?『お願い!もうやめて!戦いたくないよ!』
俺だってしたくない。
??『そうです!もうやめてください!』
俺だって辞めたい。
円『おい、本気で来い本気で!それともなんだ?俺だから戦えないってかぁ?』
我ながら酷いことをしたと思う。
???『そうだよ!なんで私達が戦わなきゃ行けないの!』
しょうがないだろ、こうでもしなきゃ、
円『そっかぁ、なら殺す!』
プロトディケイドライバー『Attack Ride Slash』
こんなカード、仲間に、友達に、
????『なんで、どうして!?』
恋人に、使いたくない。フリでも嫌だ。
でも、
円『ほらほらぁ、死にたくないだろぉ?殺しに来い!早く!死合いをさせろ!』
?『みんな!一旦変身解除に追い込むよ!』
??『はい!』
???『OK!』
????『分かった!』
それぞれドライバーや武器を操作して必殺技を繰り出す準備をする。
そう、これでいい。これで俺が死ねばとある世界を破壊する事が出来る。
俺は1枚のカードを取り出す。
?『ファイナルアタックライドのカード…なんで、なんでよ!?どうしても戦わなきゃいけないの!?』
俺はドライバーのサイドハンドルを引きカードを取り出す。
??『…今日で、終わりにしましょう。』
?のドライバー『Lady Go!』
飛び上がってキックのポーズをとる者。
大剣、片刃の銃剣を振りかぶって此方へ走って来る者。
レイピアで刺突する為真っ直ぐに飛び込んで来る者。
俺はカードをドライバーに入れるフリをしてカードを投げ捨てる。それは、それぞれの技が当たるのに1mも無い距離。
マスク越しで分からないけどみんなあっ、という顔をしただろう。そのまま俺はサイドハンドルを戻し、変身を解除した。
?『止まれぇぇぇぇぇぇ!!』
という絶叫を耳にしながら
円『ありがとう。』
そう言った。やっと終わった…
それからは爆音の中でドライバーごと腹部を刺され、ドライバーを境目に上半身と下半身を切断され、胸部に鈍い痛みと共に莫大なエネルギーが注ぎ込まれ、首を切断された。最後に見たのは10数m吹っ飛ばされた胸部が爆散する所だった。
目を瞑ることも出来ずに遠のいていく意識の中、彼女達の微かな絶叫を聞きながら俺は死んだ。
【2024年 1月25日 07:30】
pipipi!pipipi!
円「…ぅ〜ん、はぁ。随分懐かしい記憶だな…」
今から17年前、俺は世界を守る為、恋人達や友人達に殺される道を選んだ。まさか前世の記憶と能力を持ったまま転生するなんて漫画、ラノベだけかと思ってたんだけど。まぁそういう物なんだろう。
俺、円 士(まどか つかさ)は前世、元いた世界に嫌われていた。それが発覚したのは小学生の頃。カメラで写真を撮ると必ず綺麗に撮れない。曇りなのに謎の虹彩、一眼レフで撮っても何故かネガ、挙句の果てに何も映らない。
それが分かったのと同時期から俺は理由も無く虐められるようになった。中学の終わり頃には両親すらも俺に見向きもしなくなった。ただ祖父と幼なじみだけは俺の見方で居てくれた。そんな幼なじみは中2の時に交通事故で死ぬんだが。
祖父は特撮、特に仮面ライダーが好きで当時発売されていたDVDが全て有った。昭和、平成と見ていってディケイドを見た時、不思議な感覚に襲われ気絶した。目を覚ますと何故か俺はオーロラが使える様になっていた。祖父の「やはり、貴方は…」というセリフが聞こえたが、何故かその言葉が怖く、聞き返せなかった。
中学卒業式1週間前。祖父が亡くなった。
祖父「このカードを持ってオーロラを潜りなさい。行き先はそのカードが教えてくれる。その先でかもめビリヤードと書かれた場所へ行きなさい。そしてそのカードを見せるんだ。……貴方様なら大丈夫…。」
