ワールド・クロス   作:Mk-Ⅳ

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突然ですが参戦作品に俺、ツインテールになります。を追加します。
理由?アニメ見て原作読んでハマったからだよ!


第十一話

ヒュッケバインMK-Ⅱ・ハウンドを纏ったヴォルフは、容赦なくリーゼ姉妹にバスター・ランチャーを放った。

慌てて左右に分かれて回避すると、戦闘態勢と取る姉妹。

 

「アリア、あの機体って!」

「ええ、連合軍から報告のあった強奪された新型PTね」

「てっことはファントム・タスクって奴ね!」

『そうだ』

 

正解と言わんばかりにロッテにランチャーをぶっぱなすヴォルフ。

それを身を屈めて避けると、ヴォルフ目掛けて駆け出すロッテ。

 

「そんな奴が何でその女を庇うんだよ!」

 

ロッテがヴォルフの即頭部目掛けて回し蹴りを放つと、ランチャーの銃身で防がれる。

 

『言った筈だ、借りを返すとな』

 

足を弾くと、銃口の下部に増設された斧型の銃剣がスライドし槍の様になる。

 

『往くぞ』

 

ロッテ目掛けて連続で突きを放つヴォルフ。

刺突を紙一重で避けていくロッテ。だが、次第に追い詰められていく。

 

「(こいつ、強い!)」

 

正確に急所を狙い、尚且つ確実に退路を断ってくるヴォルフの技量に舌を巻くロッテ。

 

「ロッテ退がって!」

 

アリアが収束式の魔力弾を放つと、身体を後ろに逸らしただけで回避するヴォルフ。だが、連撃を止めることには成功した。

その間にロッテはアリアに合流して体勢を立て直した。

 

「アリアあいつ手強いよ!」

「分かってる、連携でいくよ!」

「おう!」

 

アリアの足元に魔法陣が浮かび上がり、ロッテは再びヴォルフへと駆け出した。

迎撃しようとヴォルフがランチャーの銃口をロッテへ向けると、アリアがホーミング式の魔力弾を複数撃ち出す。

回避行動を取るが、包囲するように魔力弾がヴォルフに殺到した。

 

『ふん』

 

ヴォルフはつまらなさそうに鼻を鳴らすと、左腕のハードポイント装備にされたガトリング砲を展開し、撃ち落としていく。

 

「あらぁ!」

 

その隙にロッテが顔面に殴りかかるが、拳が触れる直前にヴォルフの姿が視界から消えた。

 

「なっ!?」

『遅い』

 

ロッテの背後に回っていたヴォルフ、が銃剣で突き刺そうとするも、アリアが放った魔力弾を放ったので距離を取った。

 

『なる程、いい連携だ』

 

直進的な性格のロッテを冷静なアリアが的確にサポートする。教本に載せられるくらいの精度の連携である。

 

『久々に、少し本気でやれそうだ』

 

今まで大して表情を変えていなかったヴォルフが獰猛な笑みを浮かべると、真紅の瞳が金色に輝いた。まるで、狩り甲斐のある獲物を見つけたことに歓喜しているのだ。

ガトリング砲を構えると姉妹に向けて発砲するも、左右に跳んで躱されてしまう。

当たるとは思っていない、分断さえできればいいのだ。

アリアへと狙いを定めると機体を加速させる。まずは頭を潰す、戦いの基本だ。

景色が吹き飛んでいくかの様に流れると、一瞬で眼前に驚愕の表情を浮かべたアリアが映し出された。

ヴォルフの速度に対応できていないアリアへと向かって、速度を乗せて銃剣を突き出す。

 

「っ!?」

 

アリアが咄嗟に展開させた防御魔法と銃剣がぶつかり合う。

僅かだけ拮抗するも、ガラスを砕いた時の様な音を響かせて魔法陣が砕け散り、アリアが吹き飛ばされた。

だが、手応えが薄い。防御魔法で衝撃を緩和され、後ろに飛んだことで致命傷を避けたのだろう。

すかさずランチャーを構え追撃しようとするも、横からロッテが襲いかかる。

 

「こんのぉ!」

 

