「そんなワケだ。ザフトに構うなよ」
以前の突破作戦で戦術面でのオブザーバーと言うべき立場になったカナードさんが改めて言うにはヘリオポリスを襲ったナスカ級が速度の問題で間も無くすれ違うらしい。
俺もコックピットで待機しながら聞いてたが例のラウ・ル・クルーゼがユニウスに少しでも攻撃したいからとする通信について疑ったフラガ大尉がボロクソに貶されていた。あれじゃ?
【別勢力にいる身内に失望した言い分】
戦場において力量を認めた敵は気に掛けるに足る存在とも映るらしいがそれにしてはなあ?
案外と本当に身内だったりしてなと思った時に二つ思い当たる事があった。
【似ている】
何と言うか波動や何かがと言うかだが、もう一つは?
【プロパガンダで知った事】
フラガ家は突然の火災で党首が死亡、本来跡取りとなるハズのフラガ大尉・・・・ムウ・ラ・フラガは何を思ったのか軍に入った。一説にはフラガ大尉は相続云々を始めとするやり取りで親族との揉め事が起こり、嫌気が差したようで軍に入隊、あのジョージ・グレンもパイロットはやってたからジョージのように文武両道を目指していたともされている。
悪く言えば天然でデリカシーに欠けるのが似ている。現にアークエンジェルで最初の対応はそれ系だ。大西洋連邦関連の軍はそんな風潮があるのか?って思わせるとこがあると批判もされていたは後にして。問題は、嫡男がそうしても他がどうなるのかと言う点だ。あれだけの名家だしな、運悪く飛ばっちり喰らって行きたくもないとこに行く羽目になったなんてのもあるとか考えた辺りで、まさかあのクルーゼはそんな類いな人なのかと考えてしまった。確か身一つでプラントに来て後ろ楯の無いけど実力は本物な成り上がり者で折り合い悪いらしいし。
【更に言えば、クルーゼは地球に住んでたコーディネーターって事にもなる】
当たってた場合はフラガ大尉をボロクソに言う資格はあるな、自分に皺寄せや飛ばっちり喰らわせた人が肝心な時にアレじゃあとかで殺意を通り越して悲哀が浮かんでるも有り得るな、流石に飛び過ぎた推論だが、何故か間違いではない気がした時、ストライクから通信が来てキラさんの顔が写った。
『リン、君は・・・・どう思うの?ヘリオポリスをあんなにした人と、僕は・・・・』
「カナードさんが言ってたでしょ、ザフトには構うなよって。事が終わって腹の虫が収まらないからクルーゼの艦やMSにアグニでもぶっ放す映像広められたら大変ですよ」
黙ってくれた。ヘリオポリスをあんなにした奴と共闘は嫌だろうけど、仮に俺が言ったようにするのが狙いだとしたら厄介だとした時にそれより厄介な事態が起きて、映像が送られて来た。
【第8艦隊が襲われてる】
所蔵不明だが、プラントと地球の双方と改造された戦艦だ。ユニウスをある程度破砕している艦隊に攻撃なんてと思ったら、クルーゼが通信入れて、所蔵不明艦隊を攻撃するらしい。だが胡散臭いとして揉めているようだ。謀略染みているからだが、副官のホフマン大佐が人前で仮面をしている者等とか言い出した時。
『これで良いのか?』
外した仮面の下は醜く焼け爛れていた。火傷の痕を隠す為だと証明したが、どことなく見覚えがある顔だ。
『知っているだろう、コーディネーターからナチュラルに比較的寛容だった・・・・【あのフラガ家のお家騒動】の時にこうなったのだ。大西洋連邦の人間ならわかってくれはしまいか?』
疑念が繋がった。真相はまだまだ深く下げられるべきだろうが、確かにフラガ大尉にいきなり悪態付く理由にはなる。
『来る前に、新造戦艦にも言ったが、私は私の勝手でやっている事だ。ザフトは義勇軍の立ち位置で私は権限を与えてもらってはいる。これはその範囲内だからな、私はユニウスに攻撃を掛けるし、丁度同じ事をしている貴官等に攻撃を仕掛ける側を阻止する。それ以上でもそれ以下でも無い!』
『・・・・わかった。協力に感謝する』
ハルバートンとか言ったな、ザフトにも智将とか唄われた提督だから状況は理解しているのかな。
ーーーーーー。
そして、ユニウスがローエングリンの射程内に入る前に。
「リンさん、複雑でしょうけど」
「わかってます。ああ、それと『 』で」
他は何の事か知らないだろうけど、マリューさんのチョーカー爆弾解除のパスワードだ。後ろにあるダイヤルにそれを使えば外れる。まあ此方もクルーゼの事を悪く言えない打算まみれなんだがとしてミラージュ・フレームを発進させた。所属不明艦隊をどうにかすべく起動力に富んだ機体に乗る俺が先行する。そして、向かった途中でヘリオポリスで交戦した機体を確認した。
『此方はザフトのラウ・ル・クルーゼだ。共闘中は気を使わんで良い』
「はい、此方こそ」
そして、所属不明艦隊に近付いた時に向こうからメビウスの大軍が出てきたが。
【クルーゼに任せる】
敵艦のブリッジを一隻・二隻とピンポイントで潰して行くのが一番としたが、側面から近付いて来たのは。
(ジン、だと・・・・っ)
カスタム化されているのか、シグーみたいな背部ユニットを装備してるジンが十機。ビームライフルを適当に撃ったけど、見た目どおり速いだけじゃなくて連帯が取れてるな、緩急を付けて突撃機銃を撃ってくるけど。
(何か、此方が動くのを警戒している?)
