とある科学の無尽火炎《フレイム・ジン》   作:冬霞@ハーメルン

4 / 19
第3話 『少女、二人、風紀委員』

 

 

「初春、聞きましたわよ! 第七学区の強盗事件、お手柄だったそうですわね!」

 

 

 風紀委員(ジャッジメント)第一七七支部。

 第七学区内は居住区、学校区としては学園都市の中でも一、二を争うほどに巨大な学区であり、故にそこに存在している生徒たちも非常に多い。

 分母が大きければ、それにつられて当然のように分子も増える。それは例えば学区内における犯罪数、および犯罪者の数もそうであるが、もちろん同じように風紀委員(ジャッジメント)警備員(アンチスキル)の数も多い。

 第一七七支部もその内の一つ。大能力者(レベル4)を一人強能力者(レベル3)が一人、ついでに低能力者(レベル1)が一人という能力者編成は、支部の規模に対しては随分と豪華な面子であった。

 特にその内の大能力者(レベル4)が学園都市内でもかなり希少な空間転移能力者(テレポーター)というのも、この支部の検挙率などの水準に影響を与えている。

 他の支部ではバイクやく車などを使って補っている機動力を、単独で、しかもさらに高いレベルで備えているというのは非常に大きなメリットになっていた。

 

 

「残念ながら店の設備に被害は出てしまいましたが、幸いにして被害者の中に怪我人はおらず、犯人も二人とも逮捕。盗まれた現金もすべて回収完了でしたわ。事後処理も完璧で、警備員(アンチスキル)の方も褒めていましたのよ」

 

「そうですか。でも私はたいしたことしてませんよ、白井さん。ほとんど通りすがりの二人組がやってくれたようなもので、はぁ、こんなんじゃ風紀委員(ジャッジメン)失格ですね‥‥」

 

 

 風紀委員(ジャッジメント)第一七七支部は、全体的にこじんまりとした事務所という雰囲気を湛えていた。

 清潔な白で統一された室内の調装は、アットホームというよりは完全にシステマティックなもので、ところどころにおいてある鉢植えやPC周りの私物などに生活というか、仕事をしている個人の名残を感じることが出来る。

 給湯室の方に行けば個人が有志で持ち寄った紅茶やコーヒー、ココア、お茶菓子の類が整理整頓されており、そこは学生らしい所帯じみた部分が感じられるだろう。

 基本的にはボランティアである風紀委員(ジャッジメント)であるが、その仕事内容は本職の警察官にも勝るとも劣らず、それなりなハードワークを使命感で支えている状態だ。

 決してオーバーワークというわけでもないのだが、かなりの時間を支部で過ごすのだから、可能な限り仕事環境は過ごしやすいように整えておきたい。

 

 

「そんなことはありませんわよ。正直、完全に予想できなかった状況からあそこまでの被害を店に与えられては、慎重になるのも当然ですの。

 結果として犯人を捕らえることもできたのですから補償もあるでしょうし、でしたら店側としても風紀委員(ジャッジメント)をとやかく言うこともないとというものですの。風紀委員(ジャッジメント)とて万能ではありませんから、できることをすればいいのですわ」

 

 

 結局のところ風紀委員(ジャッジメント)は学生に過ぎない。

 そもそも取り締まる相手が能力者であることが多いからこそ、同じ能力者である学生でないと対抗できない場合もある、というものであるが、実際のところ犯罪者の割合は圧倒的に無能力者(レベル0)や低位能力者であることが多く、警備員(アンチスキル)でも十分に対応できる。

 

 むしろ相手が銃火器で武装していたりする場合には学校の制服に腕章をつけただけの風紀委員(ジャッジメント)の装備では対抗できない場合も多い。

 一応学園都市謹製の特殊素材を用いた盾や防具などの装備も無いことはないのだが、パトロールの際にまでいちいち必ず装備しているというわけにはいかないのだ。まず威圧感があっては、元も子もないことであるし。

 そういった相手ならばしっかりとボディアーマーを着用し、こちらも実銃や各種対能力者使用の装備を整えた警備員(アンチスキル)の方が適任だったりする。

 

