さて、どうするか?
簡単に言えば素のストライクかどうかな機体だけど実際造られてない機体を再現したシミュレーターだからパワーはあるが不安定なようである。分離機能とかは寧ろ障害になりかねないからマイナス方面に考えるか、コロニー内の軍事施設を舞台にした戦闘なんてヘリオポリスを思い出すよ。
そうしている内に既視感があって機体を横に逸らしたらビームが来た。やけに正確だけど、予想はしやすい!施設に隠れる形になったが?
【貰った】
「なにっ!?」
ビルのガラスの向こうのレイ機の頭部を破壊した。ヘッドショットが成功したから模擬戦の一勝目だ。
『甘く見たな、ょ・・・・私が鍛えてやった娘だから、そこらの正規軍人が驚く程度な腕はあるのだ。では、二戦目を始めよ』
ミナ様の言い方はフォローにはなっているし間違いではない、多少訓練はされた。それに、ついやったけど正体隠してる間はどこかの女傑の付き人程度であるから、実戦経験者とは言えない。
二戦目
(シールド掲げて突っ込んで来た?)
上手いな、アンチビームシールドだからライフルのビーム程度では急所を守ってれば致命傷にはならないし接近戦ならさっきみたいな事は無い、ならば!
此方もシールド掲げて正面対決のフリして?
【シールドを足に向けて投げた】
命中して、そのまま転倒を防いだようだが立て直す前にコックピットをビームで撃って二勝目。
次は、相手が撃って来たとこをナイフを投げた。ビームコーティングされてるから変に反射したので動揺した隙に懐に潜り込んでライフルのゼロ距離射撃をコックピットに見舞って3勝目だが、この手段は使えるな。
『ねえ、あの娘。何か手慣れすぎてない?』
『凝り性なのだ。現実にいたらメカマン泣かせよ・・・・出撃の度に機体が無茶な操縦でボロボロになりかねん』
『ふむ・・・・となると、彼女みたいな者は余程に柔軟なフレーム構造の機体を用意してあげなければならんか』
何か色々と言われてるが、そんな機体を製造する気か?
ミラージュ・フレームみたいな殺人的な加速と柔軟なフレームを合わせ持つ機体か、興味はあるけど。
「もう一度だ!」
「やめとけ、模倣してるような動きじゃ実戦には相性悪いぞ」
何でそう言ってるかわからんって顔だな、目の当たりにしたからわかるけど。俺から見たら感覚的に基本動作が酔っ払・・・・クルーゼさんの模倣だ・・・・としてたら、何故かナイフを投げて接近したら殴り合いに持ち込まれただと、何だこいつ?
「何だ。らしい動き出来るじゃないか!」
「俺は模倣なんかじゃない!俺はラウだ!」
「何処がだ!?」
シミュレーターでもPS装甲だから殴り合いだとお互いに決定打にならない、何故か引き分けになって一旦止めになった。尚も此方に食いかかってくるな、俺が女じゃなければ生身でも殴り合いに来てる目だぞ。
「俺は・・・・ラウ・ル・クルーゼだ!」
「だから、何処がだよっ!?自称か後継者気取りにしてもクルーゼみたいに軍アカデミー出て功績をあげる事をやってからじゃないと駄目だろう!」
そう、身一つで成り上がったザフト最強の男とすべき存在。例え肉親だって自分がクルーゼとか言うのは烏滸がましいぞ!益々ヒートアップするレイをルナマリアが宥めた。
「やめなさいよ、ごめんね。レイはクルーゼさんの大ファンで、クルーゼさんが謹慎言い渡されてからクルーゼさん絡みで荒れるようになってるのよ」
ルナマリアの説明なレベルなのか?
親族にしても何か常軌を逸してる気がするんだが・・・・尚も目を鋭くしているレイはタリアさんに耳を捕まれて引き摺られて行った。何なんだ連中の関係?
