…

 

 

「あ、拓海さん」

 

 

不意に後ろの方から樹とその仲間たちがやって来た

 

 

「おう樹、久しぶりだな。樹もクラスアップが目的か?」

 

「ええ、ということは拓海さんも?」

 

「ああ」

 

 

と樹の仲間たちに目を向けるが…ん?気のせいか1人いないように感じるが…

 

俺の視線に気が付いたのか樹が話す

 

 

「ああ、実は1人パーティから抜けましてね。もともと言動に難があった方だったんですが、勇者の仲間の肩書を笠に横暴なふるまいをしていたので話し合いの末パーティから外したんです」

 

 

あー、そういえば樹んとこのパーティって結構自分勝手な奴が多くて後々樹を裏切ったり殺したりもするどうしようもない連中だったな…

 

今の樹はちゃんとそういうとこはしっかりしていてよかったよ。そう思ってると樹が小声で

 

 

「それにあまり大きな声では言えないんですが…残りの方々もちょっと横暴さが目立ってきて困っているんです。今はおとなしくしていますが今後もこういったことが多いと少し仲間の編成を見直さないといけませんね」

 

 

「そうか…。まぁ今後のことも考えてそれも視野に入れるのをお勧めするよ」

 

 

波が終わったら樹にも奴隷は早いとして魔物でもお勧めしとくかな?

 

そう思い、樹と砂時計へ向けて歩いていると荒々しい鎧を着た人物の後ろ姿が見えてきた

 

 

「あ、元康さんに……尚文さん」

 

 

樹は尚文に対し少し罪悪感を抱いた目をした後平静を装って話しかける

 

 

「……」

 

 

俺も声を掛けたいが……やはり罪悪感からか声を掛けづらい…どうしよう…

 

教会の中は勇者4人とその仲間達で人口比率があっという間に増えた

 

すると元康がラフタリアを指さして

 

 

「あの……」

 

「誰だその子。すっごく可愛いな」

 

 

良かった…奴隷商から確認はしてたが、ちゃんと尚文の奴隷になってくれたようだ

 

…あの時は仕方なかったとはいえ、すぐに助けてやれなくてすまない

 

俺が内心ラフタリアに謝罪してると元康が鼻にかかった態度でラフタリアに近づき、キザったらしく自己紹介する

 

 

「始めましてお嬢さん。俺は異世界から召喚されし四人の勇者の一人、北村元康と言います。以後お見知りおきを」

 

「は、はぁ……勇者様だったのですか」

 

 

俺と樹は呆れた目で元康を見る

 

 

「あなたの名前はなんでしょう?」

 

「えっと……」

 

 

その子、将来お前のお義姉さんになる人だぞー

 

ラフタリアは困ったように尚文に視線を向け、そして元康の方に視線を移す

 

 

「ら、ラフタリアです。よろしくお願いします」

 

 

ラフタリアが冷や汗をかいてるが尚文が不機嫌なのを察しているのだろう

 

 

「アナタは本日、どのようなご用件でここに? アナタのような人が物騒な鎧と剣を持っているなんてどうしたというのです?」

 

「それは私がナオフミ様と一緒に戦うからです」

 

「え? 尚文の?」

 

 

驚いたのか元康が怪訝な目で尚文を睨みつける。

 

 

「……なんだよ」

 

「お前、こんな可愛い子を何処で勧誘したんだよ」

 

 

この段階の元康本当に節操なしだな

 

 

「貴様に話す必要は無い」

 

「てっきり一人で参戦すると思っていたのに……ラフタリアお嬢さんの優しさに甘えているんだな」

 

「勝手に妄想してろ」

 

 

尚文はこっちの出入り口へ向かって歩き出す

 

俺たちは道を開ける。

 

 

「波では一緒に頑張りましょう」

「……よろしくな」

 

 

結局こんなありきたりなことしか話せなかったな…

 

己の無力さで内心悲しくなる

 

 

「行くぞ」

 

「あ、はい! ナオフミ様!」

 

 

 

尚文が声を掛け、我に返ったのかラフタリアが後を追う

 

 

「あっおい!ちょっと…っ」

 

「ほっときましょモトヤス様。どうせ何も出来ませんわ」

 

「…それもそうだな。そのうちあの娘にもあきられるだろ」

 

 

こいつは本当に女の外側だけしか見てないな。そんなんだから前の世界もこの世界でも女でひどい目に遭うんだよ

 