 そもそもいくら使命感があったとしても学生のボランティア。

 学業優先であることは当然であるし、勿論いくら覚悟があるといっても風紀委員(ジャッジメント)の活動で必要以上に重傷を負うというのもナンセンスである。

 出来ることを、出来る限り。職務中に負傷することは状況が許さなかったのならば決して悪いことではないが、もちろん褒められたことでもないのだ。

 むやみやたらに危険に身を突っ込むのは、勇敢ではなく無謀と呼ぶ。

 

 

「‥‥白井さんがそれを言いますか」

 

「何か仰いまして?」

 

「いえ別に、何でもありませんよ? そんなことより白井さんも、事後処理の後半を代わってくださってありがとうございました」

 

「気にしないで下さいな。現場到着が遅れたのですから、そのまま暇していたりしては私の矜持に障りますの。初春は頑張って犯人を追いかけてくれたのですから、久しぶりに頭脳労働を引き受けただけですわ」

 

 

 第七学区駅前にある某有名ハーバーガーチェーン、マクロナルド。

 学生たちで賑わう、ちょうど放課後に当たる時間帯。そこに突然現れた二人の強盗に、偶然にもその場に居合わせた初春は、犯人を捕縛して警備員(ジャッジメント)に引き渡した。

 

 本来ならこのような荒仕事は背後で感心の声を上げている同僚―――大能力者(レベル4)空間転移能力者(テレポーター)、白井黒子の担当であり、低能力者(レベル1)で戦闘に使えるような能力でもない自分は後方支援が主である。

 だからこそ黒子は、決して強度(レベル)の低い初春を卑下するわけでも何でもなく、惜しみない賞賛の言葉を送った。

 

 

「それにしても初春、さっきから何を調べておりますの? 確かに今日のメンテナンスは中止になりましたが、非番なのには変わりないんですのよ?

 あと、危険だからと固法先輩から貴女を必要以上にPCに近づけないように言われてるんですけど‥‥」

 

「何を言ってるのか、さっぱりです」

 

 

 黒子の言葉のとおり、事件があったとはいえ今日は基本的には非番であることから、支部の中に詰めている風紀委員(ジャッジメント)は初春と黒子だけだ。

 その黒子も事件を聞いて駆け付けた後の処理をしてきた帰りであるし、初春はそれこそ調べものがしたくて色々と融通が利く支部のPCを私的利用しようとしようと思ったに過ぎない。

 ちなみに第一七七支部が機能していない内は、他の支部がそれぞれ不足分を埋めていてくれているから、本来ならば事件があったとしても二人が出てくる必要はなかったはずなのだが。

 

 

「‥‥さっきも言いましたけど、犯人だって二人とも私が捕まえたわけではないんですよ。通りすがりの人が協力してくれなきゃ、逃げられてたかもしれません」

 

「通りすがり、ですの?」

 

「はい。名前だけは聞いてましたから、ちょっと気になったんで調べようかと‥‥」

 

 

 支部に戻ってきてからこっち、初春は延々PCに向かってカタカタとキーボードを叩いていた。

 風紀委員(ジャッジメント)の支部においてあるPCは決して最新式のものではなく、むしろ初春が日常的に自宅で使用しているものに比べても旧式の烙印を押されてしまうことだろう。

 しかし使用目的、および使用者が使用者なために様々なことについて融通が利く。たとえばその最たるものが、書庫(バンク)へのアクセスであった。

 

 

「‥‥支部のPCの私的利用は控えるようにと、固法先輩から言いつけられていたような気がしますの」

 

「私的利用なんかじゃありませんよぉ~。だってホラ、せっかく事件解決に協力してもらったのに素性が知れないままじゃ報告書を書くのも大変ですし」

 

 

 書庫(バンク)とは、学園都市の学生達の情報を保存したデータベースである。主に能力について詳しくデータ化されたそれは、基本的に一般の学生には閲覧の権限がない。

 能力はあくまで学業の一環として開発されるが、実際に能力行使を大々的に規制する方法などあるわけがなく、日々の生活に能力は密接に関係している。

 その中の要素の一つは、やはり能力を用いた戦闘だ。決して多くの能力に該当するわけではないが、能力の強度(レベル)は戦闘能力に影響を及ぼす場合が多い。

 何より能力の詳細が知られてしまうことは、乃ち相手に大きなアドバンテージを与えてしまうことになるのだ。

 

