『異世界で勇者召喚されたけどなんか勇者多くね?』 作:じぇのざうらー
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俺たちはとある草原にいた
「……ダメだ。さっぱりわからない」
「タクミ様、この文字はですね……」
今俺たちはレベル上げの休憩中に魔法屋で買った魔法書をテルシアに教わっていた。いたんだが……一向に上達する気配がない
それもそうだ。たった一日で文字を覚えられたら誰だって苦労はしない
しかも海外とかではなく異世界のだから難易度はさらに跳ねあがる
今のところ俺は2人の魔法使いが仲間にいるので先生には苦労しない…
……苦労はしない…が…やっぱり全然覚えられる気がしない。文字が似てるのもあるし、組み合わせが違うと魔法は発動しないで四苦八苦だ
「はぁ…。とりあえず文字と魔法書はここまでにしよう」
「タクミ様、焦ることはありません。少しずつ慣れてくればいずれ覚えられます」
「そうですね」
「タクミ様。では、そろそろ次の場所に移動しましょう」
「はい…」
そう言い俺たちは次の狩場に向かう、昨日話し合いをした通り他の勇者たちは別の場所で狩りをしてレベル上げをしているのだろう
ただなぁ、尚文はまともにレベル上げが出来てないんだろうなぁ。手伝ってやりたいが、武器の仕様上経験値が入らないからあきらめるしかないか
はぁ……
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「ふんっ!」
「ぴぎゃぁ!」
「ふぅ」
鶏のような魔物を倒し終えた後は解体を始め武器に吸わせたり、ドロップを確認する
コッコペックソードの条件が解放されました。
コッコフェザーソードの条件が解放されました。
コッコボーンソードの条件が解放されました。
コッコミートソードの条件が解放されました。
最初は魔物の解体にかなり抵抗があったが何度がやっていくうちにだんだんと慣れてきた
一応召喚前は料理をやってきたが、いざその生き物を殺してその肉を解体するっていうのは現代日本人からしたらかなりキツい
普段当たり前に肉を食べてきたけどこういうのを経験すると普通の当たり前ってありがたいことだと実感する
「タクミ様、お疲れ様です。まだまだ粗いですが、一応さまにはなってきています」
「ありがとうございます。ウェルトさんとファリーさんの指導のおかげです」
「そういってくれると私達としては誇らしいです」
ウェルトさんとファリーさんに戦い方を指導してもらい、ここら一帯の魔物は易々と倒せているがまだまだ動きが荒いし、結構へばってきた
段々と数をこなしていくうちにある程度は動けているがまだまだ慣れが必要だな
ついでにそこら辺の石や花等の色々な素材を吸収しては解放していき徐々に強化に必要な熟練度を貯めてきている
「そろそろ夕方ですし、今日のところはここまでにして明日に備えて近場で宿をとりましょうか」
「……そう、です、ね…」
あまり考えないようにしていたことが思い起こされる
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俺たちは宿を目指し移動する。……移動しながら俺は考えてしまう
(あと数時間したら始まってしまう。尚文を嵌めるための国の酷い陰謀が…。俺はそれがわかっていながら何もしないのか?)
(今の強さでは俺が何をやっても意味がない、余計なことをすれば何が起こるかわからない。頭では理解しているってわかっていても、結局俺は我が身可愛さに理由をつけて現実から目を背けてるんじゃないのか?)
(尚文ならどんな困難が待ち受けていてもいずれ立ち直るのを知っている。だが、その過程でどれだけの苦しみが尚文を襲う?どれだけの悲劇が尚文を襲う?)
(色んな媒体でしか目を通さなかったけど、きっと俺なんかが思っている想像以上の過酷な苦しみと痛みを尚文は受けるはずだ)
(それなのに俺はただ何もせず指を咥えて見てるだけなのか?ただこの国の現状に内心、憤るだけしかできないのか?)
(せめて…、せめて尚文のために少しでも、ほんの少しでも良い。何か状況が少しでもよくなることができないのか?)
(尚文だけじゃない、今もこの国のどこかでひどい仕打ちを受けている亜人、獣人の奴隷たちもいる筈だ。世界のため、原作の流れを変えないためといいつつ俺はそんな人達も知ってていながら見て見ぬふりか?)
心の中で無力感・罪悪感が襲い、俺は握った剣を見つめる
(なぁ剣…剣の聖霊よ。もし…もしも俺を何らかの理由で召喚したのだというのなら知っているんだろう。これから起こる未来での陰謀が、悲劇が)
剣を見つめる
(未来の流れを変えたくないし今の俺の強さでできることなんてたかが知れている。わかってはいる。わかってはいるけどただこのまま何もしないまま過ごしたくない)
ただただ剣を見つめる
(頼む!頼むよ剣の聖霊!俺に力を!一時、一時で良い。俺に少しでも、ほんの少しでもこれから起こる悲劇を良くする力をどうか!!)
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俺は剣に縋るように祈ってみる………が、ただただ何も起こらずに空虚な時間が過ぎ去っていく
ははっ。はぁ……何やってんだろ俺
やっぱり俺には何も出来ないのだろう……。そりゃそうだ当然だ、俺は何を考えてんだか…、俺はなぜか剣の勇者に成り代わったが、元はただの何の変哲もない一般人だ。ただ『盾の勇者の成り上がり』という原作を知っているだけの特別な力など何もない無力な一般人なんだ
もし俺ではない別の誰かが勇者に成り代わったらもっとうまく行動する筈だ、しょせん俺の出来の悪い頭じゃこの程度のバカみたいなことを願うことしかできないんだろうな………
自分が恥ずかしくなってくる…
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剣の聖霊の特例により剣の勇者に以下の武器の使用を一時的に許可します
ふと急に武器の欄にメッセージが入る
特例武器の解放
龍刻の砂剣が一時的に解放されました!
願力の羅針剣が一時的に解放されました!
幻影の片手剣が一時的に解放されました!
……は!?
いきなり複数の武器が解放された!?なんでいきなり!?一時的?一体どういうことだ?
「タクミ様?」「いかがしました?」
仲間たちが不安そうにこちらを見るが今はそれどころじゃない
「すまない、ちょっと待っててくれ」
俺は急いで武器を確認する
龍刻の砂剣
能力一時解放……装備ボーナス、スキル『転送剣』
etc…
残り時間8:59:48
願力の羅針剣
能力一時解放……、装備ボーナス 能力『願いの羅針盤』
専用効果 探し人探索
etc…
残り時間8:59:47
幻影の片手剣
能力一時解放……装備ボーナス、スキル『ミラージュソード』
専用効果 ミラージュミスト サイレンス
etc…
残り時間8:59:46
?????
色々なことが起こって何が何やらだが……これはもしかして剣の聖霊が本当に俺に特例で力を貸してくれているということで良いのだろうか?
俺の未来の知識とこの一時的に解放された特例の武器を使って時間の限り俺にできることをしろってことか?
…もしそうだとしたら…急がないと!こうして考えている間に武器の残り時間が減ってきている!
「すまない!ちょっとやることができたからみんなは先に宿を取って休んでいてくれ!」
「「「「タクミ様?」」」」
まず転送剣を使って……
「転送剣!」
「は!?」「消えた!?」
「タクミ様は!?何処に?」
もしかしたら…もしかしたらこれを上手く活用すれば、少なからず原作よりも状況を良くすることが出来る……かもしれない
頼むぞ、剣の聖霊…今はその力を信じるからな!
短いですがここまでです
自分で書いておきながらすごくご都合主義展開だと思ってます