八幡IF   作:あきこま

4 / 11


こんばんは、あきこまです。

優子の誕生日には間に合いませんでした…。残念。


劇場版のユーフォを某アニ〇ストアさんが出してくれてるので復習がてら3期の合間に見てますけど、やっぱり卒業した先輩方偉大ですわ。


長くなりましてすみません、どうぞ。







2話

 

 

 

 

 

 

 車に乗りこみ数時間。朝のラッシュで多少なりとも渋滞はしている。

 唯一の救いは自分達の今進んでいる方向は激混み方向では無い方面の為多少流れている。首都高を湾岸線メインで進み大黒・本牧経由で狩場へ、保土ヶ谷バイパスを進み横浜町田から東名へ。

 

 

 海老名周辺まで辿り着き、ここまで千葉から2時間30分程はかかった。

 

 吉川優子という女性は喋る事に関しては話題が中々尽きない様子で、俺が基本「あぁ」とか「へぇ」とかの受け身が多い為非常に有難い。そんな吉川さんのお腹は喋りまくってる事によりエネルギー不足に陥ってるらしく、とても可愛らしい虫が鳴いていた。

 

 咄嗟にお腹を抑えて赤面を全面的に出していた。え、待って可愛い何この人、本当に年上? すげぇなこの人。

 

 

「そう言えば、千葉で朝飯食べるの忘れたんですけど……次のS A(サービスエリア)に寄ってもいいですかね?」

 

「あ……うん! むしろ寄って行こう! 私あまりこういう高速のパーキングとかに縁がなくて凄い行ってみたいの!」

 

「決まりですね、あと2kmも無いのですぐ着くと思います」

 

 

 

 

「……ありがとね」

 

 

 

「なんか言いました?」

 

「へ? ううん?! なにも!」

 

 

 慌てる吉川さんはさておき、SAの入口にたどり着く。

 

 俺は基本混雑につっこんで行きたくない人なのでかなり建物から離れた人の少なめなところに車を止める事が多い。が、今日は一人では無い為頑張って近くを狙ってみる。

 

 たまたま目の前で近いところの車が出てくれたので駐車することに。隣は葉山の様な陽キャ達の詰め合わせワゴンだったがまぁ背に腹はかえられない。

 

 

 エンジンを止めてから先に降り、吉川さんの乗る助手席の扉を開ける。

 

「そんなお姫様みたいな事してくれなくても……ちゃんと降りれるよ?」

「いえ、車同士の間が狭いので降りるのに専念してもらおうかと」

 

 ありがとう、吉川さんからその言葉を頂いた後開いた扉が閉じぬように支える。降りたの確認し、扉を閉めて二人で建物の方に歩き出そうと思った時、隣のワゴンの扉が開いた。

 

 咄嗟に吉川さんを自分寄りに抱き寄せて迫り来る扉から退避させる。

 

 ちなみに開けたやつは気がついておらず、後ろから他の野郎がそいつに声をかけてようやく気づいた。

 

「あ、すんません」

 

 

 

 内心こっちは「周りぐらいみれねぇのか」と言いたくもなるが自分一人では無いため我慢する事に。精一杯の「危ねぇな」という視線を浴びせて去りゆくパリピ共が去るのを待つ。

 

 

 あ、吉川さん抱き寄せたままだ。

 

 

「! すいません咄嗟に!」

「……助けてくれたんでしょ? 寧ろこっちはお礼を言うべきよ。ありがと!」

 

 

 顔真っ赤にしながら上目遣いでこちらを見上げる吉川先輩。この人めちゃくちゃ可愛いな本当に、上目遣いの破壊力抜群だわ」

 

 

 

「は、早くお店見に行こうよ!!」

 

 

 

 足早に去って行った吉川さんは耳まで真っ赤にしていた。

 

 この時の俺は、途中から言葉に出していたなんて気づかなかった。

 

 

 

 

 

 

 一通り見て回った後、おむすびとちょっとしたおひつに入ったご飯といくらとetc。フードコートにて二人して食べてからまた散策。

 

「見て比企谷くん! コレ!」

 

「あー……下りでしたねこっち」

 

 

