楽して大金だけ稼ぎたいトレーナーと魔改造されるブリッジコンプちゃん   作:ぶり大根(元・孤高の牛)

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今回のあらすじ
時坂父「今年はウチは良いからブリッジコンプちゃんのご両親に挨拶してきなさい」
時坂母「アンタあんまりにも変人過ぎて今まで女っ気無かったんだから逃がすんじゃないわよ」
時坂「なんだこれ…」


25.まるでもう『ご両親への挨拶』みたいになってるが実はまだお互いに恋心すら持ってないのである!

「あら〜貴方がコンちゃんのトレーナーさん?いつもこの子がお世話になってます」

 

「どうも、ブリッジコンプのお母様。時坂敦史です。ブリッジコンプさんは非常に素直で人当たりも良いので共に居て楽しませてもらっていますよ」

 

「それなら良かったわぁ〜ささ、入って入って!色々とお話聞かせてもらいたいもの!」

 

「余計な話はしないでね!?」

 

「さてどうしようかな〜?」

 

「おいこら」

 

 学園は冬休みに入り大晦日。

 昨年の冬はコンプも俺もまだビジネスパートナーという線引きがあったからか気にせず各々の実家に帰省していつものように過ごしていた。

 だが今年は違う……というのも、さて今年はどうしようか等と俺が考えていた矢先に両親から電話があったのだ。

 

 

『え?正月は帰省して来なくて良いから担当の両親に挨拶してこい?』

 

『そうだ、さっきも言ったように担当ウマ娘のブリッジコンプちゃんのご両親に挨拶に行きなさい、その代わり今年はウチには帰ってこなくて良い。大変だろうからな』

 

『そうよぉ。将来の義両親になるかもしれない2人なんだから失礼の無いようにね。アンタ昔っからお金の事ばかりで女の子も1人足りとも寄ってきた事無かったんだから』

 

『……将来の義両親になるかもしれないから?何言ってんだアンタら……正気かよ』

 

 

 と、こんな具合に。

 ご両親への挨拶、じゃねえんだわまだ恋の『こ』の字にも発展してねえんだわこっちは。

 そんでもってコンプに着いてくって話した時はした時で

 

 

『ウチ来るの?』

 

『こっちの親父と母さんにはお前の両親に挨拶して来いって言われたわ。つー訳でついて行かないと暇で仕方ない』

 

『……まあ良いけど。ウチとしても去年帰った時からずっと電話とかで早くトレーナーを連れて帰ってきてくれーだの、娘の恩人に挨拶も出来ないんじゃ死んでも死にきれないーだの言ってるし』

 

『変わってんなあお前んとこのご両親』

 

 

 こんな風に割とノリノリで認めてるし。

 お前それ意味分かって言ってるのかと問い詰めてやりたい、絶対分かってないだろうからな。

 さっきからコンプの母親が凄く良い笑顔でこちらを見てきてるし。

 

「お父さん!コンちゃんのトレーナーさん来たわよ!」

 

「おおそうかそうか!……貴方がコンプのトレーナーさんか、ようこそいらっしゃった。あまりおもてなしは出来ないが……母さん、そこの棚にまだ開けてない菓子があっただろ、トレーナーさんに出してやってくれないか。私はお茶を入れるから」

 

「そうね、それが良いわ!ちょっと待っててくださいねトレーナーさん」

 

「すみません、わざわざ」

 

「気にしないでください。娘の事をこんなに立派に育ててくださったトレーナーさんの為ですから」

 

「ちょ、ちょっとおとーさん恥ずかしいって……」

 

「恥ずかしい事あるか!私は昔からウマ娘のレースを見てきましたが贔屓目無しに今の我が娘より強いウマ娘は見た事が無い!」

 

「いやそれは嬉しいんだけどね?」

 

