誤字報告に感想評価ありがとうございます!
呪腕さんが人気なようで何よりです。
俺が"黒"のマスターとして参戦し、呪腕さんを召喚して時が経って遂に四人の"黒"のマスター達がサーヴァントを召喚する日となった。
この日まで、フィオレやカウレス以外にも交流を深めようとしたが、まともに交流したのはセレニケぐらいで、ロシェはキャスターと共にゴーレム製造に夢中、ゴルドは俺を所詮外様だと侮辱してきやがった。
まぁキャスターの方は俺が持っている幻想種の素材に興味を持ち、幾つか提供したり、ゴルドの発言にちょっとばかし俺が苛ついたと勘違いした呪腕さんとフィオレが俺を宥めてダーニックがゴルドを注意する一幕があったが、それは置いておこう。
無論、これは俺もマスターの一人として見物に来ており、ダーニックとはまた違う場所で呪腕さんと共に見ている。
ダーニックの指示で四人がそれぞれ触媒を置く。
ゴルドはケース、それも特殊仕様で透視でも見えないが恐らく菩提樹の葉、
それぞれが詠唱を始め、陣が蒼白く光り始める。
詠唱が続くにつれ、発光が強まり、風が吹き荒れ、魔術回路の魔力が吸われていく。カウレスがちょっとキツいのか少し顔を歪めている。頑張れ!
詠唱が終了し、光と風が収まった陣の上に立っていたのは、原作通りの面子だった。
俺が召喚したシグルドとはまた別の竜殺し。
セイバー・ジークフリート。
多くの英雄を育てたケンタウロスの大賢者。
アーチャー・ケイローン。
シャルルマーニュ十二勇士の一人にして理性蒸発男の娘。
ライダー・アストルフォ。
ヴィクター・フランケンシュタインが開発した怪物。
バーサーカー・フランケンシュタイン。
召喚された後は原作通りの展開。
アストルフォが自己紹介を提案し、各々が真名を明かしていく。
しかし、ゴルドがその流れをぶった斬り、セイバーの真名を明かさない許可を取り、この部屋から退出した。個人的にこれはいい判断。
ジークフリートは決定的な弱点を持つ英雄。敵のアサシンがこちらに潜んでいた場合背中をグサッとやられる可能性があるからな。ま、あっちはアサシンの皮被ったキャスターだから無意味だけど。
そう考えていると、いつの間にかアストルフォがこちらへ急接近していた。
「じゃあ次はキミのサーヴァントを教えて?」
「うぉっ!?」
「アッハハハ! 驚かせてごめんごめん! 何か考え事の邪魔しちゃった?」
「あぁ、いや。大丈夫だ。俺のサーヴァントだな」
(呪腕さん)
(了解しました)
呪腕さんに念話で指示し、意趣返しとしてアストルフォの丁度真後ろに立たせ、肩をツンツンと突かせる。
そして「ん?」と振り返ったアストルフォが見たのは──視界一杯に映る髑髏の仮面であった。
「うわぁっ!?」
「初めまして。アサシンのサーヴァント。ハサン・サッバーハと申します。以後、よろしくお願いしますぞ?」
呪腕さんの人格とは裏腹におっかないその仮面を見たアストルフォを仰け反るほどにびっくりし、たたらを踏みながら少し後退した。
呪腕さんの姿を改めて確認したアストルフォはふーっと息を吐いた。
「びっくりさせないでよも〜……」
「いや何、マスターに驚かされた意趣返しにやれと命令されましたので。ライダー殿の自業自得ということでご容赦ください」
「うーん……じゃあいっか! ボクが悪いなら仕方ないね! 改めて、これからよろしく! ハサン……じゃなかった。アサシン!」
アストルフォからの握手に快く応じる呪腕さんを目にしながら、俺はアストルフォの元気さに少し圧倒されていた。
原作での描写や理性蒸発という点から、明るく能天気ということは分かっていたが、実際に直面すると予想以上だ。
まったく──
「ローランから聞いた以上だな……」
『!?』
「……あっ」
やっべ、口から漏れた。
それに妙に声が響いてしまったのか、全員の驚愕の目線がこちらに向き、知っているフィオレやカウレス、呪腕さん何かはあちゃーという顔をしている。
そして件のアストルフォは──
「ねぇねぇねぇねぇ!! 今ローランって言った!ローランって言った!? 召喚したことあるの!?」
「ちょっ、近い近い近い!? 話すから一旦離れろ!?」
目を輝かせながらこちらに猛突進してきた。腕で押し返そうとするも、相手はサーヴァントに加えて怪力スキル持ち。クソ! 顔が良い!
力で負け、ぐいぐいと来るアストルフォは、話すと言ってようやく離れた。
「はぁ…はぁ………ローランは召喚したっていうより同盟相手のサーヴァントだったな。あの濃いキャラはよく覚えてるよ」
「あはは……確かに。ボク達って中々にキャラ濃いけど一際濃いよねアレ」
「全裸になろうとするあの癖は相手のマスターや俺のサーヴァントもよく顔を顰めてた」
九、十歳ぐらいの時のフランスでの亜種聖杯戦争だったな。確か三回目。
ローランのあの濃いキャラもそうだけど、あの
ローランはあくまで同盟相手ということに気になったのか、ヴラド三世が質問してくる。
「では、貴様が召喚したサーヴァントは誰だったのだ?」
「ライダー・ダレイオス三世でしたね」
「ッ!? アケメネス朝の最後の王か!?」
戦象に乗って不死隊を従えるダレイオスとそれを真っ向から迎え撃つローランの姿は凄かった。それにダレイオスはライダー時では寡黙なイケおじだった。将来はあんな姿を目指したい。精神的な感じで。
「映像記録あるけど見ます?『不死王VS聖騎士』」
「この戦いは必見ですぞー!」
「ボク見る見る見るーー! 良いよねマスター!」
「いいわよ、私も気になるし」
「私もいいでしょうか。英雄同士の対決とは、幾つになっても心が唆られますので」
「勿論いいですよ? 私も久々に見たいですし」
「ウゥゥゥゥ……」
「えっと……見たいってことでいいのか?」
「ふむ、余も拝見して構わんか?」
「
「どうします、先生?」
「ゴーレムへのインスピレーションというものは大事だ。ここは甘んじてその戦いを見よう」
この後めちゃくちゃ盛り上がった。
ゴルド「………え、私は?」
ジークフリート(俺も見たかった……!)
ちなみにダレイオス三世vsローランは粘って粘って足の裏を攻撃できたんですが知名度補正爆増のローランが勝ちました。流石にローランは当時九、十歳の凪斗を殺す気はなかった模様。
凪斗は個人的な趣味でサーヴァントの戦闘を頭の中で記録し、別媒体に保存しています。
見てる数トップはフィオレとカウレス、フラットやライネスなんかも時々見せてくれと頼んでいます。呪腕さんとは仲を深めるために見て、見事に絆レベルが上がりました。
呪腕さん「うおぉ!!遂に、遂に不死隊の一人が足の裏を!いけ、いけぇぇぇぇ!!」
凪斗「この時少しの回復と強化程度しかできなかった自分が辛い」