俺たちは今、王都の正門前にゆんゆんのテレポートでやってきた。
新聞の記事に「魔王軍との戦い。最前線に魔王軍幹部の邪神ウォルバクが参戦で危ういか」と書かれていたのがきっかけだ。
めぐみんに「ちょむすけは実は邪神」だとか「その封印を解いたのは私」だとか、いろいろ情報量が多かったんだが、どうやら邪神と聞き、事の真偽を確かめたいようだ。
まあ最初に聞いたときには「どうせ、紅魔族の琴線に触れたんだろ。ほっとこ」と思ってたんだが、どうにもアイリスのことを引き合いに出したり、その本気具合が見て取れたからしょうがねえなぁと重い腰を上げたわけだ。
「……カズマさん、なんだか不気味な笑いを浮かべてますけど、何か企んでいるんですか?」
「失敬な。これから向かう砦で俺たちがやることを考えただけだわ。というか俺からしたらゆんゆんの方がニヤけきってて不気味なんだが」
「どうせこの拗らせぼっちです。『人生で2度もみんなと旅行に行けて嬉しい!』とでも思ってるのでしょう。その背負い袋にぎっしり入ってる荷物も大方5割以上が遊び道具でしょうし、楽しみすぎて夕べ寝付けなかったと思われるゆんゆんのことは気にしない方がいいですよ?」
「そそそ、そんなことないわよ! 7割だから! それに、カズマさんの荷物だって私と同じくらい大きいじゃない!」
「……まさかカズマも!?」
「7割も遊び道具なわけないだろ。……な、なんだよそんな疑い深い目を向けて」
「いえ、カズマのことなので大人の遊び道具の可能性もあるかと思いまして」
「俺のことを何だと思ってんだよどつきまわしてやろうか! ……というか、そういうのは向こうで張り切って盗賊を追い回してるド変態の役回りだろ。なー、ちょむすけー」
「んなーお」
俺はめぐみんがもっている黒毛玉の肉球をふにふにしながら、向こうでむさ苦しい男どもを追いかけている性騎士様を諦めたような目で見てやる。
めぐみんもそれを見て「ああ、確かに。すみませんでした」と軽く頭を下げる。
「しかし、それでは一体その中身は何だというのですか?」
「これの中身見てみるか? 俺のとっておきだぞ?」
そう言って中身を取り出し、紅魔族の二人に見せつける。
まず、今回のために特注したミスリル製のワイヤー。
超高強度のそれは、ゴーレムだろうとドラゴンだろうと、クーロンズヒュドラだろうとそう易々と切れることはないはずだ。
それを見たゆんゆんが目を輝かせながら。
「もしかしてこれ、ミスリル製ですか!? すごいですね! これでどんな相手だって完封できますね!」
「まあ、そうだな。……どもこれの主な使用用途は…………ダクネース! ほら、お前の好きな縄だぞ! 山賊なんて汚らしい連中追っかけ回さないでこっちこい! バインドしてやるから」
「ワオン!」
俺がダクネスに縄を投げつけるように見せるとダクネスが激しくこちらに向かって走り出す。
山賊とかいう女騎士の天敵のような輩に出くわしたことで理性が消え失せた変態は本能のままに……
「よし、よく来た! よーしよしよし!」
「か、カズマ! 山賊なんて放りだして急いできたのだ! どうか私にご褒美を! この卑しい豚目にその縄を!」
「やらないよ? よしじゃあ次の道具だが……」
「お、おい! まさかその太くて固い、私を屈服させるために作られたそれを見せびらかしておいてお預けか! お預けなのか!?」
「そうだよ! こんなだだっ広い場所……じゃなくても仲間にバインドするか! 頭湧いてんじゃ……お、おい! 掴みかかってくるな!」
無言で顔を赤らめ、涙目で俺の胸ぐらを掴んでくるダクネス。
いや、元はといえばお前が山賊を追いかけ回したせいで遠くまで行っちまったから呼び寄せるために……
変態なんだからお預けプレイだのなんだのと思って現状を楽しめよ!
