あくまでもヒーローになる   作:ケツアゴ

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二十五話

 世界中から技術者が集まり科学を高め合うiアイランド。本日は一般公開前のプレオープンだけれども、一部の招待客を招いてのプレオープンにて色々なアトラクションを楽しめる。

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 例えば……。

 

『良いぜ! 俺様の新技を見せてやる!』

 

 ……相変わらず頭の中でやかましいなあ、ルシ様。

 

 私が挑戦するのはフィールド上のロボットの撃破タイムアタック。母さんの会社関係で招待された私としては生半可な結果は残せないと開始早々に飛び上がればルシ様の声が頭の中に響く。

 真上に口を向けて放つ破壊光線は本来なら着弾と共に爆発するんだけれど、今放ったのは違う。

 

 名付けて新必殺『拡散光線』。その名の通りに空中で無数に分かれた光線は『忘却』の力によって強化された聴力によって居場所を捉えたロボット達を完璧に補足からの撃破。

 

『た、只今の記録……三秒!』

 

「おや、一秒台を目指したんだけれど口惜しい。私も訓練が足りないね」

 

 やりたい事と実際にやれる事は違う。環境だったり実力だったり。今回はヒーローとして破壊範囲を狭めたけれど、空中で枝分かれしてからターゲットに当てるまでのタイムロスが生まれていたんだ。

 

 今後の課題かな、とフィールドから出ればペットボトルが差し出された。

 

「ん」

 

「え? 十分じゃないかって? いやいや、オールマイトなら一秒未満すら楽勝だろうさ。学生だからとかあの人は別格だなんて言ってられないよ」

 

 何せ次代の平和を守るヒーローの卵なんだから、そう告げる途中で次の挑戦者のタイムアタックの開始を告げるブザーが鳴る。

 同時にフィールドを埋め尽くす茨の奔流。ロボット全部を飲み込んで締め付け破壊した。爆発と共に火が立ち伸びるも自然を砕いて地中に押し込んでから切除した事で延焼を抑えた。

 

『只今の記録六秒!』

 

「私もまだまだですわね」

 

 体育祭の優勝特典だったプレオープンの招待券。二人分の招待枠を得たのはいーちゃんと小大さんだった。

 因みに小大さんはスリングショットの弾のサイズを変える事によってロボットを倒して行ったけれど十秒ジャスト、射撃の腕前と立ち回りが今後の課題かな?

 

 物を飛ばすのに適した個性はB組に数人居るし、今後を考えればコンビネーション前提で良いとは思うんだけれどさ。

 

「おい! オールマイトが来てるって!」

 

「本当? 行ってみよう!」

 

 私達の好タイムにギャラリーが湧く中、強化したままの耳が通行人の会話を拾う。ああ、メリッサとテレビ電話で話した時に伯父さんが来るって言ってたな。

 

 多分此処の施設を使って検査をするのが目的って所だろうと予想する。何せ平和の象徴の影響力は日本に留まらない。

 特にデヴィット博士は留学時代の相棒ポジション、どれだけ心配する事や…ら……。

 

「うっぷ」

 

 胃の腑の底から込み上げてくる吐き気によって手が口元に添えさせられる。あー、気持ち悪い。

 

「調子が悪いみたいですね。カレーを食べ過ぎましたか?」

 

「いや、ちょっとね。……トイレに行って来るよ」

 

 今直ぐにでも吐き出しそうなのを堪えてトイレの個室へと駆け込む。気が抜けたせいか胃の中から食道を押し広げながら口まで出て、手の中に鶏卵サイズのダチョウの卵を吐き出した。

 途端にヒビが広がり、出て来たのはダチョウ。

 

 見るからに瀕死のそれは嘴をパクパクと開閉させて掠れ声を出して来た。

 

『叡智の都市にて英雄の友は友に裏切られ、執念の結晶と叡智の都市は巨悪の手の平へと落ちる』

 

  それだけ告げるとダチョウと卵の殻は溶ける様に消えて行く。うん、ご苦労様、イポス。

 

 『危惧』、それが最近使える様になった能力であり、悪魔の名はイポス。今の所は良くない事が起きそうな時にそれを告げる雛が生まれる卵を嘔吐するんだけれど、嘔吐感が凄い上に勝手に発動するから、イポスの教育をちゃんとしないと。

 

 悪魔達は私の個性が持つ人格、つまり私の一部。絶対に使い熟してやるさ。

 

「じゃあ伯父さ……父さんに相談するか。伯父さんは抜けてる所があるし、此処に裏切り者が居ても見抜かれたら厄介だ」

 

 イポスの予言は父さんの基本的に変えられない予知と違って行動次第で避けられる。だから後はどうするか。

 その辺は勉強中の私じゃなくってプロに任せないと。

 

 

 

 

「どうした? 今は書類仕事中だが……」

 

 直ぐに電話を掛けると相変わらず愛想ゼロの仕事モードの声が返ってくる。それに対して私は数字の羅列を早口で伝えるなり……あっ!

 

 盗聴を警戒するのなら暗号を使うのは悪手だったな……。

 

 だから私は未だ未熟であると反省する私であった。

 

 

 

 

「これは個性因子が以前よりも減少している……。どうしたんだ、トシ!? 怪我は治ったんだろう!?」

 

「まあ、色々あってね。体は元に()()()も個性の方はそうは行かなかったのさ。逆に因子が……何でもない」

 

「これは矢張りあれを……」

 

 

 

 

 i・アイランドを一通り見て周り、用意された部屋があるタワーに向かえば友達が寄って来た。

 個性研究の第一人者であるデイビット・シールド博士の娘であるメリッサ。

 

 伯父さんの不注意で私との関係を知ってしまった数少ない子だ。

 

「サバト! タイムアタックの記録見たわ。更に強くなったのね。あっ、そっちの子達は友達? 私はメリッサ・シールド。サビトとは……彼女の親戚繋がりで知り合ったの」

 

 オールマイトと私の関係は秘密。知り合った当時は『忘却』は使えなかったし、ちゃんと秘密にしてくれているならピンポイントで記憶を食べるなんて高難度な真似hsしなくても良いだろうね。

 

『ええ、彼女とは同じクラスの塩崎茨と申します。こちらも同じクラスの小大唯。無口な子ですがお気になさらずに」

 

「ん」

 

「あはは。サバトのお友達だけあって個性的な子達ね」

 

「おいおい、メリッサ。その言い方じゃ私が変わり者みたいじゃないか」

 

 うん? おーい。どうして三人揃って目を逸らすんだい? 

 

「それよりもパーティーは正装だし着替えて来た方が良いんじゃない? 他にも雄英ヒーロー科の子達も招待しているし、マイトオジ様、オールマイトも出るわよ」

 

 パーティーねぇ。招待された著名人やヒーローが一堂に集まる機会だ。何か起きるとすれば其処でだろうね。

 やれやれ、友人と普通に楽しみたかったのに……。

 

 

 あっ、聞こえて来た。成る程、博士と助手がグルなのか。それでシステムを掌握して人質にする気だと。

 

 

「メリッサ。パーティーで起きる騒ぎについて何か知っているかい?」

 

 知らない? そう、良かった。君までグルなら今この場で強制脱水・下痢羅を使う所だったよ。……にしても他の生徒って誰だろう? エンデヴァーの息子の轟君や実家が関わっていそうな八百万さん、後はバイトしていた二人しか思い当たらないけれど……。

 




皆さん良いお年を

職場体験何処が良いかな?

  • リューキュー
  • ホークス
  • サーナイトアイ
  • ミルコ
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