めぐゆんのスケジュール(仮)
初日:アーネス討伐、アクセル到着、栗ネズミ討伐
翌日:巨大スライム討伐
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1週間後:守衛の人に怒られる
その翌日:ジャイアントトード討伐
また翌日:一撃ウサギ討伐、ホーストと邂逅、青髪のプリースト捜索
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1週間後:
その翌日:ホーストと二度目の邂逅
また翌日:ホースト討伐
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約3日後:この邂逅は世界が選択せし運命。
私とゆんゆんは悪魔に深手を負わされた冒険者を馬車の荷台に乗せ、ギルドに向かっていた。
その足取りは未だかつてないほどにずっしりと重く感じている。
『俺様の名はホースト。邪神ウォルバク様の片腕、上位悪魔のホーストだ』
……確かにあの漆黒の巨大な体躯の異形は自らのことをそう名乗った。
上位悪魔というだけでも厄介なのに、邪神の関係者ときた。
『お前らからウォルバク様の匂いがするのはどういうこった? お前らはウォルバク様とどういう関係だ?』
……ウォルバクというのは私の使い魔のことだろう。
この悪魔はアーネスと同様に私のちょむすけを奪うために追いかけてきたのだろうと確信する。
『いいか、よく聞けよ? ウォルバク様だ、ウォルバク様を連れてこい。ウォルバク様を引き渡せば、お前らに危害を加えたりはしねえ。もちろん、お前らがいるあの街にもだ。俺たち悪魔は契約したことは破らない。悪魔としての掟であり決まり事だ』
つまり、裏を返せばそのウォルバク様とやらを引き渡す取引に応じなければ、私たちはもちろんのこと、無関係な街の人へも危害を加えることを厭わないという脅しだ。
あの上位悪魔のホースト、腕利き冒険者グループですら為す術無く一瞬で壊滅状態へ陥れ、魔剣の勇者でさえ太刀打ちできないほどの厄介な存在だ。
今回は今までのように都合のよいことは、誰かが助けてくれるなんて希望は持てない。
先日、助けてくれた爆裂魔法の術者も行方知れず、頼れる人は誰もいない。
もはや、アクセルであの悪魔に対抗できる存在は……
森からアクセルの街にある門の前に着いた。
「くそー! どうしてこの世界はサンマが畑で採れて、バナナは川から流れてくるんだよ! もう土木工事の仕事嫌だぁああーっ! よし決めた、俺、冒険者にならああぁぁああっっ! カエルに食べられたトラウマが……ッ!」
「うるせぇっ! 無駄口叩いてないで仕事しろっ! お前が一番進み遅いんだ、気張っていけよ新人っ!」
「ひえっ! す、すすすいません親方ー」
見慣れた緑の変わった服装をしている男の子が今日も楽しげにツルハシを振っていた。
自分が逃げると、街の正門のそばにいる、この頼りなさそうでいて毎日が楽しそうな平和な光景な、真っ先に壊される。
そう思って、じわじわとした決心が湧き上がり……
私の目は赤く染まった。
不思議なもので。
最初はこの街はただの通過地点で、思い入れも何もなかったはずなのに、何だかんだ好きになってしまったみたいだ。
自然と杖を握る手が強くなっているとゆんゆんが不安そうな顔をして私の瞳を覗き込んでくる。
「めぐみん……これからどうするの? ……って目が真っ赤!? ま、まさか悪魔との取引に応じるつもりじゃないわよね!? 悪魔はとっても悪辣でずる賢くてこの世で最も信用しちゃいけない相手なのよ! 魂と引き換えに三つの願い事を叶えるってお話も願いがきちんと叶えられることなく魂だけ取り上げられたって話だし……」
「何を勘違いしてるのかわかりませんがそのことについては十分知ってます。私を誰だと思ってるのですか、紅魔の学園を首席で卒業した私ですよ、取引には応じないつもりです」
「そ、それじゃあどうするのよ……。魔王軍幹部のデュラハンに動きがあって他の街からの援軍は期待できそうにないって言うし、この街の人も初心者ばかりで太刀打ちできない人ばかりだし、まさか正面切って戦うなんてことし」
