とりあえず自分は思い出した。思い出したらどこかに書かずにはいられなかったんだ……。
……というのをあろうことか活動報告に書こうとした。
書いたら文字多いよ馬鹿! と弾かれたのでこちらに投稿。
いや、ほんとただそう思って書いただけなんだ。
自己満足以外のなにものでもない……ので、ぬるっとした感覚でお読みください。
……あ、内容はドラゴンボール超です。
見ててアレ? と思ったことを素直にぶつけてみました。
エイプリルさんに乗じて書いてみました。
◆活動報告に書いたけど『5000文字以内になさい! お馬鹿ですねぇ!』と言われたのでこちらに載せる生存報告SS(車のエンジンをかけたら『今日は4月1日、エイプリルフールです』って言われたので、OH……ととりあえず書いたSS。のくせになんか1万2千字いった。あと誤字チェックとかもしてない投げっぱなしです。ごめん)
───惑星ベジータ。
サイヤ人という戦闘民族が住まう星に、ひとりのサイヤ人が産まれた。
父はパラガス。
弟はブロリー。
彼の名は……カリワーといった。
いやカリフラじゃないんかい!
はい、というわけであるある転生したのが俺です。
前世ではドラゴンボールはとりあえず見ました程度の知識量の俺だった。
名前は『中原△□一』。なかはら、おでん、と読む。そう、キラキラ……キラキラしてねぇよ。ドキュンネームだよ。
三角こんにゃくを△、はんぺんを□、一を串に見立て、それでおでん、って読む。
ある程度成長してから泣きたくなったわ。
そこはお前、はんぺんで□じゃなくて、大根で〇にしろよ。
……え? そこじゃない?
まあいいじゃないの。ともかく俺はおでんとして生きた。
ドラゴンボールをこよなく愛した~とか、ドラゴボールを思って死んだ~とか、そんなことはなかったはずなんだけど……何故か、こんなことになってしまったがね……。
「(やだなぁあ……パラガスの息子で、ブロリーの双子の兄とか、絶対にベジータ王に『パラガスの息子をただちにこの世から抹殺しろ!』とか言われるやつじゃん……)」
俺だけが最下級ベイベーで助かる保険とかがあるなら喜んで入ります。
でもたぶんパラガスともどもゴミのように捨てられるのでしょう。
ほんぎゃあ泣いてる今の時点でブロリーが1万、俺は920。
ほ、ほーら弱虫ラディッツより弱いですよー? あ、だ、だめ? そう……。
きっと今頃パラガスがベジータ王に「おーたすけください!」って言ってる頃だ。
パラガスの声、クセがあって好きなんだよねー。
それはそれとして、ナイフで刺されるとか嫌だなぁ……。
…………今僕は、超絶辺境小惑星バンパに居ます。
……なんで?
───……。
……。
ブロリーとパラガスがゴミのように捨てられ、どうやら俺は超のブロリー的立ち位置として扱われたらしい。
いやうん……パラガス居ないのは助かるんだけどさ。
自由に行動できるし、バアとの友情を邪魔されることもない。
トレーニングは……まあ、ドラゴンボールだし、サイヤ人だし、とりあえず重さに慣れていきゃあでぇじょおぶだ!!
とか思ってたら……
「あ」
なんだか唐突に───
「………」
腹が……減った。
「絶対に大盛りで食べよう」
なにがとは言わない。
ただサイヤ人の生体上、腹は減る。かなり減る。
なので、たくさん食べて大きくなろう。
えーっとたしか変な怪物倒して足を食ってたシーンがあったよね?
あれ? でも戦闘力920じゃあの怪物は倒せない、とか言われてなかったっけ?
「…………」
思い出した。月を見て大猿にならなきゃならんのだ。
どうなるかなぁ、理性本当に飛ぶのかなぁ。
星の位置の所為か月はいつでも見れますレベルで存在してるっぽいから、チラッ? と見れば変身できる……とは思う。
…………そういえばさぁ、ブルーツ波を浴びるとどーのこーのって話あったけど、目で見なきゃ大猿に変身しないってなんなんだろうね? ブルーツ波関係ある?
