私作なアークエンジェルの状況の一部。
然り気無くメンタル負荷が原作とは雲泥な差のキラが謎の精神攻撃でTSシン=リンを攻撃してしまう。
マリューさんが最初に怖い目に遭ったせいか頼り無いようでイザって時はムウやナタルに雷落とせる強キャラに。
フレイが何故か情勢勉強してたり父が死んでないのでトラブルメーカー振りが薄い。
成り行きで戦術面でのアドバイザーみたいになったカナードが本来の怨敵キラに対して私心を無くしつつある。
ラクスがミーアとして暫定的に下働きしながらクルーの一員になってる。
ヘリオポリスの学生達は下働きしながら保護された民間人扱い。
ニコルが捕虜のようなそうでないような扱いとして乗っています。
第8艦隊からの補給は受けてないからスカイグラスパーは?な状況。
砂漠の虎
アークエンジェルは【アフリカ】に降りていた。この辺りは、通常より雲が多くなっている影響はあるようだが、他がどうなっているかを想像するだけでクルー達は震えが来る。
元々、NJの影響で電波の状態が悪いだけではなくザフトの勢力圏内で迂闊に動けない。当面の問題は帰艦しなかったリンについては目撃していない者達には合流出来ずに単独で降りたと説明した。
少なくともブリッジから見ていた者達からしても死んではいないハズなので生存はしているとするのは間違いではない。
流石に、大気圏突入しながらの帰艦間近に何故かキラ機がいきなりリン機を攻撃して弾き飛ばされたところを正体不明機に拐われた等と不用意に広められない。今はそのキラのストライクしか戦力が無いのだが、パイロットのキラは帰還した時は大気圏突入した際にコックピット内の高温に当てられて寝込んでいた。寝込む前にストライクに送られた通信を聞いて気付いたらああしていたとは聞いたのでストライクの記録をカナードが調査をしていた。
「どうなんだいパルスさんよ?」
「むう、リンの行方についてはわからんな」
マードックに言うようにリンの行方調べの名目でストライクのデータを調べていたが何もかもが不明。ブリッジで見ていたような光景をパイロット視点で見るのが精々で、通信が送られて来た形跡はあるが再生が不可能な類いだ。
「嬢ちゃんが合流出来ないとはなあ、ショックで塞ぎ込んでるマユちゃんはミーアさんに任せとくとして、あの機体には本当に大気圏突入能力があると信じたいとこだな」
これはリンが半分嘘で言った事だ。リン以外からしても最初からミラージュ・フレームは未知の機能の固まりでもあったので半信半疑だった。
「やけに心配してるな」
「まあ、正直戦いに行く時はおっかないけど話してみるとちょっと気の強いだけな娘だしな。それに、食べ慣れない食材を嬢ちゃんが提案したやり方で仕上げた飯は旨いし、保存の効く野菜料理とか沢山作ってあって助かりましたからね」
本来、本格的に宇宙に出る前だったせいか只でさえ使い方に困る食材が悪く言えば的外れに補給されていただけではなく肝心な料理番すら何名かヘリオポリスで死亡したせいでリンにマユにミーアが手伝っていたのはカナードも見ていた。
食事は大事かつ偉大だ。レトルトや保存食に毛の生えたものにリン達が片っ端から調理した野菜料理だけでも添えれば胃袋が程好く満たされていた。女子達の手料理と言うだけで男心が癒されたのだろう。
ある意味でリンは新参者の中で然り気無く一番受け入れられていたのだろうと理解して次の目的地に向かった。
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「調査が終わった。再生不可能な類いだった」
改めて話を聞くしか無い結論。クルーの誰から見てもキラがいきなりリンを攻撃する理由は無いので、正直なところ【今後】の為にも証拠として出て欲しかった。
マリュー、ナタル、ムウにカナードが居合わせた医療室は実質取り調べ室となり、項垂れるキラへの事情聴取が行われていた。
但し、追い込まないようにが前提だ。何があるかわからないし。この後に今回の件のケジメの名目で戦ってもらう場合に支障が出る。
知っているのはブリッジで見ていた者だけなので厳重に他へ漏らさないよう注意を払っていた。