「戦います」
ゆんゆんの顔が驚愕に変わる。
確かに現状は私以外、あの上位悪魔を仕留めることができる人はいない……絶望的だ。
それでも希望があるなら、可能性があるなら、私は戦うべきだ。
「た、戦うの? でも戦うって言ったってめぐみん一人でなんて……」
「ええ、私たち二人じゃ無謀でしょう」
「あれっ、もしかして私を巻き込もうとしてる!? 何勝手に巻き込もうとしてるの!?」
「とかなんとか言って、ついてきてくれるのでしょう? ……ありがとう、ございます」
「や、やめてよ、私何もオッケーした記憶ないんだけど!」
そう言葉を紡ぐとゆんゆんの顔が赤く染まっていく。
そして私に対する否定の言葉を並べていく我がライバル……
本当に面倒くさいぼっちですね。
本心とは逆のことを考えてしまったことに、思わずふっと笑ってしまう。
「ま、魔性よ! そういう顔して私のこと全部わかったようなふりして感謝を伝えるのとってもずるいと思うの!」
「本当に、これだからゆんゆんはゆんゆんなんですよ。実のところは友人と一緒に苦難を乗り越える展開に結構乗り気なのでしょう? 結構なことです結構」
「も、もちろん私は戦いが始まったとしたら参加するけどそういうんじゃないから! 私は族長の娘として紅魔の里に眠っていた邪神に関連してる悪魔を責任をもって……」
「はいはい」
その後私はセシリーお姉さんの所へ行きちょむすけを預け、その後、共に上位悪魔を討伐に協力してくれる人を探しに、ギルドの方へ顔を出しに行った。
弱かろうと人数は多いことに越したことはない。
数が多ければ、ホーストは多少なりともそちらに意識を割かなくてはいけなくなるからだ。
……しかし、結果は惨敗だ。
誰も来やしない。
強いて言えば紅魔族の琴線を擽る仮面をつけた男が意味ありげに「ベルディアに動きが!? アクアがいないのに一体どうして……」などと言っているところを見かけたり、クルセイダーと盗賊の二人組が「悪魔殺すべし!」とか「この街にノコノコと悪魔が来るとは、ぶっ殺してやる!」とか物騒なこと言いながら駆けだしていった人たちがいたということを又聞きしたことくらいか。
時刻はすでに夕方。
食わねば戦はできぬとも言うし、一度気を取り直すためにも夕食を食べようかと思い席を立とうとして――
突如、激しい音が鳴り響いた。
まるで特大の魔法が叩き込まれ、瓦礫の山が崩れ落ちる時のような音だ。
それに続き、街に設置してある魔導スピーカーから警報音がけたたましく鳴り響く。
嫌な……嫌な予感がする。
『緊急! 緊急! 上級悪魔が正門を壊し壁の内側に侵入しました! 住人の皆さんは直ちに避難を! 街の中にいる冒険者の各員は、直ちに武装し、戦闘態勢で街の正門に集まってください! 繰り返します! …… 』
どうして嫌な予感というものはこうも最悪な形で現実になってしまうのか。
街中で爆裂魔法を撃ったらどうなるかくらいわかっている。
けれど魔法を放たなければ、この街の戦力では対抗できず全滅に追い込まれることだろう。
撃てば人に被害が及び、撃たなかったらさらに被害が出る。
……被害というのは、即ち無関係な街の住人の死だ。
私がここに来なければ起こりえなかったかもしれない。
そんな心に滲むネガティブな考えはもみ消し、ゆんゆんとその場所に飛び込む。
悪魔が暴れているとの場所が見えてきた。
以前まであった家も道も街も変貌しており、見慣れた光景は面影なく消失している。
雪崩れて潰れた石造りの家、道は湾曲し隆起し、モンスターが流れ込めるほどの大穴が空いた正門。
私たちはまだ家や道の形がある場所からその光景を目の当たりにし立ち竦む。
向こうの方を見ると荒れ狂う巨大な影。
その計り知れない膂力によって繰り出される一撃によって瓦礫が粉砕されて砂塵となる。
そんな巨大な漆黒がこちらに気がついたのか、片方だけの翼を羽ばたかせ、空からこちらへ寄ってきた。
「よお。遅かったじゃねえか」
「ホースト……取引の件、契約を守ると言ったのは嘘だったようですね」
「嘘だあ? テメエらに言われたきゃねえな」
悪魔から放たれる怒気が激しい恐怖心を抱かせる。