まあいいや、ものは試しだ! さあ、月よ! 亀仙人やマジュニア選手に破壊される前に、僕を大猿に変化させておくれでないかい!
「あっ……あぐ、お、おぁああぅう……! カァアアアアアアッ!!」
月を見た途端、どくん、どこんと体が躍動し、膨張するように大きくなっていく。
それと同時に体毛がモシャファアアアと生えてきて、やがて……大猿へと変化した。
『ガァアアアアアアアアッ!!』
そしてはい、ダメっす。
理性がっつーか、なんもしてないのに体が勝手に動く感じ。
ヘーノヘノカーッパー♪ とか歌いたいくらい、ドラミングしながら闊歩し始めたよこの大猿さん。
止められるかな……止めてみる? ……止まれ! 止まりなさい! 止まっ……止まれこの! 止まれっつーの!! ちょっ……止まっ……ねぇ!!
…………。
ああ、やっぱり今回もダメだったよ。あいつは話を聞かないからな。
……と見せかけて超全力で拳を動かすイメェエエジ!!
ドゴッチュァアアア!!
一瞬。本当に一瞬だけだけど、動かせた。
動かして、動かした先には!!
『ッ…………!! アオオオオオオオオッ!!』
お盛んであれば猿と言われてしまう、その男性の象徴があったはずの部位へ、ナックル!!
パッと見、あるようには見えないものの、殴った感触としては確かな手応え……とともに俺の脳にもやがて届く、この……あの……思わず手から落としてしまったものを咄嗟に掴もうとして、自分でも思わぬ速度が出たと同時に黄金を痛打してしまった時のあの鈍い鈍痛が、オアアアアアアアアアアア!!
『アッ……アー! アガーアアアアア!!』
アッ! でも今俺の感覚が確かに重なった!
あたかも卍解修得のために、斬魄刀を屈服させた時のような……! 黄金への痛打で屈服とか嫌な卍解修得だなオイ!!
『はっ……ハハハハ!? ハァッハッハッハッハ! どうだ見たかベジータさんよぉ! 最下級戦士だって保てる理性くらいあるんだぜぇ!?』
痛みのあまり涙こぼしまくってるけどね!
アッ……でも無理、なんか腰あたりまで冷たい痛みが広がってきた……!
エッ……これ潰れてない……? 大丈夫……? もうやだおうちかえる……!
く、くそったれ……! なんで俺がこんな目に遭わなけりゃならんのだ……!
もうやだこんな生活なにをやってもダメだよ全部妹子の所為だ……!
とりあえず理不尽な怒りは謎の怪物にぶつけました。
美味しくはなかったです。
……。
バアと出会った。
もちろん最初はめっちゃ攻撃された。ので、本編のようにトレーニングも兼ねての交流を始めた。
「どぉーしたぁーカカロットォー!! そんな程度じゃないはずだァーッ!!」
たったひとりの最終決戦のバーダックが見た、存在しないベジータボイスを吐き出しつつトレーニング。
普通は「どうしたカカロット、そんな程度じゃないだろう!」「ナッパを倒したときは、こんなもんじゃなかったはずだ!」である。それが上手く混ざったのがバーダックさんの見知らぬ未来だ。
あ、ところでアナタ、猫バスに似てますね?
「せっ! はっ! ほいっと!」
バアの噛みつき攻撃! を、避ける避ける避ける!
時に攻撃を返しては、戦闘経験ってものを積んでいった。
ただ避けるだけだから『攻撃の意思はない』って早めに仲良くなってしまったのかもしれん。だったら適度に攻撃を加え、トレーニングを継続できる関係でいた方がいいのだろう。
あれ? これって結構いい手段なのでは?
