転スラ×約ネバ   作:藤華

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今回はエマ編です。エマからレイ、ノーマン視線などに映ると思います。


脱走編:2,出会いと協力関係 中編(エマside(レイ、ノーマンsideあり))

エマside

 

私達は、驚きを隠せない状態になっている。

シスター・クローネとの話が終わった後、ハウスに戻ろうとした時、森から仮面をつけた4人組と、角が生えた狼(にしては大きい)が突然、私たちの目の前に現れたのだ。私たちは、突然現れた彼らに警戒していた。鬼なのか分からないから、余計に警戒してしまう。仮面をつけた4人組を、警戒しながらも観察する。

私たちが観察している時、4人組の一人が声をかけたことで、この人達と協力関係を築くことになった。彼らに会う数時間前は、下見の準備が忙しかった。

 

数時間前…

 

私達は、ドンとギルダと改めて協力関係を築いて、脱走計画の下見を行おう準備をしていた。

朝、私は、洗濯物を干している時、側にいたノーマンに相談してみた。

 

 

エマ「ねえ、ノーマン。相談があるんだけど、いいかな?」

 

ノーマン「いいよ、どうしたのエマ?」

 

エマ「私なりに考えてみたの、皆を連れ出す方法」

 

 

私はノーマンに皆を連れ出す方法を話してみた。

ノーマンは難しそうな顔をしていた。

 

 

エマ「どう?無茶かな…?」

 

ノーマン「無茶だね…」

 

エマ「でも、ママの隙を突けると思うし、皆で逃げるにはこれしかないと思う。」

 

ノーマン「うん、わかった。」

 

 

私はそこで話をやめて、ハウスに入って、ドンとギルダのもとへ行った。

そして、私はドンとギルダに声をかけた。

 

 

エマ「ドン、ギルダ。道具は揃ってる?」

 

ドン「バッチリ!」

 

ギルダ「うん、順調だよ。」

 

 

脱走の為の道具集めはママやシスターに気づかれないように慎重に集めなくてはならない。

 

 

ノーマン「道具は揃ってきたね。」

 

エマ「うん、後はママ達に見つけられないようにするには、どうすればいいかだね。」

 

ノーマン「さすがに大人を倒すのは難しい。ドン、除草剤と洗剤を用意して欲しい。」

 

ドン「わかったけど、それらを使って、どうするんだ?」

 

ノーマン「下見の時に役立つよ。」

 

ドン、ギルダ「「え?」」

 

 

ドンとギルダはわからないようだ。

私とノーマンはドンとギルダを連れて、外へ出た。

その途中、ギルダがノーマンに質問した

 

ギルダ「ちょっと待って、『下見』って、柵の先を超えて、塀を上って、外を見るってことだよね? 発信機はどうするの?」

 

エマ「それはね。『確認』させなければいいの。」

 

ノーマン「その通り。ママとシスターの目を他に向けさせて、確実にコンパスを見ない状況を作り、その間に、下見をする。」

 

ドン「でも、どうやって、ママとシスターの目を他に向けさせるんだ?」

 

 

そう、ママ達の目を他に向けさせるには、何かきっかけが必要だ。

 

 

ノーマン「レイに偽の情報をママに報告させて、足止めしてもらう。」

 

 

ノーマンはそう言ったけど、偽の情報をママに報告しているレイは大丈夫だろうか?

 

 

エマside out

 

レイside

 

 

俺はレイ。エマと同じ11歳の孤児で、食用児だ。

前までは、ママのスパイだったけど、今は二重スパイをしている。

そのため、ママの部屋で、ノーマンに頼まれた偽の情報をママ(イザベラ)に報告している。

 

 

レイ「という訳だ」

 

イザベラ「へえ、あのノーマンとケンカしたの?」

 

レイ「ちょっとした、方針の違いでね。」

 

 

下見の時間稼ぎの為の嘘だけど、殴られた痕を見せれば、信じるだろう。

 

 

イザベラ「なるほどね。それで、話って何?」

 

レイ「ノーマンがママを殺そうとしている。『動きを止めるには、殺すしかない』ってリスクなしの賭けに出ている。」

 

イザベラ「まあ、想定範囲内ね。全員で逃げるとなれば、そうと考えるでしょう。それで?」

 