 海老名のSA下りの御殿場方面にはテレビにかなりよく出るメロンパンがある。今日も変わらず盛況なようだ。

 

 

「……買いますか? 京都の人達にお土産で」

 

「うん! 家族と友人達に!」

「あと吉川さんが自分で食べる用に」

 

「え?! わ、私そんな食いしん坊じゃない!!」

「じゃあいいんですか?」

 

「……食べたいです」

 

 

 結局自分用に家族用、それから仲のいい友人達に渡す用で6個程購入。満足したので出る事に。

 

 

 

 SAの殆どは出口付近にガソリンスタンドがある。そのスタンドの直前くらい……要は人が行き来するギリギリ最後の所くらいにはたまに居る事があると聞いていたが。

 

「……初めて見た、ヒッチハイカー」

「私も比企谷くんに助けられてなかったら、アレやるしか無かったのかなぁ……」

 

「少しゾッとしますね……あれって男がやるとなんとも思わないですけど」

「女性の場合はかなり人選ばないと怖いね……」

 

 

 今回我々が見たのはスケッチブックにデカデカと「愛知!!!」と書かれてた。

 テレビだと上手くいくのはよく見るけどだいたいトラックの運転手が乗せてくれているイメージだ。無言のエールを送り、俺はSAを後にした。

 

 

 そこからも吉川さんのマシンガントークは止まらなかった。というのも家族構成を聞いてたから必然的に友人分のメロンパンを3つと推測したのだが、その友人達の話が止まらなかった。希美はーとか、みぞれはーとか、夏紀はーとか気づいたら静岡県内に突入していた。話が落ち着いた所で俺も聞いてみた。

 

 

「さっきまでの話関係なくなるんですけど、聞いてもいいですか?」

「ん?」

 

「海って好きだったりします?」

「うん、ここ数年行けてないけど好きよ」

 

「分かりました」

「?」

 

 

 

 

 俺は御殿場のJ C T(ジャンクション)を東名方面へ進んだ。新東名の方が道路が比較的綺麗で走りやすい部分も多いのだが、東名だって改修工事はしてるので多少は改善されている。それに、先程の質問の目的地は次の清水JCTでは間に合わないのだ。

 

 

 

 暫く吉川さんのマシンガントークが続いており、そんな途中で仮の目的地にしていたところへ着いた。

 

「ここは?」

「由比PAと言って、まぁ自販機とお手洗い以外設備は特にないんですよ」

 

 

 俺の目的は設備では無く景色にあった。

 

 

 

 

 

 車を降りて、二人で大きい段差を昇るそこにあった光景は。

 

 

 

「綺麗……すっごく綺麗!」

「幸い天気も非常にいい日ですので山から海から全て見えますね」

 

 

 これは母上に聞いた場所。車を止めて堤防から外を見渡せば綺麗な海、空が青空ならば正面左側には山が見える。ドライブ中の意外な絶景ってやつだ。

 

 

「いかがでしょう?」

「高速道路にも景色がいい所っていうのは存在するのね……凄くいい!」

 

 

 お気に召したみたいで良かった。景色を見ながら休憩し再び走り出す。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「今更なんだけど、比企谷くん本当にペーパーなの?」

「俺って紙でしたっけ……?」

 

「ペーパードライバーって自分で言ってたでしょ!!」

「あー……そっちですか、……事実ですね。先月までごく普通の大学生でしたし」

 

「そうよね……私の1つ下なんだもんね。大人っぽいから忘れそうになるわよ。でもそしたらどうして急に車を?」

 

「俺が幼少期から乗ってるんですよ、この車。母が父の乗りたい車に渋々乗り換えるので「お前がこれ乗ってれば私も乗りたい時乗れるよね?」って感じで……」

 

 

「てことは元々のメイン運転手はお母様なの?」

「はい、さっきの由比PAとかも母から聞いたものです」

 

「すっごいアクティブなお母さんだね」

「その母に1ヶ月特訓を施され、今に至ります」

 

 

 結果論で言えば、母上のわがままで俺が引き継いだこの車とあの特訓があったからこそ今こうして吉川さんを救えてるわけだし良かったのか。自己満だけど。

 

 

「吉川さんは運転しないんですか?」

 

