『異世界で勇者召喚されたけどなんか勇者多くね?』 作:じぇのざうらー
翌朝
朝食を終えて雑談をしながら、俺たちは王様からのお声がかかるのを待った
「勇者様方、ご準備の方が出来ましたので。御同行の程お願いします。」
3人は待ってましたと言わんばかりの期待を胸に謁見の間に向う
うぅ、もうここまで来たら腹くくるしかないか…
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「勇者様のご来場」
謁見の間の扉が開くと其処には様々な冒険者風の服装をした男女が12人ほど集まっていた。その中には当然赤い髪をしたあの女がいた。
うわぁ…アレが性悪王女こと諸悪の根源ヴィッチか…、何も知らなかったら確かに騙されそうな見た目だな。
こういう容姿が欺きやすいってわかってての見た目なんだろうなぁ…。くわばらくわばら
「前日の件で勇者の同行者として共に進もうという者を募った。どうやら皆の者も、同行したい勇者が居るようじゃ」
ザッザっと仲間達が俺達の方へというか予定調和どおりに歩いてきて各々の前に集まっていく。
原作通りにいけば、確か最初に燻製が俺んとこに来なかったけ?
うわぁ…やだなぁ面倒事は避けたいんだけど…。あっちに行け!シッシ!
……願いが通じたのか、何とか元康のところに行ってくれたようだ。よしっ
しかしそれにしてもヴィッチ然り悪人ホイホイだな元康は
で、勇者たちのパーティ数はというと
元康、5人
樹、3人
俺、4人
尚文、0人
燻製が元康のところに行ってるがおおむね変わりはないだろう
「ちょっと王様!」
尚文が叫ぶ。まぁ当然だよな、しかも昨日の話し合いで仲間が必要不可欠って言ったから余計に焦ってる
「う、うぬ。さすがにワシもこのような事態が起こるとは思いもせんかった」
「人望がありませんな」
よく言うよ、尚文が盾の悪魔だから裏でこうなるように仕向けたんだろうが…
とそこへローブを着た男が王様に耳打ちをする。…おおかた昨日の話し合いのことだろうな
「ふむ、そんな噂が広まっておるのか……」
「何かあったのですか?」
「ふむ、実はの……勇者殿の中で盾の勇者はこの世界の理に疎いという噂が城内で囁かれているのだそうだ」
「はぁ!?」
「伝承で、勇者とはこの世界の理を理解していると記されている。その条件を満たしていないのではないかとな」
元康が尚文の脇を肘で小突く。
「昨日の雑談、盗み聞きされていたんじゃないか?」
「だからってこれは無いだろう! つーか元康!お前5人も居るなら分けてくれよ」
そういうとヴィッチと燻製含む冒険者たちは元康の後ろに隠れる
「まぁ……」
「偏るとは……なんとも」
樹も困った顔をしつつ、慕ってくれる仲間を拒絶できないと態度で表している。
「拓海!お前はどう思う!?昨日話してただろう!?盾は仲間が必要だって!なんとか説得してくれないか!?」
うっ、俺に話が向いてきたな…。といってもなぁ……
一応4人に首を向けてみるが、4人とも少し心苦しそうに首を振るう
だよなぁ…。
「ごめん……俺のところもちょっと…」
「均等に3人ずつ分けたほうが良いのでしょうけど……無理矢理では士気に関わりそうですね」
樹の最もな言葉にその場に居る者が頷く。
「だからって、俺は一人で旅立てってか!?」
尚文がいよいよキレだした。うわぁ…、もう見てらんないよ…
「あ、勇者様、私は盾の勇者様の下へ行っても良いですよ」
元康のところからヴィッチが片手を上げて立候補する
ついに始まっちまったよ……。言いたい、そいつが諸悪の根源だと。でも言いたくても言えない
それを言ったらみんな何言ってんだ?って思うだろうし…、最悪偽勇者扱いされて新たな剣の勇者を召喚するため殺されかねない