「では、君の証言を改めてまとめると。交戦中の敵から何やら不可解な・・・・『討ちなさい』と言われる内容の音声が送られて来た。気付いたらミラージュ・フレームに攻撃していた。それで良いな?」
「はい・・・・」
キラは知らない性で呼ばれたのを話せなかった。本能が拒んで理解すら出来ないが、それから来る震えはミラージュ・フレームに攻撃してしまった瞬間を思い出したのだとされた。
「まあ、お前さんが嬢ちゃんを助けようとしていたのも見ていたさ・・・・正体不明機は嬢ちゃんを拐って行ったけど、結果的に俺達だけは無茶をせずに地球には降りれた。けど、このアフリカ辺りは諸にザフトの勢力圏だ。ユニウス落下被害含めて直ぐには動けねえからなあ・・・・」
「大尉、それについては外でやろう。キラはもう少し休んでいろ」
ブリッジに戻ったカナード達は次の問題に当たる事にした。最初にリンが抜けた穴をどうするかについてだ。
「艦長・・・・ブリッツの修理は出来るか?出来れば俺が乗る。勿論、キラがまた何かあったら撃つのを含めてな」
「カナード君?」
「我々には余裕が無い、今後に戦闘になるとしてキラをストライクに引き続き乗せるにしても今回の件で理解しただろう、あいつを一人で戦わせては駄目だっ!相手の催眠術みたいのにやられたのを除いたとしても、元々は多重な意味で正規兵ではない!戦士としての覚悟を促して何とか安全圏に脱出するまで戦ってもらいたいとこだが、その後にどうするっ!?」
【その後にどうする】
これは避けていた難題だ。リンとキラがMSに乗ったのは当面の危険を前にしてはやむ無しだったが、その後は?
新型機を何としても届けなければならない義務があるが、例えば何事も無くアラスカを始めとした月や大西洋連邦の勢力圏内に降りられたとして、最高機密の塊を動かしたコーディネーター等は命の保証が無い。マリューは全力で弁護したとしてもマリューすら口封じされるかもしれないのだ。
【つまり、自分達は実質的に立ち位置上の不義と不当な要素を込めた死刑台に向かっていたようなものなのだ】
だが、今を切り抜ければならないとしての結論は。
「わかりました。整備班に命じて至急開始させます。元々、あの機体もこの艦に搭載するハズでしたから可能なハズ」
ナタルすら歯噛みしながらも反対意見を出せずにいた。
リンと比較して見ていたからわかるが、キラは戦闘意欲からして欠けている為に単独で戦わせていたら必ず歪んで行くだろう、ヘリオポリス脱出後のリンのようにマユを守る為なら泥を被るのも躊躇わない言動すら出来ないとしている。
尤もナタルがあの時に恐れを抱いたからこその思考だが、今は生き延びる可能性を増やすしかないと判断していた。
そして。
「大変な事になっちゃったね」
ヘリオポリスの学生が集まる部屋でカズイがボソッと暗く呟く。苦手意識を持つ類いの言い方だが、今回ばかりは反論できない。
「リンが死んだかもしれないのが問題ね」
「フレイっ!」
「サイだって可能性はあるってわかってるんでしょ。あいつの機体、本当に大気圏突入が出来るの?」
「え、そ・・・・それは」
「マリューさんが言ってたけど、そういうのあるらしいわよ」
「そ、そうだよな。案外、近くに来てるかもしれないぜ、取り敢えずミリィも皆もマユちゃんに妙な事をしたら帰って来たリンに殺されるから気を付けようぜ」
トールが明るく振る舞いながら楽観論を言うが、リンへの信頼度は何気に高いので半信半疑程度にはなっている。クルー達もミラージュ・フレームの力を信じるしかないしマユが部屋に籠ってしまっている事は同室のミーアに任せるしかないとしていた。
そして、キラとは違う医療室にいるニコルにカナードは面会していた。
「捕虜でもザフトの僕に協力しろと?」
「ブリッツを使いたくても機密保持の何かが無いか不安だからな」
嘘だ。実はその程度は解析出来ている。本命は違うのだとしてカナードは半分は本気な猿芝居を開始した。