 お父さんに関してはそれどころではなかった。

 生粋のウマ娘レースオタクとは聞いていたがそれにプラスして自分の娘がアメリカ無敗五冠を成し遂げたと聞けばこうなるのも頷けるが……にしても凄い勢いだなこれは。

 賑やかというか、コンプがどういった家庭で暮らしてきたか一目見れば分かる程だ。

 ウチの両親も中々なものだがこういうご両親であるなら毎日退屈せずに過ごしていた事だろう。

 

「本っ当に、娘をここまで勝たせてくれてトレーナーさんにはなんとお礼を言ったら良いものか……」

 

「それにコンちゃんもとても楽しそうにトレーナーさんの事を話してくれていますからね。頼れる大人の人と言う面でも私からお礼を言わせてください。本当にありがとうございます」

 

「大袈裟……とは言えないと分かってる辺りあたしはまだまともな感性が残ってるんだろうなあ」

 

 お前に関してはグッズ収益含めて軽く10億超してる手元の通帳見ても一般人の感性を残してる時点でまともじゃないから安心していい。

 もう少し金使ったらどうなんだお前はよ。

 

「本当に何もお返しがありませんもんで……」

 

「いえ、気にしないでください。俺はトレーナーとして当然の事をしたまで。……それでも尚何かしら思うところがあると言うならば、俺は既に彼女が勝つ事で大量の賞金を手にしていますのでそれがお返しという事でここは1つ」

 

「トレーナーほんとお金大好きだもんねえ」

 

「あらあらトレーナーさんもお茶目なところがあるのねえ」

 

「ははは、それなら少し肩の力も抜けるというものですな」

 

 あとご両親が良い人達過ぎる。

 コイツの育ちが良い……性格的な話だが、のも理解が出来る。

 

「しかし俺みたいな若輩者が娘さんの担当になると聞いて不安に思ったりとかはしなかったので?」

 

「無かったですなあ。今までスカウトに見に来るトレーナーに見向きもされてなかったと嘆いてばかりでしたから、そんなウチの娘を見初めてくれたトレーナーさんを疑うなんて出来やしませんよ」

 

「……俺が賞金稼ぎ目当てでトレーナーになったと言ってもですか?」

 

「それこそ働くならそれくらいのモチベーションは必要よ〜、それにこの子の様子を見ていれば大切に扱われているのは一目瞭然ですし」

 

「ふむ……どうやら俺はめちゃくちゃ受け入れられているらしい」

 

「冷静過ぎない?」

 

 俺のような金稼ぎが目的の新人トレーナーという立場を見ても何も思わず受け入れていたのはある意味恐ろしい事実ではある。

 懐の広さとか以前にそこまでコンプが追い詰められていたという方の事実にである、下手をすれば俺が見つける前には退学を選択していたかもしれないと思うと天運には感謝せねばならないだろう。

 

「俺はお前と出会えて良かったと心の底から思ってるよ」

 

「みゃっ!?ちょちょちょ!?トレーナーは急に何を言ってんの!?」

 

「思った事を言ったまでだが」

 

「も、もう……照れるような事をサラッと言う……」

 

 照れるも何も本当の事を言ったまでなんだがなあ。

 前にコンプに話したように、金以上に今はコイツが隣にいないと何かしっくり来ない。それくらい毎日が充実している、それは紛れもない事実なのだから。

 

「あら〜……もしかしてトレーナーさん、コンプの事を異性として好いていたりします?」

 

「え?」

 

 ……そんで持ってこの母親もウチのと似てるのか。

 全く、そんなキラキラした目で聞かれても気まずい事この上無いんだがな……仕方ない、期待外れにはなってしまうだろうが正直に言うしかあるまい。

 この前のアレは気のせいという事になっているのだからな、今のところはな。

 今後どうなるかは別として。

 

「あー……それを期待してもらっていたのなら申し訳ないですが俺達は双方そういった感情は持ち合わせていませんので。ですが大切な相棒ではありますよ、俺が責任を持って傷1つ負わせる事はさせないと誓います」

 

「そうか、それは妻が失礼をしてしまったね。だが私としては君以上に娘を託せそうな男というのもいなくてなあ……どうしたものか」

 

