狼さん@がんばりたい   作:葬炎

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第三

謎の少女との出会いから更に十数年経った。しかし山は相変わらずそのままの姿で―――というわけではなくなった。彼が住んでいる山には、詳しく言えば彼が住んでいる山の周りには少し変化が訪れている。

 

 

 

ある日のことだ。

 

 

「んー、今日も魚を捕りに行くかーーーーーな?」

 

いつも通り近くに流れる川に生息する魚っぽい魚類らしきなにか(干すと美味しい)を捕獲しに行こうと寝ぐらの巨大樹から這い出た時だった。

 

―――山の周りを、白く巨大な壁が囲っていた。

 

「……ウォールマ◯アかな?」

 

そんなことを呟きしばらくぼーっとした後、現実逃避気味にいつも通りの日常に戻っていった。

 

 

―――回想終了。

意味わからないだって?俺だって意味わからないよ。と、山の主(笑)の某銀狼氏は言う。

その日の前日にはなにもない、いつも通りの山だったはずなのに、寝て起きた次の日にはいきなり巨大な壁で囲われていたのだからそうも言いたくなるのだろう。

だがしかし泣いても笑っても壁が消えることはない。泣いても笑ってもいないが。

 

壁が現れたのは今から数えて数週間前(今の今まで気のせいにならないかなーと現実逃避してた)、いきなり突然パッと現れたのだ。なんの兆候もなく。だがしかし彼はなんとなく察しがついていた。

 

(……あの綺麗な、まるでコンクリートのような見た目の懐かしすら感じる綺麗な壁は、どう考えても人間が作った、作るやつだよなあ)

 

そう、まるでその壁は、彼が前世で人間として生きていた頃は飽きるほど、360度どこ見回しても視界の端っこには絶対見えるくらいにいっぱい建ってたマンションとかと似たような色彩の感じがする壁なのだ。これを人造と言わず何造と言うのだろうか。

しかしこれは一つ、どころではなくいくつもの疑問が残ってしまう。

 

(……あるぇ〜? 確か何年か前に行ったあの人里はこんな壁作れるほど文明が発達してたっけ〜? しかも一晩で俺に気づかれることなく。……はっ、もしかして俺はスタ◯ドの攻撃を受けて!? なわけないかー。いやー、人類の文明の発達ってーのは早いもんですなー)

 

しかし疑問はあれど彼の巨大な体に反してミニマムな脳みそは理解が追いつかなかったため考えることをやめた。

そして今日も答えが出なかった彼は、またいつも通りの日常に戻る。

まあどうせ壁が建造されたとこで山ん中は変わることなかんべ。と、甘い考えをしながら。

 

 

 

 

__________

 

 

 

 

山の麓にある人里。

それは世界の水準で少し文明が遅れつつも普通の人里だった。そう、だった(・・・)

しかし一人の天才が産まれ、その後、天才によって神という存在が人里の中で認知された瞬間、爆発的な変化と文明開化が始まる。

 

まずは変化。これは天才の子を始めとして人里の様々な人間が異能力を発現するようになった。

ある者は1kmほど先で物を落とした物を音を見聞きでき、ある者は異常なほど道具の使い方が上手くなり、ある者は半透明な壁のような物を発生させるなど多種多様であった。

それに一貫性はなく、また近い血縁でもなければ一人一種と言っていいほどにバラバラで有用な物ばかりだった。

 

それを村の人間は最初忌み嫌っていたが、事実と受け止めた瞬間それは人間にとって最高の武器となった。

 

まずは村全体を能力による壁で覆った。襲いかかってくるものだけ弾き返せるようなものを。似たような能力を持ったものと数人で。

そこらへんの妖怪や天災では覆せないほどの強度が確認されたら次に天才を始めとした道具を扱うことに秀でたもの、長年の作業により知識が豊富にある老人などによって効率化を推し進める。

素手―――道具―――果ては自動で動く絡繰り。

どこから出てくるのか天才がもたらす知識、未知の物質―――未来では鉄などと呼ばれたりする鉱石や他様々な物を天才に指示された能力者が指示された通りに製錬し加工していく。

その間にも人間は発展し増えていき、中には天災を自ら引き起こしたり時間空間という概念を歪める者すら出てきた。

最初は迫害されていたが力をつけ人類の、村の役に立つとわかった瞬間また一つの歯車となり動き出す。

 

 

それすらも取り込み更に、貪欲なまでに発展していく人間の姿はさながら―――全てを飲み込み尚も止まらない怪物のようだった。

 

 

 

「……こんなものかしらね」

 

それら全ての起点、始まりとなった天才の元少女は、全てが様変わりした村を、村の中心に建てられたタワー ―――通称監視塔から一望しつぶやく。

その瞳に映るは表面上は理想的な世界になった、ほとんどが人間がやらずとも自動で全てをやってくれるようになった村か、その村の外にある神の住むという伝説(・・)がある山か。

 