その夜、個室毎に泊まるにしてもお泊まりの前の集まりをルナマリアが提案した。
「で、女子会とかにしても何でお風呂別にしたのよ・・・・見たところ、結構立派よね。見せびらかして良いくらいじゃん?」
「・・・・企業秘密だ」
うっかりして【着け毛】を忘れた。ただそれだけだ。
「にしてもMSってのはやっぱり凄いわよね、私もアカデミー入ってパイロットになってみようかしら?」
「お、お姉ちゃん・・・・」
呑気な奴だ。まあ、これくらい図太いのじゃないと戦闘パイロットなんてやってられないんだろ、しかし?
「おい、アカデミーに入るのは勝手だが。プラントの情勢考えたら周りにいるのはユニウス7で身内亡くしたのがキッカケだとかばかりなハズだぞ、そんな心構えでやっていけるのか?」
「何よ、気負ってれば強いってワケじゃないでしょ!それに【例の白紫】のパイロットは私くらいの女らしいじゃない!」
「むっ・・・・そうなのか?」
落下するユニウスを少しでも攻撃しようとした戦いにおいて白紫と呼ばれた機体とクルーゼの共闘がかなり知られてるらしいから一般人にとってはミーハーな気分になるのか?
しかし、何故広まったのかは不明だが・・・・何でクルーゼと共闘した機体のパイロットが少女と広まってるか考えないのか?
「ねえ、それより何処であんな腕を身に付けたか良ければ教えてくれない?」
「駄目」
何度か感情爆発させるルナマリアとおろおろしてるメイリンをあしらって就寝をした。マユよりはマシだが、早く離れないと何しでかすかだなとした翌朝。
「先日は失礼したね」
「いえ、こちらこそ」
かなりの人数なので会食でもやるような場で朝食になった。少し遅れて場違いな仮面で来たクルーゼ、本当にシャワー浴びて寝てたらしいな・・・・レイの奴が何か乙女顔とやらになりそうなのを堪えてる気がするがはさておき、タリアさんが運んで来たのを口にしている。
「ほう、これが今朝の残りとやらか」
【クラムチャウダー】
経緯は、まあ戦利品とやらだろうがプラントで手に入る材料で作った。酔っ払いの肝臓には効くだろう。
「けど、改めて何か真剣さが違う味ね。見てて怖かったわよ?」
作ってたのを見てたタリアさんが感想言ったが、そりゃ俺は味覚が半分は駄目になっている状態で作ったからだ。その内ボロが出そうだから控えないといけないか・・・・。
「ザフトの猛将も人の子のようだな、このリンもそれなりに格好良い大人と思っていたら酔っ払い姿を見せられて頭に血が上ったのが先日の結果だ。少しはシャンとせよ」
「ご忠告痛み入るよ・・・・しかし、旧時代の日本の奥様とやらがやってたような所業とは随分な事だ」
いや、あれは旧時代のスポコンとやらでヤケ酒やむ無しな事情あるにしても暴れてた父ちゃんがやられてたんだよな。昔から女が強い方が得な理由ってあんなのが理由なのか?
「けど、リンは極端にしても何だってお酒なんか嗜んだんです・・・・結構、興味あるなあ?」
俺も大概だが、ルナマリアも遠慮無いな。皿を空にして漸く口を開いた。
「何、単に謹慎を言い渡された私を情勢が落ち着いた後に自分のところに引き込もうとする輩が多くてね・・・・酒の席が増えていく内に思うとこがあった」
そこからのクルーゼさんは、何か哀愁が漂っていた。多少広まってしまった事だが?