私たち以外の冒険者は太刀打ちできないことを悟り住人を逃がすことに専念していたのだが、私以外にも無差別に突き刺さる不快感が冒険者たちの動きを妨げる。
「常識的に考えてよお、嫌にかってぇクルセイダーと盗賊の変な二人組を差し向けやがって、それは契約違反じゃあねえのか」
「……別に私たちが差し向けたわけじゃないんですが」
「そんなことはどうだっていいんだよ。お前たち、取引に応じる気はなかっただろ。悪魔は感情を食ってるんだ、ある程度感情から考えを推察することだってできるんだぜ?」
この悪魔、やっぱりただ者じゃない。
被害拡大を阻止するためにもここで倒さないといけない。
しかしそれには多少の犠牲を払う必要がある。
自問自答しつつ私は爆裂魔法の詠唱を始める。
それと同時に足止めをゆんゆんに頼む。
「私が仕留めます、時間を稼いでくださいゆんゆんッ!!」
「こ、ここで魔法を使う気!? そんなことしたら人が……!」
「そうだぜ、そっちの嬢ちゃんの言うとおりだ。よりにもよってこんな街中で上級魔法撃つ気か? 一応俺は友好的な悪魔として無関係の人間に対しては手加減してやって……あの石レンガの下敷きになってる奴らはまだ生きてるってのによ。魔法を外したらどうなるか、わかんだろ」
「くっ……!」
「『ファイヤーボール』っ!」
あの瓦礫の下に生きてる人が助けを求めているのに、私のせいでと考えてしまい、躊躇う中、ゆんゆんはホーストの背後に回り込み、街の正門の方へ駆け出しながら中級魔法を放つ。
ホーストはその巨体ながら俊敏に魔法を躱しつつ、私から離れていくゆんゆんに軽く舌打ちをする。
「めぐみん! こんな悪魔に惑わされちゃ駄目よ! 私が何とか街の外に誘導するから!」
「けっ、誘導するだあ? ……いいぜ、その言葉に乗ってやるよ、今の俺様は超絶虫の居所が悪いんだ。紅魔族のくせにわざわざ中級魔法でチクチク嫌な攻撃しやがって、死にてえなら殺してやるよ!」
ゆんゆんの方に飛んでいく悪魔を見て思わず詠唱が止まってしまった。
紅魔族なら冷徹でなければいけないのに、よもや私がこんなことで躊躇してしまうなんて……と思った、その時。
ホーストから距離をとろうと街の外へ逃げようとしてたゆんゆんに悪魔の手が迫り、その手がその体を掴み取った。
「うぐっ……!」
「ゆんゆん!」
「おおっと物騒な魔法はやめとけよ。……別に俺だって好きでこんなことしてる訳じゃあねえ。ただお前らが大人しくウォルバク様を渡さねえからこうなったんだ」
「し、信じちゃ駄目よ! 私たちは大人しくしてたのに襲ってくるし、本当は大人しく渡していたとしてもこういうことする気だったんでしょ! ううっ……」
「喧しいぞ人質。……はあ。まあ信じるか信じないかはどうでもいいけどよ、やっぱこの街のどっかにウォルバク様がいるな? 俺はウォルバクを連れ戻しにいく。お前はそこに埋まってる奴らをさっさと助けてやんな。終わったらコイツも解放してやるよ。契約だ。早くしねえと……本当に死ぬぜ?」
……この悪魔の言いなりになるしかないのだろうか。
この街にはプリーストがいるが、それでも伝説級の死者蘇生の魔法は使えない。
生き返るなんて物語の中だけで……だから埋まっている人たちの傷を生きているうちに治すことを優先すべきなんだろう。
しかし、私の脳内は目の前に埋もれている人たちの事ではなく、もっと別の不安が渦巻き、全身が震え、息が思うように吸えない。
必死になって肺の中に空気を取り込もうとするも、ただ一つの不安がそれをさせてはくれない。
セシリーお姉さん。
このままでは悪魔がちょむすけの香を辿って、お姉さんの方へ行ってしまう。
まずい……とてつもなくまずいことになってしまった。
あのお姉さんはろくに修行をしてこなかったアクシズ破戒僧で、上位悪魔に対抗できる手段は持ち合わせていない。
だからちょむすけのことを大人しく渡してくれれば問題ないはず……なのに、どうしてだろう。
あの人はそのくせ、アクシズ教徒であるため悪魔の言うことは絶対聞かず、悪魔に対して必死になって抵抗して……それで……
2人とも。
それだけは駄目だ!