……なんかどれくらいか経ってから、気づいたら死線をともに潜り抜けた戦友みたいな関係になってた。
ちゃうねん。いや嬉しいけどさ。いいんだけどさ。
……。
ある日、大猿にならずに怪物討伐を達成した。
戦利品としてそれを持ち帰り、バアと一緒に食べる。
火を通したいところだけど残念ながらンなもんはないので、気を上手くつかって焼きにかかる。
ちっこい頃の悟飯ちゃんが気光波で木に火をつけてたあれと同じ原理だ。
すると、なんか透明っぽかった怪物の肉は、茹でたカニの身のようにしっかりとした弾力と旨味をもったものへと変わる。
これが、まあ……不味くはない。食い過ぎていい加減飽きてしまっただけだ。
「…………」
こんなんが、あと何十年と続くわけかぁ……。
ええっとぉ……? 超のブロリーの時点で、悟空さってもう40代後半くらいになってんだっけか……?
……で、俺はカカロットと同い年なわけだから。
「……………マジか。………………マジかぁ」
ほぼ40年、この星で生きるんだと。
ああ……頭がどうにかなっちまいそうだ……。
あ、でも、うん。俺にゃあバアが居るし? 寂しくなんかないし?
あれだからね? あんな顔だけどほんといいやつだからねバアは。いっとくけど。
……。
バアが死んだ。
「オアァアアアアアアアアアアアアアアッ!!」
寿命………………だったんじゃよ。
「アァアアアアアアアアアアアアアッ!!」
どうやらいつまでも俺とじゃれ合うことで、少しずつ寿命を削っていたらしい。
そりゃそうだ、伝説の超サイヤ人の兄ぞ? 俺。
「ルォアァアアアアアアアアアアアアアアッ」!!
そんな気持ちをどこか、泣き叫ぶ自分を見下ろしながら見てる感覚で、ただただ悲しんだ。
悲しんで悲しんで、涙を散らし、深い孤独を抱いた瞬間。
「───」
ぷつん、と俺の中でなにかが弾けた。
なんとなく分かった。悲しみで変化する側の超サイヤ人……伝説の超サイヤ人側で覚醒してしまったんだと。
マジかよ、こんな、吐くような気分の孤独を味わった先じゃなきゃなれないかこれ。
そしてこんなお気楽な俺の中でも、そこまで泣けるほどにバアが大切な存在だったことに、俺こそが驚いて、俺こそが泣いた。
……。
バアは、辛かったけど俺の血肉にした。
毛皮は衣服にして、大事に着込んだ。
それでも余る皮を使って寝床にしても、孤独はどうしたって癒せなかった。
だから、気を紛らわせるようにトレーニングを続けた。
超サイヤ人状態を継続させる訓練をしてみたりだとか、やれることを探して。
超ブロリーを見る限り、彼は学習能力と適応能力がずば抜けて高かったと思う。
なので実戦に勝る鍛錬は無し、といきたいところだけど、もはや怪物じゃあ相手にならない。
だから耐久力を上げることにした。
獅子咆哮弾のように重力のある巨大な気弾を空に放ち、落ちてきたそれへと己の身体をわざと晒す。
ダメージはそりゃあもうとんでもないものだけど、この体……不思議と痛めつけられるたびに、より強固になっていく。
おかしいな……サイヤ人の瀕死パワーアップは、自傷じゃ発動しないはずなんだけど。
つまりこれはまったく別の能力?
コワッ……ブロコリパワー怖っ……! あ、いや、俺ブロコリとやらじゃないからカリフラワー効果か。
切っても水にひたしておけば生えてくるとか、そこらへんに能力の片鱗があるのかも。知らんけど。
「バア……お前との絆が与えてくれた悲しみは、俺がどこまでも大事に育てていく。今のところは制御も出来てるし、40代後半になるまではここでこうして、誰にも負けない己になるために……!」
などと心に悲しき志を抱きながら鍛錬をしていたある日。
巨岩を破壊したりして、ものを殴る力に自分自身が振り回されないようにと力の調整をしていたところ、その……裸足で蹴りを放ったわけですよ。ええ、靴だってとっくにボロボロだったし。
でもね、そんな蹴りがドッガァと巨岩を破壊して、その奥の深い部分に達した時。
カッチン鉱でもあったのかどうなのか、とんでもなく硬い箇所に小指がそのー……ね?
「ヘアアッ!?」
一瞬! やっちまったと感じた刹那、俺の脳裏には『来るっ……あの悪魔的な苦痛の時間がっ……!』という後悔の時間が齎された!
