復讐者は天使と踊る   作:ケントxv

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復讐0:その復讐者...なる

世界の七割を悪魔が支配するこの世界...

僕...”ネイロ”はそんな悪魔の王”デゥーム”の第8子だ。

 

「母さま、母さま!ダムレイが父さまの第6宝具を継承したそうですよ」

 

「そう...」

 

「母さま喜びましょうよ!?弟が父さまの王位継承権の第6位に着いたのですよ?」

 

「そう...」

 

母さまは僕の弟で父さまの第9子...”ダムレイ”が大きな功績を上げても無関心だ。

そんな母さまの想いを知らない僕はただ純粋に憧れた。有能な弟に

 

「僕も父さまの宝具を受け継いで、みんなに認められる大悪魔に...」

 

「ネイロ...悪魔に憧れるなら覚悟を持ちなさい」

 

「え?」

 

母さまは僕の発言に対してそう告げる。

 

「母さま?どういう意味なのですか?」

 

「時が来れば分かるわ」

 

そう言いながら優しく僕の頭を撫でたその顔が悲しそうだった事は覚えている。

当時12歳の話しだ...

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

5年後...

 

「父様が僕を呼び出す何て...どんな用だろう」

 

『マスターを魔王が呼び出す事は過去のログを遡っても一度もありません』

 

僕は10人いる兄弟達のなかで唯一宝具を継承させてもらえぬ落ちこぼれとなっていた。

そのせいか友もおらず趣味は魔具制作という他の悪魔からしたら変人と呼ばれる類いの分類でもある。

 

「ようやく僕にも宝具をくれる気になったのだろうか?」

 

『それは随分と希望的観測ですね?』

 

では僕はさっきから何と話しているのか?そう、こいつも魔具の1つ”スマホ”...その中に住む疑似人格AI”アイリス”だ。

友達欲しさに自分で作ってしまった。いわゆる黒歴史だ。本人には言えないし、知ってるのも弟だけだ。

 

なぜ弟が知っているのかって?

弟にも同じのをあげたからだ。

 

アレは2年前、弟が初めて人間の騎士団長なる奴を殺した日のことだ。

 

『「ダムレイ!さすがだな」』

 

『「兄さん?何の用?」』

 

『「何の用ってお前が功績をあげたからお祝いにプレゼントを作ったんだ」』

 

『「兄さんが?僕に?」』

 

『「おう!こいつだ」』

 

僕は弟に黒いスマホを渡す。

 

『「何これ?板?」』

 

『「僕が作った魔具、スマホだ。魔力を込めてみろ」』

 

そうそう、言い忘れてたがこの世界には魔力やら魔術やらが存在する。

悪魔が支配する世界なんだ。当たり前だろ?

 

そうして弟が魔力を込めるとスマホが起動する。

 

『『おはようマスター、私は”イーディス”よ。貴方は?』』

 

『「ダムレイ...」』

 

『『そう、ダムレイね。これから貴方のサポートをしてあげる』』

 

『「兄さん...何これ?」』

 

『「お前を助けてくれる友人、イーディスだ!ついでに僕も持ってるぞ」』

 

そう言いながら自分用の白いスマホと

 

『『初めましてマスターの弟様、イーディスの妹...アイリスです。私はサポートではなくマスターのお友達としてプログラムされましたが』』

 

『「ちょいちょい!それは言うなよ、僕がぼっちみたいだろ?」』

 

『『みたいではなくぼっちなのですよ』』

 

『「おいおいアイリスさん...そんなこと言うと消しちゃうよ?」』

 

『『きゃあ~助けてください、弟様、姉さん』』

 

『「何やってんだ?」』

 

『『あいつらはいつもあんな感じよ...ということで、よろしく。ダムレイ』』

 

『「...よろしくイーディス。そしてありがとう兄さん」』

 

『「おうよ!」』

 

...おっと、過去回想に時間を使ったようだ。

早く行かねばな。

 

 

 

そうして、扉の前にたどり着く

 

「失礼します。ネイロです」

 

「入れ」

 

許可が下り応接間に僕は足を踏み入れる。

だが、そこで見た光景に僕は思考が回らなくなる。

 

「母様...?」

 

そう、そこには弟がその刃で母様を切り伏せる光景があった。

 

「ダムレイ...なにやってるんだよ?」

 

「魔王デゥーム様の命により、この女を始末した」

 

「は...何言ってるんだよ?」

 

「私の命でダムレイがその女を殺したのだよ」

 

「どういう事ですか?父さ...」

 

状況が飲み込めず母様に手を伸ばした。

 

「え?」

 

だが、その手は届かない。何故なら僕の右腕は...

 

「あ...アアアアアアアアアアアアァァァ」

 

弟の一刀により切り落とされてしまっていたのだ。

 

「貴様の母はもはや力を失って等しかった。ならば用済みだ」

 

父様が何を言っているのか分からない。

 

 

 

クスクス

 

   クスクス

 

            クスクス

 

     クスクス

 

           クスクス

 

                   クスクス

 

僕らのこのやりとりをただ楽しそうに笑っている兄弟達...

 

「そして...やはり我が血を引かぬ者は王位には不要よな」

 

この光景の意味が分からない。

 

「ダムレイ...やれ」

 

「兄さん...許せとは言わない。ここでさよならだ」

 

この言葉の意味が分からない。ただ...弟の刃が振り上げられた瞬間...