レイ「道具を集めている。金槌、洗剤、除草剤…他にも使えそうな物片っ端から。」

 

イザベラ「あの、短すぎるロープもそうなの?」

 

 

ママは微笑みながら、ロープの事を質問してきた、気づいているな。

 

 

レイ「ああ、俺は止めたんだぜ?ヤバすぎる、間違ってるって。」

 

イザベラ「それで、その状態(ざま)なのね。…でも、毒殺…薬剤が厄介ね。」

 

レイ「途中出荷なんてごめんだ。あいつらには、何不自由のないハウスで最後まで生きて欲しい。だから、中身をすり替えようぜ、薬剤から偽物に!」

 

 

あいつらが途中出荷されるなんて、俺は嫌だ。あいつらには、生きていて欲しい。

これは俺の本心だ。

 

 

イザベラ「場所は判っているの?」

 

レイ「ああ。」

 

イザベラ「それじゃあ、明日にでも対処しましょう。報告は以上?」

 

レイ「ああ、他に何か気になることでも?」

 

 

よし、これで明日、下見の時間を稼げることができた。

 

 

イザベラ「いいえ。ああ、そうそう、昨日の定時連絡で上から通達があったの。次の出荷が決まったわ。」

 

 

こんなに早く連絡がくるなんて、何かあったな。

 

 

イザベラ「来月の定例出荷はない。」

 

 

来月の定例出荷がない?次の出荷は最短で2ヶ月後だ。ああ、そうか。

 

 

レイ「じゃあ、次は、来年の1月。俺の12歳の誕生日。次の出荷はいよいよ俺か。」

 

 

そんな事だろうと思ったんだ、見ていろよ。俺は屈しねえからな。

 

 

レイsaid out

 

エマside

 

 

レイがママに嘘の報告をしている頃、私達は柵の先の森に向かって歩いていた。

皆には聞こえないように小声で作戦内容を話し合いをしていたが、ドンとギルダはシスターにバレることを心配していた。

 

 

ドン「けどよ〜。ママはレイに任せていいとして…シスターはどうするんだ?」

 

ギルダ「そうよ。シスターにバレたら、即出荷(そくアウト)なんでしょう?」

 

ノーマン「大丈夫、そこは考えているから。」

 

 

ノーマンのことだから、何か方法があるのだと思う。

そんなふうに油断していたから、私はシスターがいることに気づかなかった。

一本の木を通り過ぎた瞬間、シスターの視線を感じた。嫌な予感がしたと思った時は遅かった。

そして、シスターが前に現れたのだ。ノーマンがシスターに声をかけた。

 

 

ノーマン「何のようですか?」

 

クローネ「見たわよ。」

 

 

え?見たわよって、どういうこと?

 

 

クローネ「食堂での会話、全部、聞いたわ。標的は5人全員。」

 

 

そういうことか!まずい!あの場を目撃されていたのか⁉︎

ドンとギルダは、バレたことで(即出荷(ころ)されるのではないか)と怯えている。

私とノーマンは何故か落ち着いている。

 

 

クローネ「ノーマン、エマ、レイ、ギルダ、ドン。貴方達5人……」

 

 

シスターの含み笑いが怖い。このままでは、私たちはコニーのように死ぬのかと怯えたのだ。

だが、シスターの次の言葉で、混乱することになったのだ。

 

 

クローネ「脱走に協力してあげるから、私と手を組まない?」

 

エマ「え?」

 

 

協力?シスターと手を組む?どういう事?シスターの目的は、標的(わたしたち)を見つけて、即出荷する事じゃ……?

 

 

エマ「シスター、脱走に協力するってどういうこと?」

 

クローネ「そのままの意味よ。貴方達はこの農園の事、貴方達が食用児である事、それを知ってしまった以上は貴方達のことだもの、全員で脱走しなきゃいけない。そうよね?」

 

ノーマン「確かにそうだ。僕たちは食われる前に脱走しなければならない。だが、それとどう関係しているんだ?」

 

ギルダ「それに、シスターと私たちが協力することで、なんのメリットがあるの?」

 

クローネ「関係しているし、メリットはあるわ。」

 

 

シスターと手を組むことで何のメリットがあるの?