痛覚が襲ってくるまでのあの一瞬ってほんと下腹部がヒュッてなるよねェエエエエエエアアアアア!! 痛ッツァアアアアアアアッ!!
で。そんな痛みと後悔と悲しみによって、ほんとくだらないきっかけだけど壁を越えてしまいまして。
気づけばムキムキマッチョな伝説の超サイヤ人状態になってました。
いや……どんだけこの痛みに対して怨嗟と悲しみ抱いてんの俺……。
「………」
足の小指の痛みに涙しつつ、泉がある場所まで行ってみれば、水面に映るは黄緑色の髪を逆立て、白目でムキムキマッチョな俺が居るわけで。
「………」
俺……そういやこの状態の超のブロリーが大して活躍できないまま終わったのが悲しかったんだっけなぁ。
思い出せば出すほど、超のブロリーの話はアルェー? って思う部分があったわけで。
俺はむしろ、その時が来たならそれを叶えることに全力を尽くすつもりだ。
そんな日が来ればの話だけど。ブロコリが居て俺が居る世界線で、果たしてあんな物語に到着するのかも知らんしね。
「40年かぁ……」
あれ? でもちょっと待て?
ブロコリとやらってそういえば、赤子の状態でもパラガス連れてバリア張って宇宙空間移動出来てたよな?
「………」
……行っちゃう?
あ、もちろんバリアが貼れればの問題なんだけどさ。
あと近くに惑星があるかどうかと、その惑星にやべぇウィルスとかあるかどうかもそのー……。
「ここで平成コソコソ話。悟空が兎人参化を月まで運べたのは、実は宇宙空間でも平気なサイヤ人だったからなんだって。……知らんけど!」
まさかあんな伏線があったなんてー! とは言わない。
だって宇宙空間まで喧嘩売りにきたバーダック見てるのに、フリーザ様ったらアレなんだもの。
超化した悟空を前に『きさまらサイヤ人はどうかな?』なんて質問したあとに『この星を消す!』なんて言ってナメック星消すくらいだからね。
宇宙空間でも平気だとかあの頃にそんな設定無かったって。というか先生きっと忘れてた。
鳥山センセ、忘れてたエピソード結構多いらしいし。
「よし、じゃあ……ちょっくらバリア能力の開発でもしていくか」
同時に、クリリンと悟飯がやってたようなイメージトレーニングも。
……気づけば十数年経ってました。暇で死にそうだ、助けてくれ。
───……。
……。
ぱしゃり、と水が揺れた。
『ばははははしめたぞ! 猿か山猫か!!』
貴重な水源である泉には怪魚が居る。
それを尻尾で釣り上げるのにも慣れたもんだ。
でもこの怪魚……喋るんだよなぁ……。
そりゃさ、ドラゴンボール第一話の魚も喋ってたけどさぁ。
なんでこの釣り方してるとみんなして「ばははははしめたぞ!」とか言うんだか。
この星、猿も山猫もいねーよ馬鹿。
「ほいっと」
釣り上げた怪魚に拳をプレゼントして、〆る。
伝説の超サイヤ人状態で暮らし、もはやどれほど経ったのか。
当たり前になりすぎて心穏やかなままに伝説な自分だけど、水面に映る自分は変わらず白目である。
視界はとってもクリア。なんで白目になるんだろうなぁとか思うけど、答えは出ないから考えるのをやめた。
超状態での力加減もパーフェクト。魚をやさしく〆ることもこんなに簡単だ。
成長したなぁ俺。
……え? さらに上の変身?
よしてください、俺はこの伝説の超サイヤ人が大好きなんです。
なんならブロリーの超4とかゴッドとか本気の本気で邪道だって思ってるタイプです。
ブロリーならではのあの、『伝説の超サイヤ人』ってのが好きだったのに、超3にするとか4にするとかゴッドにするとか……っはー、余計なことしやがってーとか思ったもんさ。
ケールもなー……むしろブロリーチックな変身を任せるなら、どうして野菜として似ているカリフラにやらせなかったんだろって思うよ。
知ってる? カリフラワーってね、ブロッコリーの突然変異種なんだって。
……ますますなんでケールに任せた? 分からん。
「気が高まったり溢れそうになったりはするけど、そのたびに制御できるよう頑張れてるし。うん、順調順調」
そう、順調だ。
でも………………披露する相手も、打倒すべき相手も……いないんだよなぁ……。
……そろそろいいかなと思って宇宙へ飛び出そうとしてみたけど、普通に俺のバリアじゃ宇宙空間の移動は無理でした。
なんで?
