楽して大金だけ稼ぎたいトレーナーと魔改造されるブリッジコンプちゃん 作:ぶり大根(元・孤高の牛)
「それじゃ、コンプの凱旋門賞優勝を祝って……かんぱーい!」
「えへへ〜ありがとうみんな!」
フランスの有名レストラン、そこであたしの祝勝会がみんなの手で行われた。
プリン、ケーキ、スモモ、リリちゃんに3人の新しい後輩のサムソンゼットちゃん……ゼットちゃんにメールドグラースちゃん……メルちゃん。
それに加えて各トレーナー。
クロードちゃんは空気を読んでくれたのか「みんなでごゆっくり」と先にホテルに帰っていっててローズちゃんは疲労困憊で動けないから不参加との事。
「いやあケーキちゃんも思いっきり叫んじゃったよ〜」
「ねー、私も興奮しちゃった!」
「ん、わたしも芝が走れたら凱旋門賞ちょーせんしたかった」
「さ、流石にそこまで真似しなくても……」
ケーキとスモモは純粋に興奮してくれてて、リリちゃんは……いや流石にリリちゃんが芝を走ったらいよいよ長距離も走り出しそうでとんでもないローテーション組まれそうなんだよ。
自分のトレーナーさんが胃を押さえながら「それはヤメテ……ヤメテ……」ってうわ言のように呟いてる事に気がついてあげてほしい。
「ほんっとーに凄かったです!私もいつかGIに出走したいって強く強く思いました!」
「私なんてまだ未勝利だけど……で、でも……あ、憧れ……ちゃいます……!」
「えへへ〜あたしもようやくちょっと雰囲気出てきた?かも?」
「走ってる時はもう誰にも文句出せないくらい完璧なんだがな。普段の姿は相変わらずだっての」
「ちょ!トレーナー!余計な事はいーのー!」
ゼットちゃんとメルちゃんも慕ってくれてるのが分かって正直かなり嬉しい。
いや〜あたしも先輩って思われるようになってきたのかな〜なんて。
……トレーナーの茶々は聞かなかった事にしよう。
ところでプリンの反応が無いけど……どうしたんだろう。
「あれ?プリンー?どーしたの?おーい、ケーキちゃんだよ〜」
「……え?あ、あ〜ごめんね〜ちょっとだけ考え事してたよ〜。……おめでとう、コンプちゃん」
「ありがとうプリン!あたし頑張ったよ!」
「うんうんコンプちゃんは偉いね〜お〜よしよし〜」
「うにゃ〜」
……と思ったけど気のせいかな?
一瞬難しそうな顔をしたと思ったけどいつものノリで頭をわしゃわしゃ〜と撫でてくれるしいつもののんびりとした顔つきだし。
うん、まああたしの考え過ぎだよね。
「…………なんでわたしは」
「うん?何か言った?」
「……何も言ってないよ、気のせいだよ気のせい〜」
「うーんそっかぁ〜」
「お〜よしよし〜」
「うにゃあ〜」
「ん、わたしもなでる」
まあ、そんなこんなで和やかに祝勝会は進んでいたけれど。
今いるメンバー、そして共に凱旋門賞までトレーニングを積んできたクロードちゃんとローズちゃんにはあたしの引退について伝えておかないといけない。
大切な存在だからこそ、先に言わないとならないと決心していた。
「……トレーナー」
「ああ。あー悪いが一旦こっちに注目してもらえるか?」
「んぇ?なになに〜?」
「じゅーだいはっぴょー?」
「気になる気になる〜」
軽いノリで興味津々に聞いてきてくれる事に心が痛むけど。
ここで誤魔化しや妥協はしたくないから。
「コンプから君達に向けて、大切な話があるからちょっとだけ聞いてほしい」
そう言うと若干空気を感じたのか周りは静かになる。
ふぅ、と一息入れて……よし、もう大丈夫。
「えーっと……あたしとトレーナーで前々から決めていた事がありまして。凱旋門賞に勝ったら、という事だったんだけど……来年末を持ってあたしはトゥインクルシリーズから引退しようと思ってる。ドリームトロフィーリーグに行く為に」
「あー……そっかぁ……」
「寂しく……なるね……」
ケーキとスモモは多少『もうそろそろ』だと言うのを感じていたのか声を落としてはいるけど薄々分かっていたみたいな反応だった。
まあ、こうしたドリームトロフィーリーグ移籍は珍しくは無いというのも大きいかもしれない。
「ブリッジコンプ先輩……」
「……」
後輩2人はなんと言ったら良いか分からない、といった感じ。
そりゃあ、その……絡みも殆ど無い中聞かされる事になっちゃったからこうもなるよね……ごめん、としか言えない。
後でなんか奢るから、いや本当に。
「……あと一年。まだコンプちゃんと走れる。なら、わたしはそれでじゅーぶん。芝以外ぜんぶついてくだけ」