だがま、それも愛の狩人になるまでの間だけだな

 

 

俺たちは尚文たちが去ったのを見てクラスアップを始めるのであった

 

 

 

 

 

 

 

無事仲間たちのクラスアップは終えた。本当ならフィロリアルの加護や竜帝の加護なんかがあったらよかったんだけど、無いものねだりしてもしょうがない

 

クラスアップ時仲間たちは俺に可能性を選ばせようとしたが俺はそれを拒否しそれぞれに選ばせることにした

 

みんな少し不満そうにしていたが、俺が人の人生の可能性を勝手に決めるなんてそこまで自分が傲慢であるとは思ってはいない

 

自分の生き方はみんなそれぞれ自分で決めるんだ。それは前の世界も今も変わらないだろう

 

そうして解散の流れで波の準備を始めようとした時あることを思い出し、樹を呼び止める

 

 

「なんです?拓海さん」

 

「樹は編隊機能は知っているか?」

 

「いえなんです?それは」

 

 

まぁコンシューマー出身だからこういうのは知らないか。かくいう俺もそこまで詳しくないが…

 

 

「多分あとでヘルプにも載るだろうが、波での戦いは大規模戦闘で発生場所に転送されても勇者パーティしか転送されない。だからどうしてもこの国の騎士団なんかは波から離れた場所から向かってくるしかないんだ」

 

「そんな…それじゃあもし発生場所の近隣に村があった場合は避難が遅れてしまうのでは?」

 

「ああ、そのための編隊機能さ。編隊で一人を下位のリーダーに指名してパーティーを作らせている。で、一緒に一斉転送するんだ」

 

「なるほど…波での戦いはそうするんですね。では、今から城に行き王に説明しましょう」

 

「そうしたいが…今回の波では兵士たちを連れて行くのはまずいだろう」

 

「なぜです?」

 

「兵士共の中には盾の勇者を嫌ってる連中も多いってことさ。今の尚文のレベルだと最悪…」

 

 

実際範囲魔法で尚文ごと焼き払おうとしてたからな

 

樹は苦虫を嚙みつぶしたような顔で納得する

 

 

「はぁ……まったくこの国は…」

 

 

樹は溜息を吐く

 

 

「だから今回は転送され次第近隣の村の避難をしてそれが終わったらすぐに波のボスに向かう方針でいこう」

 

「わかりました。僕もその方向で準備を整えてきます」

 

「よろしくな」

 

「ええ」

 

 

俺たちは解散し波の準備を始める

 

 

────────────────────────

 

 

俺たちはそれぞれ戦闘に役立つ治療薬や魔力水、更に村人たちを避難させるための道具を仲間たちと手分けして用意する

 

 

おそらく原作通りならリユート村付近が発生源だろう。騎士団が到着したとはいえそれまでにかなりの被害が出たはずだ、そのためにもしっかりと準備を進めていく

 

 

そのあと親父さんの武器屋に行き防具を取りに行く

 

 

「おう!剣のアンちゃん!」

 

「親父さん、頼んでいた装備はどんな感じですか?」

 

「もちろん出来てるぜ!今持ってくる」

 

 

親父さんは店の奥から俺が着る防具を持ってきた

 

 

インセクトベスト

 

 

 防御力アップ 衝撃耐性(中) 斬撃耐性(小)  攻撃力上昇(小)

 

 エアウェイク加工

 

 

 

これはこの前倒した甲虫系の魔物をベースにしてるのか?鉄と甲虫の素材で使われた冒険者っぽい見た目だな

 

それにしても色んな性能がついてるな

 

 

「どうだ?ちょっと着てみてくれ」

 

「はい」

 

 

俺は着ていた防具を脱ぎ新しい防具に着替える

 

見た目の割に重くないな、これがエアウェイク加工の効果か…

 

 

 

「着心地はどうだ?」

 

「問題ないです」

 

「おう、あとは仲間たちの分の装備も渡しておくぜ」

 

「ありがとうございます!」

 

「ああ、波ではがんばれよ!」

 

「もちろんです!」

 

 

 

 

 

おれは親父さんから装備を受け取り武器屋を後にし、仲間たちと波の準備の最終チェックをする

 

いよいよ明日、波を経験することになる。原作通りとはいえ何が起こるのか未知数だ…

 

油断せずに気を引き締めて行こう

 

 

 

 

 




リアルの用事でしばらく更新が難しいです。私事ですが、誠に申し訳ありません
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