「手つなぐか?」
京平はかのんに手を伸ばす
「大丈夫だよ。ありがとう京ちゃん」
かのんは京平と手を繋ぐことはせず、大きく息を吸った
「かのんさん?」
しばらくしても歌わないかのんに可可は尋ねる
かのんは驚きながらもう一度深呼吸をする。
「あれ?」
かのんは動揺していた
「もしかして」
可可はかのんの顔を覗きこみながら見る
「なんでもない大丈夫、大丈夫」
かのんは必死に否定する
「あれ。あれ~~~!」
かのんは歌えなかった。
「歌えなかったか」
京平はかのんの所に行く
「可可、ごめんな。かのんはまだ歌えない」
「逆に私こそ申し訳ないです。可可がいきなり歌ってほしいって言うから」
可可はかのんに謝罪する
「朝だし、人が少ないから歌えると思ったのに」
かのんは京平を見ながら泣きそうな目で見る
「まぁ、しょうがない。とりあえず、かのんは夜更かしてるからちゃんと睡眠をとること、曲を作って夜更かししている理由はわかっているがいつか体を壊す」
京平はかのんの顔をみて目の下のクマを確認する
「わかっているよ。京ちゃんはいつも私の事見ているよね」
かのんは見つめて来ることに照れる
「当たり前だ。倒れたりでもしたら大変だからな」
京平はかのんの顔に手を当てながら、目の下のクマを触る
「ちょっと京ちゃん!可可ちゃんの前で恥ずかしい!」
「私の前じゃなきゃいいんですか?」
可可はニヤニヤしながらかのんを揶揄う
「違う!」
かのんは否定をする
「とりあえず今日は帰るぞ、休日だから夜更かしはいいけど、かのんはいつもよりペースを落とすこと」
三人は家に帰った
次の日のお昼休み
どこからか噂を聞いたのか、かのんが歌えなかった噂を恋が聞いてかのんたちがいる中庭に来ていた
「辞めた方がいいのではないでしょうか?フェスで醜態を晒せばこの学校の評判にもかかわります。」
3人と1人は向かい合って立っていた
「まだ歌えないと決まった訳じゃありません」
可可は恋の言ったことに否定する
「そうは思えませんが」
恋はかのんを見ながら言う
「とにかくやれることをやってみようと思う。まだ時間はあるし理事長先生は許可してくれているんだから別に問題はないでしょ」
それに続いて千砂都が発言する
「嵐さんの練習の邪魔にならなければよいのですが、それに京平は対策をしているのですか」
恋は京平を睨みつけて言う
「何とかなる!」
俺は元気よく言う
「何とかなったら準備は必要ありません。それに約束を覚えていますよね?フェスで1位を取れなかったら、、」
「わかっている。スクールアイドルはやらないってことだろ」
「わかっているならいいです」
恋はその場を後にした
「ごめんね。みんな」
かのんは3人に謝罪する
「気にするな。」
「そうだよ、謝らないで、ダンスも完璧だから」
千砂都はかのんを元気づける
「そうだ、放課後時間ある?」
千砂都はかのんたちに提案する
「たこ焼きーー!?」
かのんたちは千砂都のアルバイト先に来ていた
「たこ焼きは見られながら作るでしょ?だからここで慣れればステージで歌えるようになるよ」
千砂都はかのんにたこ焼きの作りながら説明する
「わかった。やってみる」
かのんは気合を入れてたこ焼きを作る、しかしこれで歌えるように
「なってない」
「ですよね」
かのんは人前で歌えなかった
俺の隣でたこ焼きを食べながら言う可可
「おいしいです」
「次!」
次は衣装屋に来ていた
「俺は入らないからな」
京平はショッピングモールの外ベンチに座って待機していた
「しかし衣装で歌えるようになるのかな?」
俺はスマホをいじりながら時間をつぶす
しばらくするとスマホに通知が来る
「千砂都から?」
通知を開いてみるとかのんの衣装の写真が届いた
「何してんだ。あの3人は」
千砂都から届いた写真を見て、後でかのんに感想をいうことを考えていた
「京ちゃん、その写真見ないで~!」
店の中から飛び込んできたかのんは京平に飛びつく
かのんの家に行き、かのんの部屋に移動した
「やっぱり無理だよ~そう簡単に歌えるなら今までだって苦労してないよ」
かのんはベットに座り、上を向きながら言う
「かのんさんは絶対歌います。その瞬間を可可は見てました。」
可可はかのんを必死に励ます
「たまたまだよ今の姿が本当の私なんだよきっと」
ネガティブモードに入るかのん
「クヨクヨしないでください。かのんさんがいてくれたから可可は今頑張れているんです」