「あ、全部着いて来るんだ……」
リリちゃんはいつも通りだった。
そしてリリちゃんなら全部着いて来れそうだから反論のしようも無かった、この子の鉄人振りも全く変わらないもんなあ。
でもそう言ってくれるのはやっぱり嬉しい。
「……あと……一年…………わたし、は……」
「ぷ、プリン?」
「う、ううんなんでもないよ。ちょっと寂しくなっちゃっただけだから」
「そ、そう?……でも、トゥインクルシリーズを引退しても競技者としてはまだまだ続けるつもりだからね!なんたって走るの大好きですから!」
プリンは強がりだなあ。
さっきの顔見ればちょっとじゃなくてかなり寂しそうにしてるのは分かるのになあ。
「いやマジか……いつかは必ず来る事とはいえ急だな」
「うん、僕も驚いたよ」
「と、言う訳でコンプと相談して来年の12月でコンプはトゥインクルシリーズを引退。ドリームトロフィーリーグに移籍して競技者を続行する形になる。
なお、この事に付いてだが後にサンライズローズ陣営、テイエムクロード陣営の一部面子にも伝える事になるが正式発表は今年の東京大賞典後という手筈になっている。それまではくれぐれも口外はしないように気をつけてほしい。知っているのはここにいる面子と上述した2陣営の当人とトレーナーのみになるからな。……ま、君らなら信頼しているから大丈夫だとは思うが、念の為な」
こくりとみんな頷く。
あたしとしてもみんな信頼出来る人だし、大丈夫だと思ってる。
でもこうして発表すると自分としても寂しくなっちゃうなあ。
……年末にはきっともっと寂しくなっちゃうのかな。
555:名無しのウマ娘観測者
いやしかし今日は凄まじかったな
556:名無しのウマ娘観測者
まあ国内ダートで走ったらこうなるのは残念でもなく当然
557:名無しのウマ娘観測者
アメリカ完全統一六冠、サウジドバイ双方制覇、国内芝GI制覇、凱旋門賞優勝、ライバルも親友もいて未来の旦那もいる
コイツが持ってないもの無いだろ
558:名無しのウマ娘観測者
>>557
胸
559:名無しのウマ娘観測者
>>558
それ以上いけない
560:名無しのウマ娘観測者
お、今日は記者会見もあるパターンか
561:名無しのウマ娘観測者
記者会見…?妙だな、もう記者会見するようなローテーションは無いはずだぞ
562:名無しのウマ娘観測者
安田記念も凱旋門賞も優勝したから今更国内芝路線って言ってもインパクト無いしなあ
563:名無しのウマ娘観測者
あ、出てきた出てきた…2人揃ってるなんて珍しいな
『えー本日はお集まりいただきありがとうございます。今回ですが、俺の担当であるブリッジコンプより大切なお話を皆様にする為にこの場を設けさせていただきました。……んじゃ、後は話せるな?』
『……うん。えっと、いつも応援していただきありがとうございます。声援一つ一つがあたしの力になっています。
……お話というのは……その、あたしは……来年の12月を持って、トゥインクルシリーズを引退しドリームトロフィーリーグへの移籍をする事に決めました』
610:名無しのウマ娘観測者
トゥインクル引退か…引退かぁ…まあ、いつかこうなる日が来るとは思ってたけど…
611:名無しのウマ娘観測者
ああああああああああああああああ
612:名無しのウマ娘観測者
マジか…
613:名無しのウマ娘観測者
伝説に終止符が打たれるか
614:名無しのウマ娘観測者
あと一年って事になるんやな…
615:名無しのウマ娘観測者
わりぃ、覚悟してたけどやっぱつれえわ…
616:名無しのウマ娘観測者
>>615
言えたじゃねえか…
617:名無しのウマ娘観測者
来年引退…まあ、かなり長く走ってはくれたな
618:名無しのウマ娘観測者
同期のテイエムクロードが有馬で引退したのを考えるとな
619:名無しのウマ娘観測者
あと一年、悔い無いようにしないとなあ…
『まあドリームトロフィーリーグ移籍した後の初戦は恐らくジャスティファイ選手とのドリームマッチになると思うんで楽しみにしといてくださいね。ふはは!!』
620:名無しのウマ娘観測者
頼むからお前は俺達のしんみりを返してくれェ!!
という訳で一旦ここで本編終わりです
次話からサイドストーリー何話かやって引退レースに合流させます
いやあ長かったなあ…ここまで…
しかし一体誰のサイドストーリーやるんやろなあ(鼻ホジ)