タグのR-15はほぼこれが原因。
ある日、親が死んだ。
原因は、普通じゃ考えられないこと。
山に俺と二人で住んでいた親父は、ある日に氷漬けにでもされたかのように、カチンコチンに冷たくなって死んでいた。
出入口の引き戸が開いているわけでもない。こんなに寒いのに窓を開けていたわけでもない。
火の傍だというのに、俺が少し眠っていた間に、親父は冷たくなっていた。
そして……俺は、その横に立っている女性に気づき、“あ、やべ”なんて言葉を頭の中で響かせた。
途端だ。
俺の中に前世の記憶が蘇り、今目の前に立っている女性が───雪女であることを俺に理解させた。させた上で───のちの自分の嫁であることも理解したので、命ばかりはお助けをー! 的なことを叫んで……
「いいでしょう。あなたはまだまだ若く、命が輝いています。お望み通り生かしてあげましょう。その代わり、誰かに今夜のことを話せば、あなたの命はないものと思ってください」
「エッ……ぁハイ! でもあの、ひとついいでしょうか。なんで親父は氷漬けにされて死んだんですか?」
「彼は翌日には心臓の病で死ぬさだめにありました。ご自分の命が短いことに自覚もあり、山に入り銃で山のヌシを殺めるつもりでいたのです。しかしその銃の発砲が雪崩を引き起こすきっかけとなり、多くの命が奪われることとなる筈でした」
「な、なんと……だからあなたは……!」
「それだけが理由ではありませんが───……あなた方人間は、己の住む場に見知らぬ者が、武器を手にやってきたら五体満足で帰しますか? ヌシを殺めると知っているものを、そのまま帰しますか?」
「いえ、もう十分です。おそらく父は俺に最後に格好いいところでも見せたかったのでしょうが、それはあなた方、山に住むものたちを殺める理由になっていいものではありません。親父を静かに眠らせてくれて、ありがとうございました」
「…………ほんとうに、あなたはとても命の輝いたお方。よいですか、くれぐれも、今夜のことを人に話してはいけませんよ」
「任せてください。あなたとの約束は必ず。この命に替えましても」
「───」
俺の言葉にくすりと笑うように、雪女は親父の亡骸とともに姿を消した。
正直……親父が死んだことにショックはなかった。喋らない人で、不愛想で、なんかべつに俺にやさしかったわけでもない。
生き方は教えてもらった……というか見て覚えろ方式だったので、いや、ほんと、あの親父に感謝とかこれっぽっちもないのだ。母親が居ない理由が透けて見えるようだ。
しかし今日から一人か。
「……それも、いいのかもな」
前世ではキャンプとかをよくやっていた。動画サイトのサバイバル動画とかに憧れて、そういった知識を蓄えてのサバイバル生活もやったことがある。その頃から既に両親は居なかったから、今さら親が居ないことには大した違和感を抱かなかった。
「よし、生きよう」
とりあえずの目標は出来た。前世では趣味に全力で、恋人も居なかった俺だが───この世界ではいずれ絶世の、人間離れした嫁が自分から嫁いできてくれる。それまで生きるのだ。とりあえず、大地に根を下ろし、山とともに生きよう。ラピュタを離れたラピュタ人になるんだ───!!
……。
それからの一年は、自然とともに生きる日々の連続だった。
異世界のエルフ族にでもなったかのように、肉類から離れた生活は不思議と体に馴染み、気づけば体は肉類を食っていた頃よりも強靭に、スタミナなども呆れるくらいについていった。
やっぱあれかね、日本人に肉類は合わないって話、マジだったんかね。
なんて思っていた大雨の日、入り口の戸がカタン、と音を鳴らしたんで何事かと開けてみれば、戸の先で驚くくらいの美少女が立っているではありませんの。
はい、ついに嫁が来ました。すっげぇ美人さんです。大方俺が喋ってしまわないかを監視しに来たんでしょうがね、ドッコイ、喋るつもりはこれっぽっちもありません。っつーか人に会いに行くつもりもありません。俺、ほんとこの山とともに生きるつもりだからね? これはもう勝ちでしょうガハハ。タダで美人なお嫁さんとか最高ですハイ最高です。
「こんな大雨の日に山に入るなんて、いったいどうした。あぁ、寒いだろう、入んな入んな」
「ありがとう……ございます」
さりげなく美少女様の手に触れて、さあさと中へ。めっちゃ冷たかったけど、耐えられないほどではない。てか、“雪女”の若者役、“おの吉”はこの女との間に10人もの子をこさえた。すげぇよね、10人だって。まあ気持ちすっげぇ分かるけど。
だが残念だったなガハハ、俺はそう簡単にお子さこさえるつもりはねぇだぞ? なんでってオメ、お子がいちゃ激しい愛とかできねぇでねが。
なので満足するまで当分二人で。恋人気分も味わわないでいきなりお子とかオホホ、お馬鹿でねぇか?
