『異世界で勇者召喚されたけどなんか勇者多くね?』   作:じぇのざうらー

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続きです


ドラゴン

 

 

あたらしい仲間2人が加わり少々大所帯になってしまった俺たちは東の村へ向けて旅を続けていた

 

 

「ふんっ!」

 

「ていっ!」

 

「ガァァァ!」

 

 

その道中、魔物を狩りながらレベルを上げていく

 

 

『力の根源足る。剣の勇者が命じる。理を今一度読み解き、大いなる植物よ。彼の者を縛れ!』

「ファスト・プラントバインド!」

 

 

最近覚えた植物系の魔法を使う、すると蔓状の植物が魔物を拘束する

 

 

「ツヴァイト・アクアアロー!」

「ツヴァイト・ファイアボール!」

 

「疾風蹴り!」

「連続斬り!」

 

 

 

「ガアアアア…」

 

 

 

何度か戦闘を行ってだいぶ連携も慣れてきている。ちなみ俺たちの戦いでの立ち位置はこんな感じだ

 

 

 

近距離:ファリー、シオン

 

中距離:俺、ウェルト、テオドール

 

遠距離:テルシア、バクタ―

 

 

 

 

現段階のパーティの役割はこんなところだろう

 

 

 

 

「みんなお疲れ様、シオンとテオドールもだいぶ連携が取れてきたな」

 

「ええ、やはり亜人ということでしょうか身体能力の面ではかなり活躍していますね」

 

「テオドールは腕の方はどうだ?」

 

「はい、テルシアさんに魔法をかけてもらい痛みは和らいでいます。ただ…」

 

「わたしも専門ではないので詳しくは分からないのですが、亜人特有の病らしく今は回復魔法で痛みを和らげるぐらしか今は何とも…」

 

 

異世界人特有の病気か……俺も詳しくないから専門の人が診ないとやっぱりこればっかりは難しいか

 

 

「とりあえず、テオドールは腕が良くなるまで戦闘にはあまり参加させないほうが良いな」

 

「すみません、役に立てず」

 

「気にしなくて良いよ、後々専門の人に腕を診せてもらおう」

 

 

そんな話をしている最中草むらの方からガサガサと音がする。また魔物か…そう思い戦闘態勢に入ると

 

 

「グルルㇽㇽ」

 

 

出てきたのは2足歩行のトカゲ…いや竜種か?よく見ると鞍なんかが付いている

 

 

「……なんだこいつは?」

 

「これは……どうやら騎竜の様ですタクミ様」

 

「騎竜?」

 

 

騎竜って騎士団とかでたまに見るあの竜のことか?

 

 

「なんでこんなところに?」

 

「おそらく持ち主から逃げ出した個体でしょう。このまま放置するのは生態系に良くないと思われますがどうします?」

 

「どうするって言われてもな…」

 

 

とりあえず騎竜に近づいてみる、最初はこちらを警戒していたが人に慣れているのかすぐに大人しくなる。試しに撫でてみると喜んでくれたのか嬉しそうな鳴き声をする

 

 

「グルルルル♪」

 

 

意外とかわいいな…、ただどうしたもんかこいつ。持ち主を探して返した方がいいのか?

 

 

「こっちの方に逃げた痕跡があるぞ!」

 

 

ふと騎竜が出てきた草むらの奥から人の声がした、そしてでてきたのはメルロマルクの兵士が数人

 

 

「おい、いたぞ!」

 

「まったく勝手に逃げやがって」

 

 

騎竜が兵士たちを見ると俺の後ろに隠れてしまう。なんだ一体?

