楽して大金だけ稼ぎたいトレーナーと魔改造されるブリッジコンプちゃん 作:ぶり大根(元・孤高の牛)
その上史実を超えた化け物までいるのである…!
「……あの、トレーナー」
「なんだ?飛行機乗ると毎回こんな事聞かれてる気がするんだが」
「いや今回は許して欲しいんだって……!だ、だって……なんであたしは……!!」
「あ、ブリコンちゃーん!今日からよろしくねー!」
「ホッコータルマエ先輩と同じところで遠征する事に……!?」
「ん?そうは言ってもお前、アメリカの時だってリリカルブロッサムと同じ場所で練習してただろ。割と仲も良かったみたいだし」
10月中旬、あたしはやはりアメリカにいた。
トレーナーの読み通り四冠達成後には『四冠が取れなくても招待するつもりではいましたが、折角なら四冠達成後に言いたかったので』とトレーナーズカップへの招待を正式に受けていた。
勿論行き先は1番賞金の出るトレーナーズカップ・クラシック。
そもそもなんで『トレーナーズカップ』というタイトルが付いているか……あたしもこの前までは知らなかった。
トレーナーの説明曰く
『この祭典はな、優秀なトレーナーにも沢山賞金をやろうって事で開催されてる言わば俺の為にあるようなもんだ。ウマ娘への賞金取り分は9割、トレーナーの取り分は無いがそれとは別に担当ウマ娘が獲得した賞金の半額がトレーナーの賞金になる。クラシックで優勝すればお前は180万ドル*1、俺は90万ドル*2の取り分という事だ』
らしい。
……それはさておき今はこの現状の話をしたい。
何故かホッコータルマエ先輩と同じ遠征場所になってしまった。
確かにクラシックのアメリカ遠征でもリリちゃんはいたけどそれは同年代って事だし……しかもダートGI級9勝してるんだよこの先輩。
眩し過ぎる、目の前が眩し過ぎる。
「ほら、呼ばれてるぞ」
「ひゃ、ひゃいぃ!!きょ、今日からよろしくお願いしまーす!」
「あはは、そんな緊張しないで。一緒に頑張ろ!」
「が、頑張ります!……め、目の前で見るとやっぱりかわいい」
ずずいと近付かれて言われたせいでつい本音が。
恥ずかしい……でもホッコータルマエ先輩顔が良過ぎるんだもん、仕方ない……仕方ないよね……?
「え!?そ、そうかな……褒められると照れるな……」
「そ、そうですよ!先輩はほんっとうにかわいいと思います!」
「え、えへへ~」
こうなったら本音をぶつけようそうしようの精神だ。
押し切った、押し切ったぞ。褒めるのも照れるけど貴重なホッコータルマエ先輩の照れ顔も見れたしもうこれで良いや。
後はシレッと話題を変えようそうしよう。
「あ、そ、そういえば先輩はすぐにホテルに行くんですか?」
「うん、そうだね。私達はこのままって感じになると思う。別行動になりそうだし後はまたホテルでって事になりそうかな?」
「そう……なりそうですね」
「それじゃまた後でね!」
「はい、また後で!」
よ、よし上手くいった。
でもまた後でって事はこの後また会うんだよね……大丈夫かなあたし……
「……お前さ」
「へ?な、なにトレーナー?」
「一応、今日のこれからの予定忘れてないよな?」
「……なんかあったっけ?」
これからの予定……はて、なにかあったっけ。
あたしはTCクラシックの事とタルマエ先輩に気を取られて後の事は何も覚えてないんだけど。
……いや、いやいやいや?
でも何かあったような……
「やっぱり忘れてやがる……ほら、ご到着だ」
「…………あ」
なーんか大きいリムジンが止まったなあ、なんて呑気に眺めていたら降りてきた人物によってあたしの記憶が全部蘇ってきた。
「いやあ遅れちゃってごめんなさいね〜コンプちゃん、それにMr.トキサカ」
「いえ、我々も先程着いたばかりですので。改めまして、ブリッジコンプのトレーナーをさせていただいております時坂敦史と申します。……ほら、コンプも挨拶しとけ」
「ひゃ、ひゃい!あ、あたしはブリッジコンプって言います!よ、よろしくお願いしましゅ!」
「あらあら元気が良いわね〜若いって良いわぁ。私はセクレタリアト……って2人とももう知ってるわよね〜」
そうだ……出国前に話を聞いて気絶して忘れていたけど……今日はアメリカクラシック三冠ウマ娘の会に呼ばれてるんだった……!!