カーズ様でも凍った空間で普通に動けたバーダックとフリーザ軍の兵がおかしかったんだって。
───……。
さらに十数年。
とうとう、その時は来た。
この惑星バンパに舞い降りる宇宙船。
日々、無駄に気を放出していたお陰か、救難信号なんぞ無くとも戦闘力を拾ってくれた誰かが来てくれたらしい。
開く宇宙船と、降りて来る……レモとチライ! ウオオオオオオオ!!
ようやくだ! ようやくこの時が来た!
あれから友達も出来ずにひたすらに想像の相手と戦ったりバトったり殴り合ったりする毎日だった! ……意味同じじゃねーか!
そんな中で岩を殴って蹴って
話し合える相手……話し合える相手だー!!
というわけでギャオッ!! と空を飛んで、彼と彼女のもとへと着地した。
「うわあっ!? な、なんだあっ!?」
「オレ……カリワーっていう。ここに人が来るの、初めて」
「い、いきなり自己紹介とは驚いたな……ああその、なんだ、オレはレモ。こっちが───」
「アタシはチライ。で……うわっ、ちょっとレモさん、こいつ……戦闘力が計測できない……!」
「へぇっ!? そんなはずは───…………マジか」
「オレは子供の頃にここに飛ばされて、40年くらいずっとここに居た。もしここから連れ出してくれるなら、なにかしら力になる」
「ほんとかっ!? じゃあちょっとアタシたちと一緒に来てもらっていいかっ!?」
「大丈夫だ、問題ない」
「…………なんでだろうなぁ、急に不安になったんだが……」
自己紹介ってのはどの世界でも大事というのがよーく分かった。
やはり挨拶は大事。古事記にも書いてある。
……。
そうしてフリーザ様への御目通りも済み、ぶっつけ本番で実力を見させてもらうとかで、いきなり地球へ突っ込むことに。
ドラゴンボールも丁度発見したとかで……おおう、やっぱりいきなりゴッドクラスの悟空さたちとの戦闘になるのかぁ。
この世界に降りて初めてのお風呂やまともな食事にもありつけて、バアの毛皮装備もきっちり洗濯。
メディカルマシンで身体の芯まで癒してもらってから、改めてお風呂に入ってもう一度体を洗う。
や、だって体汚いままにメディカルマシン入ったら、傷が癒えるまで汚さが溶け出した癒液にひたる羽目になるじゃない?
なので風呂が先だったわけですねぇ……。
あ、ちなみにフリーザ様に御目通りしたのはこのあとね。レモさんに話を通してもらって、汚いままじゃ会えないと言う言葉で納得いったのか、先に風呂と食事と癒しをいただいた。
そうして挨拶を済ませたら地球へゴーだったわけで。
で。今俺の目の前には二人のサイヤ人が居ます。
なぜかめっちゃ寒い場所での対面です。
なんで?
……そこに最後のドラゴンボールがあったからですね。本当にありがとうございました。
さ、フリーザ様に悟空へのトドメは私にと言われたので、映画のシーンの通り、まずはベジータとの戦いだ。
……と気合いを入れたはいいものの、やっぱりイメージと戦うのとじゃあ違いすぎる!
想像の数倍速いんですけど!? 映像で見るのと実際とじゃ本気でヤムチャ視点ってのを味わってる気分だよ!
いやもうほんとバカスカ殴られてるのにこっちの攻撃の当たらないこと当たらないこと!
「でぇええやぁああああああっ!!」
「ふんっ! やるじゃないか! ようやく体が───温まってきたぜっ! ───はあっ!」
ベジータの反撃! 顔面に一撃をくらった───まま、こちらも攻撃! ───避けられる! あらやだほんとこっちの攻撃当たらない!