後頭部目掛けて回し蹴りを放とうとするも、まるでそう来ることが分かっていたかの様に、身体を回転させて回避するヴォルフ。

そしてその勢いのまま、ランチャーをバットの様にフルスイングし、アリアの側へとロッテを弾き飛ばした。

 

「ロッテ!」

「くっそう。何だあいつ、まるであたし達の動きが分かってるみたいだ…」

 

アリアもロッテもダメージが大きいのか、立ち上がることができずにいた。

そこでふと、ヴォルフの瞳が現れた時は真紅のだったのが、金色に輝いていることに気が付く。

 

「目が金色になってる!?」

「それは、一体何なの?」

『敵に手の内を教える程、お人好しではない』 

 

冷酷に言い放つと胸部の装甲が展開し、露出したコネクターにランチャー接続すると、ジェネレータに直結させチャージを始めるヴォルフ。

モニターに充填率が表示され、数値が増大するのに連れて、砲口がエネルギーの輝きが増していく。

 

『終わりだ。デットエンド・シュート!』

 

メーターが最大になるのと同時にトリガーを引くと、解き放たれたエネルギーの奔流が姉妹を飲み込まんと迫る。

だが、突然空から降ってきた壁に阻まれてしまう。壁を撃ち抜こうとビームを浴びせ続けるも、充填していたエネルギーが底を尽き、ビームが四散していった。

 

『壁だと?』

「剣だ!」

 

降ってきた壁を訝しんでいると、頭上から声が響いてきた。

確かによく見てみると、壁ではなく巨大な剣であった。視線を上へ向けると、柄の先端に人影が立っていた。体型を見るに女性の様である。

人影が飛び降りると、剣が収縮していき標準サイズの日本刀へと姿を変えていく。

着地した人影が、地面に突き刺さっていた刀を引き抜くと、こちらへと切っ先を向けてきた。

 

「特異災害対策機動部二課所属、風鳴翼だ。武装を解除し投降しろ、さもなくば斬る!」

『特異災害対策機動部か。貴様が天羽々斬(あめのはばきり)の適合者か』

 

―特異災害対策機動部

認定特異災害ノイズに対処すべく日本政府が設立した秘密組織である。

聖遺物と呼ばれる古代文明の遺産を加工し生み出された、鎧型武装シンフォギアシステムを保有している。

そして、そこに所属している風鳴翼は人気歌手として活動する裏で、ノイズを始めとする人類の驚異から人々を守るために戦い続けているのである。

今回、連合軍の依頼でリーゼ姉妹の支援のために駆けつけたのだ。

 

『戦うアーティストと言う奴か面白い』

「もう一度警告する、武装を解除し投降しろ!」

『断る』

「ならば、防人として人々の平和を乱す貴様を討つ!」

 

ヴォルフ目掛け駆け出した翼は、アームドギアである刀を大型化させ、青いエネルギー刃を放出する”蒼ノ一閃”を放った。

それを跳躍して回避し、キリエの側へと着地すると、キリエを無造作に脇へと抱えた。

 

「え?ええ!ちょっと!?」

『うるさい。舌を噛むぞ』

 

突然のことに素っ頓狂な声をあげるキリエにそう告げると、飛翔するヴォルフ。

 

「逃げる気か!」

『貴様と戦うのは骨が折れるのでな。さらばだ』

 

翼の制止を聞かず結界を飛び出すと、そのまま飛び去っていくヴォルフ。ちなみに常人なら失神する速度だが、脇に抱えていたキリエは加速能力が使えることもあり無事であった。

 

「待て!」

『追うな翼!』

 

起きかけようとする翼を通信機から機動部二課の司令官であり、叔父である風鳴弦十郎が制止した。

 

『今は負傷者の収容が優先だ』

「…了解しました」

 

弦十郎の言葉が正しいと判断した翼は、気絶しているリーゼ姉妹の元へ向かうのであった。

 

 

 

 

 

「こらー!私をどこに連れて行く気よー!」

 

公園から離脱したヴォルフのある意味、誘拐と言える行動にキリエが抗議していた。

 

『俺達のアジトだ。そこなら傷の手当てができる』

「っ!?私はその…」

 

手当と言う言葉に後ろめたいことでもあるのか、表情を暗くするキリエ。

 

『普通の人間じゃ無いといいたいのか?』

「な!?何でそのことを!」

『勘だ』

 

ヴォルフの言葉に絶句するキリエ。まさか、それだけで自分の秘密を見破ったと言うのかこの男は?