私の知らない人が死ぬのは目覚めが悪いが、それが私の知り合いだったら……
ただでさえ青い顔に、血の巡りが行き届かなくなっていく。
それでも私は、私らしくもなく冷静さを欠き、嗅覚を頼りに羽ばたこうとするホーストの前に思わず立ち塞がる。
その時初めて、心の底から決心した。
「ちょ、めぐみん! 何してるの! 早くその人たちを助けぐうぅっ……!」
「黙ってなガキ。……だが、コイツの言う通り、とっとと助けてやらないと死んじまうぞ」
「……申し訳ないのですが、ここから先は通せませんよ」
「テメエ、殺されてぇのか!」
「自殺願望はありませんよ。……ただ、私の魂一つで何とかなるなら、悪魔と契約を交わして散る、そんな最後でもいいんじゃないかって、そう思えただけです」
「契約だぁ? 契約ってのは対等な立場で初めて成立すんだ……コイツが見えねえのか? さっさと道を開けねえと握り潰しちまうぞ」
そう言ってホーストはゆんゆんを見せつける。
でも問題ない……いや、賭けに勝つ自信があるだけか。
いくら上位悪魔であっても、爆裂魔法を撃つ素振りを見せつければ、動かざるを得ない。
私を阻止するためにゆんゆんを投げ捨て、最短ルートで迫ってくるに違いない。
この上位悪魔は片方の翼を失っている……魔剣の勇者との一戦だろうか。
さらに体の至る所に細かい傷がある……先ほど言っていた二人組に負わされたものかもしれない。
私の爆裂魔法はまだ未熟であり、この悪魔を一撃で仕留めるのは難しいかもわからない。
でも、ゆんゆんがいる。
私が賭けに負けたとしても、何とか倒せる。
そんなイメージで精神を研ぎ澄ませ、集中させる。
……いや、最悪倒せなくてもいい。
ホーストの動きを鈍らせるまでダメージを与えられれば。
この事態を知ったお姉さんがアクセルの街から逃げるまでの足止めできれば。
……しぶといアクシズ教徒だ、きっと時間を稼げば安全なところまで逃げてくれるはずだと信じている。
そのための時間稼ぎなら……
私は爆裂魔法の詠唱を始める。
私がハッタリをかましていると思っていたのかその場から動かずにいたホーストも顔を顰め、冷や汗をかく。
いよいよ詠唱が終わりを迎え、ようやくそこで疑いもなく本気だと気づいたホーストが。
「正気かテメエ、こんな街中で何やらかそうとしてんだ!」
「……爆裂魔法。貴方の同胞アーネスを屠った究極の破壊魔法ですよ」
「そんな魔法……お前の友人も巻き添えにしてえのか!」
「友人? だれのことです?」
「ええっ!? ちょっとそれはないんじゃないの、私たち友達でしょう!?」
……いや、ゆんゆんこそ何を言ってるのか。
貴女は私を友達じゃなくて、宣言してるじゃないですか、私の
まあでも、勘違いしてくれたままでいいです。
私を嫌ってくれた方が、これから起こることに対して都合がいいですので。
「ここで2人まとめて消し飛ばせば、私はデーモンスレイヤーと同胞殺しの異名ゲットですね。カッコいいじゃあないですか」
「バカバカバカめぐみんのバカーッ! 何究極の禁忌犯そうとしてんの!? 私まだ死にたくないんだけど!」
「ゆんゆん、貴女の死に様は後世に語り継いであげます。『私ごと撃って! その決意を蔑ろにできず私は……』とね。なので大人しく悪魔の足止めしておいてください」