 また、学園都市では有る程度以上の強度(レベル)の能力者になると、学内の研究機関と協力して某かの研究に従事している場合がある。

 そのような場合には、やはり能力の詳細を敵対組織に知られてしまうのは、かなりの問題があるだろう。

 例えば研究の詳細を知られてしまうことになるだろうし、そこから対抗策を練られてしまう可能性もある。企業利益が絡んでいる分だけ、むしろこちらの方が深刻かもしれない。

 

 

「やろうと思えば私のノートPCからでも書庫(バンク)接続(ハッキング)ぐらいは出来るんですけど、やっぱり素直に支部のパソコンを使う方が波風立たないですし‥‥」

 

「まずその発想から何とかしなさいと申しているんですの! ていうか物騒なんですわよ貴女は、ことPC関連に限っては!」

 

「やだなぁ、物騒なのは私じゃなくて簡単に突破される学園のセキュリティですって」

 

「その発言が既に物騒なんですのっ! とにかく風紀委員(ジャッジメント)として‥‥といいますか一般市民として犯罪行為は慎んで下さいまし!」

 

 

 唯一例外を挙げるならば、それなり以上の規模を持った研究機関や教師、風紀委員(ジャッジメント)警備員(アンチスキル)などの治安維持組織などだ。

 こちらはある程度のレベルまでの閲覧ならば、特に許可を得ることなくアクセス出来る。事件の度にしかるべき場所へ申請などしていては、捜査が滞る。

 もちろん申請無し、というよりは組織に応じて閲覧できる層があり、風紀委員(ジャッジメント)の一支部が許可無しに閲覧出来る層などでは大能力者(レベル4)の能力の詳細程度で、個人情報までは確認出来ない。然しその程度であっても、初動捜査には十分に過ぎた。

 

 

「‥‥しかし初春、貴女が数十分から一時間も検索して見つけられないんですの?」

 

「あ、はい。流石に“カガリ”っていう名前だけですと、ちょっと無理が‥‥。

 名字かなって思って検索したんですけどHITしなくて、名前かなと思っていろいろと漢字を変えて検索しても駄目で‥‥。読み仮名でも検索出来てるはずなんですけど」

 

「それは妙ですの。確かその彼、能力開発を受けた『発火能力者(パイロキネシスト)なのでしょう? だとしたら書庫(バンク)にデータが無いはずはありませんわ。

 たとえば無能力者だとしても、能力開発を受けていれば書庫(バンク)にデータは残りますもの」

 

 

 突然に現れ、強盗犯二人を無力化した白髪の少年と白衣の青年。

 結局のところ自分がしたのは意識を失った犯人の拘束と、警備員(アンチスキル)への連絡だけ。小学生でも出来る簡単なお仕事です。少し前までは小学生だったのも確かだけど、風紀委員(ジャッジメント)としては実に情けない。

 

 白髪の少年の方は自分と同い年か、あるいは下手すれば年下の可能性もあるだろう。身体強化系の能力者だったのか、銃弾を弾き、あの細い体からは予想もつかない程の力で拳銃を構えた強盗を蹴り飛ばしていた。

 

 白衣の青年は間違いなく自分より年上だろう。大学生‥‥いや、高校生か。おそらく三年生ぐらいだろう、背丈は百八十を超える長身だったし、顔立ちも随分と大人びていた気がする。

 彼などは見事に片方の強盗、発電能力者(エレクトロハンド)から大能力者(レベル4)クラスの電撃を食らっていた。

 だというのに、無傷。本人は『発火能力者(パイロキネシスト)』と(うそぶ)いていたが、火や熱で電流をどうやって防いだのだろうか。

 

 

「‥‥二度あることは三度ある。二回も会ったんですから次もあるかもしれませんし、出来ましたらしっかりと調べてちゃんとしたお名前を知って、お礼をしたいところです」

 

「単に興味があっただけではありませんの?」

 

「それもそうですけど」

 

 

