勢いで始めてしまいましたが、多くの方に楽しんでもらえるよう頑張りますので、アドバイス等を頂けると嬉しく思います。
日本にあるごく一般的な民家の居間に、三人の少年が思い思いに寛ぎながらテレビを見ていた。
『はい、始まりました朝まで煮テレビ。今日は、今話題の織斑一夏君について…』
「どうしてこうなった…」
テレビを見ていた少年の一人織斑一夏(15歳)が、天井を仰ぎ見ながらそう呟いた。
「なんでって、そりゃぁ男のお前が”IS”(インフィニット・ストラトス)を動かしたからだろうよ。なぁキリト」
その呟きに隣でオッサンのような寝方をしている天道勇(18歳)が、煎餅をかじるともう一人の少年に話しかける。
インフィニット・ストラトス―
通称ISと呼ばれ、10年前に篠ノ之束という女性によって開発された。宇宙空間での活動を想定し、開発されたマルチフォーム・スーツである。
しかし、度重なるテロ行為や”ノイズ”と呼ばれる認定特異災害への対抗策の一環として軍事転用されてしまう。
従来の兵器を凌駕する圧倒的な性能を持ち、核兵器のように環境への被害が出ないので、新たな抑止力としての一面も併せ持っているのである。
そんなISだが、ある重大なる問題を抱えている―
「ああ、男でISを動かすなんて前代未聞だからな」
話しかけられた桐ヶ谷和人(16歳)(勇からはキリトと呼ばれている)が、頷くとスマフォを取り出す。
ISは女性にしか起動させられないのである。
原因は開発者からも明らかにされておらず、似たような特性を持つCR-ユニットによって広まっていた、女性優位制度を各国は推し進めたのである。
結果、PT(パーソナル・トルーパー)が登場するまでは、何事においても女性が優先される風潮が強まり、それに反発した者達によるテロ行為が横行してしまい、今尚続く社会問題となっている。
「ほら、ネットでも一夏のことが話題になってるぞ」
そう言って、ある掲示板の書き込みを一夏に見せる和人。
ちなみにこの三人は、幼少の頃から剣道や武術をならっていた縁(今では勇しか続けていないが)で知り合い、それからは兄弟のような関係を築いている。
「何か碌な書き込みが無いんだけど…」
「そりゃぁ世の中の男からしてみりゃ、憧れの的だし嫉妬や妬みもあるわなぁ。おまけに女の園であるIS学園に行けるんだからよ」
和人が見せた掲示板には、一夏についての誹謗中傷やら個人情報までが書き込まれていた。
「え?そんな話聞いてないんだけど勇
「父さんの話じゃ、今お前の処遇について各国で話し合われてるそうだけど、十中八九IS学園に放り込まれるだろうってさ」
「なんで?俺来禅志望してたのに」
勇の話が飲み込めないのか、首を傾げている一夏。
IS学園―
日本が設立したISについて学ぶための特殊国立高等学校である。
「そこが一番安全なんだよ。お前、自分が置かれている状況分かってんのか?」
「状況って?」
本気で分かっていない様子の一夏に、呆れて溜息を吐く勇。
「んじゃ、キリト説明よろ」
「え!?そこで俺に振るのかよ兄貴!」
「出番を譲ってやってるんだありがたく思え」
勇の言い分にえ~とぼやく和人だが、今までの経験から何を言っても無駄だと分かっているので、仕方なく一夏への説明を始める。
「いいか一夏。お前は現在世界で唯一ISを使える男性なんだ」
「うん」
「だから、どの国もお前の身柄を抑えようと日本に圧力を掛けているんだ」
「そうなの?」
「ああ、でも当然日本は拒否する。そうなると、力づくでもお前を連れ去ろうと考える奴が現れてもおかしくないんだ」
「マジで!?」
「お前なぁ、それぐらい考えつけよ…」
和人の説明に本気で驚いている一夏に、再び呆れて溜息を吐く勇。
「特に、PTが開発されてから立場を脅かされているIS業界は、何がなんでも解明しようとするだろうよ。んで、それに反発する女性優位主義者なんかはお前を消そうとしてくる訳よ」
「さらっと怖いこと言わないでよ勇兄!」
勇が何気ない顔で言ったことに、顔色を悪くする一夏。
「そこでIS学園よ。あそこは、国家や組織が干渉することは公では禁止されているからな。取りあえずは、拉致られてモルモット人生とかは避けられると思う」
「思うかよ!」
「いや、完全に外部の干渉をシャットアウトは無理だろうな。金は日本政府の財布から出てるし、その政府も弱腰外交でお米の国なんかには逆らえないもん」
そこで話を区切って再び煎餅をかじる勇。
「ま、お前のおかげで”《死銃》事件”のことが話題に上がらなくなって俺的には嬉しいがねぇ」
「”《死銃》事件”って兄貴が解決した事件だよな?」
《死銃》事件―