しばらくして、めぐみんに宥められて俺の握る手を離したダクネス。
俺は息絶え絶えでゆんゆんに。
「ってな感じで使えるんだよ……」
「カズマさん……サイテー」
「いや辛辣!? これは俺が悪いわけじゃないだろ! ダクネスだ! 暴力を振るってきたダクネスの方が悪いと思う!」
「いや、性癖の忠実な下僕なダクネスもそれを利用したカズマもどっちもどっちでしょうに……それで、他に何がその中に入ってるのですか? まだ続きだったでしょうに」
「あ。後は酒だ。以上」
「どれだけシュワシュワ持ってきたんですか!?」
「みんなで夜に楽しく飲もうと思って」
「なるほど、それならしょうがないですよね!」
実は酒は3本程度で、残りの大部分は大量に作っておいたダイナマイトなんだが……
これをめぐみんに知られたら、爆発には譲れない何かがあるのか、自分のアイデンティティーとダブるのが我慢ならないのか、こんなに大量に持ってきたと知られたらきっと俺の努力が水の泡になる。
これさえあれば、どんな強敵だって一網打尽なんだと見せつけたいが、俺はそっとダイナマイトを隠した。
しばらくして、辺りが暗くなってきた。
ダクネスが山賊を追いかけ回してたせいで、目的地まで辿り着けなかったので俺たちは即席のテントを張り、一晩過ごすことにした。
この世界のモンスターは炎を怖がらないばかりか、炎や物音の先に獲物がいると知っており、人類史上最大の発明は無力。
というわけで火は使わず、暗闇の中夜型の俺がモンスターの襲撃に備えて見張りをしていんだが……
モンスターがぞろぞろとこちらに向かっているのに気づく。
まだ気づかれていない……と考えるという楽観的な考えは捨てた方が良さそうだ。
俺は、ほかのモンスターを呼び寄せないために小声で三人のことを起こそうと、まずは紅魔族の二人に呼びかける。
「おい、起きろ。モンスターの襲撃だ…………おい、おいって! 起きろよ! いいのか、起きないと誰にも言えないようなすんごいことをしてやるぞ」
「そのときは是非バインドをきつめに頼」
「ほわあああ!? お、お前、音もなく俺の背後に近寄るなよ! もう少しでゴルゴになるところだったぞ!」
「なんだそのゴルゴになるとは? お前の故郷の慣用句か何かか?」
「そんなことはどうだっていいだろ! アンデッドどもだ、俺たちの方に来てるから静かに逃げるぞ」
「……ここで迎え撃ったりは」
「しない。夜に火遊び(魔法)をしたことがある経験者はみんな口をそろえて言うんだ。死にたくなきゃやめろってな」
「……どうしてそんな真剣な顔持ちなのかは聞かないでおこう」
あれは転生してからすぐのことだった。
ギルドのお姉さんの注意も聞かずに夜にかけだした俺は、その行為が自殺行為だったと思いしらされたんだ。
仮面の人のがいなきゃどうなってたことやら。
というわけで夜は逃げるに限る。
いくら叩いても起きない中二病種族二名をダクネスに担いでもらい、千里眼で夜目が利く俺は逃げ道を先導し逃走を図ろうとして……
「なあダクネス。悪い知らせと非常に悪い知らせがある。どっちから聞きたい?」
「い、いい知らせはどこへいった!?」
「そんなものはない! まず悪い知らせの方だが、ゾンビにすでに囲まれてる。地面からポコポコポコポコどんどこ湧き出してる」
「十分悪い知らせだが、さらに悪い方があるのか!?」
「……目的地の方向にドラゴンのゾンビがいる」
……どうしてこんなことになったんだろうか。
まだ魔王軍の幹部と戦ってすらいないのに、どうしてボス戦が始まりやがったんだよ。
「はぁ……しょうがない! 俺がゾンビをクリエイトアースで埋める。少し遠回りだが、一気に包囲網を駆け抜けて、ドラゴンゾンビと鉢合わせないように行くぞ! 『クリエイトアース』!」
俺はゾンビの群れに大量の土砂を降らせる。
大量の質量で押しつぶされた奴らの上を通り過ぎようとして……
地面からズボッと激しい音が。
何かにつまずいてしまったか、俺は足を取られて転んでしまった。
「いてて……」と足をさすろうとして、一つの違和感。
何というか、足首が何かに締め付けられている感覚。
何事かと思って目をこらしてみると…………俺の足首を地面から生えた手が掴んでいた。
父さん、母さん、お元気ですか?
