息子を危険に晒してまでの手段で自分なりの算段を始めたユーリ・アマルフィは何故か訪問して来たミナに同行していたリンからの鉄拳を敢えて受ける。果たして、彼の真意は?
俺が殴った左頬に湿布を張っているのがユーリ・アマルフィで隣がパトリック・ザラか。プラントの重要人物と会わせるせる意図は何だろうとして緊張はそれなりにある。暗号でマユを危険に晒したケジメを取ると宣言してたのも本当のようだしな、出されたお茶は相変わらず半分味気ない。
「今更だが、君のユニウス7での活躍には感謝している。足つきの砲撃が一回でも減ったら地上の同胞が危険だったのでな」
「いえ、此方も地上の被害を減らせたので、ザフトとクルーゼさんに感謝しています」
沈黙してる。何か予想外だったような表情をしているけど、俺の人となりを何か調べてたのか?
「では、率直に用件を言おうか・・・・君には我々の大事な存在を託したいのだ」
「あの、俺は立場上で地球側です。既にザフトの兵を何人も殺しています・・・・」
「それはお互い様だろう、君の住んでいたコロニーを破壊したのはザフトだ」
尤もだ。このユーリさんからは誠実さしか感じない、こういう人が少しでも生きて得をして欲しいと思った。
「それに、リン・アスカ・・・・私が言えた義理では無いが、君は息子を助けてくれたからな」
「息子・・・・助けたと言うとブリッツのパイロットですか・・・・?」
頭に来ただけの結果論だった。デュエルとバスターのパイロットの事は知らない、ザラ国防長は何か冷ややかだが、あれは踏み込まない方が良いかもしれない。
「では、本題だ。これは私とパトリックを初めとした何名かしか知らない事だ。君達にこれを託したい」
「人の胴体程のユニットのようだが、中身は何だ?」
「では、公開と行こう」
ユーリさんが運んで来たのは培養カプセルを小型にしたようなもので、カプセルの覆いを外してくれた。中に入っていたのは?
「Oh No・・・・」
「ロンド・ミナ・サハク・・・・貴様、ユーモアのセンスとやらでも磨いているのか?」
パトリック・ザラがやや怒気を含めているようだが、それ程の代物なのか・・・・カプセルに冷凍保管されているのは?
【人間の脳髄】
しかし、プレートに入っているイニシャルとやらに目が行った。
【GG】
ミラージュ・フレームのコンピューターに送られていたのにあったな・・・・【GGユニット】とか。まさか、これの事とでも?としてとんでもない土産を受け取る事になった。
「立場上、今はまだ多くは語れん。だが、私達は君に託すと決めた!信じるかどうかは君に任せるので、頼まれてはくれまいか?」
パトリック・ザラの目を見て二つ返事で了承してしまった。マユに言われたように、自分の勘を信じたからだ。
そして?
「何の真似なんですかね、出立までプラントの内部を好きに見回って良いなんて、しかも仮の身分証明書まで」
「私も驚いておる。流石は黄道同盟の一角を担う巨人とでも言うべきか、胆力は中々だ。それより興味があったハズだろう、プラントの中身にな」
そうなんだが、見てみると普通だ・・・・中流は当たり前な街並みや情景だよ、こんなの地球側から中立の者に見せて良いのかと聞きたいとしてたら?
「ちょっと【レイ】!荷物持ちの癖に財布の管理する事は無いでしょっ!」
「気にするな、俺は気にしない・・・・」
何だあれ?
荷物持ちな金髪の品良さそうなのが赤い短髪の主導権握ってる。気弱そうなツインテールとやらが仕方無さそうな妬ましそうな目を向けてるぞ。しかし、あの金髪どこかで会った事は無いか?
「ほう、学生のショッピングとやらか・・・・のどかなものだ。オーブではどうなのだ?」
「マユと一緒にスーパーや図書館くらいしかないですね、俺は一応はコーディネーターですから」
「ふむ、私もそうだか【貧しい青春】とやらかな・・・・では?」
そう言って、誘ってくれたのは昼間から酒場や何とかバーと言うべき場とやらだ。未成年に何てとこ紹介する。そして、少し怪しげな照明を張った店の中に入った。円形テーブルも何やら木製で凝ったものを揃えてるなと思っていたら?
