『異世界で勇者召喚されたけどなんか勇者多くね?』 作:じぇのざうらー
剣の聖霊の特例で一時的に使用できた転送剣を使ったは良いがここは…
「いらっしゃい、おや?剣のあんちゃんじゃないか?」
どうやらちゃんと転送剣は機能しているようだ
「どうしたんだ?何か買い忘れか?そろそろ店を閉めようかと思ってたんだが…」
「親父さん、急で悪いんだけど安物でもいいからローブを2つほどくれないか?」
「別に構わないがいきなりどうしたんだ?」
「ごめん、いまはちょっと説明してる時間はないんだ。」
「なんだか込み入った事情がありそうだな。…まぁいい、ほらこいつで良いか?」
「ありがとうございます。お金はここにおいてくから、それじゃ! 転送剣!」
「おいおいアンちゃんお釣りは……ってあれ?剣のあんちゃんは何処に…?」
転送剣を使って次はとある酒場に転移してきたやってきた。そのとある酒場とは……
「あれ?拓海さん、どうしたんですか?」
どうやら今度は樹のいる場所にちゃんと飛べたようだ
なぜ親父さんはともかく樹の場所が分かったのかというとこれも一時的に解放された 願力の羅針剣の専用効果、『探し人探索』で俺が探している人物が何処にいるのかがわかるということださらに転送剣と併用すれば探している人物の付近に転送できるという優れもの
「樹、少し時間いいか?」
そう言い俺は樹にパーティ申請を送る
「いきなりどうしたんですか?確か勇者同士だと一緒に戦うと反発するのでは?」
「狩りをするつもりはない、少し急ぎの用事があって付いて来てほしんだ」
「はぁ……これから仲間たちと飲もうと思ってたとこなんですが…」
お前はまだ未成年だろうが…いや今はそんなこと気にしてる場合じゃないな
「少し勇者だけで内密に話がしたいんだ」
「何を話すんです?ここで話すことは出来ないんですか?」
「……もし付いて来てくれたら樹に有力な情報を提供できるはずだ」
「…まぁ、そこまで言うのでしたら…」
「よしっ」
樹は仲間達に少しだけ勇者同士で親睦を深めてくると告げて酒場から出できた
そうして人気の少ない通りに行く
「さて、いったいどこへ連れて行くのですか?」
「ああその前にまずは……ミラージュソード!」
「は?」
樹も専用効果『ミラージュミスト』のおかげで幻影状態になっているな
「上級幻影スキル……いつの間に覚えたんですか?習得にはまだまだ時間がかかる筈なのに」
「それも後で話すから今は俺を信じて付いて来てほしい」
「…まぁ、いいでしょう。そういえば元康さんと尚文さんは誘わないんですか?」
「いまその尚文のところに向かっている途中だ。元康は……元康には悪いが今回は誘わないでおく」
「?」
そう、察しの良い人なら気づいているだろうが、いま俺がやろうとしているのは『槍の勇者やり直し』のフォーブレイ、ゼルトブル編で愛の狩人ことやり直し元康が行ったループと未来知識を使った論より証拠劇だ
今の俺の原作知識と一時的の剣の力でなんとか樹にだけでもこの国の陰謀を知ってもらおうとしている
女王とメルティ王女を連れて来たかったが、おそらく連れてくる過程で面倒なことになるのは目に見えるし、制限時間付きの剣の時間をあまり安易に浪費するわけにもいかなかった
それと元康を誘わなかったのはヴィッチがどの勇者にも遭遇しないという展開は未だ見たことが無いし、どんなイレギュラーなことが起こるか予想がつかないためやむをえなかった。それに元康が愛の狩人に覚醒しないのも今後のことを考えると女に弱い今の元康よりも愛の狩人になってもらったほうが何かと都合がいい。フィーロには悪いが仕方ない
最悪元康があの女を許してしまうなんてことも起きるとも限らない
そうこうしているうちに尚文のいる宿の裏手に着いたが…やっぱり不自然に兵士が巡回してるな、ここは屋根から侵入すべきか…
「この宿に尚文さんがいるんですか?では行きましょうか」
「待った」
樹が宿に入ろうとしたんで止める
「どうしたんですか?尚文さんを誘うんでしょう?」
「いや、尚文は誘わない。とにかくこっちについて来てくれ」
そう言い、俺たちは宿の屋根に何とか登り、尚文が寝てる宿の屋上にたどり着く。そして屋上に剣で屋根に穴を開ける