俺は、女神様に転生特典を与えられ、ベルディア、デストロイヤー、バニル、ハンス、シルビア、クーロンズヒュドラ……数々の敵を機転を効かせて討伐してきました。
そして現在、俺はめぐみんとダクネス、それからゆんゆんの4人で王都の近くにある砦に向かってたんです。
なんでも魔王軍幹部ウォルバクが猛攻をして陥落寸前とのことだったので愛すべき妹とめぐみんのために重い腰を上げて応援しにいこうと砦を目指して歩いてたのですが……
「なんでお前ら土砂に巻き込まれたのに秒で這い上がってくるんだよ! いい加減土に埋まって眠っとけ!」
「アア゛ァ……お兄゛さんゥ……私たちの魂はまだ未練タラタラなのヨォ゛……わだじど墓まで添い遂げませんかァ゛? そしだら未練がなくなるがら……」
「お断りですぅぅうう! ああ、女性からのプロポーズを断ってしまった……! てか、なんでゾンビに集られてるんだよ俺! 日頃の行いも幸運値もいいはずなのにどうして俺に寄ってくるんだよ! こういうのは俺が求めてたモテ期じゃない!」
「ああっ、カズマ! どうして日頃ゴロゴロしてるばかりでよい行いの一つもしていない怠惰な貴様にゾンビが集るのだ! そういうのは私の役目で、私こそ日頃の行いはいいはずなのに! うらやましいぞ!」
「そう思ってるんだったらデコイでも使っておびき寄せろよ!」
「さっきからやってるのだが全く私の方には見向きもしないんだ! ……まさかこれが放置プレイというやつなのだろうか。興奮してきたな」
「使いものにならないド変態め!」
俺に絶賛人生2度目のモテ期が訪れています。
陶磁器のように真っ白な手。
ほっそりとしたモデル体型。
あばら骨と四肢の細い指がチャームポイントな彼女はダイエットに没頭するがあまり余計な肉どころか必要な肉すべてをなくしてしまった自称ストイックなスケルトン……と、その仲間のゾンビたちである。
なぜアンデッドなのに性欲があるのか。
どうして俺に集るのか、そんなのはどうだっていいくらい胸がドキドキしている。
「どうじで同族の彼らは性欲がないのヨォ゛! わだじたちはこんなにも魅力的なのに! 亡き貴方のために痩せようとしたのに貴方のナニも無くなるなんで聞いでないわよ゛! 男のナニに骨さえ入っていればこんなごとにはならがったのに゛……これは生きてる人としかできないごとなの! さあ、わだじに貴方のを見せてごらんなさい!」
「ひぃやああああああっっ!! 助け! 助けてください俺にはもうすでにあそこの二人から求婚されているんですぅ!」
「ええっ!? この前『今晩私の部屋に来ませんか?』ってカズマさんを誘惑したって聞いたけどほんとだったの!? というかめぐみんだけじゃなくダクネスさんまで!? ま、まさかそんなに進んで、三角関係ってこと!?」
「そうだy」
「違いますから! あの男の勝手な妄想ですよ!」
そう悠長に会話してないで俺のこと助けてくれないですかね!
ダクネスは足が遅いし全然剣が当たらないし、めぐみんに助けを求めたら俺もろとも吹き飛ばされる!
となれば助けを求める対象は!
