あの後、令呪のブーストを受け、全不死隊を束ねた巨大な戦斧と真名解放をした『
そしてアストルフォやケイローンなどと交友を深めていたり、フィオレやカウレスからサーヴァントとの接し方のアドバイス、アヴィケブロンが不死隊の戦象を元にした合体式ゴーレムの実験の協力などをしていたら数日が経ち、聖杯大戦最初のあのイベントが始まる寸前となった。
そう、ジークフリートvsカルナだ。
とは言え、とは言えだ!
俺が黒の陣営にいるということは何かしらズレが起きている証拠。
もしかしたら、相手がカルナの触媒が手に入らなくて他のランサーを召喚しているかもしれない!
てかもう沢山なんだよ無敵系の奴は! 本多忠勝で腹一杯なんだよ! 何であいつ為朝のキャノン受けてもピンピンしてるの!? 頼光さんもドン引きしてたよ!? 為朝めちゃくちゃエラー起こしてたよ!? 怖いよォ!?
……一瞬トラウマが過った。危ねぇ危ねぇ。
ともかく! もしかしたら、もしかしたらの確率で!
カルナではなく他のランサーが召喚されてる可能性がある!
……と思っていた時期が俺にもありました。
◾️◾️◾️
ゴルド・ムジーク・ユグドミレニアという男にとって明雲凪斗とは気に食わない男であった。
突如ダーニックが投入した唯一ユグドミレニアではないマスター。この時点で多少不満であった。
確かにこの聖杯大戦。ユグドミレニアにとって勝たなければならない戦であり、魔術世界でも有名なかの『
だが、凪斗がアサシン──ハサン・サッバーハを召喚したと聞いて、思わず嗤ってしまった。
現在の亜種聖杯戦争にてとっくに廃れた暗殺者の集団の長の一人? 自分が召喚するジークフリートと比べるまでもない格の低さだ。一流の英霊を率いてこそ一流のマスター。三流の英霊を率いて何になる? ただの三流のマスターではないか。
そう思った。
思ってしまった。
(何だ、これは……)
目の前で繰り広げられる応酬。
それは正に現代では決してたどり着けぬ伝説、神話の領域。
自らの目では追えず、把握できるのは己が
ルーラーとの接触、同じように接触するであろう赤のサーヴァントの牽制、あわよくば撃破を言い渡され、ゴルドは激怒した。
何があわよくばだ!
我がセイバーの前に敵はない!と。
しかし、現実はこれであった。
無敵と思っていたセイバーには敵のランサーの攻撃が通じ、一方で相手のランサーには傷こそつくものの目立ったモノはなかった。
ゴルドは恐怖した。サーヴァントというただの使い魔だと思っていたナニカの持つ力を。
何よりも、このようなバケモノが闊歩する戦場を幼少期の頃から十二回生き延びた、明雲凪斗という存在を。
ミレニア城塞でジークフリートと赤のランサーの対決を見ているサーヴァント達の反応は別々であった。
ヴラド三世、ケイローン、呪腕のハサン、フランケンシュタインは赤のランサーの動きや能力を分析し、どう立ち回るかを。アヴィケブロンはあのランサーの撃破とは言わないまでも、足止めできるゴーレムの作成を。アストルフォは「すごいなー」と映像を食い入るように見つめていた。
「ふむ、凪斗よ。あのランサーの真名を……何故頭を抱えているのだ?」
ゴルドに畏怖の感情を抱かれているとは微塵も思っていないMr.
その胸中を知っている呪腕のハサンは心の中で凪斗の心の平穏を祈った。
「……すいません。魔術協会そこまで本気出してくるかーと思って」
「ならば、あのサーヴァントの真名を知っているのか?」
「実際に会ったことはないんですけどね。関係者の記憶で姿を見ただけです」
聖杯戦争において経路が繋がっているサーヴァントとは時折その記憶を垣間見ることがある。その記憶と、そもそも原作知識で凪斗は赤のランサーの真名を知っていた。
「なら、その関係者の名は?」
「アシュヴァッターマン。バラモン最強の戦士ですよ。滅茶苦茶頼りになりましたよ、まったく」
アシュヴァッターマン。
スケールがおかしいと言われるインド神話叙事詩の一つ、マハーバーラタに登場する大英雄だ。
思わぬビッグネームに総員驚きの声を上げるが、ダーニックは気づく。
ランサーが装着しているのは黄金の鎧。そしてアシュヴァッターマン、つまりカウラヴァの関係者と言えば──
「まさか!?」
「その通りですよ。ランサーの真名はカルナ。あー本気出し過ぎだろクソッタレ……!」
カルナ。
マハーバーラタの主人公、アルジュナのライバルにして太陽神の子、正真正銘の大英雄。ゴルドが召喚したジークフリートに拮抗しているのも納得が行く。
敵方の予想以上の戦力にダーニックと凪斗以外のマスターが沈黙するが、ヴラド三世は──笑った。
「ハハ、ハハハ、フハハハハハハ!!!」
「ロ、
「面白いではないか!!」
その言葉に、ケイローンとアストルフォは釣られて笑みを浮かべる。
「それほどの英雄でもなければ肩透かしもいいところよ! 大英雄、いいだろう! されど、我が領土を侵すのならば皆蛮族!
「我らの下に集まりしは決して劣らぬ英傑たち! 敗北など、我らの前には無いと知れ!」
ヴラド三世の言葉とカリスマで場の空気が持ち上がる中、凪斗は──
(後アキレウスもいんだよなぁ……ケイローンと後
そんなことを、考えていた。
京都聖杯戦争。
凪斗が経験した十一回目の亜種聖杯戦争。歴代の亜種聖杯戦争の中でもトップクラスに質が良くインドに並ぶ魔境。
召喚されたサーヴァント達は、
セイバー・源頼光
アーチャー・源為朝
ランサー・本多忠勝
キャスター・役小角
バーサーカー・悪路王
というトップクラスでやべぇ奴らの集まり。
小競り合いをしている中狂化がかかり暴走した悪路王に対してのレイド戦が始まり、悪路王が役小角を道連れにして敗退。悪路王を呼んだ魔術師は凪斗と頼光さんのマスターに始末された。
その後、セイバーとアーチャーで同盟を組みランサー・本多忠勝を総攻撃して撃破。
同盟を解消し、セイバー・源頼光とアーチャー・源為朝の激戦の末、アーチャー・源為朝が勝利を収めた。
その激戦は
呪腕さん「……地獄ですか?」
凪斗「地獄だった」
為朝「地獄であった」←霊基出力120%・半身損壊・宝具オーバーロード