プロローグ
とある線上の世界大戦
プロローグ
大空を切り裂く轟音に包まれる空間。だが、彼らの周囲にそれらの轟音は鳴り響かない。
『HsPS-15 ラージウェポン』。
ドラム缶を思わせる見た目をした学園都市製の軍用『
『――目標上空に到達っ! まもなく降下予定ポイント!』
HsB-02こと、学園都市製のこれまたトンデモ超兵器、超音速ステルス輸送爆撃機、その機内にドラム缶に見える特徴的なそれらが並んでいる。
ここは、フランスの空。学園都市の権力が本来ならば及ばないはずの天空を引き裂く学園都市の武威の象徴が並んで飛んでいる。
地上よりこの光景を見るモノはただただ、圧倒するか或いは青い顔でその『脅威』への対抗策を必死に組み立てるかのいずれか。
『――作戦行動を開始する! 降下、降下、降下っ!!』
開かれた観音扉より、続々と『
高慢な魔術師シモンであれば神の名の下にたたき落とされたハズのその青空より、それらは降り立つ。
場所は、フランス南東部の都市アヴィニョン。反学園都市暴動が発生している都市の一つ。
学園都市と言う、研究と教育の町を名乗ったハズの学生だらけの何処にでもあるただの日本の一都市が世界に対して見せたむき出しの権力。
すなわち、科学サイドの頂点がこれよりその一見すると特別な地方都市だったハズの町が全世界の人々に足して圧倒的軍事力を
見せつける、そのステージの名をアヴィニョンと言う。
「うそっ、もう時間が無い!!」
大空を我が物顔に飛び足す爆撃機の群れを見た1人の少女が叫ぶ。少女は典型的な日本の女子学生服と白衣という町に不釣り合いな姿であった。
それどころか、頭には折紙で作った青い兜を乗っけている。ここまでくれば日本の町でも浮くだろう。それがなければボーイミッシュな雰囲気の美少女であったにもかかわらず。だが、町の人々は誰も見ない。殆どの人が空を見ているか、逃げ惑っている。だが、だとしてもあまりにも彼女への感心は少ない。
「あーもう、下手に『人払い』を使っちゃったら、絶対気づかれるじゃん!!」
アンチ学園都市運動が起きているはずの町中で、日本語を使う少女のつぶやきを誰も聞くこと無くアヴィニョンはこれより戦場となる。
「市民の保護を最優先! 俺たちはそれが任務だ!」
まるでそうでは無い部隊があるかのように叫ぶアンチスキル。尤もその顔は見えない。全員が軍用『
かくして、彼らが振り回す回転式グレネードランチャーが放つ空気の砲弾は市民を無力化させていく。
回転式グレネードランチャーは非殺傷機能としての空気弾と文字通りの殺傷兵器として十分な破壊力のある弾を両方とも装填されている。
「『学園都市以外の能力開発』による何かしらの妨害が予想されている。警戒せよ!」
隊長が叫び、フランスの市街地の道を遠慮無く、鋼鉄の足が踏みつぶしていく。ひょっとしたら歴史的に何かしら意味があるかもしれないが、お構いなしにその1歩1歩で、石畳をたたき割り、質の悪いアスファルトを砕き、前進していく。
時折、投石でなんとかしようとする気合いの入った人々が現れるが、遠慮無く空気弾が意識を吹き飛ばしていく。
『 ブラボーより、接触警報。能力開発らしき攻撃を受けた』
「了解した。増援の必要性は?」 『 あるかもしれない。法則性があるようだが、現状条件ガッっ!!』
『――アルファより、緊急。無人兵器「四枚羽」の展開要請、指定ポイントに急ぎ支援を!』
「ブラボー、どうした。応答されたし」
『――デルタより、緊急、急いで「四枚羽」を送ってくれ!!』
増える接触報告と支援要請。撃破の報告もあれば、増援要請もある。
学園都市のアンチスキルの一団、つまり『
かくして、彼らは接触する。
「女子中学生?」 「げっ学園都市!」
1人の中学生と見間違う女子と。
いや、『魔術師』と――――。