「いやああぁぁあああ!! めぐみんの薄情もの人でなし碌でなし! ちゃっかり保身にも走ってるじゃない!」
「さあ覚悟するといいのです! ホースト、それからゆんゆん!」
「オマエは人じゃねえ! 俺は悪魔だが、さてはお前、人の皮を被ったナニカだろ!」
ホーストと泣き喚くゆんゆんがこちらを睨みつけてくる。
……自ら悪役を買ってでたのですが、なんかこう、
このまま、フィナーレと行きましょうか。
私が魔法陣が空に浮かびあがらせると、悪魔は私の想定の通り動いてくれた。
ゆんゆんは投げ飛ばされ、壁に勢いよく打ち付けられるが、流石ははぐれていようと紅魔族、なんとか生きている。
悪魔は私に迫る。
そして……一足一刀と言えばいいのか、直ぐに攻撃を加えられるとこで止まった。
「ここまで距離詰めりゃ自分も巻き添えになって撃てねえだろ。……はあ、アイツのねーちゃんだかんな、本当に殺しは遠慮してえんだがなぁ」
「アイツのねえちゃん? 何のことかさっぱりですが、貴方は私に殺される運命なのです」
「はあ? 一体何言ってやが……おいおい、待った待った。どうしてそこでまた目を紅くさせんだよ……まさかとは思うが」
「そのまさかですよ」
爆裂魔法は広範囲の魔法。
そして今私が立っているのは瓦礫がない――つまり住人は無事脱出できた場所。
遠慮なく撃てるというわけです。
「ちょっと待ってくれよ……俺たち悪魔は残機があるんだぜ? 馬鹿げてるぜ、オマエ」
「そんなことないですよ? 今残機を減らせばウォルバクとやらの契約も終わりです。そうすれば死なせたくない人を死なせずに済みますからね。それに……」
私は一呼吸置く。
震えは止まらない。
それでも一度準備してしまった
私は吸った息を吐き出し、こう言葉を締めた。
「……自爆は、紅魔族のロマンなんですよ?」
「て、テメエエェェエェッ!!?」
元々展開されていた魔法陣がホーストに向かい、そして直線上にいる私に突き刺さる。
巨体が瞬間移動かと錯覚してしまうほどの超スピードで私との距離を詰め、間合いをゼロにする。
一撃で殺すために溜められた拳が目前に迫る。
しかし、爆裂魔法のトリガーは引かれている。
私がどうなろうとも、ホーストも私も間に合わない、直撃を回避するのに間に合うはずもなかった。
ですが……紅魔族に相応しい、派手で華やかな最後でしょう!
そうでしょう、そうでしょう!
……そう強がってみるも、死が目前に迫ると時間が引き延ばされたような感覚に陥り、嫌に長い恐怖が心を煽る。
……死にたく、ないですね。
そんな思いの中、私は魔法を放とうとして。
「『エクスプロージ……』――ッッ!!」
「しょうがねーなぁっ!!」
カチャリと歯車が回る感覚とともに、そんな、どこか懐かしい声が聞こえた気がした。
本作
めぐゆんのスケジュール
初日:アーネス討伐、アクセル到着、栗ネズミ討伐
翌日:巨大スライム討伐
↓
1週間後:守衛の人に怒られる
その翌日:ジャイアントトード討伐
また翌日:一撃ウサギ討伐、ホーストと邂逅
↓
1週間後:
その翌日:ホーストと二度目の邂逅。
夕暮れ頃:ホースト襲来、アクアがいなかったせいで撤退しなかった。
爆裂魔法でホーストを道連れにしようとして……