転スラ×約ネバ   作:藤華

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今回は、リムル編です。


脱走編
脱獄編:1,出会いと協力関係 前編(リムルside)


リムルside

 

なんとかしなければならない。

異世界に着いて早々、旅行どころではなくなるほどの緊急事態が起きてしまった。

シエルより目的地に着いたものの、俺たちは事情を抱えた4人の子供達と遭遇したのである。

背後には高い壁、周りはジュラの大森林を彷彿とさせるような森が広がっていた。

こんなことになる数時間前のことである。

 

数時間前。

 

 

???「リムル様!しっかりしてください!」

 

リムル「う、、、ん、、、?」

 

誰かに揺すられ、俺を呼ぶ声が聞こえて目を覚ました。

 

薄桃色髪の妖鬼(おに):「リムル様⁉︎ お目覚めになられたのですね!」

 

2本角の神狼(フェンリル):「我が主!」

 

蒼黒色髪の妖鬼(おに):「リムル様!」

 

黒紫色の龍人(ドラゴニュート):「リムル様〜!」

 

 

目を覚ましたら、薄桃色髪の妖鬼(おに):朱菜と、蒼黒色髪の妖鬼(おに):蒼影と、2本角の神狼(フェンリル):嵐牙と、黒紫色の龍人(ドラゴニュート):ガビルが俺の顔色を伺っていた。

 

朱菜は俺が目を覚ましたのが嬉しいようで、笑顔になった。

嵐牙も俺が目を覚ましたことが嬉しいのか、尻尾を振っている。

蒼影も俺が起きたので、安堵の溜息をついたようだ。

ガビルは俺が起きたから安心したのか、涙を流していた。

 

 

リムル「俺、なんで寝てたんだ?」

 

 

俺が起きてから、朱菜はこのようになった状況を報告してくれた。

俺たちがこの世界に来た時、全員、気絶してしまったようだ。

俺以外はすぐに起きたが、俺だけ起きないので、心配したようだ。

なるほど、皆が心配することをしたんだな、気をつけねば。

 

 

それから数分後…。

 

 

リムル「朱菜、嵐牙、蒼影、ガビル、心配かけてごめんな。」

 

朱菜「いいえ、お目覚めになられてなによりです。」

 

嵐牙「我が主、この嵐牙、主が目覚めたことで、安心しております!」

 

蒼影「ご無事なによりです。」

 

ガビル「吾輩も、リムル様が無事であることに安心しております!」

 

リムル「ありがとうな、皆。《、、、さて、シエルさん。ここは異世界であっているか?それと、俺たちが気絶した原因がわかるか?》」

 

シエル《解、予定通りの場所です。そして、マスター達が気絶した原因は次元の歪みの反動と思われます。なお、この世界の情報収集が完了するまで、1週間かかります。》

 

リムル「《そうか、、、わかった。ありがとうな、シエルさん。》」

 

シエル《告、これくらい当然です。》

 

リムル「よし、朱菜、蒼影、ガビル。抗魔の仮面を渡すから付けてくれ。」

 

 

複製した抗魔の仮面を渡そうとしたら、朱菜と蒼影は角があると心配したが、二人によると、角は隠せることがわかって安心したのだが、問題はガビルだ。ガビルは龍人(ドラゴニュート)だから、抗魔の仮面を着けても人間じゃないことがバレると思ったのだ。

 

 

ガビル「こう言う時こそ、妹の蒼華とミリム様達が羨ましいです。」

 

 

ガビルも人間に近い姿をしている蒼華達に愚痴を言いながらも羨んでいた。だが、シエルさんのちょっとしたアイデアで解決した。ガビルは、この旅行が終わったら、俺の力を借りずに人間に近い姿になれるよう修行すると言い出した。その後、抗魔の仮面をつけたのだ。

 

 

リムル「それじゃあ、皆、異世界旅行を再開するぞ!」

 

朱菜、嵐牙、蒼影、ガビル「はっ!」

 

 

