楽して大金だけ稼ぎたいトレーナーと魔改造されるブリッジコンプちゃん 作:ぶり大根(元・孤高の牛)
お分かりの方もいると思いますがもうこの物語も割と終盤です、というか実質凱旋門賞でほぼラストみたいなもんです
あと何度か誤字報告でリゲルをリギルに訂正してくれる人がいますがリゲルで合ってます、合ってます(迫真)
アニメにいたリギルTじゃなくて和田竜二モデルのTがリーダーだからね!(32話参照)
ちなみにリゲルという一等星もちゃんとあるのでそこもヨロシクゥ!
「……遂に乗り込んで来たか、ブリッジコンプ」
「どうするんですか、畑違いのダートウマ娘に我がフランスが誇る凱旋門賞を万が一でも取られたりしたら」
「流石にそれは無いでしょう。欧州史上最強ウマ娘スノーフォールの4連覇で終わるのがこちらのシナリオですから」
「本当に大丈夫なんですか?今年はブリッジコンプの他にもサンライズローズまで乗り込んで来ますよ?それに現役日本芝最強テイエムクロードだって侮れません」
「サンライズローズも所詮はダートウマ娘、テイエムクロードに関してはいつもの日本ウマ娘の様にロンシャン芝との適性が合う可能性は低い。問題は無い」
フランスウマ娘協会全国連合会、通称『FNSUF』。
現在ここでは上層部による会合が行われていた。
それもそのはず、ダートウマ娘だったはずのブリッジコンプが安田記念を10バ身差圧勝、サンライズローズも凱旋門賞乗り込み宣言を掛けイギリスでクイーンエリザベス二世ジュビリーステークスとキングジョージ六世&クイーンエリザベスステークスという権威ある2つの芝GIを見事に勝ち取りここフランスへ乗り込んでくる。
テイエムクロードに関しても一部上層の人間は中距離の走りに関して『全盛期に来ていたらどうなっていたか分からない』と危惧したあのテイエムオペラオーと同等の評価を下している。
「そもそもサンライズローズは6ハロンGIの1ヶ月後になんで11ハロンのGIに出てるんだ……」
「いや、まあそこは本当に意味が分からないんだが問題は無い。我々フランスの誇るロンシャン芝は日本の高速芝やイギリスのポピュラーな欧州芝とも違う。地獄の様な足を絡め取るハイパワーが要求される芝だ。確かに奴らは2人ともダートで世界有数の成績を……いや1人に至ってはどうしたその成績?って言いたくもなる成績をしているが!そう簡単に欧州最高のレース足る凱旋門賞が落とされてなるものか!しかも我々にはフランスの誇る最強ウマ娘スノーフォールもいるのだぞ!?」
「あの、スノーフォールはアイルランドのウマ娘……」
「最早3連覇されたら実質フランスウマ娘で良いだろう!!もう10年ビザは渡してるんだぞ!!」
「それ毎年10年ビザって言って渡してませんかね……」
なお、スノーフォールはアイルランドウマ娘でありフランスは蹂躙された側である。
そして何の因果かフランスは10年ビザを毎年スノーフォールに渡している、実質的な永住権なのは誰もが知っている事だ。
一方ブリッジコンプも安田記念獲得後フランスに飛ぶ前にアメリカホワイトハウスに招待され特例中の特例としてグリーンカードを遂に渡されていた。
なお彼女の胃は考えないものとする。
本来はスノーフォールとブリッジコンプの対峙はアイルランド対日本の構図になるのだが一部界隈ではフランス対アメリカと言われているのはこの為である。
「とにかく、だ!芝の連中ならまだしも畑違いのダートウマ娘に勝たれる事だけは何としてでも阻止する!」
「……ど、どうやってですか?」
「は?そんなもの正攻法以外無いが?」
「ア、ハイ」
なお、どれだけ悪役じみた言葉を羅列しようとも正攻法以外で倒す気は更々無い辺り全員スノーフォールに脳みそをやられているところまでアメリカとブリッジコンプの関係性とそっくりであった。
「……まずはムーラン・ド・ロンシャン賞。安田記念で優先出走権を得たブリッジコンプとテイエムクロードが出てくるそこでロンシャン芝に苦しめられると良い。サンライズローズはフォワ賞か、まあどちらにせよ壁を感じると良い。我々フランスは一筋縄では落ちない、それだけだ」
男の目は燃えていた。
フランスは落ちない、そう確信するかの様に。
「いやもうとっくの昔にアイルランドに落とされてるんですけどね」
「余計な事は言わんで良い!」
「オーホッホッホッ!待っていましたわコンプちゃん!フランスへようこそ!」
「イギリスで大暴れしてたのは知ってるけどフランス来るの早くない!?あたしより早く着いてるの!?」
「それはもう!いち早くコンプちゃんに会いたくてキングジョージ杯勝ったその足で飛行機に乗り込みましたわ!」
「早すぎる!?」
夏真っ盛りの8月、あたしはフランスにいた。
安田記念に勝った後も芝のレースに慣れる為にオグリキャップ先輩やタイキシャトル先輩、サイレンススズカ先輩と並走したり特訓を付けてもらったり。
プリン、ケーキ、スモモは『凱旋門賞には絶対応援いくからね!』なんて言われたり。
