2.
学園都市には、『
もちろん学生たちのボランティアであるが故に危険からは遠ざけられることになっているが、わざわざ治安維持のボランティアに行くような学生たち全員が我慢できるはずもなく。
「『
こうなるのだ。それが、学園都市もう一つの治安維持組織、『
『
「女の子の護衛兼収容施設の警備?」 「どうやら、戦争の捕虜の人たちとかちょっとやり過ぎちゃった学生達がいるべき収容所からいなくなってるそうなんです」
「……脱走なのでは? ……書類上は完璧すぎて、むしろ脱走ではなく何かしら裏事情がある感じですか」
「そうなんですよ、白井さん。それで今いる捕虜とか学生達とかを即席の収容施設に信頼できる人たちだけで納めて様子を見よう! ってことになってるみたいです」
「……護送は大丈夫そうですの?」 「さぁ? 正直、あちらも人手不足と疑心暗鬼のダブルパンチで一カ所に集めるってだけでも大変みたいです」
ついこの間(旧約15巻)、事件に巻き込まれたせいで負傷し、今は車椅子で活動している。時期に回復するが、この状況を初春は地味に楽しんでいた。
だって、ちょっと前まで、車椅子生活をしていたのはこれまたとある事件(旧約8巻)で負傷した白井黒子のほうだったのだから。
「戦争でロシアにたくさんの人が出撃しちゃったせいであちこちで人手不足のなか、書類が完璧な誘拐劇って考えると、内部の犯行を疑うのも無理はありませんわね」
「だから、少しでも信用できそうな人を総動員するつもりなんですよ。もちろん持ち場を離れられない人は違いますけど。そういうわけで『
「相変わらずのね。ですが、悪い人を捕まえる事で解決するならわたくし容赦しませんの」
大人達が何を言おうと、捕り物に参加するつもり満々の黒子は初春に次の資料を要求する。
「あなたのことですから、もっと色々とこっそり調べているのでは?」 「あはは」
「それにしても……外部の女の子の護衛も兼ねている。何者なんでしょう? この子」
「さぁ? 『
それを聞いた黒子はその護送に参加しようと場所や責任者の名前を聞いて、そちらに駆けつけると連絡しておいてと慌ただしく出発していく。
「別に捕虜の人だから、大人の男性で学生じゃないから、『
苦笑しながらも正義感の強い白井黒子だからこそ、それでも護送に関わるだろうなと初春は彼女のサポートが出来るように目の前のモニターとキーボードに向き合った。
「子供達が行方不明じゃんか……」
「どうする? いくか?」
「当然じゃん」 「そうか、いくなら急いだ方がいい。こっちも笑えないけど、人手不足と疑心暗鬼であちらさんは気が立っている。時間が立つごとに合流は難しくなるだろうな」
「あんたはいかないの?」 「誰がいくか。こっちだって本当は猫の手も借りたい状態なんだからな。幸い大きな事件はないが」
手を振って行っていいというジェスチャーをする男に感謝しながら、黄泉川は装備を調えて、向かうべきところへ。
すなわち例の『即席収容施設』だ。
「子供達を救出するじゃん。でも、その前に今狙われている子供を守るじゃん。そしてもしも襲撃があれば、反撃して、逆に尻尾をつかんでやるじゃんよ」
「それもいいが、襲撃が来なければ尻尾をつかむどころじゃないぞ」
「科学捜査は専門家に任せるじゃんよ。何ならうちの居候を使ってもいいじゃんよ」
居候……? と頭にはてなマークを浮かべている眼鏡男性を無視して黄泉川は支部を出て車のハンドルを握る。自分以外にも何人かに声をかけている。
もしも同行してくれるのならありがたいが、来てくれなくても自分だけで行くつもりだった。
予定時間になっても人影は無く、黄泉川は仕方なくエンジンをかけてアクセルを踏み込んで慌ててブレーキを踏んだ。
「よかった、間に合った」
男女の集団であった。男女5人ほどの
「来てくれたじゃん……遅いじゃんよ」 「すいません。状況が状況ですので、完全武装に役に立ちそうな道具をかき集めてまして」