基本はオリ主視点でいこうと思います。
日本 東京の上空
本来、人がいられる筈のない空間に一人の女性が浮かんでいた。
桃色の髪を腰の位置までストレートに伸ばしており、赤をメインに白色のラインが入った見慣れない服装をいていた。
「ここが地球…。この世界にある
何かしらの決意を秘めた瞳で眼下に広がる街並みを見据える女性。
「キリエ!」
突然響いた声に反応してそちらを向くと、自分と似た顔立ちをした、赤い髪を三つ編みにし腰まで伸ばした女性が飛んで来ていた。
服装はキリエと呼ばれた女性と似たデザインで、こちらは青をメインとしていた。
「キリエ!やっと追いついた!」
「アミタってば、ホントにもう。追ってこないでって、私があんなに言ったのに。わたしのお姉ちゃんはわりと本気でお馬鹿さんなの?」
そう言ってアミタと読んだ女性に、うんざりしたような視線を向けるキリエ。
「馬鹿はどっち?妹が馬鹿な事をしようとしてるのに、それを止めない姉はいません!」
「ちょっとくらい早く生まれたってだけで、妹の生き方を曲げる権利なんてないもん」
たしなめるように言うアミタに、聞き耳持たずと言った感じで顔を背けるキリエ。
「とにかくわたしは、この時代、この場所でやる事があるの!こっちの世界の人にもなるべく迷惑かけないように頑張る!いいからわたしの邪魔しないで!」
「させません!! 縄で縛って、お尻をつねりあげてでも!!エルトリアに――私達の博士が待っているあの家に、連れて帰りますッッ!」
「ま、力尽くは望むところ。やってみたらアミタ!お姉ちゃんは妹に勝てないって事、教えてあげるっ!」
そう言うと互いに同じ形状だが色違いの銃を取り出す。
すると銃の先端に光の粒子が集まり、銃口が剣へと変わるとそれで切り結ぶのだった。
勇視点
織斑家を後にした俺は帰り道にあるコンビニで、頼まれていたプリンを自身ともう一人の同居人の分も含め購入した。
折角なんで他にも買おうかとも思ったが、帰りが遅くなると心配させてしまうので止めておく。
コンビニから数分歩くと見慣れた我が家が見えてくる。どこにでもある普通の一軒家である。
「ただいまー」
慣れた動作で玄関のドアを開けると、見慣れた我が家の玄関が迎え入れてくれる。
香ばしい匂いが鼻を刺激する。どうやら彼女が夕飯を作っているようだ。
「あ、
靴を脱いでいると、リビングへ通じる扉が開き、義妹の天道木綿季(愛称ユウキ)がひょっこりと顔を出してきた。
旧姓は紺野で9年前に起きた事件で家族を失い、偶然助けた俺の家で引き取り一緒に暮らしているのだ。
「うん、ただいま。はい、ご所望のプリンね」
「わーい!ありがとう、兄ちゃん!」
プリンの入った袋を手渡すと、はしゃぎながら抱きついてくるユウキ。
正直いい歳になったんだから、そろそろ事あるごとに甘えてくるのはどうかとも思うんだけけどなぁ。
「動きづらいから離れい」
「えーいいじゃん、減るもんじゃないし」
「へーへー」
ユウキに引っ付かれたままリビングに入ると、カウンターテーブルから一人の少女が顔を出してくる。
「おかえり勇」
「ただいま詩乃」
彼女の名前は朝田詩乃。GGOで知り合い一緒に遊ぶ仲となったのだ。
元は一人暮らしだったが、《死銃》事件で知人だった犯人に自宅で命を狙われ、間一髪のところを俺が助けに来たので事なきを得た。
事件後、詩乃の母親が(父親は既に他界している)一人暮らしを続けることを心配するが、詩乃は今の暮らしを続けることを望んでいたところ、俺の父親が「だったら。家で暮らせばいいじゃない」と言い出し、気がついたら詩乃が家で暮らし始めていた。
別に問題無いが、俺にも少しは相談しろよ父さん。いきなり詩乃を連れて来た時マジでビックリしたからさ…。狙ってやったんだろうけど。
「夕飯は何を作ったの?」
「カレー。安く売ってたの」
「お、いいねぇ。ちょうど食べたいなって思ってたんだ」
「ちなみにボクも手伝ったんだよ!」
「どうせ、米炊く位しかやってないんでしょう?」
ジト目で言うとそ、そんなことないよと目を逸らすユウキ。図星だなこいつはカップ麺ぐらいしか作れんからな。