少し前にGGO(ガンゲイル・オンライン)と呼ばれるVRMMOFPSで起きた複数犯による殺人事件である。
偶然巻き込まれた勇の活躍によって、犯人は全て逮捕されている。
「解決つーか、犯人がシノン…詩乃の奴を狙ってきたから、ボコしただけなんだがねぇ」
そのせいで一時期ネットで話題になってしまい、勇について様々な憶測が飛び回り、危うく個人情報まで漏れそうになったことを思い出し、溜息を吐く勇。
「それでも十分凄いよ。俺ならビビって何もできないだろうし…」
そう言って俯いていまう和人。
彼はSAO(ソードアート・オンライン)と呼ばれるVRMMORPGで遊んでいた際に、開発者である茅場晶彦の手によってゲームでの死が現実の死となるデスゲームに囚われてしまう。
そして、解放されるまでの約二年間で数多くの死に直面し、自身も正当防衛であるが三人の人間を殺めてしまい、そのことが今でもトラウマとして彼を苦しめているのだ。
「あーやめやめ、シリアスな話はやめようぜ。そういや一夏、
「多分。てかどんな仕事しているか分からないし、いつ休みなのかも分かんないんだよね千冬姉って」
頭を掻きながら体を起こし、話題を変える勇。その意図に気づいている一夏が、自身の姉について語る。
「案外パチンコとかで稼いでるんギャン!?」
突然頭部に強烈な衝撃を受けた勇が床に倒れ伏す。
「誰が何で稼いでいるって勇?」
「ち、千冬姉!帰ってたのか!」
いつの間にか帰宅していた姉である織斑千冬に驚く一夏。
その拳が握り締められていたので、彼女が勇を殴った様である。
ちなみに千冬と一夏の両親は行方不明になっており、千冬が生活費を稼いで一夏を養っているのである。
「ここは私の家だそりゃ帰ってくる」
「お、お久しぶりです。千冬さん」
「ああ、和人かよく来たな。何も無いがゆっくりしていけ」
そう言って冷蔵庫から缶ビールを取り出す千冬。
「ほんと、あんたが冷蔵庫に詰めたビールぐらいしかないよなこの家ギルス!?」
「お前は黙っていろ」
余計なことを言った勇の頭に片足を乗せてビールを飲む千冬。
見慣れた光景なので特に動じることはない和人と一夏。
「それより一夏に渡す物がある」
「俺に?」
「これだ」
そう言って一夏に服と見られる物を投げ渡す千冬。
「何だこれ?」
「制服だ。IS学園のな」
「え!?俺まだ行くなんて…」
突然のことに抗議しようとする一夏だが、知らんとバッサリ切り捨てて、再びビールを口に含む千冬。
ちなみに足は未だに勇の頭に乗っている。
「入学手続きは済んでいる。それとも他の学校に通って、拉致られモルモットになるか?」
「ぐッ」
正論を言われ言い返せず肩を落とす一夏。話を聞いていた和人も流石に気の毒に思えた。
「そう気を落とすな。IS学園も普通の高校と大差ない。どこで過ごそうと日々を充実させるのはお前自身だ。求めよさらば与えられん――そう言うことだ」
「姉さん、姉さん。カッコつけてるところ悪いけど、そろそろ足どけてくだせぇな。俺マゾじゃないんで」
「ああ、そう言えばいたなお前」
思い出した様によっと足をどける千冬。
酷い目にあったよと体を起こす勇に、自業自得だよと心の中でツッコむ和人と一夏。
「ところで勇。お前本当に連合軍に入るのか?」
「ん?そだよ姉さん」
ふと、聞いてきた千冬に迷うことなく答える勇。
「こんなご時世だし、俺の性に合ってると思うんだよね」
「…それが意味することは分かってるのだな」
「ああ、誰かを殺すだろうし、俺が殺されるかもしれない。その覚悟は
「そうか、なら私からはもう何も言わん。ただし、これだけは約束しろ死ぬな、死んだら許さん」
真っ直ぐに勇を見据えて言う千冬。その表情に普段の厳しさは無く、本当に勇を案じている表情だった。
「あいよ。そんなこと言われたら、死にたくても死ねないよ。っとそろそろ帰んないと、ユウキの奴にプリン買ってこいって言われてるんで」
時計を見ると、夕食に頃合の時刻になろうとしていた。
勇が立ち上がり、お邪魔しましたと千冬に挨拶する。
そして和人と一夏にもじゃあなと言って、織斑家を出るのであった。
読んで頂きありがとうございます。
気になった点があれば遠慮無く言って下さい。
それを基に修正していきますので。
※オリ主の容姿について
名前 天道 勇
身長は同年代の男子より低く、女性寄りの顔立ちをしているため、よく女子と間違えられることが多く。アイドル顔負けの容姿と愛嬌ある性格により、男女とわず絶大な人気がある(本人は男らしくしようと、努力しているようであるが…)
髪型は黒色の髪を腰まで伸ばし、根元から束ねた所謂ポニーテールである(本人は切りたいのだが周りがさせてくれない)