はぁぁぁ、ホント嫌な世界だよ
「お? 良いのか?」
「はい!」
ヴィッチが笑顔でそう言う
尚文はさっきとは一転、絵に描いたように笑顔になる。周りに味方がいない状態だから余計にそうなるか
「ふむ、他にナオフミ殿の下に行っても良い者はおらんのか?」
シーン……誰も手を上げる気配が無い…というよりあげれないんだろうな
王様は嘆くようにわざとらしく溜息を吐いた。
「しょうがあるまい。ナオフミ殿はこれから自身で気に入った仲間をスカウトして人員を補充せよ、月々の援助金を配布するが代価として他の勇者よりも今回の援助金を増やすとしよう」
「は、はい!」
俺達の前に四つの金袋が配られる。
ジャラジャラと重そうな音が聞こえた。
その中で少しだけ大き目の金袋が俺に渡される。
「ナオフミ殿には銀貨800枚、他の勇者殿には600枚用意した。これで装備を整え、旅立つが良い」
「「「「は!」」」」
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謁見が終わり。今は俺のところに集まってくれた仲間たちに自己紹介を始める
「えっと…。剣の勇者に選ばれた霧島拓海です。この世界の知識はある程度知ってはいるけど、まだまだ分からないことだらけだから教えてくれると助かる。」
上手くできたかな?そう言うと少し薄めのブロンドで軽めの鎧を着た人が話し出す
「では最初は私ですね?はじめまして私はウェルトと言います。これから、剣の勇者様のお役に立てるようお仕え致しますのでどうぞよろしくお願いします」
ウェルトさんが自己紹介をした後ローブを羽織った魔法使いの女性が続く
「次は私ですね。私はテリシアと言います。主に回復魔法や支援魔法で皆さんを援護します。よろしくお願いしますね」
次に緑髪のポニーテールで少し武闘家っぽい恰好の人が名乗る
「ファリーよ。元々テリシアとはパーティを組んでいたから多少の連携なら自信があるわ。よろしくね剣の勇者様」
最後に貴族服を着た銀髪の人が話す
「最後は自分ですね。自分はバクタ―です。攻撃魔法を得意としています。これから世界を救うため勇者様の手助けをさせてください。」
4人がそれぞれ礼儀正しく挨拶をしてくれる
やっぱ普通に良い人たちそうだよなぁ、なんかもうこれだけで癒される。さっきのひどい茶番劇を見たから余計に
ただなぁ…、剣の勇者の仲間達は原作じゃあ目立った活躍どころか最終的には霊亀の犠牲になってしまう…
っていうあんまりな扱いだったんだよなぁ
俺としてはなるべくこの人達には死んでほしくないし出来ることなら一緒に世界を救ってほしい。だけどラフタリアやフィーロのような特別な力があるわけでもないし。なによりこの世界、正確には俺が剣の勇者として歩んでいく世界が今後どうなっていくのか皆目見当もつかない
最悪、もっとひどい最期を遂げてしまうかもしれない……悩ましいなぁ。
「あの…、勇者様?」
「あ、ごめんなさい少し考え事をしていて…。それと俺は勇者様じゃなくって気軽に拓海って呼んでください」
「はぁ…。しかし、勇者様相手にそんな馴れ馴れしくするわけにはいきません。せめて拓海様と呼ばせてください」
うっ、良い人過ぎるでしょうこの先死なせてしまうのかもしれないのに心苦しい
………いや、もう俺は剣の勇者なんだここで俺がしっかりしなきゃ自分自身や彼らそれに世界を救うことすらできない
それに今後の出来事で死ぬかもしれない人たちの運命をこの剣で取り除かないと
俺は心の中でやるだけやろう。…そう決意する
しかし、未来の知識があるっていうのも難儀なもんだなぁ。あぁ…俺いつかストレスで胃に穴が開きそう。
剣の勇者の仲間たちはほとんど情報がないので勝手にオリジナル要素を付け加えていきますのでよろしくお願いします