「でやっ! へやぁっ! ハァアアッ!!」
「(───速い。力の使い方を学習しているのか……!)」
いいぞぉ! もっと打ってこい! 俺に戦いというものをご教授しておくれ!
殴られても蹴られても平気へっちゃら! やはり自分に気光波をぶちかまして、耐久力をあげておいた甲斐がありましたなぁ!
なるほど……なるほど! なるほどぉ!
相手の動きに追い付こうとするたびに、体が既存の能力を捨てて進化する! 成長じゃない、これは進化だ! やばい! どうすればいいかが何度も何度もアップグレードされていく!
「でやぁあああああああああっ!!」
「なっ───!? ぐわぁっ!!」
そしてついに一撃! 顔面にドッゴォと拳が炸裂し、ベジータが吹き飛んでいく。
すぐにそれを追って一発、もう一発と攻撃を仕掛けるけど、これは躱され、次の一発は反撃と同時に躱された。
「チッ……はぁああああっ───」
「ヘェエヤァアアアアアッ!!」
「なっ!? ふぉぁあああっ!?」
で、力を込めて超サイヤ人になろうとしてたので、その隙に
体がくの字に曲がったところで後頭部にスレッジハンマーを叩き込み、地面に激突させた。
ガハハハハばーかばーか! 戦闘中に人の目の前でそんな無防備になるからだ!
そして倒れたベジータの足を掴んで、超ブロリーでブロリーが悟空さにやったように、硬く凍った地面へとベジータを叩きつける叩きつける!!
「がぁっ───っはぁああっ!? がっ……ぐあぁあああああっ!!」
おほほははははは! たーのしー!!
大体貴様はこの劇場版を見てた頃からどこか気に食わんかったんだ!
まともな戦いの仕方も学べなかったブロリーが懸命に向かっていってた姿に、くだらんとか言ってトドメに走るところとか、かと思えば急激にパワーが上がったのを見た途端に「おい、仙豆持ってきているか! カカロット!」だって!? 馬鹿にすんのも大概にせぇよ貴様!
まともに戦う気もねぇくせになにがくだらねぇんだブチクラワスぞこの王子がぁああああっ!!
これは遊んでいる場合じゃないなだって!? 遊んでたなら仙豆いらねぇだろうがナメとんのか!
とりあえず徹底的にボコす! 貴ッ様五体満足で帰れると思うなよ!?
映画や漫画みてぇに都合よく手ェ放して解放されると思ったら大間違いだからなコラ!!
「神ッ聖ィイイなァムゥウウウブ!!」
ヒロアカファイナルシーズンのOPの神聖なムーブな場面に見立てて相手を拘束したまま回転する(しているように見えてるだけ)……のではなく、物理的に豪速でブン回し、
「神ッ聖ィイイなァムゥウウウブ!!」
サイレントボイスなど知ったこともなく、次に範馬刃牙であった勇一郎の奥義、ドレスのようにベジータをヌンチャクのように振り回し、硬く凍り付いた地面にこれまた豪速でバキャゴキャとぶつけまくり、
「神ッッッ聖ィイイイイなァムゥウウウウウブッ!!」
衝撃に目を白黒させているベジータの足を離し、後頭部を掴むと地面に思い切り叩きつけ、持ち上げ、叩きつけをゴバキャキャキャキャキャガンガンゴシャメシャと連続で続ける。
The day has comeなど知ったことじゃない。
何故ならこれは神聖なムーブでございます。その日は来た? いいえ、来たのは神聖なムーヴだ。
「神ッッッ聖ィイイイイなァムゥウウウウウブッ!!」
さらに蹴り上げ後頭部を掴み、氷山の岸壁にその顔面をゴシャシャシャシャと削り合わせていった。
普通ならそこで放り投げて終わりだけど、俺はそうして掴んだまま、さらにボコりに入った。
……え? だって投げたら追撃できないじゃん。わざわざ離して相手の反撃の隙なんて与えないよ?
