エマside
私達は、驚きを隠せない状態になっている。
シスター・クローネとの話が終わった後、ハウスに戻ろうとした時、森から仮面をつけた4人組と、角が生えた狼(にしては大きい)が突然、私たちの目の前に現れたのだ。私たちは、突然現れた彼らに警戒していた。鬼なのか分からないから、余計に警戒してしまう。仮面をつけた4人組を、警戒しながらも観察する。
私たちが観察している時、4人組の一人が声をかけたことで、この人達と協力関係を築くことになった。彼らに会う数時間前は、下見の準備が忙しかった。
数時間前…
私達は、ドンとギルダと改めて協力関係を築いて、脱走計画の下見を行おう準備をしていた。
朝、私は、洗濯物を干している時、側にいたノーマンに相談してみた。
エマ「ねえ、ノーマン。相談があるんだけど、いいかな?」
ノーマン「いいよ、どうしたのエマ?」
エマ「私なりに考えてみたの、皆を連れ出す方法」
私はノーマンに皆を連れ出す方法を話してみた。
ノーマンは難しそうな顔をしていた。
エマ「どう?無茶かな…?」
ノーマン「無茶だね…」
エマ「でも、ママの隙を突けると思うし、皆で逃げるにはこれしかないと思う。」
ノーマン「うん、わかった。」
私はそこで話をやめて、ハウスに入って、ドンとギルダのもとへ行った。
そして、私はドンとギルダに声をかけた。
エマ「ドン、ギルダ。道具は揃ってる?」
ドン「バッチリ!」
ギルダ「うん、順調だよ。」
脱走の為の道具集めはママやシスターに気づかれないように慎重に集めなくてはならない。
ノーマン「道具は揃ってきたね。」
エマ「うん、後はママ達に見つけられないようにするには、どうすればいいかだね。」
ノーマン「さすがに大人を倒すのは難しい。ドン、除草剤と洗剤を用意して欲しい。」
ドン「わかったけど、それらを使って、どうするんだ?」
ノーマン「下見の時に役立つよ。」
ドン、ギルダ「「え?」」
ドンとギルダはわからないようだ。
私とノーマンはドンとギルダを連れて、外へ出た。
その途中、ギルダがノーマンに質問した
ギルダ「ちょっと待って、『下見』って、柵の先を超えて、塀を上って、外を見るってことだよね? 発信機はどうするの?」
エマ「それはね。『確認』させなければいいの。」
ノーマン「その通り。ママとシスターの目を他に向けさせて、確実にコンパスを見ない状況を作り、その間に、下見をする。」
ドン「でも、どうやって、ママとシスターの目を他に向けさせるんだ?」
そう、ママ達の目を他に向けさせるには、何かきっかけが必要だ。
ノーマン「レイに偽の情報をママに報告させて、足止めしてもらう。」
ノーマンはそう言ったけど、偽の情報をママに報告しているレイは大丈夫だろうか?
エマside out
レイside
俺はレイ。エマと同じ11歳の孤児で、食用児だ。
前までは、ママのスパイだったけど、今は二重スパイをしている。
そのため、ママの部屋で、ノーマンに頼まれた偽の情報をママ(イザベラ)に報告している。
レイ「という訳だ」
イザベラ「へえ、あのノーマンとケンカしたの?」
レイ「ちょっとした、方針の違いでね。」
下見の時間稼ぎの為の嘘だけど、殴られた痕を見せれば、信じるだろう。
イザベラ「なるほどね。それで、話って何?」
レイ「ノーマンがママを殺そうとしている。『動きを止めるには、殺すしかない』ってリスクなしの賭けに出ている。」
イザベラ「まあ、想定範囲内ね。全員で逃げるとなれば、そうと考えるでしょう。それで?」
レイ「道具を集めている。金槌、洗剤、除草剤…他にも使えそうな物片っ端から。」
イザベラ「あの、短すぎるロープもそうなの?」
ママは微笑みながら、ロープの事を質問してきた、気づいているな。
レイ「ああ、俺は止めたんだぜ?ヤバすぎる、間違ってるって。」
イザベラ「それで、その
レイ「途中出荷なんてごめんだ。あいつらには、何不自由のないハウスで最後まで生きて欲しい。だから、中身をすり替えようぜ、薬剤から偽物に!」