 “カガリ”、とだけ彼は言った。

 順当に考えれば名前なのだろう。名字なのか名前なのかは分からないが、普通は自己紹介をするならばフルネームと所属ぐらいは言って欲しい。

 

 

「まさか偽名だったという可能性はありませんわよね?」

 

「だったとしても不思議じゃありません。別に不良の類には見えませんでしたけど、風紀委員(ジャッジメント)に名前を知られたら困るような人って可能性もありますし」

 

「はぁ、だとしたら探すのは不可能に近いですわね。

 学園都市二百三十万人の学生の中から、ひたすらに顔写真を照会し続ける作業なんて、よっぽど退屈を愛する人間でなければ耐えられませんの」

 

「‥‥出来ないこともありませんけど、ちょっと御免被りたいところではありますね」

 

 

 風紀委員(ジャッジメント)第一七七支部所属、初春飾利。

 戦闘などでは殆ど活躍できない低能力者(レベル1)でありながら風紀委員(ジャッジメント)として立派に活動する彼女の本領は、情報処理能力の高さにある。

 幾つものディスプレイを並べながら、並列してPCを操作、現場のバックアップをする。それは監視カメラの映像をチェックしながらの誘導などから、容疑者を書庫(バンク)から検索する作業まで、幅広く何でもこなす。

 今までも目撃情報だけを頼りに正真正銘二百三十万人いる書庫(バンク)のデータから犯人を捜しだしたことだってあった。けれど、それは仕事だからで、正直普段の些細な調べ物からそのレベルの労力を費やすのは馬鹿馬鹿しい。

 

 

「‥‥『発火能力者(パイロキネシスト)』のカテゴリで絞り込みは致しました?」

 

「ポピュラーな能力ですから、それでも膨大な数になりますよ?」

 

「確かに学園都市でもトップ10に入る能力ではありますわね。やれやれ、八方塞がりではありませんの」

 

 

 『発火能力者(パイロキネシスト)』。

 『発電能力者(エレクトロハンド)』。

 『念動力者(サイコキネシスト)』。

 『水流操作(ハイドロハンド)』。

 これらは学園都市でも代表的な能力であり、それぞれのカテゴリに非常に多くの学生が存在している。

 それを一々調べるのでは、結局のところ覚悟が必要な能力であることには違わない。これは正直、キツイ。

 

 

「‥‥ちょっと時間がかかるかもしれませんねぇ。今日明日とかでやる必要もないことだし、後回しにしますか」

 

「その方がよろしいですわね。‥‥そういえばもう一人、協力して下さった方がいらっしゃったんですのよね? そちらの方は調べなくてもよろしいんですの?」

 

「あ、そういえば」

 

 

 二回も会った衝撃的な白衣の男性の方にばかり意識がいっていたと、初春は手鼓を打つ。

 確かに協力してくれた通りすがりの人は二人だった。強盗犯を豪快に蹴り飛ばして全治二週間の怪我を負わせた―――正当防衛とはいえ―――白髪の少年。どちらかといえば書類の処理が面倒だったのは彼の方である。

 

 

「確か名前は‥‥“一方通行(アクセラレータ)”とか呼ばれてたような」

 

「“一方通行(アクセラレータ)”? まるで能力の名前みたいですの」

 

「渾名ですかね? とりあえず検索かけてみましょうか」

 

 

 カタカタカタ、と軽快にキーボードの上を白い指が走る。

 マウスやキーボードなどの前時代的な端末以外にも、学園都市には当然のようにタッチパネルや音声入力式の端末も存在しているが、初春は軽い快音がする黒い板を気に入っていた。

 実際には利便性と汎用性から学園都市内でも殆どの場所でキーボードは未だに使用され続けているが、特に初春はこの端末を愛している。

 何より手首を固定したままに両手の指が届く範囲での捜査で、基本的にはPCの全ての操作ができるのが良い。自分でキー配列を工夫(カスタマイズ)すれば更に自由度や利便性は上がるし、使いこなしているという実感があるのも良かった。

  

 

「あ」

 

「見つかりましたの?」

 

「はい、こっちは意外に早かったですね。やっぱり能力名だったらしいです。

 ‥‥えーと、学園都市序列第一位、『一方通行(アクセラレータ)』―――って、序列第一位?!」

 