「もうできてるから、いつでも食べれるよ」
「じゃあ、食べようか。腹ペコだよ」
「食っべよ♪食っべよ♪」
三人で席についてニュースをBGMに夕食を食べる。うん、美味い。
『―本日未明、ブルーアイランド市街で―』
「む?」
アナウンサーが告げた地名に思わず反応する。
「ブルーアイランドって父さんの仕事場の直ぐ近くだな」
ブルーアイランド―
10年前に開発された示現エンジンと言う、新型エネルギー炉の建造に合わせて相模湾に建設された人口島である。
IS学園を始めとする最先端の教育機関や関係者が生活する市街地に、それらを防衛するための基地を備えており、勇の父は連合軍の軍人でPTの装着者として勤務しているのだ。
画面には無茶苦茶に破壊された街の様子が映し出されていた。
建造物や道路が崩落し、瓦礫の山と化している。
まるで隕石の衝突か空襲でもあったのかと疑いたくなるような惨状だった。
「こりゃぁ空間震か」
眉をひそめて、うんざりと首を横に振る。
空間震―
空間の地震と称される、広域振動現象。
発生原因不明、発生時期不定期、被害規模不確定の爆発、振動消失、その他諸々の現象の総称である。
初めて確認されたのが30年前で、ユーラシア大陸の中央(当時のソ連・中国・モンゴルを含む一帯)が一夜にして消失し、1億5000万人の死傷者を出した「ユーラシア大空災」であると勇の世代では教えられている。
「うん、お父さん大丈夫かな?」
「大丈夫でしょ。あの人が早々死ぬところなんて想像できないし」
空間震に巻き込まれても生きていられそうな生命力持ってるし。
「でも、最近増え始めたよね。一時期は殆ど聞かなかったのに」
「確かに妙な感じはするよね」
詩乃の言う通り、ユーラシア大空災から半年程は世界各地で頻発していたが、日本の南関東大空災を最後に確認されなくなった。
だが五年程前に、ブルーアイランド市街地での一角で発生されたのを皮切りに、断続的に確認されるようになったのだ。
しかもその多くが――日本、特にブルーアイランド周辺で発生しているのである。
「まるで何かに引き寄せられているような…」
「え?」
「いや、何でもないよ」
思わず漏らしてしまった呟きにユウキが反応するが、そんな筈はないとはぐらかす。
「そう言やユウキ。君、今年から来禅に通うんだよな?」
「うん、そうだよぉ兄ちゃんと同じ学校だよ」
私立来禅学園―
数年前にブルーアイランドに建てられた学校で、小中高大一貫性で充実した設備を備えており、最先端の教育カリキュラムを受けることができるので、高校から編入を希望する者が異様に多いのも特徴である。
ちなみに勇も高校生になると編入し、もう暫くすれば卒業式を迎え晴れて社会人の仲間入りを果たすのである。
「あーあ。もう少し早く生まれていたら兄ちゃんと一緒に通えたのになぁ」
「そこは仕方ないでしょう。俺がいなくても学園生活は楽しめるよ」
「それはそうだけどさぁ」
心底残念そうなユウキに、嬉しくはあるが早く兄離れして欲しいものだとも思う。
幼少のころならともかく、公衆の面前で抱きつかれるのは恥ずかしいのだ。
「さてと、ごちそうさまでした」
「ごちそうさまでした!」
「はい、お粗末様でした」
食べ終わったので食器をキッチンに運ぼうとした瞬間――
ズドオオオオオォォォォォォォォォォォンンッ!!!!!
庭の方から、何かが叩きつけられた様な轟音と共に地面が激しく揺れた。
「ファッ!?」
咄嗟に机の下に身を隠し揺れが収まると、同じように避難していたユウキや詩乃と顔を合わせる。
「な、何!?」
「庭に何か落ちたみたいだけど…」
「よし、俺が様子を見てくるから二人はここで待ってて」
二人にそう告げるとゆっくりと窓に近づく。
そしてそっと窓を開けると――
「あり?」
思わず間抜けな声を出してしまう。
なぜなら庭にクレーターができており、その中心に赤い髪を三つ編みにした、青く見慣れない服を来た女性が倒れていたのだから。
この作品のユウキは普通の健康体です。
また、オリ主の義妹になってもらいました。