ともあれ───こうして、俺:
………………あれ? 俺、おの吉じゃなくね? 相手もお雪じゃねぇんだけど。え? 大丈夫なのこれ。
……。
雪拿との生活は……静かなものだった。
なんでかっちゅーと……この子ほんと、もの静か。
俺から話しかけないと基本あんま喋らないし、感情の起伏も乏しい。てかほぼない。
熱い食べ物はやっぱり苦手で、グチュグチュに煮えたぎったアツアツの野菜汁とかよそって見せてたら、なんか「ひぃ」って声が聞こえてきた。ちらりと見れば、涙目になって首ふるふる。あれ? 結構素直?
「はは、雪拿は暑がりじゃからなぁ。ほれ、冷めたら飲めばええ。でも、あんま冷たくして体さ冷やすんじゃねぇぞ? めのこが体さ冷やしてちゃ、よくねぇって聞いたことさあるからな」
「…………はい」
モシャアアアアアと雪山の温度に反逆する勢いで湯気を出すお椀を、親の仇のような目でみつめる雪拿……を、よそに、俺はハフハフしながら食べる。おおあったまるー。
でも俺が美味しそうに食べているのを見ると、なんというかこう、真似でもしたくなったのか、おそる……とお椀に手を伸ばしては、その熱気にひぃと小さく喉を鳴らして手を引っ込めた。
……まだ正式に嫁になってないし、恋人でもないんだけど……俺の未来の嫁がいちいち可愛い。
なんなのこの子。もう抱き締めてめっちゃくちゃに撫でまわしたい。つまり可愛い。
……。
そんな生活を続けて一ヶ月後。
服も渇いたし山さ下りるか? と初日の翌日に言ったら、「…………その。里、からは……逃げてきました。迷惑でなければ、ここに……置いていただけませんか」と言ってきたので、これ幸いと頷いた。正直どう引き留めようかとか悩みまくっていたのだ。
そんなわけで一ヶ月。俺と雪拿の関係は───
ブスリ
「みゅうっ!?」
まあ、その。普通? だった。
「あや、またやっちまったか。雪拿はそそっかしいなぁ」
「~……」
針仕事をしていて、指に針を刺してしまった雪拿。えー……はい、この子、ものめっさ不器用です。
料理も苦手だし洗濯も苦手だし裁縫も苦手。じゃあなにが得意かーっていったら…………そのー……なに? え? マジでなにが得意なん?
あのー……あの、ねぇ? あの、雪拿さん? キミさ、言い訳として“里から逃げてきた”とか言ってたけど、人間の里を喩えに出したんじゃなく、マジに雪女の里から逃げて来たとかじゃないよね? 逃げたっていうか、追い出されたとかじゃないよね? よく見たらかつて出会った雪女とはまるで別人にしか見えないし。いや美人だよ? そりゃあすげぇ美人だし、なんならあの日に出会った雪女より美人だよ。俺の好みにドストライク。でもそうなるとますます追い出された説とか濃厚になってくるんですけど。
アータもしかして里で何かしでかしちゃったりなんかしちゃったりなんかしちゃったんじゃないの?
