楽して大金だけ稼ぎたいトレーナーと魔改造されるブリッジコンプちゃん 作:ぶり大根(元・孤高の牛)
これ終わったらまあまあ爆走して凱旋門賞まで行くんでね、ええ
多分あと10話も無い内に凱旋門賞終わってると思う
「……」
「……」
あれから大体5分くらい経った。
時計をチラリと見る。うん、多分5分だよねこれ。
体感時間だけ考えると1時間くらいの気分だけどね……顔をそっぽ向けてるけど分かりやすいくらい赤く染めてるトレーナーが珍し過ぎてあたしまでドキドキしてしまう。
いやいやあたしは違うからね!?……なんて言えたら逆に楽だったんだろうけど思い返すと絶対あたし惚れてるよね?ってシーンが多過ぎて頭を抱えたくなる、というか実際クローゼットで頭抱えた。
恋愛経験無さ過ぎて気付かなかったなんて……というか今もトレーナーがそっぽ向いてるから見れてるだけでまともに顔なんて見れないからね?
「……いや、まさかお前がいるとは思わなかった」
「あ、あはは……その、トレーナーに……ひ、日頃の感謝……的な?事?しようと思って、プリンに贈ってもらったバレンタインステークスの特別衣装着て目の保養にでもしてもらおうかと……」
「……なるほど。クローゼットにいたのは大方サプライズで俺を驚かせたかった、みたいなところか」
「はい、まあ……そうですねえ……」
ここまで言葉に詰まってるトレーナーも初めて見るなあ。
いつもは自信家で変人でそれでいて理路整然とした人だからイメージなんてした事も無かったけど、こんな姿もあるんだと少し他人事みたいに考えてしまう。
まあ元凶あたしなんですけど。
「どこまで聞いた?」
「ど、どこまで……とは?」
「俺と電話口の相手との話だよ。どこまで聞いたかによって話が変わってくる」
「…………全部、かなあ」
「そうか……そうかぁ……」
弱々しい声で眉間を押さえるトレーナー。
思えばこの事件で一瞬忘れてたけどこれサウジアラビア遠征中なんだよね……どういうタイミングなの……
いやいや、兎にも角にも今はこの空気を変えないと。
これのせいで気まずいまま走って負けましたなんてなったら笑い話にすらならないって。
「あ、あのトレーナー……?え、えと、都合が悪い事ならあたしはその、忘れるから……ね?」
「……いや待て。それだけは無しだ。ここで有耶無耶にした場合お前のメンタル面において悪影響が出るのは明白だ。……ここは俺が恥をかなぐり捨てる、本当はお前がトゥインクルシリーズを走り切るまでは封印しておくはずだった俺の気持ちだ」
「え?はい?」
「もしも断りたかったら躊躇するなよ?あくまでも俺はお前のコンディションを考えた時の最善の行動をするだけだからな。……聞いての通りだが、俺はコンプ、お前の事を異性として好いている。
いつ好きになったかは分からない。だが明確に自分の気持ちを自覚し始めたのは2年前の秋頃、トレーナーズカップの直前辺りだった」
何とかしてこの話は終わりにしよう……なんて考えていたあたしが甘かったと頭を抱えたくなってしまう。
目の前にいたのは自尊心なんてかなぐり捨てて担当ウマ娘ことあたしの事を尊重し過ぎるあまりに告白までの覚悟がガンギマリになっていた化け物だった。
どうしよう、どストレートに告白された上に言葉挟めない。
「だが、さっきも言った通り俺は少なくともコンプがトゥインクルシリーズを引退するまでは隠し通すつもりでいた。競技者として真剣に向き合ってるお前に水を差す行為なんぞトレーナーとして一番やってはならない事だからな」
「だが、失敗した。件のペガサスワールドカップ翌日のデートの時の失言だ。いつかお前が他の男の隣で、笑顔で、ウェディングドレスを着ているところが脳裏に過ぎった。その時感じた気持ちが思わず言葉として出てきたという事だ……全くもってトレーナーとして失格だろうな。
そしてこのまま有耶無耶にすればお前の脳裏には薄らこれが残ってしまう、だからここでこの件については決着を付けておく。俺の自尊心なんぞ知らん、フラれたからと言って態度を改めるつもりも毛頭無い。俺はそんな女々しい男じゃないからな。いつも通りでいれば良い」
「ちなみにお前の良いところを挙げるとすれば、顔も俺好みだし性格も俺のノリに自然と着いてこれて努力家で秘めたる情熱を持ち合わせていて周りに自然と人が集まるような魅力。俺の好みだ。それに恋人として過ごす時間なら唯一お前となら今からでも問題無くたんまりとある」
「――もう一度だけ言うぞ、俺はお前の事が好きだ。異性として、唯一幸せにしたいと、笑顔をずっと見ていたいと思った。後は……お前の返事を待ちたい」
「ミッ」
どうしよう、本当にどうしよう。
ここまで言われて断るルートが全くもって存在してないのが一番怖い、もう自然と受け入れちゃってるあたしがいる事実に震える。