「ゆんゆん助けてくれぇぇ! いつまでたってもゾンビを振り切れないんだが! 火炎魔法でも使って燃やし尽くしてやろうか!」
「燃やすのは恋の炎だけで十分よォ!」
「本当に俺のティンダーが火を噴くぜ! 汚物は消毒だぜヒャッハーしたろか!」
「ああっ! 激しい魔法を使ったらさらにモンスターが寄ってきますよ! 私に任せてください! 『ボトムレススワンプ』!」
さすが頼りになる方の紅魔族。
魔法を一発放つとゾンビたちの足元が泥沼に変わり、その隙を突いてゾンビやスケルトンどもから距離をとる。
頭がおかしい方と比べるまでもなく優秀だな!
しかし、その安心感も束の間。
ゾンビたちは不死の執念で泥沼から這い出し、再び俺たちに迫ってきた。
「カズマさん! 今のうちにこちらに! 私のそばを離れないでくださいね! 離れなければ、その……アレがアレでコレな事になるかもしれませんから!」
「アレが何だって!? 変な想像させないでくれ! というかゆんゆんこそ俺から離れんなよ! お前が離れたら俺なんてあっという間に囲まれちゃうんだからな!」
「わ、私はいいんですけどカズマさんはそれでいいんですか?」
俺が臆病の意気地なしだって話か?
いいんだよこれで!
トラウマが蘇りしカズマさんはとことん仲間を頼るからな!
「おい、ゆんゆん! このゾンビたち、泥沼でも止まらないぞ! 骨だから沈まないんだ! 水の中よりも泳ぎやすそうにこっちに迫ってくるんだが!?」
「カズマ、こうなったら切り札である私の魔法しかないです! しかしながら、私も、その、魔力が……後一発魔法を放ったら倒れるギリギリな状態でして」
「お前それ、いつものことだろ。撃ったら倒れるんだから撃つなよ!」
「なんですって? 強力な魔法がほしい? ええ、なら仕方がありません、仕方ないですとも! そういうのならやぶさかではありません! さあ、私の魔法を見るがあああああドレインタッチやめぇいったあたまがぁあああ……!」
「口で言ってわからなかったかこのスカポンタン!」
仮にめぐみんが爆裂したら倒れてお荷物が増えるし、なんならほかのモンスターを呼び寄せるから迷惑だから!
俺の非力さをなめんじゃねぇ!
ゆんゆんもそれをわかっててライトオブセイバーとかライトニングストライクを使わないようにしてたんだろうし、本当に爆裂魔法なんて……。
そう思ってるとゆんゆんが。
「ど、どどうしよう! カ、カズマさん! ゾンビが予想以上に強いです! 私、魔力も限界に近いですし、これ以上の魔法は……!」
「あんまり無理するなよ。俺たちの最優先事項はモンスターの討伐じゃない! それに、この状況ならいける! 俺に任せとけ『フリーズ』! 」
泥ごと氷漬けにして、動けなくなったところを逃走する算段だ。
アンデッドが動けない今がチャンスだ!
「おいみんな逃げるぞ!」
「いやです」
「よーしそれじゃ俺の後に続今なんて?」
「嫌だと言ったのです! どうしてゆんゆんとカズマは魔法をバンバンと放ちまくっているのに私だけ駄目なんですか! 差別です! 爆裂魔法差別です!」
「いいから逃げるぞ! じゃないとドラゴンのゾンビまで……」
そこまで言って、ドラゴンゾンビの方を見て、口を思わず閉じてしまった。
なぜか。
それは俺たちが進もうとしてた方向にソイツが待ち構えていたから。
ダクネスが単身でドラゴンゾンビに突っ込んでいったから。
それはありとあらゆる方面から敵が押し寄せている状況を今になって気づいたから。
……そういえば、今までめちゃくちゃ大声で突っ込みまくってたわ。
それでモンスターたちを呼び寄せてしまったんだろうなぁ。
もう、今更爆裂魔法がなんだ。
爆裂関係なくモンスターのパレードが開催されてるじゃねーか。
「……めぐみん、爆裂魔法を撃ちたいっていってたよな」