全員が集まる訳じゃないけどまさかまさかセクレタリアトさんが出席するのが1番胃に来る……ほんと無理……
「さあさあ乗って!みんなもう待ってるわ〜」
「い、行くってどこに……?」
「それはもう!大先生のお家に決まってるじゃな〜い」
「ミッ」
「……コイツ、デビュー前からずっと緊張しまくる性格なもんで」
「良いわよぉ、ファラちゃんみたいなものでしょ」
あ、もうダメかもしれないやあたし……
で、来てしまったは良いけれどワーラウェイさん本当に100歳超えてるのか信じられないくらい元気で、緊張より先にそっちの衝撃の方が上回ってしまった。
さすが鉄人と呼ばれてるだけあるなあ。
「ワッハッハ!まさか私の四冠に並び立つ、いやそれを超える四冠ウマ娘が出てくるとは思わなかったよ!それに、例の記事も見たしねえ」
「ヒエッ、そ、そのそれは誤解と言いますか……!」
「分かってるよ、アンタのトレーナー中々面白いじゃない」
「光栄ですマダム」
いやほんと、記事も誤解されてなくて良かった。
それはそれとして遊ばれてる気もするけど……
「しかし日本語がお上手ですね、こちらとしても驚いてしまいました」
「そうかね。ここに会している連中は私以外は皆サンデーに日本語を習って覚えたんだけれど、そう言ってもらえるなら安心するよ」
「ご紹介に預かりました……と言っても、トレセンで良く会いますから今更でしょうけど。サンデーサイレンスです。本日はこの会合の為にアメリカまで来ました」
「あ、は、はい!い、いつもお世話になってます!」
そして1番驚いたのはサンデーサイレンス先生がいる事。
この人日本に住んでる……というか中央で先生やってるから来る事は無いと思ってたんだけど!?
「さて、あと2人も自己紹介しておきましょうか」
「はい〜……え、えっとアメリカンファラオです。プレッシャーで胃が痛いと思うけど、私はキミと似てるというかプレッシャーには弱いから良く分かるよ……」
「握手しましょう」
「え?あ、うん……握手。これでお友達……かな」
「あ、ありがとうございます!」
「ふふふ、やっぱりファラちゃんとは仲良くなれたわね」
一瞬で緊張が消えた。思わずそんな事を言うくらいには。
まさかこの会合に私と同じものを抱えた方がいるとは……!
「ハーッハッハッハ!ボクの名前はジャスティファイ!よろしあいたぁ!?」
「だ、大丈夫ですか……?」
「大丈夫ですよ。ファイちゃんは天性のポンコツなだけですから」
そして数年前まで現役で引退レースでGIを獲得して華々しく引退していったジャスティファイさん。
現役時代のレースでは凄まじいオーラが出てたのに椅子に足引っ掛けてる素がこれってほんとなの……?
「今日は折角だからブリッジコンプちゃんに聞きたい事沢山聞こうと思って招待したのよ〜楽しんでいってね〜」
「あ、は、はい!」
……ずずいと会合メンバーの皆さんがあたしに一歩詰め寄ってくる。
あ、これしばらく胃痛は止まりそうにないなあと受け入れざるを得なかったのは最早言わなくても分かる話である……
【速報】ブリッジコンプさん、米クラシック三冠ウマ娘の会に拉致られる
50:名無しのウマ娘観測者
ちゃんと拉致られる(という名の招待)瞬間激写されてて草ですよ
51:名無しのウマ娘観測者
コイツいっつもアメリカでネタ作ってくるよな
52:名無しのウマ娘観測者
>>51
なお、伝説も一緒に作ってくる模様
53:名無しのウマ娘観測者
三大多分全盛期が宇宙人系日本人アスリート
大矢翔平、井坂尚弥、ブリッジコンプ
54:名無しのウマ娘観測者
>>53
こんなん宇宙人でもドン引き三人衆定期
実在人物を出していた部分は改変しておきました、ご指摘感謝です
ワーラウェイ
現状アメリカクラシック三冠ウマ娘会の総帥
あの記事を見た時は腹を抱えて笑っていたそうだが本格的にブリッジコンプを気に入っている
100歳超えても腰も曲がってない杖も付いてないヤベー人
セクレタリアト
皆さんご存知アメリカ競馬界のTheアンタッチャブルレコーダー
実馬は人の声等に非常に鈍感で図太く陽気な性格だったそうなのでこちらでも陽気なおばあちゃんになった
サンデーサイレンス
普段は日本に住んでいる、若い頃はマンハッタンカフェに何故かそっくりだったウマ娘
年齢を感じさせない美貌で今でも男性ファンが数多く存在する
史実を超え三冠達成を成し得たウマ娘(その話は次話で登場)
アメリカンファラオ
長年出なかったアメリカクラシック三冠に久々に現れた三冠達成ウマ娘
逃げウマ娘且つプレッシャーに弱いという点でブリッジコンプと非常に似通っていた為意気投合
集まりの中ではかなり若手
ジャスティファイ
下手すれば無敗三冠を達成出来たはずのウマ娘
だが天性のポンを発揮し前哨戦を斜行してしまい失格
三冠後は怪我もあったものの1年の休養後引退までGIを毎年獲得し続けていた超絶エリート
但し凄まじいポンコツ