あいつらが途中出荷されるなんて、俺は嫌だ。あいつらには、生きていて欲しい。
これは俺の本心だ。
イザベラ「場所は判っているの?」
レイ「ああ。」
イザベラ「それじゃあ、明日にでも対処しましょう。報告は以上?」
レイ「ああ、他に何か気になることでも?」
よし、これで明日、下見の時間を稼げることができた。
イザベラ「いいえ。ああ、そうそう、昨日の定時連絡で上から通達があったの。次の出荷が決まったわ。」
こんなに早く連絡がくるなんて、何かあったな。
イザベラ「来月の定例出荷はない。」
来月の定例出荷がない?次の出荷は最短で2ヶ月後だ。ああ、そうか。
レイ「じゃあ、次は、来年の1月。俺の12歳の誕生日。次の出荷はいよいよ俺か。」
そんな事だろうと思ったんだ、見ていろよ。俺は屈しねえからな。
レイsaid out
エマside
レイがママに嘘の報告をしている頃、私達は柵の先の森に向かって歩いていた。
皆には聞こえないように小声で作戦内容を話し合いをしていたが、ドンとギルダはシスターにバレることを心配していた。
ドン「けどよ〜。ママはレイに任せていいとして…シスターはどうするんだ?」
ギルダ「そうよ。シスターにバレたら、
ノーマン「大丈夫、そこは考えているから。」
ノーマンのことだから、何か方法があるのだと思う。
そんなふうに油断していたから、私はシスターがいることに気づかなかった。
一本の木を通り過ぎた瞬間、シスターの視線を感じた。嫌な予感がしたと思った時は遅かった。
そして、シスターが前に現れたのだ。ノーマンがシスターに声をかけた。
ノーマン「何のようですか?」
クローネ「見たわよ。」
え?見たわよって、どういうこと?
クローネ「食堂での会話、全部、聞いたわ。標的は5人全員。」
そういうことか!まずい!あの場を目撃されていたのか⁉︎
ドンとギルダは、バレたことで(
私とノーマンは何故か落ち着いている。
クローネ「ノーマン、エマ、レイ、ギルダ、ドン。貴方達5人……」
シスターの含み笑いが怖い。このままでは、私たちはコニーのように死ぬのかと怯えたのだ。
だが、シスターの次の言葉で、混乱することになったのだ。
クローネ「脱走に協力してあげるから、私と手を組まない?」
エマ「え?」
協力?シスターと手を組む?どういう事?シスターの目的は、
エマ「シスター、脱走に協力するってどういうこと?」
クローネ「そのままの意味よ。貴方達はこの農園の事、貴方達が食用児である事、それを知ってしまった以上は貴方達のことだもの、全員で脱走しなきゃいけない。そうよね?」
ノーマン「確かにそうだ。僕たちは食われる前に脱走しなければならない。だが、それとどう関係しているんだ?」
ギルダ「それに、シスターと私たちが協力することで、なんのメリットがあるの?」
クローネ「関係しているし、メリットはあるわ。」
シスターと手を組むことで何のメリットがあるの?
ノーマンは少し考えた後、わかったのか笑っていた。
ノーマン「(なるほど、そういうことか)みんな、大丈夫だ。問題ない、話を聞こう」
私とドンとギルダは驚いたけど、何か掴めるのかと思い従った。
クローネ「(こいつ)そうよ。お互いの目的のために協力しましょう」
エマ「お互いの……目的?」
クローネ「そうよ。貴方達は『脱走したい。』私はね『この家の[[rb:主 > ママ]]になりたい』の。イザベラを“ママの座”から引きずり下ろして、その地位を奪いたいのよ」
ドン「“ママの…座”?」
そうか、シスターはその「ママの座」を手に入れるために、私たちと組むということか。
クローネ「言っておくけど、本心よ。私も抜け出したいの、今の境遇から。」
そう言って、シスターは首を見せた。シスターにも、番号が付いていた。ということは、シスターは元食用児だということだ。
クローネ「貴方達は、この
この農園の管理システム?