ノーマンは少し考えた後、わかったのか笑っていた。

 

 

ノーマン「(なるほど、そういうことか)みんな、大丈夫だ。問題ない、話を聞こう」

 

 

私とドンとギルダは驚いたけど、何か掴めるのかと思い従った。

 

 

クローネ「(こいつ)そうよ。お互いの目的のために協力しましょう」

 

エマ「お互いの……目的?」

 

クローネ「そうよ。貴方達は『脱走したい。』私はね『この家の[[rb:主 > ママ]]になりたい』の。イザベラを“ママの座”から引きずり下ろして、その地位を奪いたいのよ」

 

ドン「“ママの…座”?」

 

 

そうか、シスターはその「ママの座」を手に入れるために、私たちと組むということか。

 

 

クローネ「言っておくけど、本心よ。私も抜け出したいの、今の境遇から。」

 

 

そう言って、シスターは首を見せた。シスターにも、番号が付いていた。ということは、シスターは元食用児だということだ。

 

 

クローネ「貴方達は、このGF(グレイス=フィールド)農園の管理システムをご存知?」

 

 

この農園の管理システム?

 

 

クローネ「ある条件を満たして、12歳まで生き残った女子には、出荷時に2つの道が示される。

1つ目は、『このまま死ねか』,2つ目は、『飼育艦(ママ)を目指すか』のどちらかを選ぶことができる。」

 

ドン「条件って?」

 

クローネ「一定以上の成績と飼育艦(ママ)の推薦。それらさえ手に入れれば、女の子は脱走しなくても生き延びることができるわ。でも、それはやめた方がいいわ。二度と敷地の外へ出られない体になるわ。でも、貴方達は、まだ逃げられるわ。」

 

 

そう言って、シスターは胸の傷を私たちに見せた。

 

 

エマ「それは……何なの?」

 

クローネ「チップよ。飼育者(おとな)はね、一歩でも農園の外へ出たら、コレに電気が流れて心臓が止められちゃうの。そしてコレは同時に、何か別の要因で心臓が止まると、農園(うえ)に通報する送信機でもある。」

 

 

つまり、ノーマンの言う通り飼育者(おとな)は倒せないということだ。

 

 

クローネ「私は農園(なか)でしか生きられない。だから、その中で一番イイ暮らしがしたいのよ。ママとして偽りでも人間の暮らしを小さな箱庭(おうち)の温かな家庭の可愛い子供達の可愛い愛情に囲まれて(ママ)になりたいの。そのためには、今の母親(イザベラ)が邪魔なのよ。排除したい。貴方達が逃げればイザベラ(ヤツ)が罪に問われる。排除(ソレ)が叶うわ‼︎私は邪魔をしない。逃げなさい。それが私の利益になる。」

 

ギルダ「[[標的(わたしたち)を出荷……しないの?」

 

クローネ「しないわ。協力しましょう。敵は(ママ)イザベラ。共に追い堕としましょう。」

 

ドン「(確かに、利害は一致する…)」

 

 

私とドンとギルダは利害が一致しているからか、黙っているしかなかった。でも、ノーマンはシスターの本当の目的を、見破っている。ここからは、ノーマンとシスターの心理戦だ。

 

 

エマsaid out

 

ノーマンsaid

 

 

ノーマン「(違う、『しない』んじゃない。『できない』んだ。証拠がないから突き出せない。権限がない。鬼達にママより信用せれていない。だから標的(ぼくら)に近づくしかないんだ。」

 

クローネ「(そう、近づいて“証拠”を手に入れたら、イザベラもろとも、このムカつくガキ共を総出荷する!その上でママになる、それが本当の目的よ。なぁんて、この子にはバレてるかもね。)」

 

ノーマン「(バレバレだ。それに逃したいだけなら、標的(ぼくら)に近づく必要はない。然るべき時に、黙って手を貸せばいいだけのこと。ペラペラ喋らなくていい、手の内を喋るのは、僕たちの信用を得たいから、信用させて“証拠”を得たら、こいつは必ず、ぼくらを出荷する(ころす)!ギルダで失敗したから、今度は標的(ぼくら)全員に近づいた。証拠を掴めればよし。掴めなくても、僕たちを逃がせば、ママは堕とせる。そうでしょ?シスター)」

 