「ここから屋根裏に入るんだ」
「いい加減にしてください。尚文さんと話をするならこんな事をする必要は無いですよね?」
「尚文とは話をしないんだ」
「はぁ?」
樹が眉をよせる。まぁ何も知らないとこんな態度にもなるか
「樹、俺が何をしているのか理解できないのはわかる。ただ、これにはとても深い意味があるんだ。すまないが付いて来てくれ頼む」
「……わかりました」
樹が少し不服そうな顔をしたが素直に宿の天井裏に入ってくた。あらかじめ用意していたろうそくに火をつけ中を少し明るくする
「さてと……」
俺は天井裏から小さな穴を開けて室内の様子を見れるようにする。室内では……よし、尚文がくさりかたびらを脱いで寝ているな
「尚文さんが寝ているだけじゃないですか」
樹が小声で俺に言う。
「すまんがもう少し待っていてくれ」
「あのですね……僕は拓海さんの忍者ごっこに付き合うつもりはないんですよ?」
…ヤバい。そろそろ樹が本格的にキレ始めそうだ…どうする?…あ、そうだ龍刻の砂を渡して時間を稼ぐか?元々渡すつもりだったし。よし…
っとそう思っていたらガチャリと音がした。よかった、来たな。…いや、本来ならよくないのか
「あれ? 確か尚文さんの仲間ですよね?」
樹が尚文の仲間の女を確認する
「………何か様子がおかしいですね」
するとあの女が寝ている尚文の金袋やくさりかたびら、着ていた服を慣れた手つきで盗って行く
その行動を樹は食い入るように覗き穴から見る
やがて盗るもの盗ったあの女は去り際にこう吐き捨てる
「フフフ…馬鹿な男、騙されちゃって……明日が楽しみだわ。本当に盾の勇者様はいいカモだわ」
そう呟いた後あの女は部屋を出て行った…
…知ってはいたが、いざこの場面を間近で見るとホントにクソだなあの女。今すぐここから出てたたっ斬ってやりたい衝動に駆られる…
そう内心腹をグツグツ煮やしながら樹の顔を見ると凄く真面目な表情をしている。…えっと確かこの時のセリフは…
「詰問はまだだぞ」
「何故ですか! アレは泥棒じゃないですか!犯罪ですよ現行犯で捕まえましょう!」
「それは無理だな。あの女はこの国の姫で、明日には尚文が強姦魔の罪を被せられて城に連行される」
「なんですって!?」
「黒幕はアイツ。被害者は女、その女が強姦の被害にあったと嘘泣きして騒ぐ。真実を知らない者にはどう映る?」
元康の言ったセリフをほぼ丸パクリだが問題ないだろう
「…拓海さんはこれを見せたかったんですか?」
「ああ、だがまだある。それを教えるためにもついて来てほしい」
「ですが………はぁ…、わかりました」
「すまないな」
「…ちなみにこの後は何が起こるんですか?」
「この後はある酒場で元康が酒を飲んでいるとあの女が盗んだくさりかたびらを持ってやってきてプレゼントする。仮に元康が拒否したら今度は樹の所へ行ってくさりかたびらをプレゼントする」
「盗品を渡すなんて……」
樹が嫌悪感に駆られているが、信じる半分、疑い半分で居るな
まだ自分の信じる国を信じている様子だな
とりあえず今は次の現場だ
俺と樹はローブを着て元康がいる酒場の隅で座って飲み物を飲んでいる
しばらくするとあの女が偶然を装ってやってきた
「モトヤス様ですよね?」
「あれ?君は確か…」
始まったな…
樹も一言一句聞き逃さないように聞き耳を立てている
やがて会話の最中あの女が例のくさびかたびらを元康に渡してきた
「え?良いの?」
「ええ!私からのプレゼントですわ!」
「ありがとう!大事にするよ!」
元康がくさびかたびらを受け取るするとあの女は立ち上がり
「もう行っちゃうの?もう少し俺と飲まない?」
「盾の勇者の決まりでもう帰らないと…。名残惜しいですが、モトヤス様。またどこかで!」
息を吐くように尚文の愚痴を言いあの女は去っていった
俺たちも足早に酒場を後にする
「まさか……本当の事だったなんて……これは一体どういう事なんですか?なんでこんなにも言った通りになるんです?」
やっと詳しい話を話せる状況になったな…
「驚かないで聞いてほしい。」
「………」
樹が息をのむ
「俺は未来からやって来た」