「ほれ、手ェ出せ」
「で、でも」
「いーから。ほれ」
「は、はい……」
涙目で、血がぷくりと膨らみ出ている指を差し出す雪拿。
その指を口に含んでぺろぺろと舐めてやると、きゅっと目を閉じてふるふると震える雪拿。
顔は紅潮し、涙目だったそこからはぽろりと涙が落ちる。
そんな可愛い顔を堪能しつつ、冷たい血を舐めとって、清潔にしてある布の切れ端に薬草数種を使って調合した軟膏を塗ったものを巻いていく。
その間、雪拿はぽーっとした顔で俺を見つめ、俺はそんな目で見つめられると……なんだかどうにもこいつがほうっておけなくて、その頭を撫でてしまう。
雪拿はそれが嬉しいのか、嫌がるでもなく気持ちよさそうに目を細めた。
その時になんとなく感じたこと。
ああ、こいつはまだ、子供なのだな、なんて。
そういえば俺もまだ青年、なんて呼べる体躯はしていない。
あの日に死んだ親父も、爺さんなんて呼べるような歳じゃあなかった。
つまりはこの世界は雪女の童話に近いながらも、少し違ったものなのだろう。
まあ、なら、それはそれでこいつとともに育っていくだけだ。
幸いにして、この家は雪崩などに飲まれるような場所には建っていない。水や腐れに強い材質の木で出来ているし、何十年でも住んで居られるだろう。
そうと決まれば、と。最近では近くに寄ってくるようになった雪拿に、人の温度を分ける行動を少しずつ増やした。手を握るとか、腕を組むとか、抱き締めるとか。
最初は困ったような、ちょっと嫌がるようにしていた雪拿だけど、少しずつ少しずつ……めっちゃくちゃ時間をかけると、慣れていってくれた。ていうか……最近そこまで雪拿の体温に冷たさを感じなくなってきたような…………気の所為?
……。
一年後。キスまでいった。
最初はそれこそびっくりしていた雪拿だったが、俺がお願いすると渋々受け入れてくれて……時間をかけつつ何度もしている内に、雪拿からねだってくれるようにまでなってくれた。
雪拿にどんな心境の変化があったのかはわからないけれど、バッチコイでした。ごっつぁんです。
そうしてキスをして、ディープなキッスまでして、互いの唾液を交換してはこくこく飲ませるような関係にまで発展してくると……ある変化に気づいた。
雪拿の反応、というか……生活? に、人間らしさがにじみ出て来たのだ。
対して、俺は前よりも体が冷たさに慣れた気がして。これは……なんて、前世の知識を基準に考えてみれば、あっさりと答えは出た。
俺と雪拿、互いの体液が互いに影響を出している。
俺は雪拿の血で少しずつ。慣れてからは、雪拿も俺も互いの唾液で少しずつ。
雪拿はよーく笑うようになった。その笑顔がまぁためんこくってめんこくって。雪拿に言わせリャ俺は───
「あなた様は雪拿が見て来たどんな男性よりも素敵な男性ですよ」
とのこと。それを顔を赤くしてめちゃくちゃ恥ずかしそうに言うもんだからもう嬉しくて嬉しくて。
だってあの雪拿がだよ!? あの、なにを言っても反応が薄くて、ああまあ雪女なんてそりゃあこんなもんなんだろうなぁ……なんて冷たさしか見せなかった雪拿がさぁ!
なのでもう抱き締めてめっちゃキスした。キスして、勢いでつい胸を触っちゃって“オワヤベッ……!”と思っても、雪拿はきょとん。
……エッ!? も、もしや? もしや!? お前さんや? もしや雪女の里では、そういった羞恥は───アッ……雪“女”の里ですもんね!? そりゃ男に対する羞恥とかねーわ! あ、あー! なるほどー! おの吉とお雪が10人もこさえる筈だよ! そういう基準とか知らんかったのね!?
オーケーオーケありがとう雪女の里! ありがとう! ありがっ……ありがとぉおおおおっ!! うおおおおおおおおありがとぉおおおおおおっ!!
つまりエロォスやり放題。軽蔑される心配も無し。性癖が爆発しそうですどうしましょう。
で、でも最初はソフトなタッチからね? 痛がらせたり暴走したりして、それ、痛いから嫌ですとか言われたらもうそれ出来ない。無理矢理の趣味はねーのです。
なのでゆっくりやさしく、俺は彼女の体に触れていった。
急に雰囲気を変えた俺に戸惑ったのか、雪拿は少しおろおろしてたけど、俺が自分の体に触りたいだけなのだと知ると、抵抗するどころか両腕を広げて迎えてくれた。天使かな? 天使だね。OHアンヘル。
……。
正直……雪拿の反応は微妙だった。
知識としてしか知らない女性の性感帯を刺激してみても、大した反応はなく……あれ? もしかして不感症さんってやつですか? と軽く絶望を抱いた。
そう、俺に無理矢理の趣味はねーのだ。相手が痛がるだけの行為なんて死んでもごめんだ。わかる!? 愛なの! そこに愛がなきゃ意味がないのよ!