もしや、此方の機体の事を把握してるからああしてるとして、わざとシールドで受けてからバックステップしたら予想外だったようで、一機の動きが鈍っていたから反撃のビームで一機を撃破。近くにいたジンの背後を取ってサーベルで背中を貫いて二機目だ。僚機をやられて頭に来たからか、残った敵の動きが単調になって来たぞ。
『その機体!何故我等の邪魔をする!』
『オーブの機体に乗っているが、あの国が何をしているか知っているのか』
「さあ?」
『知れば、我等がやっている事が正しいと理解するだろう!』
「じゃあ話してみろ」
何か言葉に詰まっているな、冷淡にしているのが予想外な感じだが・・・・何があるんだとして出て来た言葉に俺は機体のコントロールを僅かに剃らしてしまったが、そこに追撃が来た。まさか、やっぱりこの機体の事も知っているのかとした時に、違う場所からのビームがジンを貫いていた。
『何をしている!気合いがボケているではないかっ!?』
クルーゼだった。あのガンバレルを発展させた武装が完成していたのか、次々とジンを撃破していた。正直、凄い・・・・。
「白紫の機体!とにかくフルに動け、そうすれば勝ちだ」
意味がわかった。ミラージュ・フレームを最大速度で振り回したら相手が動揺したようだ。そこをクルーゼが背部の武装で次々と撃ち落とした。そのまま艦隊に向かったんだが・・・・。
【不味い】
全力で離脱したら艦が自爆した。一体何なんだこいつらは?と思いながら、何とか爆発の煽りから逃げるべく機体を建て直すのが精一杯だった。
ーーーーーー。
「やはり、只者ではない・・・・っ」
クルーゼは考えが正しければああなると思っていた。
名前もまだ知らない機体は奪取した機体と比べたら紙装甲だ。だから、戦艦の爆発の余波レベルで危険として次に対戦した時の手段としていたのだが、見抜かれると考えた。あの機体のパイロットからはそれが感じられた。
今戦っている相手は自分達の情報を知っているような動きをしていたが、中途半端にツメを誤るとした場合の考えを実証していたと思った時。
『その機体、ラウ・ル・クルーゼか!何故、我等の邪魔をする!?』
『此処で無残に散った者達があの世で何も知らないと思ったか!?』
「・・・・だからさ」
クルーゼは読めた。相手がザフトの者だとする程度は予想出来たが、後が問題だとして怒りを滲ませた。
「君たちは、知った後の事が軽率過ぎるのだ。散った者にとって最悪の存在を討つ!」
試作型ドラグーンを回避しながら自分に迫る気概は感嘆するが、それだけだとした。クルーゼは心底腹立たしかった。
「やれると思ったからやる!無駄にやる気を出して、他が自分の思い通りになるのが当然と思い込んでな、誰も彼もそんなレベルだ!」
【だから自分達が産み出された】
ドラグーンで殲滅して、残った一機が収納した隙に半壊しながら突撃して来てサーベルを振り下ろしたが、此方も構えたサーベルで弾いてコックピットを貫いた。
「貴様等のような者がいるから【レイ】が苦しんでいたのだ。自分達だけが特別だと思う者がいるから・・・・私達のような者が産み出されたのだよ!だから、私がそうやって踏みにじられた者達の嘆きを真に思い知らせる!ミイラ取りがミイラにならない方法も見せつけながらだ!」
【慟哭】
人の愚かさをある意味で誰よりも嘆くべき存在の叫びが宇宙に響いた。単に自分の想定外の厄介事が起きているからだと本人は思ったが、ヘリオポリスの時から帯びた熱が意図せぬ結果となり始めたのだ。
(いや、いかん・・・・今やるべき事は・・・・)
自機に近付いて来た白紫の機体を確認して一計を案じたが、それすらも自分の戸惑いに向き合えるか否か、クルーゼは知る術が無かった。
熱くなった結果、何気なく怒りの矛先絶賛追加中なクルーゼさん(汗)
火傷痕や他の詳細については続きで。