「味覚が半分は駄目でもわかるようだな」
酒、つまみ、未成年でも飲めるクリームソーダか・・・・これ迄のと合わせても、やっぱり、それなりのものばかり・・・・?
「相席を宜しいかな?」
「いきなり婦女子のいる場に相席は無粋ではないか、せめて無駄に大きめなサングラスくらいは取れ」
「素顔は見られたくない理由はこれだ」
火傷が凄い、ミナ様の言うように。いきなり婦女子のいる場に相席をするにしては悪酔いに近い頬の色の方が気なるが、この人は?
「生身で向き合うのは初めてだったね、リン・アスカ・・・・お互い、妙な縁になったものだ」
「クルーゼさんですか、謹慎中で酒に溺れてるようですね?」
「嗜んでみてると言ってくれたまえ、飲んでみる余裕が無かったのだ・・・・例えば?」
『緊急速報です。出立したシャトルが海賊と思わしき者達に襲撃をされたらしく、詳細は未だに不明・・・・』
「成る程、こんな物騒で慌ただしい事も起きる日々では酒を嗜む間も無いのが当然か・・・・」
白々しい・・・・あのユニットは別ルートで運ばれてるが、詳細が問題なのでああしたそうだ。傍目には俺達が死んだともされるな、何やら強奪された機体の【イージス】が出撃している画像が映っているが、正に無駄骨だ。聞いた限りで奪取した連中はマトモに戦う気は無いし、自爆して目眩ましなんか当たり前の覚悟がある。
「君を目の当たりにして確信したが、何やら若い者に有りがちな自惚れとは無縁な雰囲気だな、あの戦績ならば多少は自惚れてて良いハズだ。元部下の何名かにそうあって欲しかったよ」
「貴方はどうなんです。通信で聞きましたが、何でプラントに行って軍人なんかになったのです?」
「他に食べる方法を知らないからさ、だから未だに嫁さんも貰えん・・・・いや、道化を気取っているワケではないぞ。知人に立場と目的の割には元カノと寄りを戻したくて昼ドラをやってる者と満更でもないのがいてな?私も近くで見てるとウンザリしたくても出来ん理由が・・・・」
「そんなのには、一辺死んで来いくらい言えば良いんです。とにかく水でも飲め酔っ払い!」
本当に深酒した時の両親相手にしてる時みたいだ。ミナ様も呆れてるが、何だろなあ。この人はこうしてた方が周りが平和な気がする・・・・しかし、オーブにいる両親が深酒した時程に飲んでるとは思えないのに、コーディネーターでも酒に弱い者は弱いのかと、俺はマスターから水を頂いた。
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プラント外では、ミナやクルーゼとは違った意味で道化となっている者達がいた。
【漸く救い出せた】
そう思い込んで【偽装のシャトル】を襲撃したが、乗組員が放り出されたと見せ掛けて逃げ出した事には興味が無く、回収したユニットが偽物とは思えなかった。
海賊に偽装した一団は、謹慎中のクルーゼに代わり一隊を任されたアスラン率いる追撃隊と相対したが、返り討ちにしようとする気は無い、示し合わせた方向にユニットを射出しただけで勝利だったからだ。
そこからはアスランにとって苦い戦いが始まる。鹵獲したジンらしき機体が足止めに来て何とか無力化したが回収を任せた機体が接触した瞬間に自爆をして死傷者を出した。自分がイージスを変形させて向かった先にある小型輸送艦もMA形態のクローでブリッジを掴み、降伏を迫った瞬間に自爆した。
イージスでなければ命が無かった。
帰還した時には部下となった者達からの批判の眼差しが待っていた。無力化して捕獲するようにと決めた結果がこれである。クルーゼと比べて非情さに欠けるとされたのだが、予てよりの疑念が現実視された。
アスランは何気に相手を下に見る傾向があるのだと指摘する者がいた。それにより楽観的な事をすると、イザークやディアッカよりはマシとされたから目立たなかっただけと認識され、この日以来その疑惑は徐々に広がり始めた。
当のアスランは自分のミスと認識したが、それで済まない理由にはまだ気付けないでいた。
まあ、例の~~は諸事情でユーリ達の手元にあって、リンに託されました。
クルーゼさんは、酒を嗜んでだが免疫無いので身体が対応しきれてません展開。