「それにユニウスが砕かれながらも地球に落ちた影響で連合とザフトの戦いどころではないかもしれん、流石に落下の影響でMSを実用化してる我等からしても規格外なロボットが出る娯楽番組の敵に加えてファンタジーから特撮で聞くように海底や地下で眠っていた怪物が目を覚ましたりして人類に襲い掛かる等とは思いたくない心境なのさ」
「からかっているんですか?」
「怪物なんてあり得ないとするか、まあ仕方ないのだが。お前達は本来そういうのに当たる為に産み出されたのではないのか?」
ニコルが息を飲んだのを見て取った。カナードは明らかに善人な相手に自分がコーディネーターと明かさないのはバツが悪いとしながら更に追い討ちを掛けた。
「そう言えば、ブルーコスモスはコーディネーターを【宇宙の化け物】と呼んでいるが、つまりお前達を【後天的な宇宙怪獣】か何かみたいに見ながらテロ上等に暴れているが・・・・不思議な事にそんなのに対する戦い方とは思えん、テロを起こし、戦争になったらメビウスや戦艦を揃えれば勝てる程度だ。現に漸くオーブと組んでそれっぽい兵器を造った有り様だ。ザフト自慢の赤服とやらのお前はどう思ってる?」
「答える義務は無いです。そもそも僕を助けたような人がパイロットをやっている軍に所属している人にしては違和感がありますね、搦め手にしても何かおかしいです」
上手い返しだとカナードは思っていた。戦力を整える必要は敵から見てもあるだろうが、ニコルのように実際にリンと交戦した男には言うようにどこか違和感があるのだろう。
「搦め手か・・・・率直に言えばそうだ。お前はプラントに帰れないかもしれんから丸め込めないかと考えた。リンと共闘したクルーゼ程ではないが地球軍側の言葉を聞こうとした人間だ。プラントの今後次第で邪魔者扱いだろうな」
ニコルには意味がわかった。例えば今の混乱を機に攻勢に出ればクルーゼすら立場が危ういのだろうと。まして、捕虜等では。
カナードはそこまでにして切り上げた。私心を除いたらニコルが無理に脱走しないように小細工をしに来たようなものなのだから。
今はやれる限りの事をするしかないとしてクルー達が準備を始めた時、ザフトのMSから偵察機を警戒し過ぎた盲点ができていた。
「間違いない、アレは地球連合の新造戦艦であるアークエンジェルだ」
自走砲を揃えたゲリラ組織【明けの砂漠】の中で癖のある金髪をした少女は遠目に確認した戦艦の正体を周りに伝えた。
【カガリ・ユラ】
最近に組織に加わり、発言権を増している少女は怒りを滲ませた瞳をしていた。あの戦艦の中にあるMS、今は中に無いとすら知らないミラージュ・フレームは知り合いの誰に聞いても皆目検討が付かないのも苛立ちを募らせていた。
そして、更に二日後。漸く発進の目処が立ったアークエンジェルは夜の砂漠で転機を迎える事になる。
「艦長、接近する機影!熱源が『バクゥ』に酷似したタイプです」
「何ですって!迎撃準備!MSは?」
「ストライクが可能です!」
「くっ、どうしますか?」
マリューは判断に窮した。ここはカナードに出てもらうのが安全かもしれないが、ブリッツはまだ完全ではないとした時に通信が来た。
『艦長、僕に行かせて下さい』
キラからだ。マリューから見ても目の色が違う、暗いが決意が宿ったものなのは理解した。
『僕が守ります。リンが帰って来るまで』
【リンが帰って来るまで】
台詞からして、カナードに言われた事からの覚悟を決めたのだろう、今は賭けるしかないと決断した。
「わかったわ、発進準『艦長!』・・・・ど、どうしたの?」
「【白旗】です!接近する機体は白旗を掲げています!」
「え、え・・・・ぇっ?」
キラにも伝わった。ザフトの在り方を考えればおかしい、基本的に地球側を見下す集まりが白旗とは・・・・と困惑する中、接近する機体から通信が来た。
『此方は、ザフトのアフリカ方面軍・・・・アンドリュー・バルトフェルドだ。交戦の意は無し、繰り返す。交戦の意は無し・・・・会談を要求したい』
「アンドリュー・バルトフェルド・・・・【砂漠の
虎】が自ら?」
その名を知らない正規兵は先ず存在しない、密かに交戦を恐れていたザフトの名将が自ら会談を要求。これに対してはどうすれば良いのかマリューは思考と決断を求められた。
最後のは何故?な回でした。