「おい!」
「ヘェエエヤァアアアアアアアアッ!!」
「……あれっ? お、おいっ!? ちょっと! なぁ!」
カカロットが急に話しかけてきたけど知らない。
だって俺べつに彼と関係ないし。
……とか思ってたらベジータ王子が気絶してしまった。
最初っからゴッドなりになってりゃよかったのに、ドラゴンボールの強者様って基本、油断しててボコされるよね。
まあ知っててやったんだけど。
さて、相手も気絶したのでそのままほっぽって、悟空さのもとへ。
「……オレの勝ちだ」
「えっ……いやぁ~……その。オラともやんねぇか?」
「やる理由がない。お前はカカロットで、その……フリーザ様……? がトドメを刺したい相手だ。オレには関係ない」
「いいっ!? そ、そりゃねぇだろぉ~……」
いやほんと無いし。
ていうかオラとやろうぜとか言っといていきなり謎の念動力使って説得に入るキミのことも、オレ正直わけわからんって思ってるから。
なんなんアレ。
喧嘩ふっかけてきといてオラたちは平和に暮らしているってなんぞね。
言っとっけどお前あれだからね? パラガスはとりあえずベジータ一族に復讐したかったんだから、正直あの場でキミが一番関係なかったんよ?
とか思ってたら、フリーザ様が声をかけてきた。
「構いませんよ。トドメさえ私に任せてくれるのであれば、少々痛めつけるくらい」
とか仰ってる。
オウコラテメェナメとんのか。勝ちたいんだったらテメェで戦えウスラトンカチ。
「……フリーザ様。邪魔なベジータ王子はやっつけた。これで一対一。オレはもう……関係ない」
「おや。なるほどなるほど、それは確かに。まさかベジータさんが超サイヤ人になる隙も与えられないままにやられるとは、思ってもみませんでしたよ。……では、そうですね、カリワーさん。衣食住を提供したお礼として、彼を痛めつけてはもらえませんか?」
「…………なるほど。ベジータ王子のは『あの星から助けたお礼』……」
「ええ、そういうことです。理解の速い人は嫌いではありませんよ」
「………」
「おっ? やってくれるんかっ? フリーザぁ、おめぇいいとこあっじゃねぇかぁっ!」
「やかましいっ! あなたのために言い含めたわけではありませんからねっ!?」
……戦うことになりました。
小惑星バンパから連れ出してもらったし、衣食住まで提供されたってんじゃあなあ。
……しゃーない、やるかぁ。
「っし、最初っから油断はしてらんねえ! はぁあああっ!!」
悟空さが超サイヤ人になった! ……ので、こっちは伝説の超サイヤ人になった。
「……へっ?」
キミらの油断したままの油断はしないはもう結構!
その慢心を抱いたままボコされなさい!
そんなわけでボコした。こちらも油断も隙も無く、相手が力を溜めてゴッドやブルーになろうとするたびに全力で隙を突いて。
したっけ途中からボロボロのベジータも参戦してきて、二対一になって……ホォオオオ貴様らァァァァ!!
俺べつにこの地球をどうこうするつもりもない、一宿一飯とひっでぇ星から助けてもらった恩を返すためだけに戦ってる善良なサイヤ人だってのに、それを二人ががかり! 二人がかりと来たか!
そりゃフリーザ様に紹介されたような奴だから危険視するのは分かるよ!? でもこっちの事情、さっき聞いてたでしょうがカカロットさん!?
俺は激怒した。そりゃあもうとんでもなく、すこぶる激怒した。
映画のブロコリさんのように、悟空さやベジータの攻撃を笑顔で白目のまま受けとめ、その上でボッコボコ。
一人が俺を引き付けてるうちにもう一方がブルーになり、もう片方もそうしてブルーになろうがもはや一方的に。
やがてこれ以上は無理だと悟ったらしい悟空さがベジータの手を引き、瞬間移動してこの場から消え去る───この
俺はすぐさま変身状態を解除して、このマグマ溢るる地下洞窟のもとまで様子を見に来ていたウィスさんのもとへと飛び、きっちりしっかり説明した。
「あの。これ、敵前逃亡ですよね?」
「え? ……あ、はい、そうですねぇ」
「じゃあ、決着はついたんで、オレは帰る」
「あら」
で、帰った。というか、地下洞窟そのまま突っ切って、この極寒地域からフリーザらにも気づかれぬように逃げ出した。
「わーい僕自由だー!!」
オラ達のパワーが勝ったァアアアアアア!!