「可可ちゃんでも一度は歌えたのにまた戻ったんだよ。どうしたらいいか」
「わかりました。では、今は無理に歌おうとするのはやめましょう。今回のライブは可可が1人で歌います。」
「え?!」
俺は可可の発言に驚く
「かのんさんほどの歌唱力はありませんがかのんさんはステージに立つだけでいいんです。一緒に全力のライブをしましょう。それが終わったら再び歌えるように頑張ればいいんです。可可約束しました。かのんさんが歌えるようになるまで諦めないって」
可可は真っ直ぐな目でかのんに言う
「かのんちゃん。可可ちゃんがここまで言ってくれるんだよ?」
千砂都はかのんに問いかける
「そうだよね、まずは2人で1位とれなきゃだもんいいライブができるように頑張る」
かのんは可可と千砂都に励まされやる気になった
「そうと決まれば!!」
可可は団結を目にしてライブ会場まで走って行った
会場に着くとそこにはライブの応援グッズが置いてあり、ブレードや看板があった
「なんだこれ」
あまりの大きさに驚きの声が出る
「このブレードは応援してくれる人に配る予定です」
可可がブレードを持ちながら言う
「普通に応援する側が買うものだよ」
千砂都はツッコミを入れる
「ちょっと考えようか」
かのんがその発言をすると風が吹いた
桜の花が綺麗に飛んでいきステージに目を取られてしまう
「ここで1位か」
かのんはステージを見つめながら言う
4人でちょどいい分かれ道の所で解散する。俺以外の3人はウィスポーズをやっていた
「気を付けて帰れよ」
俺が3人に向かって言う
「もちろん!」
千砂都は俺に向かってピースしながら言う
「京ちゃん、また、明日」
かのんは手を振る
「またです!」
可可はピースをする
家
俺は自室でパソコンを開く
「一応どんなグループが出るか確かめないと」
かのんと可可二人合わせての『クーカー』が優勝するために対策を練らないといけないからだ
そのサイトを見ていると『Sunny Passion』という文字があった
「Sunny Passionってどっかで聞いたことがあるぞ」
俺はパソコンで『Sunny Passion』を検索して調べた
「これは強敵だな、神津島が生んだスクールアイドルか、しかも去年の東京代表。明日知らせるか」
パソコンを閉じて、外に出かける準備をする。買い物の用があったからだ。準備して玄関のドアを開けようとすると声が聞こえた
『千砂都さん!』
「この声は可可?」
扉の向こうで可可と千砂都が話していた。
「どうしたの」
「あの、こんなこと急に言うのが変だとわかっているのですが千砂都さんはスクールアイドルに興味ありませんか?」
廊下の階段で2人は話している
「あるよ」
「本当ですか?」
「でも私にはダンスがあるの。ダンスで結果を出すことが今の私の一番の目標。掛け持ちできるほど余裕はないんだ。かのんちゃんも真剣だし生半可な気持ちではやれない。ごめん」
「いいえ、こちらこそ千砂都さんが加入してくれたらかのんさんすごく喜ぶと思いまして」
「ありがとう。」
千砂都は階段を降りようとすると
「京ちゃん盗み聞きはよくないよ」
「え!?京平さん!?」
千砂都は扉の向こうで聞いている京平言う
「なんで俺がいるってわかった?」
俺は玄関のドアを開けて千砂都に聞く
「私は京ちゃんの気配ならなんでもわかるよ」
千砂都は胸を張って答える
「怖いわ」
「今の話聞いてましたか?」
可可は俺に質問する
「悪かったな。盗み聞きするつもりはなかった」
「いいえ、大丈夫です。」
可可はスマホが震えており、電話の通知が来ていた
「すみません。ちょっと外します」
可可は1階まで行った
「それで感想は?」
千砂都はご立腹の様子
「俺は千砂都の考えを否定するつもりはない。ダンスのために音楽科に入学したんだからな」
俺は真面目に回答する
「そう。もし私が他にやりたいことが出来てこの学校をやめるって言ったら?」
「それが本当にやりたい事なら否定しないし応援する。やめるのか?」
「まだ、やめないよ」
質問の答えがあっているのか分からないが、まだ千砂都はご立腹だった
「最後に京ちゃん、なんでお家の場所教えてくれなかったの?」
「まだ、家の片づけが終わってなかったので、、、」
「なら、これからは京ちゃんの家に行っていいよね?私専用の布団もあるし」
「はい、大丈夫です。俺がいる時なら」