愛され過ぎてて恥ずかしいやら嬉しいやらで顔が熱い。
……ああ、もう。
こうなっちゃったらあたしだって覚悟決めるしかないじゃん。
誰からも見向きもされなかったあたしの手を取ってくれて、今までこんなに支えてきてくれて、一緒に遊びに出掛けたりゲームもワイワイ楽しみながら出来て、金儲け第一って言ってた癖に今こんな風に自分のプライドさえも捨ててまであたしの事を考えてくれて。
もうこんなの好きにならない方がおかしいじゃんだって。
冷静に考えてこれで好きにならない担当ウマ娘いるの?無理でしょいないでしょ。自覚した今だから言うけどあたし多分半分くらいは一目惚れだったよこれ。
そんでベルモントステークスで完全にノックアウトされてるよ。
……言おう、あたしの気持ち。
「…………ふぅ。その、返事をしても良いですか」
「ああ」
「その……あたしも、トレーナーの事が好き……です。今日ここまで自覚すらしてなかったけどさ、多分半分くらいは一目惚れ。あの日ずっと日陰者として過ごしていたあたしの手を取ってくれたトレーナーは、文字通りあたしの王子様だったみたい……なんて、ちょっと言い方恥ずかしいかな。でも、これが本音……です」
「その、今回みたいにまだまだポンコツやらかす時もあると思うし、身体なんてずっと子どもっぽいけど……それでも良いなら、不束者ですが……よろしくお願いします……」
言ったよ言った、言ってしまった。
でもここまで誠実にしてくれたトレーナーに嘘なんて言える訳が無い、後悔は無い、これで良かったはず。
「……俺で良いんだな?」
「そ、そうだよぅ!」
「俺と付き合う場合結婚前提且つ一生共にいてもらう上で一緒の墓に入ってもらう事になるが良いんだな?」
「いやめちゃくちゃ誠実ゥ!!悪い要素無いよぉ!!」
「じゃあ……よろしく頼む」
「うんっ」
うん、後悔は無い。
というか言って良かったなあって思ってる。
トレーナーも照れてるけど、恋人になったんだなあと思ってから見るととても可愛く見える。
なんかとても幸せだ。
これなら……あたしは負ける気がしない。
そう、確信出来た。
【実況】サウジカップ【ブリコン連覇秒読み】
222:名無しのウマ娘観測者
お、勝利者インタビュー
223:名無しのウマ娘観測者
今回は15バ身差だったし会心の勝利だったなあ
224:名無しのウマ娘観測者
いえーい!前回ここぞとばかりに「そろそろブリコンも衰えてきている。負ける時期が来た」って言ってたニキみってるー?
225:名無しのウマ娘観測者
お?なんかそわそわしてないか今回
226:名無しのウマ娘観測者
なんだなんだ?
『ところで今日は何か少しそわそわしているようにも見えますね。何かありましたか?』
『え、えーっと、その。ここで言う事なのかなーとは思うんですけど……えへへ、今回ここまで会心の走りが出来たのは、トレーナーとお付き合いが決まったからなのかなー……なんて、思ったり……そ、そういう訳で、あたしとトレーナー、少し前からお付き合いしてます……!』
252:名無しのウマ娘観測者
ファッ!?
253:名無しのウマ娘観測者
ファーーーーーーーーwwwwww
254:名無しのウマ娘観測者
お付き合い!?!?!?!?
255:名無しのウマ娘観測者
はよ付き合えとは言ってたが唐突に付き合ったな!?
256:名無しのウマ娘観測者
うおおおおおおおおおおおおおおおお
257:名無しのウマ娘観測者
ワイ時コン派閥無事灰になる
258:名無しのウマ娘観測者
ええ!?付き合ってなくてもあのバカップルぶりだったのに付き合ったらどうなるんだい!?(マスオさん)
259:名無しのウマ娘観測者
しゃあ!!一旦ここに教会建てようぜ!!
260:名無しのウマ娘観測者
祭りだあああああああああああああああ!!!!
『あ、ちなみに今年はTCじゃなくて凱旋門賞挑戦するんで安田記念とムーラン・ド・ロンシャン賞出ます。よろしくー』
295:名無しのウマ娘観測者
ちょっと待て俺達の情緒壊れる情報サラッと言うなァ!!!!!時坂ァ!!!!!
-オマケ 呼び方-
「……ところでさ、トレーナー」
「なんだ?」
「こ……恋人になったんだしトレーナーの呼び方も変えようかなと……思うんだけど」
「……ちなみになんて呼ぶつもりだ」
「あ……あーくん……」
「……」
「……」
「……もう少し恋人という状況に慣れてからにするか」
「だ、だね……」
2人の恋愛
差し切り勝ち凄い脚(迫真)
師匠
図らずして恋のキューピット化した
URAの偉い人
その頃卒倒していた
アメリカ
凱旋門賞出るならほなしゃーないかあとなっているが実は今年の年度代表で会議が大荒れになる事をまだ知らない
ブリコン「と……ところでさ」
時坂「なんだ?」
ブリコン「……に、似合う?」
時坂「かわいい(食い気味)」
ブリコン「え、えへへ……」