 

『俺のいる組織ならお前でも治療できるだろう。嫌なら放り捨てるがどうする?』

「捨てるな!せめて置いていけ!分かったわよ、連れて行きなさいよ!」

『ああ』

 

どの道他に行くアテも無いのだ。だったらこの男に賭けるしかない。そう考えるキリエだった。

 

 

 

 

 

「そうか、アミタちゃんの妹さんは保護することはできなかったか」

 

ブルーアイランド基地内の勇太郎の執務室で、椅子に腰掛けた勇太郎が、デスクに備え付けられたモニターに映し出された弦十郎と話していた。

 

『ああ、ファントム・タスクの構成員と見られる男に連れて行かれてしまった。すまない』

「お前が謝ることじゃないさ。おかげで管理局の魔道師は無事だったんだろう?それで良しとしようや」

 

友人と話すように気兼ねなく話している勇太郎と弦十郎。二人はかつて教導隊のメンバーとして共にPTの開発に関わったのだ。

教導隊解散後、勇太郎は軍に残り弦十郎は退役し、特異災害対策機動部二課の司令官となった後も交流は続いていた。

今回、機動部二課への要請も、勇太郎から弦十郎へ願い出たものであった。

 

『奴らは彼女の目的に気づいて接触して来たのだろうか?』

「その男の発言から見るに、組織としてではなく、個人の意思によるものと見るべきだろう」

 

現地からの報告から、ファントム・タスクが、キリエの目的に気づいてはいないと判断する勇太郎。

 

『だが、彼女の目的を知った奴らがどう動いてくるか…』

「一夏の件もある。警戒を強めねばならんな」

『世界初のISを動かした男子か、理由は解明できていないのか?』

「さっぱりだ。開発者に聞きたいところだが、行方は以前不明のままだ」

 

IS開発者である篠ノ之束が突如行方をくらませてから3年前。未だに各国が行方を探しているが、尻尾も掴めていない状態であった。

 

『どちらにせよ彼の出現により、ファントム・タスクを含め、世界が大きく動くことになるか』

「以前よりましになったとは言え、今だに女性優位の風潮は根強いからな。それが覆されるかもとなれば騒ぐ連中は多いだろうな」

 

最強の機動兵器と言われるISを動かせるのは女性のみのため、世界で女性優位社会を訴える者は多く。PTの配備に伴い男女平等社会への以降に反発し、テロ行為を行う者が後を絶たないのが現状である。

そこに男でありながらISを動かせる一夏の登場により、反発運動は激化の一途を辿っていた。

さらに、男性優位を訴える者達との衝突によって、内戦や紛争に発展する国も出始め連合軍はその対応に追われていた。

それらの裏で暗躍しているのがファントム・タスクである。テロリストや対立する組織同士を支援し火種を撒き、時には自を火をつけて世界を混乱させているのだ。

 

『そう言えばお前の息子が入隊したそうだな?』

「ああ。あいつの意志とはいえ、子供に大人の罪を背負わせねばならんのは辛いな」

『全くだな』

 

同じように娘同然である翼を戦わせている弦十郎には、勇太郎の気持ちが痛い程に理解できた。

 

「では、妹さんのことは俺からアミタちゃんに伝えておこう。また何かあればよろしく頼む」

『ああ頼む。じゃあな』

 

互いに別れの挨拶をするとモニターの映像が途切れると、一息ついて椅子へもたれかかり、デスクに立てかけていた写真立てを手に取る勇太郎。

写真立てには幼い日の勇を挟んで、自分と妻である天道愛花が映った写真が飾られていた。

 

「あの子の進む道は険しいだろう。どうか見守っていてくれ愛花」

 

亡き妻へ息子の無事を祈る勇太郎であった。

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