フラガ家のお家騒動に巻き込まれてプラントに渡った後に身一つでザフトの白服に迄登り詰めた経緯、コーディネーターでも血の滲むような苦難と努力の日々だったと言う。
「恐ろしいものだよ、世間と言うのはね。君達も知っているだろうがコーディネーターとは簡略に言えば【金】がものを言う、基本的に親や身内に金が無ければ受けさせられないのが遺伝子操作だ。だからかな、金持ちか関係者ばかりが集まって権威主義寄りな風潮になったのが今のプラントの【実情の1つ】さ・・・・アカデミーに入る者は皆後ろ楯があり、無い者は肩身が狭かった。ザラ国防長に体よく使われ出すまで無い側だった私に何を血迷ったのやらだ」
世知辛い、確かにジョージ・グレンがあんな形で残した技術に飛び付いて上等なのを受けられたのはやっぱり【金】持ってる層だ。
【世の中・・・・金】
これがやっぱり不動、そもそも金無いのが戦争や世界規模な社会問題起こす事なんかやれるワケ無い。
呑気にアカデミー入ってみようかとしてたルナマリアは耳痛いかもしれない。
「情勢がどうなるかは知らんが、君達はまだ選択の自由があるのだ。幾ら見映えが良くても結局は一部の権力者だけが得をする立場になる必要は無い。将来の事は良く考えておきたまえ、特にレイ。私みたいになるより平凡に暮らす方が幸せだと考えてみるのだな」
何か、抑えきれない憎悪が籠ってるような語り方にしても説得力が違うな。レイやホーク姉妹がいるせいか一般人向けな言い分だが、気になる事からの【提案】するか。
「クルーゼさんは、平凡で幸せに生きたいと考えたりはしないんですか?」
「ふっ、私がか・・・・知らぬさ、結局は軍人は戦うしか食べて行く方法は知らん、世界情勢が経験者をそうしなければ気が済まんだろう」
「情勢とかなら、貴方みたいなのが平凡を目指すのが一番だと思います。静かに幸せに生きてみませんか?」
むっ、何か周りが変に空気が変わってる?
確かアークエンジェル内でも似たような時があった気がするが。
「ふむ、私のような者に見せるような目では無いな。リンだったね・・・・今の君のような者が当時のフラガ家の【母親】だとしたら、あんな意味の無い騒動は起きなかったのかもしれん」
【母親】
唐突に言い出してしまったにしても、含むところが全然無い感じで逆に怖い。
ルナマリアが口出ししようとしてるから、俺は待ったを掛けた。クルーゼは気付いたら退出しようとしてた。
「ギル、私は頭を冷やしてくる。ああ、酒はもう飲まないよ・・・・また冷や水を浴びせられたくはないしね」
やっぱり何かおかしいな、先ずはルナマリアの相手するにしよう。
「で、私の質問止めた理由は何なのよ?」
「お前、クルーゼが母親とか言い出した辺りで何か変に口を挟もうとしたな。死んでたり良い思い出無いとかならどうすんだ?」
「うぐっ!でも、聞いてあげるのも手でしょ。別に関係無い話ならそれで良いし・・・・」
「関係有り無し以前に、そんなので荒れてる奴見たら、ヒステリー起こしてるとか言い兼ねないタイプかもな」
「な、何よ!私はそこまで頭の軽いのじゃないわよ!」
「落ち着け」
ガツン!とミナ様に頭を打ち付け合わせられて、俺達は悶絶した。何か立ち位置ハッキリさせとくべきな奴な気がしたからだが、言い過ぎだらしい。
「不毛な事はよさぬか、だがリンよ・・・・先程の境地に達していた理由は知らぬが、案外お前は母親役には向いてるかもしれん。少なくともクルーゼと同年代だと面白かったかもな」
「いや、お母さんじゃなくて【おかん】ってのが似合うでしょ」
何が面白いってんだ!それにルナマリアはマユに似た声でマユと同じ事を言いやがる!以前に保母さんみたいな事をやらされたら妙な目を向けられてたんだ。しかし、何かレイが静かなままだなとしたら、呼び鈴が・・・・誰か訪ねて来たかとしたら?
「アポ無しで失礼するよ」
【シーゲル・クライン】
プラント現議長が何事だよ、ミナ様が根回ししたのは国防長だったが・・・・今度は何がと緊張感が走った。
次回、リンの~~。
知っているネタ場所でおかんポジションなシンを参考にしたリンの迷走回。