でも一番意外だったのはテイエムクロードさん……クロードちゃんだったかなあ。
安田記念、大きく離された2着で人目も憚らず大泣きしたかと思えば開口一番『今年はずっとブリコンちゃんと走るもん!!』とトレーナーの尾田さんに宣言して、そして同じ飛行機に乗った後色々話してる内に仲良くなって。
「はへ〜あなたがサンライズローズちゃんかぁ〜。初めまして、わたしテイエムクロード!安田記念から凱旋門賞までブリコンちゃんと全部同じルートで走るんだ!」
「あら、どうも。ワタクシがサンライズローズですわ。ふふ、やはり貴方もコンプちゃんの魅力にお気付きになりまして?」
「うんうん!めっっちゃ強いし良い子!大好きになっちゃった!」
まあ、こんな事言われるくらいには仲良くなりました、はい。
照れるけど悪い気持ちにはならないよね。
「ま、コンプの一番は俺のもんだけどな」
「おーおーお熱い事で。若いって良いなあ」
「りゅーちゃんもじゅーぶん若いでしょー?」
「そうかな……」
「ちょ、トレーナー!人前でそんなタラシみたいな……」
「は?俺はコンプ以外に言うつもりは無いからタラシじゃねえぞ」
「も、もうっ……」
そんでトレーナーはシレッとそんな歯の浮くようなかっこいい事言って……そんなので嬉しがる人間はこの世にあたししかいないんだからね。
「なんにせよムーラン・ド・ロンシャン賞、日本勢でワンツーフィニッシュしてフランスをザワつかせたら……面白いと思うんですよ。ねえ、龍二さん?」
「ついでに君達にも勝てれば、もっと世界はザワつくだろうけどね」
「おっとっと、それは出来ない話ですねえ」
あと切り返しでバチバチにやり合ってるトレーナー陣営はなんなのさ。
まあこの2人仲良いからほっといて良いんだけど、男の人って歳取っても少年みたいなギラつき方するんだなあと尾田さんを見て思う。
かく言う尾田さんはまだ30代だけど。
「まあ、どちらにせよフランスに我々という存在を見せつけるには良いレースになりそうじゃないかい?ムーラン・ド・ロンシャン賞は 」
「お相手さんはどうにもまだまだ俺達がどれだけ強いかをご存知では無いようですからねえ。俺のコンプもそうですが、テイエムクロード……君も十二分にこのフランスで戦えるフィジカルはある。走る時はコンプとライバルだが、同じ日の丸を背負う者同士やってやろうぜ」
「へへーん、分かってるってー!りゅーちゃんがいればどんなとこだって走れるし!ね、ブリコンちゃん!」
「うん!」
しかし今回はトレーナーも相当気合い入ってるなあ。
フランスのウマ娘協会側が割とノーマークなのがそんなに気に入らなかったのかなあ……あたし的にはノーマークの方がやりやすくて良いんだけど。
「あらあら、気合い充分ですわね!ワタクシもフォワ賞で躓く訳には参りませんわ。3人で共に凱旋門賞に乗り込んで強さを見せつけてやりますわよー!」
「おー!」
「あたしだって!おー!」
まあ、うん。
そんな事言える空気では無いんだよねこれ。
はい、しっかりムーラン・ド・ロンシャン賞で注目浴びて凱旋門賞で警戒されてきます。
ロンシャン芝がどんなもんか分からないけど……トレーナーと一緒なら多分なんとかなる……と思うし!
-オマケ ちょっと気が早い?(7月時点)-
「ねーねープリン、横断幕の文字どうしよっか」
「う〜ん、気長に考えれば良いんじゃないかなあ。うちわとハチマキは……こんな感じで大丈夫かな?」
「スモモ的にはもう少しデコレーションがあっても良いんじゃないかなって思ったり」
「あ!それ良いと思いますよ先輩方!それじゃあこんな感じで……」
「……ちょっと気が早くないか君達。まあ、良いけどさ。……法被用意するか」
フランスウマ娘協会全国連合会(FNSUF)
悪役じみた発言でブリッジコンプとサンライズローズの事を『畑違い』と言っているが全員スノーフォールに脳みそをやられている
そもそも格下に見ずに畑違いとか言っていたり功績自体を認めていたりドン引きしている時点でダートレースを尊重しているのが丸見えである
スノーフォールに『10年ビザだから』と言ってフランス長期滞在ビザを毎年渡しているが毎年渡している時点で10年もクソも無い実質的な永住権だったりする
が、彼女の国籍を尊重して国籍変更の打診は一度も行っていない
コイツら本当に良い奴らである
尾田龍二
テイエムオペラオーを育て上げたチームリゲルの超一流トレーナー
自分に対して自信が無いのが唯一の欠点だが間違いなくオペラオーを育てているので化け物である
そしてテイエムクロードも芝クラシック二冠にマイル中距離路線の覇者として君臨させている
イケメンでありウマ娘人気も高く内に秘めた熱血漢
座右の銘は『闘魂注入』
サムソンゼットと甘味三姉妹
すっかり溶け込んでるらしい
あとどうでも良いんですが書き溜め分が凱旋門賞を走り切りました
という訳で本当に最後が見えてきました