クローネ「(でも、だとしても他に選択肢があるかしら?貴方たちは私と組むしかない。でなきゃ、私に邪魔されるだけなんだから。)」

 

ノーマン「(でしょうね。)」

 

クローネ「(お互いにお互いを利用する、それでいいじゃない。)組みましょう。」

 

ノーマン「(いいだろう、ただし、利用するのは、僕らだけだ。)」

 

 

ぼくはシスターと握手しようとしたら、エマに止められた。

 

 

ノーマンsaid out

 

エマsaid

 

 

エマ「待って。私はノーマンの判断に賛成。でも一つだけ、今シスターに確認させてくれる?」

 

 

ノーマンはシスターの考えを読んで、手を組むと判断したけど、相手は飼育者(おとな)だ。私たちを裏切る可能性がある。

 

 

クローネ「なぁに?」

 

エマ「貴方がわたしたちを裏切らない保証はあるの?」

 

 

ドンとギルダは驚いた。そのことは考えていなかったにだろう。

 

 

クローネ「信用してくれないのね。」

 

エマ「いいから!」

 

クローネ「レイよ。レイがこのことをママにチクれば、私を潰せる。でも、私がレイの正体をママにチクれば、私はレイを潰せるわ。だから、お互い、裏切らないし、裏切れない。それでいいでしょ?」

 

 

レイを出すとは思わなかった。レイを潰されるのは嫌だ。

 

 

エマ「……わかった。」

 

クローネ「交渉成立ね」

 

 

そう言って、シスターはノーマンと握手をした。

私たちはシスターと手を組んだ。

 

 

ドン「シスターもママも農園(ハウス)出身だったんだな。」

 

クローネ「ええ、正真正銘、同じGF(グレイス=フィールド)農園(ハウス)。ここ第3プラントじゃあないけどね。」

 

 

第3プラントじゃあない?他にもプラントがあるの?

 

 

クローネ「他にも、私にしか教えられない情報をなんでも教えてあげる。友好の証よ。今夜にでも、私の部屋へいらっしゃい。」

 

 

ギルダは怯えた、一回、シスターの部屋へ行ったことがあるから、かもしれない。

 

 

クローネ「ああ、そんなに怯えないでギルダ。私はあなたに感謝こそすれど、恨んでなどいないわ。だって、貴方達2人が波風を立ててくれたから、標的を特定できたんですもの。じゃあ、またね。」

 

 

ドンとギルダは勝手な行動をしたから,シスターに見つかったと、後悔している。

ノーマンはそんな2人を励ました。

 

 

ノーマン「気にするな、これでよかった。これで下見の時に、シスターの目を逸らす必要がなくなった。あとは、レイが上手くママを抑えてくれるから、下見に集中できるよ。」

 

エマ「『イイ暮らし』だって…自分だってそうだったのに………子供をすすんで見殺しにし続けることが『一番イイ暮らし』だって、『人間の暮らし』だって、『あたたかな家庭』?、『(ママ)になりたい』?……あの人、子供達(わたしたち)の命なんて本当に何とも思っていないんだ!」

 

???「へぇ、あのシスターは、君たちの命なんて、何とも思っていないのか?最低な大人だな。」

 

エマたち「「「「⁉︎」」」」

 

 

私たちは驚きながら、声がした方に振り返った。

振り返った方の木々から、仮面を付けた4人組と2本角の狼が現れた。

 

 

エマ「(この人達、何者なの?気配をまったく感じなかった。鬼?にしては肌が前に見たのと違う。あの狼は、角が2本生えていて体が大きい。4人の内1人は服装からして女性、他は男性。何で仮面を付けているの?)」

 

???「悪いな、君たちの話を最後まで聞いていたんだ。ああ、安心してくれ、俺たちは君たちを助けたいんだ。」

 

わたしたちを助けたい?この人達、一体何者なの?

 

つづく

 




「おまけ」と注意事項

・ノーマンが考えた、除草剤、洗剤などの類は口に含んだら、何が起こるかわからないので良い子の
 皆は真似をしてはいけません!!

・現に私が小中学生の時、酸素系漂白剤と塩素系漂白剤を混ぜてしまったことがあります。
 その時は換気をしていたので、よかったですが、後で、叱られました。
 これも真似してはいけません!!

・()の中のセリフはその人物の心の声です。
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