 

 ガタン、と椅子の肘掛けを大きく叩いて、初春は思わず体を浮かせた。

 隣に立っていた黒子も組んでいた両腕をだらんと垂らし、はしたなく口と目を丸く開けている。

 

 学園都市序列第一位。

 文字にすると非常に簡潔なものであるが、それも当然、つまるところ学園都市に存在している二百三十万人の能力者の頂点。ただ一人存在する絶対強者ということである。

 大能力者(レベル4)というエリート中のエリートである黒子にしてみても、軽く雲の上の人間だ。いや、もはや人間という表現を当てはめても良いのかすら怪しい。

 何せ学園都市に七人しかいない超能力者(レベル5)というのは、単独で軍隊を相手に出来る戦力を保持しているのだから。

 

 

「お姉様と同じ、超能力者(レベル5)‥‥。しかも、序列第一位ですの」

 

「‥‥はー、確かにいとも簡単に強盗の人を制圧してたから只者じゃないとは思ってましたけど、まさか第一位とは思いませんでした」

 

 

 書庫(バンク)にあるのは、顔写真と能力の名前のみ。

 どんな能力か、ということは一切書いてない。それどころか本名すら無く、写真の中の白髪の少年は如何にも不機嫌そうにこちらを睨みつけている。

 

 

「そういえば白井さんが『お姉様』って読んでる人って、常盤台中学の『超電磁砲(レールガン)』なんですよね?」

 

「ふむ、その通りですわ。お姉様こそ常盤台中学が誇る天下無敵の電撃姫。学園都市序列第三位、『超電磁砲(レールガン)』の御坂美琴お姉様ですわ!

 あぁお姉様、今日はお姉様とお買い物にいけなくて申し分かりませんの‥‥。でも黒子は、黒子は何時でもお姉様のことを思っておりますわ! あぁお姉様お姉様‥‥」

 

「あーあトリップしちゃった。白井さんってこうなると長いからなぁ‥‥」

 

 

 横で体を抱えてくねくねと気色の悪い動きを、気色の悪いだらしない笑顔で始めた黒子を放置して、初春はぼんやりとマウスを動かした。

 そういえば超能力者(レベル5)のリストなんて初めて見る。普段の捜査で使う資料は大能力者(レベル4)が精々であるし、支部にいる間は考えてみれば忙し過ぎて書庫巡り(ネットサーフィン)なんてしていなかった。

 ‥‥その分だけPCを好き放題弄ったりして支部長の頭痛の元を鋭意作成していたりしたのだが、そこは割愛。

 

 

「えーと何々、学園都市序列第二位『未元物質(ダークマター)』。

 学園都市序列第三位『超電磁砲(レールガン)』。

 学園都市序列第四位『原子崩し(メルトダウナー)』。

 学園都市序列第五位『心理掌握(メンタルアウト)』。

 学園都市序列第六位『無尽火焔(フレイム・ジン)』。

 学園都市序列第七位『削板軍覇』。

 ‥‥あれれ? なんで最後の人だけ名前で、能力名がないんですかね―――って、あぁぁぁああ!!!」

 

「ど、どうしましたの初春?!」

 

 

 一人一人、データを呼び出して見ていってみる。

 第三位の御坂美琴以外は顔写真すらない者も多く、能力については当然ながら説明などされていない。

 が、その中の一人。『学園都市最高の“発火能力者《パイロキネシスト》”』である超能力者(レベル5)の項目を開いたとき、初春は思わず歓声というよりは驚きに近い大声を上げた。

 

 

「み、見つけました! 見つけましたよ白井さん!」

 

 

 初春が指さす、ディスプレイ。

 そこには先程口に出した、学園都市序列第六位、『無尽火炎(フレイム・ジン)』という能力名の超能力者(レベル5)

 学園都市最高の『発火能力者(パイロキネシスト)』とだけ説明されている欄の隣、半分近い超能力者(レベル5)が“NO PICTURE”と表示されていた写真の項目。

 

 そこに、つい今日さっき会ったばかりの、精悍かつ爽やかな顔つきながらも無表情な、

 白衣の男の写真が、載せられていたのだった。

 

 

 

 

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。