「……もう、私の手を完全に離れて独立した、してしまったこの村の人間たちはあの方の住む山をどうするつもりなのかしら」

 

監視塔と言われる所以は、この塔には村の全ての場所に死角なく設置されている監視カメラの映像が全部管理されている場所だからだ。塔の中心にある柱に設置されたコンソールを操作することにより村の中で起こってることでわからないことはない。

 

そのコンソールを操作するためのキーボードを叩きある映像を出そうとする。

 

 

―――その情報を表示をする権限を持ち合わせておりません―――

 

 

が、出るのはエラー表示。

 

「……やっぱりあの権力で腐った老害共がなんかしてるのね。作った私が権限無いって何よ」

 

ため息をつく音がキーボードを叩く音と共に他に誰もいない部屋に響く。

自分で作った物だしハッキングして無理やり情報提示させることは簡単だが、その後のなぜハッキングしたのかということを何時迄もネチネチと言及してくるのだ。故にあらゆる情報を引き出し全てを奪おうとするあの老害どもとは話したくない天才は諦める。

 

ハッキングの痕跡を残さず完璧に抜き取ることは簡単だ。それを製作者である天才以外に気づかれることはない。ではなぜ天才は老害共にバレることがわかるのか。

それは簡単だ。前に実際やってなぜかバレたのだ。

原因はわからないが恐らくは老害が囲いこんでいる能力者の一人の能力によって気づくのだろう。

そしてハッキングがバレたゆえに村に置ける自分の立場は低くなった。自分の私利私欲のために〜〜やら、個人情報を抜き出し〜〜などの話しを老害共は村の有力者の集まる会議で持ち出してきて、満場一致で格下げ、危うく最悪の犯罪者にまで仕立て上げられるとこだった。

リーダーとなり村の皆を統率し発展させていったのも今は昔。もう何百年も前(・・・・・)のことだ。今は自分を蹴落とした老害どもがこの村のリーダーとなっている。

 

自分はおそらくこの村にはもう必要ないだろう。ならいっそあの山の、自分を救ってくれた神に全てを捧げようかと思った、その時だった。

 

自分の知らない間に打ち立てられた知らない計画によって彼の山が壁で囲われたのは。

 

嫌な予感がする。

 

なにかとんでもないことを自分が知らない間にしてしまったような嫌な予感が。

 

その予感はそう遠くない内に的中することになる。

だけど今はかんけkどzばdb

 

ふぃzばあおdんwくぉs

 

」'い^・あー*・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……村長。八意様の脳に仕組んでいた術式が破壊されました。まだ正気のようです」

「ほっほっほ。さすが八意様。いくら絶望させても心は全然壊れませぬな。このままでは洗脳が―――」

「やはり心の支えとなっているアノ神の住むとかいう伝説の山を壊すしかありませんね」

 

「そうですねえ……まだまだ私達(・・)のためには生きて、様々な便利な物を発明していただかなければ困るのですよ八意様」

 

暗い部屋に嗤い声が響く。

 

深く、深く、暗闇に誘い込むかのような嗤い声が。




久しぶりの投稿なのにものっそい短い。そしてとてつもないシリアス+下衆感。
ダークな雰囲気を出したかったんです。えーりんが思わず逃げ出したくなるような。
上手く書けてるかはわかりません。



※更にこの先胸くそ悪くなる展開注意。この村の狂った老害どもの日常という世界観の簡単な短いお話です。










そこはとてもとても素晴らしい街。
人は特になにもしなくても自動化したモノが全てを始め、全てを終わらせてくれる理想郷。
そんな街はいつも通りのヘイワだった。

"クローン103842番目。前へ"

「で、ですが! 目の前にあるのは拷問用の返しが付いたスパイク(棘)が敷き詰められた穴が……!」

"クローン103842番目。前へ"

「ですg」

"ZAP"

バシュン!
「っ…………」

首から先がなくなったモノが穴に落ちる。
そして落ちた先にも同じようなモノが、首から先がなくなっているモノが何体、いや何個も積み重なっていた。

"ほっほっほ。さすが銀爺さん。選択に逡巡が無いですの。これでは穴が塞がってしまいましたわい"

"いやはや角爺さんのお手並みもなかなか。そこそこのコストを支払うものをいくらか今後使えなくなる代わりあんな早く完成させるとは。予想外の出費ですぞ"

""ほっほっほ""

笑う嗤う傍、更にゲェムは進む。

"さてそこには酸性兵器の罠が"

「あああぁぁああぁあ」

"おっと。クローン103987番目、並びに5体、体で塞ぎなさい"

「ぐあああぁぁぁぁ……」

そんなニチジョウを繰り返しながら今日も街はヘイワだった。




なんにもやることがなくなり命が尽きることもなくなった理想郷の住民はクローンと言われる人間もどきで遊ぶことにご執心になった。そんな感じの世界観。パラノイアTRPG見てたら思いつきました。
あ、パラノイアはとても幸福な世界なので一回やってみてください(にっこり)
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