あくまでもヒーローになる   作:ケツアゴ

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これとは別に新作公開しました
  特撮ヒーローぽい世界です


五話

 私の個性は自分自身でもよく分っちゃいないけれど、それなら自分の体の構造を完全に把握してる人ってどれだけ居るんだって話だし気にしない気にしない。

 

 まっ、概念タイプの発動系と異形系が混ざった感じだって認識しているし、使いこなす内に新しい能力が目覚めるのも慣れたよ。

 毎回更新は手間だし大まかな内容だけ年一で届け出しているんだ。

 

 

「伯父さん、どうしたの? 優勝のお祝いにお小遣いは気が早いよ、なーんてね。大丈夫、盗み聞きはされていない」

 

 そんな能力の一つである『忘却』は他人の記憶を食べる。忘れさせるんじゃなくって完全に消し去るから思い出せないし、下手すれば廃人を生み出す危ない能力。尚、食べたばかりなら鳩尾を刺激すればゲロって感じに吐き出して戻せる。

 

 伯父さんが内緒の話があるって事で現在その能力を使用中、何処で誰が聞いてるか分からないからね。

 今の伯父さんがオールマイトだなんて別人過ぎていないだろうけれど、プライベートでは抜けた部分も有るから警戒は必要だ。

 

「あははは、優勝のお祝いは優勝したら考えておくよ」

 

 おいおい、姪っ子のジョークに苦笑いとは酷いじゃないか。実際、私って圧倒的だし、教師としての立場を考えてるって様子でもないよね?

 

「それにしても今日は本当に騒がしいね。大勢ヒーローも来ているよ。言っちゃ悪いけれどミーハーな動機で目指したらしいのもね」

 

 忘却を発動中は周囲の声に敏感になる。でも、聞きたくない声まで入って来ちゃうんだよな。

 うぇ、便所で力んでる声とか聞こえちゃったよ、最悪だ。

 

 

「実は内密な話をしたくって、裁兎ちゃんがうっかり聞いてしまわない様にして欲しいんだよ」

 

「ふーん、了解。じゃあ、お昼ご飯行って来るね」

 

 伯父さんが内緒話ってなんだろうって気にはなるよ? なるけれど親戚に頼まれたのに盗み聞きするとか駄目でしょ。伯父さんだって偶然聞いちゃわないようにって頼んで来たんだし。

 

 

 

 

 

「いーちゃん、お待たせー! じゃあ、カレー食べに行こうか」

 

「またカレーライスを? 毎日食べて飽きませんか?」

 

「え? メインの具も変えてるしライスやナン、日本式にインド、カレーパンやカレー炒飯と別物ばかりだよ?」

 

 親友ながら変な事を言うなあ、いーちゃんったら。

 そもそもカレーと飽きるって混ざらない言葉でしょ?

 

 もしかしたら親友は浮世離れした子かも知れない、メガ盛りビーフカレー激辛エビフライトッピングを食べつつ悩む私、他に気になるには午後からの競技だ。

 

 

「ゲスな男子が女子を騙してチアガールやらせようと企んでたんだけれど、止めるのは惜しかったかな?」

 

 折角の体育祭だし、盛り上がりそうだから放置しようとは思ったんだけれど、忘却を消す前に聞こえたから伯父さんに言っちゃったんだよね。

 

「え? 着たかったのですか?」

 

「いや、全く。私、似合わないし」

 

 ほら、見てよ自慢の上腕二頭筋、腹筋も足も着痩せするけれどガチガチなんだ。ふふん、女性ヒーローとしてビジュアルを売るのを捨てて迄鍛え上げた筋肉さ!