でも初めてナマで見る女性の裸体を前に、俺のジュニアはかつてないほどメキメキとお勃ちあそばれていた。ぼっちゃん……立派になられましたなぁああ……! と、どこぞの爺チックに言いたくなるほどに。
でも愛する雪拿の前で自慰で処理するのも嫌だったし、愛の性行為を知らぬ雪拿にヌいてもらうのも嫌だった。ので、耐えた。耐えて耐えて、きっと、恐らく、たぶん、体液の交換の果てに応えはあるとキスをしまくり、唾液を飲ませまくり、そんな行為でマーラ様をハイボルテージグワッハッハさせながらの日々が再び一年以上続いた。
……。
それからどれほどか経って。
……かつての自分が霞むくらい、マーラ様が肥大化していた。
日本人に合った野菜や根菜生活と、ハイボルテージグワッハッハな日々が、ジュニアを成長させたのだろう。
そして度重なる体液交換にて、雪拿にも変化が訪れていた。
人間味は随分と上がり、感度も大分上がった。俺の手で初の絶頂を迎え、くたりと力を抜いた愛する女性が、俺に全体重を委ねてくれる幸せなんざ初めて知った。そうなってしまえば動けないので、手持無沙汰なままにほにほにと揉んでいたホライゾンだった胸は、ここ数年で大きく成長して……ええ、はい。雪女ってよりは最初は雪童女に近かった彼女は、より一層にべっぴんさんへと変貌した。あ、童女って呼べる理由には背の低さと胸のひらべったさにあった。口にはしないけど。
ただ美しさは確かなものだったのよ。いや、ほんとね? 不思議なんだけど。
そんな子が成長して、美しくなって、俺の腕の中で絶頂とか……幸せすぎてやばい。あと我慢し続けて来たマーラ様がやばい。入んのかこれ。
……。
キスをする雪拿は本当に幸せそうに、うっとりと口を離す。つう、と垂れる唾液の橋さえもったいないというかのように、口を離す際に俺の唇まわりの唾液を舐めとってから離れる。
そして、俺との距離を埋めるかのようにぎゅーっと抱き着いてきて、すりすりと体を摺り寄せてくる。大きくなった胸さえ圧し潰すように。もう、俺の体温を嫌がる様子さえない。ていうか……たぶん俺が冷たさに慣れ、雪拿が温かさに慣れた。
俺と雪拿は互いの体液で互いの体に免疫力だの順応力だのといったものを勝手に作り、お互いの最適に辿り着いたかのように、互いの体温を求めた。というか……なんか、嬉しいのだ。相手のなにかしらが体の中にあることが、嬉しい。俺もいつの間にか雪拿の唾液を飲むことがクセになっていたし、なんなら愛撫して出てくる愛液も舐めとって飲んだりしていた。指での中イキを覚えた彼女が潮を吹いた際、それも飲んだりしたら、謎の多幸感に襲われ、大変だった。でも女性の潮って、別に特別なもんじゃなくて、確か───いや、妖怪だからいろいろ違うのかもしれん。なんかやばいくらい幸せになったし。なんなんこれ。
とまあいろいろ考えてはみたものの、たぶん……原因は互いの体液で体の作りが変わったこと。
人間の俺には、一般的には妖怪と言われている雪女の体液が毒で。
雪女の雪拿には、冷たさではなく熱を産む人間の体液が毒で。
でもそれらを毎日少しずつ飲むことで、変わっていったのだろう。
最初に血をちろちろ舐めたことで、少しずつ抵抗力とか出来てきてたんだろうなぁ……雪拿がおっちょこちょいというか、そそっかしいというか、ともかく天然さんでよかった。
……。
もちろん、エロォスなことばかりをするわけじゃない。
週に二度ほど山を歩き、食べ物を探しては、自然の恵みに感謝しながら日々を過ごす。
雪拿との体液交換が原因なのか、自然が美しく見えて仕方がない。ていうか飽きない。見慣れた景色でも、日々の変化にさえ気づけるようになれた自分にも驚いたけど、なにより隣に雪拿が居るだけで幸せだ。同じ嬉しさ、同じ感動の筈なのに、彼女が隣に居てくれるだけで、それらが何倍にも膨れ上がるような感じ。
「ありがとうなぁ雪拿。俺は、お前がやってきて、俺の嫁になってくれたことがなにより嬉しい」
