「いや、そんな訳が無いだろう」
「ですよね。いやいや、人様の家庭環境に口出しするのもアレですが、前の試合からして随分と確執があるみたいだったので、つい」
エンデヴァーが息子に大恥を掻かせる計画に加担痩せようとして来たかと思ったけれど、普通に考えてありえない。
言われた本人だって困惑気味だし、普通に失礼だったか。
「俺が言いたいのは次の試合、焦凍相手に全力を出して戦って欲しいという事だ。……まあ、あの様な事を言う奴には当たり前の事だと思うがな」
「勿論勝つ為に全力は尽くしますよ」
ファンサービスは一切せずにヴィラン退治に臨む姿にアンチは多い、ヒーローってのがアイドル的な側面も持っているからだ。
その必要性は理解してるけど、私としてはヒーローの本来の役目って凶悪犯に対抗する軍人や警察の組織犯罪部門だと思っている。
「ああ、そうだ。今日はオフとして来ているなら質問良いですか?」
「……なんだ?」
「任務中のヒーローに握手やサインを求めたり、戦いをショーか何かと勘違いしている市民にどう思います」
「邪魔な存在だ。怪我をしたくなければ避難していろ、それだけだ」
「ですよね」
尊敬するヒーローが誰かって質問なら功績や実力で伯父さんをあげるけれど、目指す在り方は父さんや相澤先生、そしてエンデヴァーだ。
特にエンデヴァーは事件解決数が凄まじい、家庭環境云々は助けられる側には無関係。
「……ふむ。試合もそうだが考え方も悪くない。職場体験の指名も考えてやろう」
此処迄会話を続けた所で爆発音が響く、既に次の試合が始まってしまったらしい。
舞台が大破? それなら自分のした事だし既に戻している。
「あっ、クラスの仲間の試合なので失礼します!」
いけないいけない、第一試合も同じような理由で戻るのが遅れちゃったからね。
次はどっちも耐久戦向けの個性だけれど、どうなるのやら。
体を金属にする個性vs恐らく汗を爆破させている個性。
金属疲労を起こす前に威力が上がっていく攻撃を掻い潜って倒せるか、それが決め手だろうけれど……。
「どうなってる?」
「根性比べの真っ最中だよ。前にどこまで耐えられるかって競い合い」
へぇ、面白そうだと試合を見れば既に舞台は爆破による損壊だらけ、目を覚ましたミッドナイト先生が審判をする中、爆豪君の胴体に抱き付いた鉄哲君が爆破を浴びせられ続けている所だった。
「早くくたばれや、ゴラァアアアアッ!!」
「テメェがくたばれやぁあああああっ!!」
爆破爆破、また爆破。絶え間無く続く衝撃と熱に耐えつつ胴体を金属の腕で締め上げる。
胸に頭を押し付けて肺も圧迫しているだろうし呼吸だってし辛いだろう状態だが爆破の勢いは止まらない。
「兎に角足腰を徹底的に鍛えていたからね、彼は」
黒蜥蜴を使った技術の向上は彼にはほとんど役に立たないし、サプリを飲めばいいから、大食いで鉄分より多く摂取するようになる必要もない。
だからダメージが無くても衝撃に押し負けて仰け反らない為に足腰を鍛えることをお勧めして、ついでに金属だから熱に耐える特訓として火災ゾーンや火に関する個性の先輩に協力を仰いだんだよ。
こんな時、ミリオさんとのコネが便利だ。
「ぐっ! この鉄屑野郎がぁああああsっ!」
両腕を顔面間近に構えての溜め、あれは一回戦で見た全力爆破! あの至近距離だったら自分だってダメージが大きい筈なのに。
「今年の1年はイカれてるよね。去年は種目が地味だったけど」
「いや、アンタが言うなって」
一回戦よりも長い爆破が止み、煙が晴れれば二人の姿が見える。一瞬だけ鉄哲君の足がふらついて、B組の方を見て強く踏み締めた。
「耐え抜いてやったぜ、爆豪! そして温まって来やがった!」
そう、彼の個性は金属になるという物、金属を何度も爆破して熱を与えたければどうなるか? 全身から煙を上げている彼の姿が答えだ。
「ぐぅぅぅぅっ!」
ジャージの上からでも伝わる熱を帯びた金属の締め付け、全力を出したばかりの爆豪君にはつらいはずキツい筈だ。
思わず悲鳴をあげながら爆破を続けるけれど連発の勢いは下がって来ている。
あれじゃあ火傷だって相当重症になりかねない、今後を考えるならギブアップが最善だろうさ。
「こんな所で俺が負けてたまるかよぉおおおおおっ!」
「あー、やっぱり」
でも、彼はそんなのを考えないタイプだ。常に全力で走り続け、障害は徹底的に叩き潰す。
異常な程に野望に対してストイック、僅かな観察だけでそれが見て取れる。
「死ねやぁああああああっ!」
「上等だぁああああああっ!」
再び両手での最大威力の構え、それに対して鉄哲君だって限界だろうに爆豪君を高く持ち上げ殆ど倒れ込む様に振り下ろす。
僅かに速かったのは後者、頭から地面に叩きつけられた爆豪君は頭から血を流し、次の瞬間に鉄哲君を最大爆破で場外まで吹き飛ばした。
『鉄哲君場外! 勝者爆豪君!』
仰向けになって気絶する鉄哲君はダメージが大きいのが此処からでも分かる。それは爆豪君も同じ事、膝を折って地に手をついた彼は崩れまいと堪えているけれど吐き出した反吐には赤い物が混ざっている。
互いに骨も内臓も深刻なダメージを受けているって所だろうね。
「……ふぅん」
次はB組対決、私としては仲の良いいーちゃんを応援したい所だけれど、骨抜君だってクラスの仲間、自主練で互いに鍛えた間柄だ。
だから本当ならBブロックはどっちかが勝ち上がってB組で優勝決定戦をやりたいけれど、同時に爆豪君とも戦ってみたくなった。
「ただ力を振いたいだけだろうって? 黙ってなよ、ルシ様」
「いよいよベスト4何決まるのか。まあ! 優勝は僕達B組に決まってるけれどさ! いやぁ、A組は勝ち抜きはしたけれどボロボロじゃないか!」
「煽るなって、物間」
今回は私には無関係だから舞台の修繕を先生に任せる中、リカバリー
ガールの治療を終えて戻って来た物間君は相変わらずA組への挑発を止めない。
「もう下馬評は覆したでしょ? 無理したのは君も同じなんだから大人しくしていなよ。ほら、始まった」
二回戦第四試合、先制は骨抜き君の全力ブッパ、次の試合に温存するなんて考えず観客席ギリギリまでの広範囲を柔らかくすると同時に潜水ならぬ潜地、液状にした地面へと潜る。
「後は沈んだ相手の周囲だけを解除して拘束って所だろうね。増強系でもないと手詰まりだ」
この先制大放出が決まった場合、抵抗可能な生徒は限られる。……ただ、今回は読まれていたんだ。
「流石ですね、骨抜さん。危うく負ける所でした」
沈むより早く茨を下に伸ばして体を持ち上げたいーちゃんは更に大量の茨を地中に殺到させる。固められた場所は破壊、拘束された部分は切り離して、その速度は骨抜君が逃げるよりも速い。
「……参った」
茨で雁字搦めにされた彼が地上に姿を見せると同時にギブアップ宣言。
これ、見事にA組男子とB組女子の対決になったな。
職場体験何処が良いかな?
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リューキュー
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ホークス
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サーナイトアイ
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ミルコ