 

「それよりも午後の競技とか楽しみなんだよね。私達はトーナメントがあるから出ない方が良いんだろうけれど……出たいとは思う」

 

「止めておきなさい。体力の温存も有りますし、決勝に出られない生徒のアピールチャンスでもありますよ」

 

「だよねー」

 

 借り物競走とか大玉転がしとか未経験だから参加してみたいんだけれど、流石に私がそこでも大活躍しちゃったら空気読めって言われそうだしさ。

 

 

「そのアピールチャンスを譲って貰ったけれど目標は何処までだい?」

 

 エビフライの尻尾を噛み砕いて飲み込んだ後で後ろを振り向けば物間君が座っている。

 残念、触らせてあげないよ。

 

 普通科の心操君の個性は洗脳で当たりだったらしく、何も覚えていないからって騎馬の二人が棄権した。

 

 順位的には他のチームからの繰り上げってなったけれど、そのチームの拳藤さんの推挙で大活躍の彼等から参加が決定、ジャンケンによって物間君と骨抜君がトーナメントに進む事に。

 

 うんうん、体育祭三日前から互いの手の内を明かさない様に個人練習に切り替えたけれど何処まで隠し持っているのかが楽しみだ。

 

 

「まるで自分は挑戦を受ける側だって態度だね。良いさ、それは認めるよ。それで答えだけれど……優勝以外有り得るのかい?」

 

「まさか。そんなのがヒーロー科にいる筈がないじゃないか」

 

 王座に居ると認めた上で引き摺り下ろすと云う宣戦布告。去り際に何気なく伸ばした手を避けた私は上機嫌のまま昼休みを終える。

 午後からの競技? いやいや、全力を注ぐ為に力を温存させて貰うよ。

 

 

 

「あっ、馬鹿がいる」

 

 『僕達は女子を騙してチアガールをさせようとしました』って書かれたプラカードを首から下げた男子二人が正座させられている。

 

 ざまあ! 参加する子もいるんだし、無駄な体力を消耗させないで欲しいな。

 

 

 

 ああ、それにしても疼く。早く最終競技で争いたい。早く早く早く早く……。

 

 

「あはっ!」

 

 個性は趣味嗜好に大きな影響を与える。私の中の個性が、普段は抑えている悪魔が囁くんだ。

 全力で叩き潰せって、ね。

 

 

 

「殺気漏れてますよ」

 

「ギラギラが抑え切れなくってさ。堪らないんだ、全力を堂々と出せるのがね」

 

 

 そして待ちに待った最終競技の時間、内容はガチバトル。

 去年はスポーツチャンバラだったのに随分と過激な事だね、おかげで殺気を隠そうとしない一部が私を睨んでるよ。

 

 ふむふむ、致死攻撃とかのクソみたいなのはNGと。

 

 

 

「あつ、そうだ。此処の全員が奇遇してるだろうけれど、第一種目でやった腹痛起こすのは使わないでいてあげるよ。ハンデだ」

 

「あぁっ!」

 

「え? 君は観衆の前で漏らしたいの? 爆豪君。いや、性癖は人それぞれだけれど、知り合ったばかりの相手を巻き込むのはどうなのさ」

 

「趣味な訳あるか、ボケェ!」

 

 挑発はこの辺で終わり、これ以上は怒られそうだ。さてと、組み合わせはどうかな?

 

 

 

   Aブロック

 

 物間vs轟

 

 緑谷vs心操

 

 八木vs青山

 

 吹出vs飯田

 

   Bブロック

 

 爆豪vs麗

 

 鉄哲vs発目

 

 骨抜vs瀬呂

 

 塩崎vs切島

 

 

 私の相手は操られていた子で、次は吹出君か緑谷君のチームの足が速い……足からしてインゲニウムの親戚かな?

 

 

 

「さてと、物間君もあんな宣言をしたんだし、三つ目のストックを可能にしてるかな?」

 

 

『第一試合スタート』

 

 その合図と同時にフィールドを氷が覆い尽くして……物間君によって砕かれた。

 

 

 

 

 

「君さあ、騎馬戦の最後の最後で炎を使ってたよね。直ぐに止めたって事はハンデのつもりかい? ムカつくなあ、一度ヴィランと戦った程度でさ」

 

 物間君の体が毛に覆われて膨れ上がる。あれは宍田君の『ビースト』。でも、それだけじゃない。

 

 

「へぇ。やるじゃないか」

 

 

「昨日漸く出来るようになったんだ。ヴィランと戦ったのが凄いってんなら是非とも訓練に付き合ってくれよ。二種同時模倣『スティールビースト』!」

 

 その体は金属の光沢を放っていた。




組み合わせ悩みました


ええ、一位が主人公なのでめがねの挑戦宣言は発生しません

職場体験何処が良いかな?

  • リューキュー
  • ホークス
  • サーナイトアイ
  • ミルコ
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