狼さん@がんばりたい 作:葬炎
『おい、早く買ってこいよ』
『金出してやってんだから優しいほうだろー?』
「えぇ……でもこれじゃ少し足りないよぅ……」
『そんくらいお前が出せよ。ほら、早く行け』
バキッと、なにかを殴りつける音が周辺に響き渡る。
「ぇうっ」
そこは路地裏のような場所で、二人の大柄な制服を着崩した男が一人の同じ制服を着た背が低い男を殴りつけていた。
殴られた衝撃で倒れた男はこれ以上殴られるのは嫌だと、震える足に力を入れフラフラと歩き出す。それを確認した二人の不良と思われる男は満足したように談笑を始めたようだ。
「くそう、くそう、なんで僕だけこんな目に……。いじめられるほうにも理由がある? あったとこで結局はいじめるほうが悪いんじゃないか……」
ぐちぐちと不満を口にしながらも男たちに言われた物を求めてコンビニに向かう。
「だいたいなんだよ。僕だって普通に高校生活をしようとしただけなのに『お前チビだからこれから俺たちのパシリな』って。今時小学生でもそんな理由でいじめたりなんてしないよ……。つまりあいつらの脳みそは小学生以下。僕は高校生だから我慢しなきゃ……」
小さな声でボソボソと悪口を言うことで自分の中で落とし所を着ける。それで少し気が晴れたのかさっきまでフラフラだった様子が嘘のように確りとした足取りとなった。
「そうだ……あいつらは餓鬼、僕は高校生という大人。少しくらい我慢してやっても……我慢……がまん……できるわけがないっ」
しかしそれも一瞬のこと、今度は道路の真ん中で下を向き足を止め、ギリリと歯を食いしばる。
なんだかんだ言って自分を納得させようとしても彼は高校生、いじめている男たちと同じ年代で同じ子どもなのは変わらないのだ。
「そうだ……今までずっと我慢してきたんだ……小学校も、中学校も、高校も……。だったらもう解放されていいじゃないか……」
喉の奥から絞り出すように声を出す。
それは今までずっと虐げられていた者の恨み、辛み、悲しみが詰まっていて、彼の目元には涙が溜まっている。
そこで彼はなにかにハッ、と気づいたように顔が上を向いた。
「そうだ、ずっと我慢してきたんだからもう解放されていいんだ。だったらあのいじめてくる二人から―――」
それはなにかを決心した顔。
彼は理不尽な今に抵抗しようと決め、そして一歩踏み出すために―――
「―――逃げよう!」
逃げる決意をした。
今までずっといじめられる側だった彼が喧嘩なんて得意なわけがなく、なにがあっても、呼ばれても逃げ、殴られる前に逃げ、何事からも逃げるという選択をした。
それは前に進もうという決意なのか後ろ向きに逃げようという決意なのか、今は、これからも、誰もわからない。なぜなら―――
ププー!
「……えっ?」
音に反応した彼が向いた先にいたのは、自分に向かって爆走している一台のトラックだったのだから。
ガシャーン!
__________
「ここは……一体?」
私の小説は基本プロローグは短いです。
始めましての人は始めまして。葬炎です。
実は他の小説書いてるので余裕はないんですが、息抜きと新しい書き方及びシリアスの練習のためにこの作品を書き始めました。
なのでこの作品の投稿はかなり不定期に―――それは他の作品でも同じだった。失礼。この作品もかなり不定期になります。
できればシリアスな上に感動というかそんなシーンも……無理だな。私にはそんなの向いてない。
できれば成長物語というか、そんな感じにできたらなと思います。
感想・批判・意見・指摘などはいついかなる時でも待ってます。葬炎でした。
あ、タイトルは超適当なんでなんかいい案があればよろこんで採用します。