「なにを言ってるんですか、あなた様。それは私の台詞です。あなた様が居てくれたからこそ、私はこんなにも幸せというものを、喜びというものを感じ取れるようになれたのです。本当に本当に、あの日……里を出てよかった。あなた様と生きる道を選んで、よかった。あなた様が、私を受け入れてくれるような方で……本当によかった」
「雪拿……」
「出会ったばかりの私は、それはそれはつまらないめのこだったでしょう? あの頃の私は、あなた様とどう接すればいいのかもわからない世間知らずだったのです。でも……あなた様はそんな私に寄り添って、様々を教えてくださいました。面倒なめのこだったでしょう。頭の足りないめのこだったでしょう。それでもあなた様は嫌がるそぶりも見せず、付きっきりで……!」
感動の涙をこぼす雪拿。
そんな姿に、言葉にじぃいんと胸を温かくしながらも、“ごめん……実は理想の嫁を作るのに夢中で、嫌な気持ちとかこれっぽっちも湧かなかったし沸く暇もなかった”とは言えない俺でした。
だって……だってさぁ! “恥ずかしい”を知らないおなごを好きに開はt……ごほんげふん! ともに成長していけるって……イイネ!
なのでこんな俺の心の内は墓まで持っていきます。
……うん、なんか……最近俺って死ねるのかなぁって思うようになってきたけど。
今もう何年目だっけ? わからんくなってきた。俺も妖怪に近づいてるのかも。
……。
そしてまた冬が来る。
山々が雪に埋もれる頃、俺達はついに一線を越えた。
ゴムなんか無いからどっぷりどぷどぷと彼女のお宮さんを白く満たしたわけですが。
当然一発で終わってくれるほどマーラ様はヤワではなく、すっかり半妖みたいな体になっていた俺は疲れも知らぬが如く、彼女の中に注ぎ続けた。
もちろん雪拿への前戯は忘れず、たっぷりと敏感におなりあそばれたのち、ゆっくりじっくりと彼女の初めてを奪った。
もっとも深い場所で繋がり合い、そのまま深くキスをしながら愛を囁き合い、激しく動くことはせず、互いをゆっくりじっくり感じ合いながら───まるで互いに妖術にでもかかり合うかのように、多幸感だけで絶頂。信じられないくらいの気持ち良さと幸福とで、マーラ様は痙攣することをやめず、どぷどぷ、びゅるるびゅくびゅくと白濁液を吐き出し続けた。
その熱に驚いた彼女が久しぶりに“熱さ”というものにびっくりした途端、彼女の中がきゅううと締まり……それでも絶頂。気持ち良さと幸せとでもう頭の中がめちゃくちゃになって、でもただ腕の中の彼女を幸せにしたいという気持ちが溢れ出て、ぎゅう、と抱き締めながら何度も何度もキスをして、息づぎのたびに好きだと伝えた。
雪拿は「はい……はいっ」と泣きながら何度も頷いてくれて、気持ちを受け取ってくれるたびに何度も何度も絶頂を迎えてもいた。
やがて彼女が俺の下で、寒さに凍えるわけでもないのに歯をカチカチと鳴らし、体をふるるっ……と震わせ続ける状態が来ると、そんな彼女に「お前は本当にかわいいな」と伝えて、彼女の顔や首にキスを降らし続けた。
それだけでも身をよじり、「んんぅっ……! ん、んーっ!」とびくくびくびく、と震える彼女が愛しくてたまらない。
ぎゅうっ、と強く抱き締めれば、「───!! やっ……!?」と小さな悲鳴を上げて、その日一番の絶頂を迎えた
……。
もう出ないと思えるほどに体を震わせ、腰も足もがくがくになりながらマーラ様を抜くと、俺の眼下には白い液体を吐き出す秘裂と、もはや雪女とは思えないくらいに紅潮した体に、汗を噴き出す美しい肢体、そして……愛してやまない可愛さと美しさを備えた顔があった。
彼女は俺を見て、疲れ切っているはずなのに……震える腕と手をなんとか、といった感じで持ち上げて、俺の頬を両手で包むと……小さく、ちゅ、とキスをして、言う。
「愛しています、あなた様……私を愛してくださり、ありがとうございました……」
と微笑んでくれる。こんなにも幸せそうな顔で笑む雪女なぞ居るだろうか。いやおるまい。おらさ嫁が一番だ。
……ところでそんな嫁に、こんな嬉しいことを言われて、キスまでされて。おらのマーラ様が黙っておいでとお思いか?