とPUROTO-DECADEと書かれたカメンライドカードを俺に渡し、そう言い残した。
病院からの帰り道、突如カードが光りだした。そしてその光に導かれる様にオーロラを潜った。
抜けた先は祖父の言っていたかもめビリヤード。鳴海探偵事務所があるあの場所だった。
中に入って事情を説明。話を聞いてくれたのは所長の鳴海 荘吉(なるみ しょうきち)。見た目は同じだが名前が違い、仮面ライダーWに登場する鳴海 荘吉とは違い普段はハードボイルドだがノリが良く、ユーモアに溢れた人だった。彼にカードを見せると、とある箱を持ってきて昔話を始めた。
話によると俺は大ショッカーが作り出したディケイドの試作品らしく、祖父は俺の教育係だった。俺は大ショッカーが想定した結果を出せず失敗作として廃棄処分。それに嫌気がさした祖父は大ショッカーを抜け俺の元いた世界へ渡った。まさか孫が廃棄処分された俺になるとは夢にも思ってなかったらしいが。
持ってきた箱の中身は真っ黒で左のサイドハンドル部分が覆われたディケイドライバー、プロトディケイドライバーだった。こうして俺は仮面ライダープロトディケイドとして戦うことを決意。ショッカーやクライシス帝国を含め、約50近い組織と戦う事になった。
そうして戦い続けたある日、クライシス帝国は俺に協力を持ち掛け、断れば地球を滅ぼすと脅してきた。地球を欲しがっている、と元いた世界の知識と同じだと思っていた俺は1度拒否しようと考えたが、乗ったふりをして怪魔界へ行くと、そこには地球破壊など屁でもないと言わんばかりの大量の兵器がそこにはあった。
偵察と称して地球へ戻ると俺は裏切り者にされていた。そうなると、もう居場所は怪魔界しかない。そこで思いついた。クライシス帝国消し飛ばせばみんな少しは楽になるよね?と。最初は死ぬ事なんて考えていなかったが、どんどん難しくなっていき、最終的に好きだった子達に吹き飛ばされて終わった、という訳だ。
でもただ死んだ訳じゃない。俺の死をトリガーにクライシス帝国の武器庫の弾薬やミサイルが爆発する様に仕掛けておいた。ちゃんと機能してくれてたらいいんだけど。
そんな訳で俺は今、何故かこの記憶を持ったまま、オーロラも使える状態で転生し、高校2年目が終わろうとしていた。
今の家族はとても仲が良く家族で経営しているカジノバーで生計を立てている。
登校準備を済ませリビングにいる両親に挨拶。朝飯を食べて登校。
授業を受け昼飯食べて下校、の1時間前。
世界が変わった。
【14:15 高校 HR教室】
教室にある全てのスマートフォンが一斉に鳴り響いた。ざわつき始める教室。どうやら他のクラスも同じらしい。スマートフォンを起動させると画面にとある人物が映った。
?????「初めまして地球人の諸君。私はGOD秘密警察の大幹部、アポロガイスト。」
うわぁ、秘密結社の癖に堂々と挨拶してる…。
要約すると、
地球侵略しに来たよ
労働力が欲しいから余り人間を殺したくないよ
今から1週間猶予を与えるから確り悩んで検討してね☆
と、言う事らしい。ベルトとカードがあれば変身して戦ってるんだが。どうしたものか。
…あの世界に行って戦ってくれるライダーを連れてくるか?でも、顔は変わってないにしても俺だと信じてくれなければ来てくれないだろう。そもそも俺だと分かれば警戒して来てくれない可能性もある。自業自得だな。…土下座する覚悟で行ってみるか。
とりあえずその日は普通に授業があり、学校から帰宅した俺は口元まで隠せるネックウォーマーと帽子を身につけ、再びあの世界へ渡った。