『異世界で勇者召喚されたけどなんか勇者多くね?』   作:じぇのざうらー

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続きです


穏便に解決

 

 

ガエリオンの後を追うため山の奥深くまで進んでいくと川原が見えてきた、すると反対側の森の方から大きな影が現れた

 

 

「ふむ、来たか…剣の勇者よ。……して、我に何の用だ」

 

「まずは先ほど負わせてしまった傷を治させてください。ツヴァイト・アクアヒール、ファスト・アロマヒール」

 

 

俺が魔法をかけるとガエリオンに負わせた傷がみるみる回復する

 

 

「ふむ、これ以上の治癒は不要だ。…本当に我と敵対するつもりはないようだな」

 

「はい、今回俺は国の依頼で東の村のドラゴン退治……つまりあなたを討伐するように言われここに来ました」

 

「……では、何故我を殺さん?先ほど戦ったところ汝は我を殺すことが出来る力量を持ている筈であろう。てっきり我はそなたが所持する竜のために我の欠片を奪いに来たのかと思ったぞ」

 

 

しまった、ラプトを連れてきたから警戒されてしまってたのか

 

 

「いえ、あなたの持つ欠片ではなく貴方自身に用があったんです」

 

「ふむ?」

 

「俺には少し事情がありましてね。あなたには話しますが俺には未来の知識があるんです」

 

 

ガエリオンが目をぱちくりさせる

 

 

「……俄かには信じられぬが…先ほど汝が我に亜人の娘がいると申していたな…、試しに娘の名を当ててみよ」

 

「……ウィンディア、ですよね?」

 

 

するとガエリオンは大きく目を見開き

 

 

「!?……なるほど、どうやら本当のことの様だな。いまだ信じられぬが……つまり我があの娘に対して将来どう思っているのかも汝は知っていると?」

 

「ええ、いずれあなたは娘さん、ウィンディアちゃんを人の世に戻してあげたいのでしょう?」

 

「それも知っておったか…、ああそうだ我はいずれあの娘を人の世に戻してあげたいと考えていた。今はまだ幼いが、大きくなればなるほど人の世に戻れなくなる。機会があればと考えていたが…」

 

 

やはり原作同様、娘想いなドラゴンなんだな

 

 

「ええ、それも知っていた為俺はなるべくこの件を穏便に解決したかったんです。もし仮に俺がこの依頼を拒否したとしてもおそらく別の誰かがあなた達の幸せを壊してしまう。それはなるべく避けたかったんです」

 

「ふむ、なるほど。して剣の勇者は我に何を望む?」

 

「俺からの要望はなるべく村への干渉は控えてください。今回の依頼もそれが原因で発生したはずなので」

 

「ぬぅ…、人間共のいいなりになるようで不快だが、仕方あるまい。配下たちにはあまり人里に下りぬよう伝えよう」

 

「ありがとうございます。それと…これは出来ればで良いのですが、俺と俺の仲間たちにあなたの竜帝の加護を授けて戴きたい」

 

「ふむ、何故我が加護を求める?そなた等人間たちは龍脈法を覚えずとも人間たちの魔法を使えるではないか?」

 

 

そうか、今のガエリオンは持ってる欠片の数が少ないから知識も比例して少ないのか

 

 

「これも未来の知識なんですが、勇者は魔法と龍脈法の力を合わせた勇者専用の魔法をいずれ習得できるんです。そのためにもいずれは龍脈法は習得しないといけないんです。それと今はレベルでどうにかなっていますが仲間たちは人間の力だけだといずれ限界が来るはずです。そのため加護を受けてもらいに少しでも可能性を広げてあげたいんです」

 

「…なるほど、汝の願いはわかった。ではその願いを叶える代わりに我の願いを聞いてくれぬか?…と言ってももう既に汝は大体察しているとは思うが」

 

「ウィンディアちゃんのことですよね?」

 

「そうだ、先ほども申したが我は機会があればウィンディアを人の世に戻してあげたい。そして剣の勇者にはそれが可能であろう?」

 

 

確かに引き取るのは可能だ。またパーティが増えてしまうが…仕方ない。だが…

 

 

「その件については少し時間を頂けませんか?」

 

「…それは何故だ?」

 

「まずはこの国の問題について話さないとですね……」

 

 

俺はガエリオンにこの国で起こっている問題について話をした

 

 

「ううむ、なるほど…亜人に厳しい国と理解しておったが、よりにもよって盾の勇者の差別とはな……なんとも愚かな」

 

「ええ、ですが後々三勇教も撲滅しいずれメルロマルクは四聖教に改宗するはずです。その時には差別意識もある程度は緩和されているはずです。もしウィンディアちゃんを俺たちに託すのでしたらそのタイミングが良いかと」

 

「汝の言う未来の知識が正しいのならそうなのであろう。わかった、では然るべき時が来たらそなた等にウィンディアを託すとしよう。我が竜帝の加護もその時に授けるとする」

 

「あと………これは余計なお節介かもしれませんが…俺に託す前にウィンディアちゃんとはしっかりと話をするべきだお思います」

 

「ぬぅ…」

 

 

ガエリオンの顔が若干曇る

 

 

「確かにあなたの考えも分かりますしウェインディアちゃんを実の娘の様に愛しているのも分かります。ですが同時にウィンディアちゃんもあなたを実の親の様に愛しています。このまま何の説明もなしにただ別れさせるのは俺はどうかと思います。人様の事情に首を突っ込むのは烏滸がましいと理解していますが、まだ時間があるのでゆっくり時間をかけて説得してからの方がお互いにとって俺は良いと思っています」

 

「………はぁ、わかった。出来る限りのことは我もする。ただそれでもウィンディアが嫌だと申したら我も酷だが無理にでもここを出て行かせる」

 