 

 

「おい、そこのおまえ。そこの騎竜をこっちに渡せそいつは処分するよう上から命令されている」

 

「処分って…殺すことか?なんでそんなことするんだ?」

 

「そんなことお前に関係ないだろ!さっさとこっちに渡せ!」

 

「お、おい……。もしかしてあの人」

 

「あん?なんだよ」

 

 

兵士の一人が俺に気付いたようだ

 

 

「も、もしかして剣の勇者様でしょうか?」

 

「ああ、剣の勇者の拓海だ」

 

「な!た、大変失礼いたしました!」

 

 

さっきまで口調の荒かった兵士が手のひら返したように態度を変える

 

 

「いいよ別に。それでさっきの質問だけど、なんでこいつを処分なんかするんだ?何か悪い病気でも罹ってたのか?」

 

「い、いえ…そうではなく。マイン王女からのご命令で…」

 

「王女の?」

 

 

あのクソ女絡みか

 

 

「はい。先日槍の勇者様と盾の勇者とでレースが行われまして」

 

「レース?」

 

 

そんなこと原作であったか?………いやあったな、確か書籍版の村を賭けたレースでフィーロに乗った尚文とドラゴンに乗った元康とで勝負してたな

 

 

とするとこいつはその時元康が乗ってた騎竜か…

 

 

「結果は槍の勇者様が盾の勇者に負けてしまい。その後怒った王女が槍の勇者様が負けたのは乗っていたその騎竜の所為だと申しまして……」

 

「それでこいつを殺そうとした時に逃げられて今に至るって訳か?たかがレースに負けたぐらいで理不尽過ぎやしないか?」

 

 

ま、あのクソ女ならやりかねないな。そして巻き込まれたこいつも散々だな

 

 

「それで剣の勇者様。できればその騎竜をこちらに渡して頂けないかと…」

 

「悪いが断る」

 

 

あのクソ女の犠牲者は少しでも減らしてあげないと。たとえ魔物だろうとな

 

 

「で、ですが…」

 

「王女からは剣の勇者が気に入ってしまい渡してしまったと言っといてくれ」

 

「タクミ様その騎竜を引き取るのですか?」

 

「ああ、ちょうど魔物を育ててみようと思ってたところだしな」

 

「そうですか」

 

 

それに勇者が育てたら成長性が大きく上がってこいつも戦力として役に立ってくれるだろうし将来荷馬車を引く力も得るかもしれない。パーティ数の多い俺らとしては後々役に立ってくれそうだ

 

 

「わ、わかりました。剣の勇者様がそう言うのでしたら我々も何も言いません」

 

「すまないな」

 

「はっ!では失礼いたします」

 

 

兵士たちが去っていく

 

 

「グルルルル」

 

 

騎竜が顔を俺に寄せて頬擦りしてくる。おそらく感謝のつもりだろう

 

 

「おまえも大変だったな、危うく殺されそうになって」

 

「グルゥ」

 

「さて、引き取ったからにはおまえ呼びもマズいよな。名前を付けないと」

 

 

何が良い?というかこいつはなんていう種のドラゴンなんだ?ぱっと見某恐竜映画によく出る獣脚類のような見た目だが…

 

 

「うーむ…ならお前の名前はラプトにするか」

 

「グルゥ!」

 

 

どうやら気に入ってもらえたようだ。しかし助けるためとはいえ、ただでさえ大所帯なパーティにラプトが加わって7人と1匹になってしまったな……。どうするべきか…

 

 

 

ま、とりあえず何とかなるだろう

 

 

 

 

そろそろ例の村に到着する頃だ。ラプトには荷物持ちをさせてもらっているが、これがかなり役に立ってもらっている。ラプト自身もあまり苦ではなさそうだ。

 

 

村の入り口付近が見えてくると村人と思わしき人が出迎えてくれる

 

 

 

「ミルソ村へようこそ、こちらには何の御用で?」

 

「剣の勇者の拓海です。ドラゴンの依頼を受け、ここに来ました」

 

「おお剣の勇者様!良かった!直ぐに村長をお呼びします!」

 

 

結局ここまでの道中ガエリオンをどうするか考えてみたが何も浮かばなかった。下手に討伐したらウィンディアのこともあるし、かといってガエリオンと説得できる自信はあまりないしどうするべきか……