「免許は持ってるけど……積極的にはしないかな……怖いし」

 

「個人的な偏見なんですけど、京都って自家用車走りづらくないんですか?」

「場所によるかなぁ……修学旅行生達がよく行く所にはバスやらタクシーやらでごった返すけど、私の住んでるところはまだマシな方だと思う」

 

 

 

 

 ただ、と少し口籠った後に。

 

 

「私も社会人なったら頑張って車買って運転しようかな!」

 

 

 

 

 ちょっと吉川さんの運転してる姿を想像してみた……。うん。ほっこりする。

 

 よくよく聞いたら普通にMT乗れるらしい。ほっこりが一気にカッコイイに変わってしまった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 浜名湖のSAで少し早めのお昼ご飯を食べた後はさすがに疲れがあったか眠りに入ってしまった。

 

 

 

 俺は基本、喋りかけられない限りは前を見つめて好きな音楽を流すのみ。

 某Kから始まるカーナビは運転席周辺のスピーカーを遮断できる機能がある事を教えて貰った。まさか使う日が来るとは思ってもなかったけど。

 

 

 

 

 

 

 

 結構な時間走った、もう近畿地方まで着いている。

 

 

 SAに到着し、停車後もぞもぞと隣の塊が動き出す。車中泊用に常備してるブランケットをかぶせておいた。

 

 

「毛布ありがと……今どこ?」

 

 眠そうな顔のままブランケットで顔の下まで覆ってる姿は、コタツからでたくない症候群にかかったうちの猫、かまくらを彷彿させる。

 

 

「大津ですね」

「え?! もう琵琶湖?! もうすぐじゃん!」

 

「みたいですね……予定だと1時間もかからないです」

 

 

 大津で少し休憩をとった後出発。目的地である宇治市までの間にどうやらメロンパンを渡したい三人に連絡を取っていたようだ。

 

 結局先ほど名前の出た内の一人、中川夏紀と呼ばれる女性のお家にみんな集合するという形で収まったので、指定された場所へと向かう。

 

 

「なんて言って集めたんですか?」

「渡したい物があるから会えない? って聞いた。なんで京都にいるんだって言われたけどね……」

 

 ……まぁ事情話して居るんだったら今は千葉に居るはずだもんね……。

 近くのコインパーキングへ止めて言われた場所まで歩く。吉川さんは迷うこと無くひとつの家のインターホンを鳴らした。

 

 扉が開くとTシャツ短パンというなんともラフな格好の女性がでてきた。

 

 

「ちょっと、なんでここにいるのさ? 千葉向かったんじゃないの?」

「たった今帰ってきました! 喜びなさい!」

 

「いや、理由が気になりすぎて喜ぶどころかツッコミもできないんだけど……

 てか後ろの男の子は?」

 

「ここまで乗っけてくれた比企谷くん、高坂達と同い年」

 

「え? 黄前ちゃん達の知り合い??」

 

「いえ、全然全く」

「私が千葉で会った男の子よ!」

 

 

 すごいドヤ顔でグッジョブサインしてる吉川さんに対して中川さん? は凄くプルプルしている。これは……俺と同じこと考えてそうだな……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あんた何考えてんの?! 初対面の子連れ回してこんな所まで連れてきて!!」

 

 

 ……ちょっとだけ俺の考えてる事とズレていたがまぁでも根幹にあるものは同じだろ。

 

 

「ちょ、声大きい! 近所迷惑!」

「あんたのせいでしょ! いいから家上がる! 事情聴取!」

 

「あのー、そしたら僕はお役御免って事で……」

 

「いいわけないでしょ! アンタも上がって! 事情聴取!!」

 

 

 

 

 

……ですよね。

 

 

 

 

 初対面の女性京都まで乗っけたり、初対面の女性の家に上がったり今日はとんでもない一日になってます……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 






今回の小説、ヒロイン候補を6名予定してます
1-3.4 5-7.8 9-11.12 13-15.16 17-19.20 21-23.24と言った形でメインの話3話と番外編?的なの1話を挟む構成の予定です

24話より後は共通書いたり、続き書いたりの予定です。全て予定ですが…。


今回もありがとうございました!
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。