クローネ「ある条件を満たして、12歳まで生き残った女子には、出荷時に2つの道が示される。
1つ目は、『このまま死ねか』,2つ目は、『
ドン「条件って?」
クローネ「一定以上の成績と
そう言って、シスターは胸の傷を私たちに見せた。
エマ「それは……何なの?」
クローネ「チップよ。
つまり、ノーマンの言う通り
クローネ「私は
ギルダ「[[
クローネ「しないわ。協力しましょう。敵は
ドン「(確かに、利害は一致する…)」
私とドンとギルダは利害が一致しているからか、黙っているしかなかった。でも、ノーマンはシスターの本当の目的を、見破っている。ここからは、ノーマンとシスターの心理戦だ。
エマsaid out
ノーマンsaid
ノーマン「(違う、『しない』んじゃない。『できない』んだ。証拠がないから突き出せない。権限がない。鬼達にママより信用せれていない。だから
クローネ「(そう、近づいて“証拠”を手に入れたら、イザベラもろとも、このムカつくガキ共を総出荷する!その上でママになる、それが本当の目的よ。なぁんて、この子にはバレてるかもね。)」
ノーマン「(バレバレだ。それに逃したいだけなら、
クローネ「(でも、だとしても他に選択肢があるかしら?貴方たちは私と組むしかない。でなきゃ、私に邪魔されるだけなんだから。)」
ノーマン「(でしょうね。)」
クローネ「(お互いにお互いを利用する、それでいいじゃない。)組みましょう。」
ノーマン「(いいだろう、ただし、利用するのは、僕らだけだ。)」
ぼくはシスターと握手しようとしたら、エマに止められた。
ノーマンsaid out
エマsaid
エマ「待って。私はノーマンの判断に賛成。でも一つだけ、今シスターに確認させてくれる?」
ノーマンはシスターの考えを読んで、手を組むと判断したけど、相手は
クローネ「なぁに?」
エマ「貴方がわたしたちを裏切らない保証はあるの?」
ドンとギルダは驚いた。そのことは考えていなかったにだろう。
クローネ「信用してくれないのね。」
エマ「いいから!」
クローネ「レイよ。レイがこのことをママにチクれば、私を潰せる。でも、私がレイの正体をママにチクれば、私はレイを潰せるわ。だから、お互い、裏切らないし、裏切れない。それでいいでしょ?」
レイを出すとは思わなかった。レイを潰されるのは嫌だ。
エマ「……わかった。」
クローネ「交渉成立ね」
そう言って、シスターはノーマンと握手をした。
私たちはシスターと手を組んだ。
ドン「シスターもママも
クローネ「ええ、正真正銘、同じ
第3プラントじゃあない?他にもプラントがあるの?
クローネ「他にも、私にしか教えられない情報をなんでも教えてあげる。友好の証よ。今夜にでも、私の部屋へいらっしゃい。」
ギルダは怯えた、一回、シスターの部屋へ行ったことがあるから、かもしれない。
クローネ「ああ、そんなに怯えないでギルダ。私はあなたに感謝こそすれど、恨んでなどいないわ。だって、貴方達2人が波風を立ててくれたから、標的を特定できたんですもの。じゃあ、またね。」
ドンとギルダは勝手な行動をしたから,シスターに見つかったと、後悔している。
ノーマンはそんな2人を励ました。
ノーマン「気にするな、これでよかった。これで下見の時に、シスターの目を逸らす必要がなくなった。あとは、レイが上手くママを抑えてくれるから、下見に集中できるよ。」
エマ「『イイ暮らし』だって…自分だってそうだったのに………子供をすすんで見殺しにし続けることが『一番イイ暮らし』だって、『人間の暮らし』だって、『あたたかな家庭』?、『
???「へぇ、あのシスターは、君たちの命なんて、何とも思っていないのか?最低な大人だな。」
エマたち「「「「⁉︎」」」」
私たちは驚きながら、声がした方に振り返った。
振り返った方の木々から、仮面を付けた4人組と2本角の狼が現れた。
エマ「(この人達、何者なの?気配をまったく感じなかった。鬼?にしては肌が前に見たのと違う。あの狼は、角が2本生えていて体が大きい。4人の内1人は服装からして女性、他は男性。何で仮面を付けているの?)」
???「悪いな、君たちの話を最後まで聞いていたんだ。ああ、安心してくれ、俺たちは君たちを助けたいんだ。」
わたしたちを助けたい?この人達、一体何者なの?
つづく
「おまけ」と注意事項
・ノーマンが考えた、除草剤、洗剤などの類は口に含んだら、何が起こるかわからないので良い子の
皆は真似をしてはいけません!!
・現に私が小中学生の時、酸素系漂白剤と塩素系漂白剤を混ぜてしまったことがあります。
その時は換気をしていたので、よかったですが、後で、叱られました。
これも真似してはいけません!!
・()の中のセリフはその人物の心の声です。