Mr.聖杯戦争in外典   作:英鈍

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一話で評価がめちゃくちゃ高くて驚き。
ありがとうございます!

できれば感想ももうちょい……


アサシン

 トゥリファスから日本へ帰って来た。

 やはり飛行機は身体が凝るな。

 

 さて、ユグドミレニアの()()も振り切ったしやるべきことは……魔術協会への連絡か。

 

「もしもしグレートビッグベン☆ロンドンスター?」

『切るぞ。Mr.聖杯戦争(グレイルウォー)

「えっ、ちょ、待って待って待って!?」

 

 揶揄っただけなのに即切ろうとしやがったこのロード。ライネスちゃんとフラットと考えた新しい渾名を時計塔中に広めてやるかこのヤロー!

 

『ハァ……それで、何の用件だ? 貴様のことだ、また何かに巻き込まれ……いや待て! ……まさか、()()か?』

「ハッハッハッ。いやはや、流石ロード。その通りですよ」

 

 あちらも気付いたのか、焦りが感じ取れる声が聞こえて思わず乾いた笑い声が出る。 

 

「聖杯大戦、よりにもよってユグドミレニアの方で参戦することになりました」

『………F◯ck』

 

 まーたスラング出してるよこの人。気持ちは分からなくも無い。

 

『チッ……こんなことならば強引にでも赤の令呪を配った方がマシだったな。そうなれば危険な銀蜥蜴(シルバーリザード)を入れずに済んだものを……貴様の体質のことを軽んじていた私の失態だな。前回は何時だ?』

「一年前のインドですねぇ。俺が召喚したアシュヴァッターマン筆頭にインドの英雄が勢揃い。いやー死ぬかと思いました」

 

 マジでインドは化け物揃い過ぎる。

 ドゥリーヨダナと同盟組んでなきゃやられてたかもしれない場面が幾つもあったからな……まぁ優勝しましたけど?

 でもなぁ……アシュヴァッターマンの記憶で生前カルナの実力見ちゃったんだよなぁ……だから敵対したくなかったのにさぁ!

 

「それよりもユグドミレニアですよ。とりあえず情報流すのは無理ですね。唯一外様の俺が真っ先に疑われます」

『……アドバンテージはないようなものか。貴様は表向きはユグドミレニアに雇われたマスター、裏では魔術協会が派遣したスパイということで話を通しておく。これで裏切り者の烙印は押されないだろう。隙があればこちらの利になる行動をしてくれれば助かるが、英霊相手にそのような隙は……』

「ないでしょうね」

『やはりそうか……無理はしなくていい。ただ一つ、生き残るために行動しろ……言われなくても貴様は分かっているか。では、健闘を祈る』

 

 携帯電話の通話が切れる。

 

 生き残るために行動しろ、ねぇ。

 

「こりゃあ死ぬわけには行きませんなぁ」

 

 

 ◾️◾️◾️

 

 

 夜。

 俺の工房の中では、サーヴァントを召喚するための魔術陣と、召喚する英霊に関わる触媒が敷かれ、サーヴァントを召喚するための準備が整っていた。

 陣にはアサシンのクラスのみを召喚する術式を追加しているため、クラスが外れることはない。

 

 では──やるか。

 

 自分に活を入れて魔術回路に魔力を流し、詠唱を始める。

 

 何度も紡いだ呪文を。

 

 

「素に銀と鉄。 礎に石と契約の大公」

 

 

 詠唱を始め、陣が発光し熱を帯びる。

 

 

「手向ける色は『黒』」

 

 

 この一節。

 

 これで俺の運命は決まった。しかし、容易く死ぬつもりはない。

 

 

「降り立つ風には壁を。 四方の門は閉じ、王冠より出で、王国に至る三叉路は循環せよ」

 

 

 今まで、様々なサーヴァントと戦った。

 

 その中には、カルナやアキレウスと同等の格を持つサーヴァントもいた。そんな相手から生き延びたのだ。

 

 

閉じよ(みたせ)閉じよ(みたせ)閉じよ(みたせ)閉じよ(みたせ)閉じよ(みたせ)。繰り返すつどに五度。ただ、満たされる刻を破却する」

 

 

 今回も、必ず生き残ってやるという意思を込め、紡ぐ。

 

               

「──告げる」

 

 

 より一層、陣が熱と光を帯び、暴風が吹き荒れる。

 

 

「汝の身は我が下に、我が命運は汝の剣に。聖杯の寄るべに従い、この意、この理に従うならば応えよ」

 

 

 あぁ──しかし、十数度召喚しても隠しきれないものだ。

 

 

「誓いを此処に。 我は常世総ての善と成る者、我は常世総ての悪を敷く者」

 

 

 サーヴァントを召喚するという、誰もが夢見たことを今行っているという実感と共に漏れ出る──

 

 

「汝三大の言霊を纏う七天、抑止の輪より来たれ、天秤の守り手よ───!!」

 

 

 ──笑みというものは。

 

 

 風が吹き荒れ、周りの鏡が割れ、ガラスの破片が舞い散る。

 光が周りを照らし、思わず手で覆いたくなるが、しかしそれでも、ただ正面を直視する。

 

 

 風が散り、光が収まった陣の上に立っていたのは──

 

 

 

「サーヴァント・アサシン。真名をハサン・サッバーハ」

 

 

 

 全身を覆い尽くす黒いローブに顔を覆う特徴的な髑髏の仮面。

 

 

 

「貴殿の声、『生き抜いてみせる』という叫び()に応え、参上した」

 

 

 聞く声は、前世で聞き慣れた声。

 思わず、感動してしまう。

 

 

 

「我が異名、呪腕。では、問おう」

 

 

 

 今、俺の目の前に立っているのは、この世界で()()()()()()()がないアサシンであり──

 

 

 

「貴殿が私のマスターか」

 

 

 

 俺の推しの一人であったキャラクター、呪腕のハサンであったのだから。

 




ということで凪斗のサーヴァントはジャスティスハサン先生こと呪腕さんとなります。何故こうなったのかは次回にて。

ちなみにインドの亜種聖杯戦争は京都・ギリシャと並ぶくらいの苛烈さでした。

短めですいません……
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