千砂都はその言葉を聞いて安心した
「大丈夫だよ。京ちゃんがいなくてもお家の鍵は京ちゃんのお母さんから貰っているから安心して」
千砂都がそういって階段を降りて帰ろうとする
「なんで持っているんだよ!それに家主がいないのに入ろうとするな」
帰ろうとする千砂都に言う
「だって私の専用布団あるってことは私の家って事」
千砂都は当たり前のように言う
「なに、そのガキ大将理論。誰にも教えてなかったのに」
その言葉を聞いて千砂都は嬉しくなった
「ほんと!?なら私が一番最初の女だね!」
「言い方!考えろ!」
誤解を生みたくないため俺は必死に言う
ギギギと音と共に俺の真向かいの部屋の扉が開く
「可可ちゃん、何騒いで、、って京ちゃん!ちーちゃん?」
「かのん、、、、」
俺は頭を抱えた
「じゃ、京ちゃん。また明日。今度から泊まるからね」
千砂都がそういって階段を降りて行った
「京ちゃん、どいうこと?ちーちゃんが京ちゃんの家に泊まるって、それにどうしてここにいるの?」
かのんは俺に迫ってくる
「落ち着け、かのん。」
俺はかのんを落ち着かせる
「なにしているんですか?」
可可が電話を終えて帰ってきたようだ
「それにしても偶然ですね、私の部屋の前が京平さんの部屋なんて、、、」
その発言を聞いてかのんは俺を睨みつける
「可可、余計なことを」
「なんで京ちゃん、私に部屋を教えてくれなかったの?」
かのんは怒りながら言う
「かのん、実は事情があって」
俺は落ち着かせるためにかのんに言う
「京ちゃんのお母さんから鍵も貰っているから部屋の場所聞いてもいつまでも教えてくれないし」
「あの母親かのんにも渡していたかー!」
母親が千砂都以外にも渡していることに驚いていた
「それにさっきちーちゃんを泊めるって言ってたから今度私も泊めてね。」
「はい。」
俺は承諾した
「京平さん、かのんさん話があるのでうちに来てください。」
可可は俺を部屋に入れてくれた
部屋に入って居間に着いたところで可可は話を続ける
「実はさっきまた、千砂都さんを誘ってしまいました。でもやはりダンスがあるからと」
「そっか」
「でも誤解しないでください。私はかのんさんと同じステージに立ちたいその気持ちは変わりません。」
「すごく嬉しい、でもね私思ったんだこのままじゃ1位を取ることってものすごく難しい。そしたら可可ちゃんの夢がここで終わってしまうかもしれない、私のせいで、、せっかく上海から来てやりたいことがあって、、こんな夢に向かって始まったばかりのときに」
かのんは思いが溢れたのか泣きながら言う
「私のせいで、夢を諦めなきゃいけないなってなったら思ったら申し訳なくて、やっぱり私は足手まといにしかならない。それがわかってるのにステージに上がるなんてできないよ」
「ごめんなさい。可可ちゃん、ごめんなさい。」
かのんの思いが溢れてしまった
可可はかのんを抱き占める
「自分を悪く言わないでください。かのんさんに心を奪われた私がかわいそうになっちゃいます。可可の家の人たちは、すごく教育に熱心で今までずっと勉強ばかりでした。特にやりたいこともなくてこれでいいんだろうな、これで正しいことなんだって思ってました。そんな時出会ったのがスクールアイドルでした。見た瞬間にこれだって思いました。こんなふうに自分の気持ちや感じたことを自由に歌ってみたいかのんさんの歌を初めて聞いた時それと同じぐらいワクワクしたんです。だからもう、かのんさんは、私にとってのスターなんです。夢なんです。元気出してください。
かのんさんと同じステージに立つことは可可にとって夢の一つなんですから」
「私歌ってみる、可可ちゃんがこんなに頑張ってるんだもん。こんな私でも一緒にステージに立ちたいって言ってくれてるんだもん。ギリギリまで自分を信じてやれることを精一杯頑張る」
その言葉で一旦かのんと可可は離れる
かのんは涙を拭いて可可を見る
「だから京ちゃん手伝って」
かのんは俺に手を伸ばす
「私に力を貸して、京ちゃん!」
「当たり前だ。かのん」
俺はかのんの手を掴む
「かのんさん!」
可可はもう一度かのんを抱きしめる
「頑張ろうね。」
そうして一夜が明けていく
数日後の本番当日
「さぁ!いよいよ本番だよ!」
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次回もまた、来週のこの時間に投稿します