「ええ、ですから魔力を早く返してくdほわあああああ!? 急に背中に手を突っ込むのはやめてもらおうか! せめて断りを入れてからとか、女性に対して配慮してくださいよ!」
「一緒にお風呂に入った仲なんだからいいだろそれくらい! とにかくめぐみん! 向こうだ! 向こうのデカブツを照らすから、そいつに全力でぶっ放せ!」
「……後で覚えておいてくださいよ」
俺はティンダーで数十メートル先のドラゴンゾンビを照らし、そこに魔物を集める。
それでもダクネスはドラゴンゾンビに向かうのを止めなかったので、念願のバインドで黙ってもらった。
潜伏スキルで隠れながらその場所を注視していると、ものの数分で周辺にいた魔物のほとんどがそこに集まった。
獣型のモンスターは本能のままに自分以外を敵と認識し攻撃を始め、他の魔物もそれにつられて戦い始める。
そこを目がけ、めぐみんが杖を掲げ、全身の魔力を集中させ……
「『エクスプロージョン』ッッ!!」
俺の荷物ごとすべてを焼き尽くした。
コツコツと量産してたダイナマイトが……
爆発が収まり、そこにはゾンビたちの残骸。
それと魔力を使い果たして倒れ込んだめぐみん。
「ほわぁ……今日の爆裂魔法は、また一段と激しい爆裂でしたね。想像以上に調子がよかったみたいです」
「や、やったか」なんてフラグじみた台詞は言わない。
俺は慎重な男。
ここでそんなことを言ったら絶対ろくなことが起きないと知ってるからこそ不用意にそんなことは……
「や、やってしまった……私のドラゴンゾンビが……」
「おいなんてこと言って! こういうときはやったかって感じの台詞言ったらやってないのがテンプレなんだよお!」
「ええっ! それは私が悪いのか!?」
ゆんゆんも俺も魔法をあと何回放てるか。
そんな状況なのに、ドドドと何かが迫ってくる音が向かってくる。
うん、予想してたけど。
予想してたけど!
「ほぉれみたことか! 爆裂魔法の熱で溶かされて俺が閉じ込めておいたアンデッドどもが這い出てきたじゃねーか!」
「す、すまない私のせいd……い、いや、これは私のせいなのか!?」
「ちくしょー! どうせあいつらの狙いは俺だろ!? まだ俺初めてなのに! 初めては甘酸っぱく柔らかい唇とキスからがよかったのに!」
あのスケルトンの俺に対する執着はえげつない。
そもそもアンデッドは疲労知らずなせいで、逃走スキルを使ってても距離を離せない。
もう俺は足が死ぬまで無駄に逃げ回ることしかできないのかと、ほろりと涙を流しかけ……
「待たせたな」
突然、見覚えのある声が背後から聞こえた。
俺が振り返ると、そこには背負った巨大な荷物を揺らしながら、あの仮面の人が立っていた。
仮面の人が荷物を地面に下ろし、その中から……
「俺が今からこいつらを引きつける! お前たちは早く砦に向かえ! ダイナマイトでモンスターたちを片っ端から片付けてやる! 汚物は消毒してやるぜヒャッハー!」
取り出したるはダイナマイト。
仮面の人が手際よくダイナマイトに火をつけ、モンスターの群れに投げ込んだ。
恩人だ……やっぱり仮面の人は俺の命と息子の恩人なんだ!
俺たちは仮面の人の指示に従い、砦へと走り出す。
後ろで何度も爆発音が響き渡る。
どうして仮面の人がこんなところにいるのかとか、そんな疑問はすべて些細なこと。
俺は仮面の人に最大級の感謝しながら、砦への道を全力で駆け抜けた。
「……仮面の人に思い出したが、この前俺らの家に訪ねてきたとき『アンデッドに集られやすくなったりするかも』って言ってなかったか? ……なんだこんなもん」ポイッ
(捨てんな! 気持ちはわかるけど…………しょうがないから拾っといてやるか)
数時間後
「……お前、どうして俺の首にかかってんの? もしかして捨てても勝手に持ち主の元に戻ってくる呪われたアイテムなのか? 髪の毛はみ出てるしこわっ!?」