俺たちは森の中を歩き続けたところで、何かが聞こえた。

 

 

リムル「なんだ?この森に何かいるのか?ちょっと行ってみるか?」

 

蒼影「リムル様、我々も同行します。」

 

 

近づいて聞いてみると、子供4人と大人(声からして女性)が会話をしているみたいだ。

 

 

子供 1「シスター、脱走に協力するってどう言うこと?」

 

 

俺はその言葉に(声を出さなかったが)驚いた。脱走だと⁉︎ どう言うことだ⁉︎ ここは森の中じゃないのか⁉︎ それは、蒼影達も同じだった。俺たちは混乱していたが、もう少し、子供達とシスターの会話を隠れて聞いてみることにした。

 

 

シスター「そのままの意味よ。貴方達はこの農園の事、貴方達が食用児である事、それを知ってしまった以上は貴方達のことだもの、全員で脱走しなきゃいけない。そうよね?」

 

子供 2「確かにそうだ。僕たちは食われる前に脱走しなければならない。だが、それとどう関係しているんだ?」

 

子供 3「でも、シスターと私たちが協力することで、なんのメリットがあるの?」

 

 

ちょっと待て、農園だって? あの子供達が食用児だと? この世界は一体どうなっているんだ?

 

 

シエル《解、マスター達がいる場所は森に見えますが、完全な森ではありませんね。魔力感知で調べたところ、森の外は壁で囲まれています。おそらくあのシスターが言う農園でしょう。食用児とは、この世界の魔物のための人間(食糧)のことでしょう。あとは調べてみないとわかりません。面目ありません。》

 

リムル《いいよ。今、知りたいことがわかったし。なんてこったい、ここは農園の中で、あの子供達はこの世界の魔物の人間(食糧)ということか。かわいそうに、、、助けてあげたいな〜。》

 

 

そして俺たちは話が終わるまで、隠れていた。 

先に帰ったのは、シスターの方だ。

最後まで話を聞いていた俺たちの心は、子供達への同情でいっぱいだった。あんなの聞いたら、同情したくなるよ。

最後まで、話を聞いていた朱菜が言った。

 

 

朱菜「リムル様、あの子供達が、この世界の魔物に食べられるなんて、かわいそうです。」

 

リムル「ああ、本当にな。」

 

 

その言葉を最後に俺たちは黙ってしまったのだ。嵐牙は「クウ〜ン」と悲しい鳴き声を出しながら頭を下げ、朱菜は目に涙を浮かべ、蒼影は拳を握りしめ、ガビルは歯を食いしばっていた。暫くの間、俺たちに長い沈黙が訪れた。

沈んだ空気の中、ガビルが俺に、ある提案を出した。

 

 

ガビル「リムル様、吾輩、あの子供達を見捨てることなんてできません!あの子供達の脱走計画に手を貸しましょう!」

 

嵐牙「我が主よ。我はガビルの意見に賛成です。脱走させましょう!」

 

朱菜「私もガビルの意見に賛成です。」

 

蒼影「俺もガビルの意見に賛成だ。だが、決めるのは、リムル様だ。」

 

 

蒼影に言われて、俺も考えた。このまま子供達が食べられるなんて嫌だ。それに、俺は「助けてあげたいな」って思ったじゃないか。見過ごすことは出来ない。

 

 

リムル「俺は人間が好きだからな。俺も助けたい。ガビル、お前の意見に賛成だ。だが、まずは、子供達と接触することから始めるぞ。」

 

全員「はっ!」

 

 

そして、俺たちは子供達の前に出て、子供達と協力関係を結んだ。この時、この出会いがこの世界を変えるなんて、俺たちは知らなかった。

 

つづく

 




おまけ
シエルさんのちょっとしたアイデアとは、、、リムルがガビルに旅行中の間、擬態のスキルを貸すことです。この時、リムルから少し魔素が取られました。

次回は「脱獄編:2,出会いと協力関係 中編(エマside)」です。
こちらも、長くなります。
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