本多忠勝は為朝と同じ、流れ着いたアレスとアテナの残骸で作られたもののふユニットという設定です。対軍から対人に変わった感じ。
為朝が超遠距離砲台なら忠勝は近接城塞。アイギスもどきを纏って軍神(越後ではない)パワーが込められた蜻蛉切を振るうロボ武将。
彫刻刀はメンテナンスを自分でしていたら手元が狂ってケーブルを切ってしまった……が歪曲して伝わったみたいな。
深夜のトゥリファス。
自らを囮に敵を誘き出す大胆な選択をした赤のマスターの一人──獅子劫界離と、彼に付き従う"赤"のセイバー──鎧を装着したモードレッドが敵対陣営たるユグドミレニアが襲撃に使い、結果ただの瓦礫となったゴーレムの上に乗っていた。
「なぁマスター。流石に歯応えが無さすぎるぞ。もっと高性能で最先端なモノはないのか?」
「んなこと言われても困る。それにこいつは俺でも見たことのない程の性能のヤツだ。恐らく相手のキャスターが作成したものだろう」
「はっ! あっちのキャスターの腕前はへなちょこだな!」
「お前の方が強過ぎるだけだ」
「まぁ、そうでもあるな!」
獅子劫がゴーレムだったモノの一つに手を当て、その完成度に思わず感服する。これ程のクオリティを誇るゴーレムに匹敵するモノを作れるのはあの冠位人形師ぐらいではないだろうか。これをまるでただのクッキーのように砕いたモードレッドの力をただ純粋に褒める。嘘偽りがない賞賛だと理解してかモードレッドは嬉しそうだ。
「結局相手のマスターとかサーヴァントは来なかったな。あの、何だ、マスターが言っていた……凪斗って奴」
「俺としては嬉しい限りなんだけどな。アイツと戦うのは流石に厳しい。幾ら
凪斗の扱いはユグドミレニアに派遣された魔術協会のスパイというものだ。実際はダーニックに囲われただけだが。
故に赤──つまりは魔術協会側にとっては味方であり、殺されるようなことはないだろうと伝えられた。
戦場に絶対はないため、死ぬ可能性は勿論あるが。
だとしても、心の平穏は保てる。
凪斗の切り札を一回見た身としては敵対すると分かるだけでその依頼を断りたくなる。いざという時に
「それにアイツはサーヴァント戦のエキスパート。もしかしたらお前の真名を把握してるかもしれん。円卓の騎士を召喚したことがあるからな」
「誰だ? ポテト野郎に人妻趣味、トリ公とか円卓の奴らは色々といるが……」
「……確か真名は──」
円卓の騎士に付けられた酷い渾名に驚きつつ、その召喚されたサーヴァントの真名を明かそうとしたその時だった──
獅子劫の首や心臓、目など、ありとあらゆる急所目掛けて矢が放たれた。
「ッ!? 危ねぇ!!」
「うぉぉッ!?」
モードレッドは直感で理解し、咄嗟に獅子劫の服の襟を掴み、遠く離れた場所に走る。逃げた数瞬後、地面に突き刺さった矢は爆発し、爆風を巻き起こした。
◾️◾️◾️
「……どうですか、アーチャー?」
「流石はセイバー──最優と言うべきでしょうか。直前で避けられました」
現在市庁舎の上。
俺と呪腕さん、フィオレとケイローン、そしてもう一匹、俺の使い魔がそこで待機していた。俺は戦闘用礼装──トゥリファスの街並みには場違いな、特殊な繊維で作られた動きやすい和装、フィオレは
流石はモードレッド。アルトリア譲りの直感の強さだ。あいつ──ユーウェインと同じ円卓の騎士っつーのも実際に見て納得が出来る。
原作では獅子劫さんとセイバー戦はジーク君のイベントが起きた後であったが、相手がカルナという強力なカードを持っている以上一刻も早く敵を削りたいというダーニックの方針で、俺達が派遣されたのだ。
「凪斗さん。あのセイバーの真名は?」
「モードレッドだな」
「ッ……叛逆の騎士ですか。それはまた強力な……」
「それに加えて獅子劫さんは一流の
「えぇ、重々承知しています。でも、凪斗さんがカバーしてくれるのでしょう? 頼りにしていますよ」
めっちゃやる気でてきた
めっっちゃ可愛い美少女にそう笑顔で言われて奮起しない男はいないだろう? そういうことだ!
そんなことを言ってるとモードレッドが赤雷を放ちながらこっちへ向かってきた。そろそろか……
(呪腕さん。ケイローンの援護を任せた。でも、この後の展開的に殺さないようにしてくれ。いやでも大丈夫かな……)
(通常は殺さずの方が難しいのですが……かのユーウェイン卿と同格というのならば問題ないのでしょう。承知しました。ケイローン殿の思った以上の殺意の高さに驚きはしましたが……多分大丈夫でしょう。かのモードレッド卿の力を信じましょう。うん)
俺たちが「やっべぇ思ったよりケイローンの殺意高い」と心の中でぶるっていたら、件のケイローンが再び矢を番える。
「ではマスター。お気をつけて。決して無理をなさらぬように」
「えぇ、わかっています」
「ご武運を」
「そっちもな。蜘蛛丸も頼んだぞ!」
蜘蛛丸。
そう呼ばれたFGOでいう土蜘蛛が具足を身に纏ったような姿の使い魔は、腕代わりの鎌を挙げて答える。大丈夫そうだな。
蜘蛛丸を確認した俺は身体を魔術で強化し、フィオレと共に建物を降り、獅子劫さんがいる場所へ向かった。
「……それで、本当なのですか? 両者その気がないというのは? 前に癖で食事を作ってしまったとマスターが言っていましたが」
「本当でございます。フィオレ殿は知りませぬが、マスターは無いです。そこら辺無駄に鈍感ですからなぁ。更にアレで既成事実などに弱そうで将来が心配で……」
「ギリシャでは女神やニンフにカモられるタイプですね。彼が当世に生まれて良かったです。その類の噂は後を立たなかったので……」
(……やはりギリシャは当時しかり亜種聖杯戦争しかり、魔境ですな……)
ユーウェインは円卓の騎士ではありませんがアーサー王の騎士の一人で、獅子を連れていることから獅子の騎士と呼ばれています。
凪斗にとって五回目、ポルトガルで行われた亜種聖杯戦争でライダーで召喚されましたが、聖杯戦争中盤、セイバー・フェルグス・マック・ロイと戦闘し、敗北。
しかし最後の力を振り絞り、相棒の獅子に当時十三歳の凪斗を乗せて逃亡させてから消滅しました。劇場版ソロモンのブケファラスみたいな感じですね。
叔父貴にとって殺せる距離でしたが、マスターの命を死んでも守り抜こうとしたユーウェインに敬意を払い、その場を離れました。