 

 

「おお、剣の勇者様。お待ちしておりました。ささどうぞ詳しい話は中で」

 

 

なんて考えてたら村長がやってきて村の中を案内される。詳しい話を聞くと特に依頼内容と変わりなく近隣に住むドラゴンの被害が増えてきているので対処してほしいとのこと

 

 

「わかりました、出来る限りのことはします」

 

「頼みましたぞ、剣の勇者様。今日はお疲れでしょう?この村の宿をお使いになると良いでしょう」

 

「お気遣い感謝します」

 

 

村長にそう言われ俺たちは宿で休息をとる

 

 

 

 

翌日、準備を整えた俺たちはガエリオンの住む山へ向かう

 

 

道中の襲ってくる魔物は蹴散らしていくが、ガエリオンの配下っぽい魔物は襲ってきたら反撃するが、勝てないとわかると逃げ出し深追いせず見逃していく

 

 

 

できればガエリオンとは敵対したくないからあまりこちらの印象を悪く思われたくない

 

 

 

しばらく山道を登り続けていると開けた場所に到着する。辺りに魔物の姿も見えないし、ここを拠点にしてガエリオンを探すか…そう思っていると空の方で

 

 

 

ギャオオオオオ!!!

 

 

 

という鳴き声が聞こえ一際大きい巨体が空からやって来た。4足歩行の巨大な竜、間違いないおそらくこいつがガエリオンだろう

 

 

 

「みんな来たぞ!」

 

「「はい!」」

 

 

今の俺たちのレベルだとガエリオンを最悪殺しかねない、ここは慎重に戦わないと

 

 

「今回は俺が様子を見ながら戦う!みんなは後ろで援護を頼む!」

 

「わかりました!」

 

「ギャオオオオオ!」

 

 

と話しているといきなりブレスを吐いてくるので散開する

 

 

 

「お前の相手は俺だ!エアストバッシュ!」

 

「ギャオ!?」

 

 

スキルが当たるとガエリオンに血が噴き出てくる

 

ヤバッ!最小限に威力を抑えたのにコレでもダメか!いくら最弱の竜帝って言っても限度があるだろ!

 

とりあえず全然強化のしていない剣に変え再度戦う

 

 

「ギャオオオオオ!」

 

「くッ!ブレードガード!」

 

 

殺さないように手加減して戦うってかなり難しいな。相手はこっちを殺す気でかかってきてるし

 

途中ブレスを吐いてくるがスキルや魔法で防いでいくが防戦一方だな

 

 

「グルルルル…」

 

 

しばらく戦っているとガエリオンも疲れたのか少し息を切らしている

 

 

今がチャンスだな…、俺はガエリオンに急接近する。ガエリオンも爪で応戦し剣と爪の鍔迫り合いになる。俺はこの機に小声でガエリオンに話しかけてみる

 

 

「俺はこの世界に召喚された剣の勇者だ。あなたと1対1で話がしたい、なのでひとまずここは引いてください」

 

「ギャオォォォ!」

 

「あなたが人の言葉を解するのは知っていますだから…」

 

「ギャオォォ!」

 

 

聞く耳持たずか…仕方ない…

 

 

「あなたの亜人の娘さんにとっても重要な事なんです」

 

「ギャウウ!!?」

 

 

一瞬ガエリオンの動きが止まったな

 

 

「なのでここはひとまず引いて、このあと俺と話をしてください」

 

「グルウゥゥゥ…」

 

 

ガエリオンは一瞬の思考を挟んだ後その場で飛び立ち、山の奥の方へ飛んでいく

 

よし、何とか話を聞いてもらえそうだ

 

 

「みんな!俺はあいつを追いかけるからここで待っていてくれ!」

 

「タクミ様!?」「無茶な!?」

 

「大丈夫だ!心配するな!」

 

 

 

半ば強引に仲間たちと別行動しガエリオンの後を追う

 

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