「うーん、私としては全くそんな感じが無いようには見えなかったんですけどねえ。でもこんな格好良い人に担当してもらえて良かったわね、コンちゃん」

 

「ま、まあ?自慢のトレーナーではあるからねっ」

 

 ……大丈夫なんだろうな、これ。

 ちゃんと理解してもらえたのか若干怪しい気がするがまあ流石に大丈夫だろうと思う事として、年末年始をこの家で過ごすのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

「ところで時坂くん」

 

「なんでしょうお父さん」

 

「コンプの次走に付いてだが……決めているのかい?」

 

「ええ。お父さんの予想しているだろう通り、俺はペガサスワールドカップでアメリカ完全統一六冠王者を狙いに行きますよ」

 

「やっぱりか!!ああ……楽しみだ!まさか実現なんてしないと思っていたものを娘が見せてくれるなんて……」

 

「期待していてください。……そうだ、ウマッターにも次走の発表しとくか。コンプも今回ばかりはノリノリだったしな」




アメリカ完全統一六冠王者
ケンタッキーダービー、プリークネスステークス、ベルモントステークス、トラヴァースステークスのクラシック四冠に加えTCクラシックとペガサスワールドカップの全六冠を1年以内に全制覇したウマ娘にのみ与えられるこの作品オリジナル・前人未到の称号
1年以上掛けて全制覇した場合『アメリカ統一六冠王者』になるがどちらにせよクラシック四冠が必須なので無理ゲーとされている


一方その頃受賞した今作の登場人物達

セイウンムラクモ
・TCUR大賞
その年大井レース場で活躍したウマ娘の中で最も優秀な成績を残したウマ娘に送られる賞、元ネタはTCK大賞
羽田盃、東京ダービーの二冠に加えジャパンダートクラシック、東京大賞典2着と4戦2勝全連帯にダートクラシック二冠が高く評価された

・NAURグランプリダートグレード競走特別賞
二冠を取りながらまさかの年度代表陥落も、特別賞は順当に獲得


リリカルブロッサム
・NAURグランプリ年度代表ウマ娘
その年地方開催レース全体で活躍したウマ娘の中で最も優秀な成績を残したウマ娘に送られる賞、元ネタはNARグランプリ
ジャパンダートクラシックに加えシニア混合の東京大賞典で戴冠したのが決定打となり満場一致でリリカルブロッサムになった

・NAUR最優秀クラシックウマ娘
今年はここを勝ち取ったウマ娘がNAURの年度代表ウマ娘になると断言される程、リリカルブロッサムとセイウンムラクモで競っていたが僅か2票差でブロッサムが上回った


サンライズローズ
・エクリプス賞最優秀スプリンター
ビングクロスビーステークス、TCスプリントという『シニア混合GI2勝』且つトレーナーズカップというアメリカ最高峰の祭典のスプリントGI勝利で文句無しの満票受賞

・エクリプススペシャルアワード
三冠ロード全てで2着と全敗を喫するも絶対王者に対する敬意と真っ向勝負で挑んだ誇り高き純血ステイツの魂を讃え特別受賞


ロイヤルダーツ
・エクリプス賞最優秀女性トレーナー担当ウマ娘
女性トレーナー限定レースの頂点であるTCディスタフで優勝した事とティアラ路線では無く王道クラシック路線に挑み全体的に好成績を残した事が大きく評価された

・エクリプス賞最優秀女性トレーナー担当クラシックウマ娘
ティアラ路線での二冠ウマ娘とどちらにするか大きく揉めたもののやはり王道クラシック路線、特にトラヴァースステークス2着とアメリカ最高峰の祭典TCで勝利をあげた事で僅差で獲得


時坂敦史
・最高勝率トレーナー
「最多勝と最多賞金はチームトレーナー相手じゃねえ」
「『時坂でも取れないトレーナー大賞』とか言われてんのかね、まあ金の出ない表彰とか興味無いから良いけど」
「それはさておきコンプがURAの年度代表取れなかったら光利連れて東京シティレーシング系列(所謂南関東)にでも移籍するとこだったわ」
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