「……わかりました。説得が上手くいくことを願っています」

 

「無論だ」

 

 

 

 

 

 

 

「では俺はこれから仲間たちと合流した後村に戻りあなたのことを上手く誤魔化しておきます」

 

「わかった。我も配下たちには人里付近に近寄らぬよう言っておく、…そして時が来たら先ほどの件頼んだぞ」

 

「ええ、わかっています」

 

「ではそうだな……そなたの持つ剣を掲げよ」

 

「?…こうですか?」

 

 

俺はガエリオンに言われるがまま剣を掲げるとガエリオンは何か呪文を唱え始める

 

 

『我、ガエリオンが天に命じ、地に命じ、理を切除し、繋げよう。ここに我、新たな祝福として力を授けようと大地に願う祝福されし者に、龍脈の加護を……』

「ドラゴン・ブレスシール!」

 

 

カッとガエリオンが放った魔法が俺に降り注ぎ、やわらかな光が剣に吸い込まれていく

 

「前金代わりにそなたのみに加護を掛けた。これでそなたも龍脈法を使えるようにはなった。…が、どちらにせよ指導する者がおらぬ限り習得は容易では無い。ウィンディアを託した際に後々教えて貰うとよい。あの子もこと龍脈法に関してはかなり腕が良いからな」

 

 

そう自慢気に話すガエリオン

 

つまり手っ取り早く龍脈法を使えるようになるためにはどちらにせよウィンディアちゃんを仲間にしないと覚えられないということか。中々抜け目がないなガエリオン

 

 

「それと少ないがこれも渡そう」

 

そういうとガエリオンは自分の鱗一枚をはがし俺に渡す。その鱗を俺は剣に吸わせてみる

 

 

ドラゴンスケイルソードの条件が解放されました。

竜使いの剣の条件が解放されました。

 

 

「ありがとうございます」

 

「うむ、ではその時が来たらまた会おう」

 

 

するとガエリオンがその場で大きく跳躍し山の山間部に帰っていく

 

 

さて、どうなることかと思ったけど。なんとか丸く収まったな、俺も仲間たちのところへ早く戻ろう

 

 

 

 

────────────────────────

 

 

 

ステータス魔法のパーティ欄にある位置情報を頼りにしばらく歩いた後、俺は先ほど仲間たちと別れた広場に着いた

 

するとちょうどそこにテルシアとテオドール、シオンの姿が見えた

 

「タクミ様!」

 

「すまない遅くなって、他のみんなは?」

 

「それが、タクミ様を探すため皆森の方へ向かってしまい」

 

 

やっぱり一人で勝手に別行動してたらそりゃあ探しに行っちゃうよなぁ。どうするかこのまま探しに出かけたら、またすれ違うかもしれないし……

 

 

「タクミ様!」

「戻られておりましたか!」

「よかったわ!」

「ギャオ!」

 

ちょうどどうするか考えてたところで他のみんなが帰ってきたようだ

 

「みんなすまない、勝手に一人で先走ったりしてしまって」

 

「本当ですよ、もし万が一何かあったらどうするんですか!」

 

 

う、事情があったとはいえウェルトの言葉ももっともだ

 

 

「すまない、今後は気を付ける」

 

 

俺は素直にみんなに頭を下げる

 

 

「あ、いえ。タクミ様何もそこまでしなくても…」

 

「そうです。タクミ様が無事なら我々からは何も言いません」

 

「…ありがとう」

 

 

目的のためとはいえ仲間たちに心配をかけてしまって俺は情けない。これからあまり無茶な行動はせず仲間たちを信じて行こう

 

そう心に決めていたらステータス欄の剣に表示が入る

 

 

 

 

仲間の剣の条件が解放されました。

 

 

仲間の剣 0/25 C

 

能力未解放……装備ボーナス、仲間の成長補正(小)

 

熟練度 0

 

 

 

これは…仲間の剣…なのか?今この剣が出てきたってことは……俺は仲間を信頼しているってこと、なのか?それとも仲間たちが俺を信頼しているのか?

 

 

……どちらにせよこれは嬉しい出来事だ、少なくともこのままレベルを上げ続けて行けば装備ボーナスで普通の冒険者よりも強くなるはずだ。

 

 

 

 

「みんなこれからもよろしく頼む」

 

「え…は、はい!」「ええ!」

「こちらこそ!」

 

 

仲間たちとの信頼関係を実感できたところで俺たちはミルソ村に戻る

 

 

 

 

 

「おお!剣の勇者様!お戻りになられましたか!」

 

 

村に着くと村長に出迎えられる

 

 

「ドラゴンに関してはこちらで何とかすることができましたので。安心してください」

 

「おお!本当ですか!流石は剣の勇者様だ!」

 

「ですが、山の魔物たちも気が立っているようなので、しばらくは山に入らず様子見をしててください」

 

「わかりました。これで村にまた平穏が訪れることでしょう。剣の勇者様、お疲れでしょう今夜は村でお休みください。ささやかながら宴を準備してますゆえ」

 

「ああ、いえ…俺たちも次があるのでこの辺で」

 

 

後から思い出したが…、このミルソ村、原作じゃあ私欲のためにガエリオンの死体を放置してたんだよな?村の観光資源だか何だかで。そんな自分勝手な村には出来ればあまり長居したくない

 

 

「左様ですか…。少々名残惜しいですが、無理に引き留めるわけにもいきませんな」

 

「では俺たちはこの辺で」

 

「この度はありがとうございました!」

 

 

 

俺たちは早々に村から立ち去る。おそらく次来るときはウィンディアちゃんを引き取るときだろう、そう思って

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

…………………しかし、後々まさかあんなことになるとは…俺は思いもしなかった

 

 

 

 

 

 




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