バンパでずっと練習していた気を消す方法もしっかりレモさんのスカウターで実践できてたし、俺は下りさせてもらうぜ!
そしてパオズ山あたりで平和に暮らすんだヒャッホォオウ!!
会いに行こう! 本場の『ばははははしめたぞ! 猿か山猫か!』の魚に、会いに行こう!
「ずどどえあー!」
気を消したハイテンションなまま、こうして俺の戦いは終わったのでした。
……一方、一時間後あたりの地下洞窟。
『……あれっ? ウィスさん、さっきのサイヤ人は?』
「もう帰りましたよ。あなたたちが敵前逃亡したので」
「……………………え?」
フュージョンした二人の最強戦士が、ぽかんとしていたそうな。
『じゃあ俺達の……』
「負けですね。彼、べつにこの星をどうこうするつもりもなさそうですし。言われたから戦っていただけですよ。悟空さんはそのへん、しっかりさきほど聞いていたはずですが?」
『あ』
マグマの所為で蒸し暑い地下洞窟に、寒く悲しい風が吹いたそうな。
のちに完全に気を消してパオズ山で生息していたのに、ドラゴンボールの願いで発見されて絡まれることになる。
その度に太陽拳で目潰しをして、気を消して逃走した。
平和に暮らしたいだけだって言っても聞いてくれないんだもの!
悟空さも「そんなに強ぇええのにもったいねぇよぉ!」とか言って絡んでくるし、王子は問答無用で殴りかかってくるし!
なので一年後、ま~た願いを叶えようと神龍を呼び出したところに現れ、先に願いを叶えさせてもらった。
ひとつ。『身長を自在に操れる能力』
ふたつ。『年齢を自在に操れる能力』
みっつ。『相手の潜在能力を引き出す能力』
もう一度、思いっきり戦うことを理由にその願いをいただきました。
これでフリーザ様の願いもブルマの細かい願いも、ピッコロさんの能力を引き出すことも、悟飯が平和ボケするたびに能力を落とすアレなアレもなんとか出来るだろう。
……そっとフリーザ軍に戻ってフリーザの身長をほんのちょっぴり伸ばすと、彼はとっても喜んでくれました。
それはそれとして何故そのことを知っているのかと詰められたけど。
ブルマの年齢を少し戻したらとても喜ばれた。
それはそれとして何故年齢を気にしていることを知っているのかと詰められたけど。メンドクサイ!
ピッコロさんと悟飯に関しては、いろいろ事情を説明して実行させてもらった。
悟空さとベジータがオラとやろうぜとかとっとと構えろとかやかましいけど、ガン無視で。
ピッコロさんは「オレにこんな力が……」とか驚いて、悟飯は視力が戻ったことに喜んでくれたりしてたけど、悟飯は……ありゃあ困ったちゃんだな。
なにか危機が迫ることがあったら、パパッと引き出してもらっていいですか? とか楽をしようって魂胆隠そうともしなかった。
平和ボケって怖いわぁ……。
「なーあー! オラと───」
「だー! うるさぁああい!」
これを見ているであろうドコノダ・レイカさん! 超になってからの悟空さって明らかに知能落ちたよね!?
わかったよやるよ! でも一対一! フュージョンとかしたら問答無用で俺の勝利だから!
これでおーけーね!?
「やってくれるんか!?」
「ずるいぞカカロット! おいカリワー! このオレだ! まずこのベジータ様と勝負しろ!」
「じゃあまずはじゃんけんだな! っへへー、負けねぇぞぉ?」
「いいだろう……! どんなものであれこのオレ様が貴様の一歩先を行く!」
「………」
……あの。
自分、帰っていいっすか。
こんな感じで、なかなか平和には暮らせないけど、賑やかではあるドラゴンボールライフが始まったのだった。
……ヨシ! 仕事行ってきます!
車も自転車も乗り辛くなったなぁああ……!!