「……? ひゃっ!? あ、あの、あのあの、あなた様……!? それはっ……ま、まさか、その……!?」
「雪拿……ええか?」
「ま、待ってください……! 私、もう……もう……!」
「やさしくすっから……な?」
「ん、んんっ……ぷはっ……や、ま、待ってくださっ……ぁ、ぁぅうんん……! あ、あなた様のご立派様が……! や、やぁあぁぁ……! かんにんしてぇえ……!」
止まれなかった。
嫁の言うことにゃ1にも2にも、んだんだって頷ける
……。
結局一日通してまぐわった。
危うく雪拿が溶けかけもしたけど、まぐわった。
とても気持ちがよかったと言ってくれたけど、やめてと言ったらやめてほしい、です、と願われちゃあ良夫としては頷かないわけにゃあいかん。
なので交わるのは一週間に一度くらいのが、雪拿の体のためにもいいかなぁなんて思いつつ、一週間恋人らしく夫婦らしくいちゃついて、やってきた一週間後……より先に雪拿に押し倒された。
「なぜですか? なぜ私に触れてくれないのですか? わ、私にはもう飽きてしまわれたのですか?」
ちゃうねん。ていうか最初に説明したでしょォォォォ!?
ていうかちゃんと触れてたでしょ! 主に性感マッサージ的に! 一週間ねちっこく開はt……げふんごふん! 焦らs……ゴッホホン!! ともかくマッサージしつつ、俺だってマーラ様に我慢を強いてきたのですよ!? とかオブラート様に包んで説明しようとしたら口を塞がれ、舌を捩じり込まれ、唾液を絡めとられ、ごっくんされた。
するとどうでしょう、なんと俺の上の雪拿さんが、それだけでふるるっ……ぶるるびくくんと絶頂するではありませんか……!
……あの。初体験一週間後未満ですよ? どれだけ潜在的なエッチさんを封印してきたんですかあなた。あ、俺が仕込んだんでしたね、それこそ何年もかけて。
「あなた様……愛しています、あなた様……! どうか、どうか雪拿を捨てないでください……!」
「す、捨てるか! 誰が捨てるか! 俺はお前に無理をさせん程度に愛し合えたらと思ってだなっ……!」
「やめてと言ったらやめてくださいと言いました……! 嫌などと、私は一度として言っておりません……! 愛しています……愛しているのです……あなた様……! もう、あなた様の居ない生など考えられないくらいに……!」
「せ、雪拿───んむぷっ!? んちゅっ……む、ぷあっ……! ちょ、せ、雪っ……んむぷっ、はぷっ……!?」
「あなた様……あなた様ぁ……!」
いやいやいやちょっと待って!? 待っ……あ。待ってぇええええええっ!!
雪拿ちょっと雪拿!? 変身解けてる! 行為に夢中になるあまり、変身解けてるからァァァァ!!
ってうわわわわ可愛ぇええええええええっ!! 美しさと可愛さと妖艶さが混ざって、本気で、真剣に、人間離れした美しさって……うぉわぁあああああああっ!!
髪も銀……じゃなくて白になって、服装もいつの間にか白装束みたいに……体温も一気に下がったのに今の俺にはなんてことない温度で……!
「あなた様……はしたないめのこと嫌わないでくださいましね……。私は、あなた様を心から好いている、ただのめのこにございます……! んぅ……ん、っく……ぁあああぁぁぁ……!!」
「っ……雪拿……お前、もうこんなに濡れて……」
押し倒してきた雪拿が、俺自身をピーへ導き、ッピーがピーでピピーとギャアーーッ!!
なんか室内なのに吹雪いてきてる! なんかもう別に寒くないけど! おーい隠す気! 隠す気ー!!
いやちょっ、待っ───アーーーッ!!
雪女との間に子供を作りまくった伝説の男ってやばいよね。