 

「うっ...うわぁぁぁぁぁぁ」

 

僕は恐怖心に従いみっともなく逃げ出した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「追います」

 

「よい、ダムレイ...さすが我が血を引く者だ。よく自らの母を断ち切ってみせた」

 

「僕は貴方の命令を遂行しただけです」

 

「そうか」

 

「父上、あの偽物の王子はどうされるのですか?」

 

魔王の第3子...長女のエリザベートが魔王に質問する

 

「ならなら、おれっちの部下にアイツを始末させるっすよ」

 

そう立候補するのは魔王の第7子...グライブ

 

「良かろう...やってみせろ」

 

「仰せののままに、陛下」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

僕はひたすら逃げていた。行く当ても無く。追手から逃れる為だけにひた走る。

 

「逃げられると思ってんのか?落ちこぼれのネイロ君?いや、偽物やろうネイロ!!」

 

グライブ兄様が追ってくる。配下のゴブリンやらを引き連れて

 

「ヒャッハー、さあお前達!狩りの時間だ!!」

 

「「「「「おおおおおおお!!」」」」」

 

右腕の止血も出来ておらず、意識がもうろうとする。

 

『マスター!このままでは捕まります。私の指示に従ってください!!』

 

かろうじて聞こえるアイリスの声に促されるまま、ただひたすら走り続ける。

 

『そこの曲がり角を左に』

 

どうして...

 

『次の通路を右に』

 

どうして...

 

『その川に飛び込んで!!』

 

 

 

 

「川下まで捜索しろ!おれっちがこんな簡単な仕事で出世出来るチャンスなんだからな」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

僕は何の為に...

母様は何故殺された...

なぜ弟は母様をころした...

何で僕が追われている...

僕が何をした...

全部...

 

『「私の命でダムレイがその女を殺したのだよ」』

 

全部...

 

『「やはり我が血を引かぬ者は王位には不要よな」』

 

全部...

 

『「ダムレイ...やれ」』

 

クスクス

 

   クスクス

 

            クスクス

     

クスクス

 

           クスクス

 

                   クスクス

 

『「ここでさよならだ」』

 

 

 

 

あいつらのせいだ

 

母様を殺した...僕の右腕を切り落とした...

この落とし前は高くつくぞ...魔王デゥーム

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

それから何時間たったのだろう?僕はどこかの沖に流れ着いていた。

腕の出血は止まっていた。ここは悪魔である自身にかんしゃだな。

 

『マスター?お目覚めですか?』

 

「ああ」

 

『近くに追手はいません。どうやら人間の生活区に紛れ込んだようです』

 

「僕の見た目は人間と大差ない。しばらくは紛れて身を隠そう...それにしても...僕...か...」

 

『どうされたのですか?』

 

「ふ...ふふふ...あっははははは!!」

 

『マスター!?』

 

「復讐だ...」

 

『復讐...』

 

「そうだ。僕を...いや、この俺様をこんな目に遭わせた全ての悪魔どもを...皆殺しだ!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

あの事件から1年後...

 

「聞いたかい?また悪魔狩りが村を襲った悪魔どもを根絶やしにしたって」

 

「聞いたよ。だけど、相変わらず周りの建物やなやの被害もじんじょうじゃないんだろ?」

 

「ああ、悪魔を殺してくれるのはいいが...もっと周囲のことを考えてくれてもねぇ?」

 

 

 

 

 

「ネイロ...またやったのか?」

 

『マスターは悪魔を見ればすぐに暴れ回る狂戦士ですから』

 

「そもそもお前が作った腕で暴れた結果だぞ?アイリス」

 

『さあ、何のことでしょうか?』

 

「ごっほん」

 

「ちっ」

 

「舌打ちかね?」

 

「何でもありませんよ。部隊長」

 

彼は人間軍悪魔討伐第8部隊部隊長”エリック”...今の”俺”の上司だ。

 

「君は確か強い、人間側の希望となるだろう。だが、無茶はするな。以上だ」

 

「起こらねえのかよ?」

 

「建物なんかを壊した事か?始末書はかいてもらう。だが、人類が悪魔と戦えるようになったのはお前達が1年前に現れたおかげだ」

 

「さすが俺様」

 

「君は今後も技術発展に...」

 

「断る。悪魔は全て俺の獲物だ」

 

「言うと思ったよ...だから前線で働いてもらう。だが、無茶はするなよ」

 

「くどいぞじじい」

 

俺はそう言って隊長室を後にしようとする。

 

「まて、ネイロ」

 

「まだ何かあるのか?」

 

「お前の情報によってもたらされた上位悪魔。魔王の第4子...”クーゼス”の目撃情報が入った」

 

「おいおい、とんでもなくラッキーじゃねえか!」

 

「お前ならそう言うと思ったよ。場所伝える、準備が出来次第向かってくれ!」

 

「了解!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

...とある遺跡、その周辺には吸血タイプの悪魔どもがうじゃうじゃしていた。

 

「うぇっコウモリどもがうじゃうじゃしていやがる」

 

『対悪魔用武装腕部...”ボルテイカー”接続完了』

 

「よっしゃ...パーティータイムだ!!」

 

そう言うな否や俺はコウモリどもの群れへと飛び込んでいった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

遺跡最深部...

そこにはとても巨大な水晶の花があった。

 

「...貴方は...誰?」

 

水晶の中で少女は眠る。

目覚めの予感を感じながら...

 

 

 

 

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