機動戦士ガンダムSEED 赤い瞳の少女   作:くまたいよう

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 マイペースにな回。


願望

「若いのさ・・・・」

 

 仮面やサングラス以前に顔が多少知れてるとして黒髪のカツラを被り、カフェのテーブルで速報を聞いたクルーゼからしても賛否あるラクスのデュエット役がまさかな少女だったが、歌姫の騎士としては女性も可とすべきかとする意見を皮肉に思っていた。レプリカ対艦刀でデモンストレーションに見せかけて乱入者を凪ぎ払う姿は勇猛であり道化である。画像で見るリンはクルーゼからしたら自分は一体、何をやってるんだと顔に出ているが、まだ感情を全てコントロールは出来ないのだろう理由をありがちに述べた。

 

「しかし、何年か振りだ?」

 

 自分が落ち着いて一人で食事等・・・・と思っていた。

 

 リンが作ったクラムチャウダーには及ばないが、アカデミーからザフトのエリートには安いだけが取り柄と揶揄されるような店の日替わりランチセットが身に染みる味と感じた。

 

【ジャンバラヤ・ビーンズ】

 

 宇宙ならではな合成品が混じっているのが明らかだが、人類が普通に地球に住んでいた時代から不足しがちな栄養が多いとされる豆類をふんだんに使っている料理と簡単なサラダのセットを食べる。いつの時代も食べ物に好き嫌いが場違いに多く、栄養云々を馬鹿にしがちであると自分は嘲笑したハズなのにと。

 

 またリンに冷や水を浴びせられたくはないから酒は飲まない事にした選択。支払いを終えたクルーゼは虚無感があった。

 

(自由に一人で食べる。いや、それも新鮮だが私はギルやレイ達と落ち着いて食べたいとでもいうのか?)

 

 タリア・グラディスは好きになれない。

 

【クルーゼは、そもそも有りがちな分始末に悪い夫婦間の揉め事がキッカケで造られた】

 

 だからこそ、友人や身内があんな女と知り合いとはと首を傾げた。好きにすれば良いと斜に構えていたのは失敗だったのかもしれない、リンに言われたように【いっぺん死んでこい】とでも言えば良かったのかもしれないとしながら目的地に着いた。

 

 

「ここの地下か」

 

 賭けチェスやポーカーの簡単なギャンブルを行いながら飲む簡単な娯楽施設。目当ては酒ではない、デュランダル以外とチェスの相手をするのはいつ以来かとして目当ての人物を目の当たりにしたが、自分同様に変装をしているが何故か戦闘パイロット用なノーマルスーツ姿なのは気にしないようにした。あれでも控え目にしているようだ。

 

「チェックメイト。次は誰かな?」

 

「私が相手をする」

 

 乱入するようにチェスの相手をした。定石通りにしつつ、最後に力押し一辺倒にした手段でクルーゼは攻めた。

 

「チェックだ」

 

「非常識な」

 

 どんなに有利にしようが土壇場でパワー任せに乱入されて崩される指揮官のごとき顔色をヘルメット越しに見た気がする。負かした相手に賭け金を頂きつつ愚痴を聞きながらを装って帰路に着いた。

 

「騎士の跳躍力はパワーだ。クイーンや王とは単騎であるが故の弱点があるのだ」

 

「パワーか、そもそも私はパワーには弱いのかもな。例の【白紫の機体】がそのパワーになるか否かだ。逆を言えば手に入れれば恐れるものは無くなるが本題なのかが私に接触した理由にしては違和感がないか?」

 

「そう言うな、私も大概だが。知己が【女王】の動かし方を間違えているかもしれんのでな、最強の駒には最強である故な弱点がある。無駄に敗北させると取り返しが付かん」

 

「では、貴方が最強の駒の弱点をカバーするべきではないのか?」

 

「そうかな、では先に規格外なパワーを・・・・私にくれないか【アルバート・ハインライン】」

 

 口も理解も早過ぎるが、やはりこの男も自分が警戒しなければならないのだとしていた男からの予想外の返しを覚悟したクルーゼだが?

 

「よかろう、私も【恐妻家】になりそうな男には思うところがある」

 

「待て、誰が恐妻家になりそうな男だ!」

 

「空の頭でも少し考えればわかるだろ、詳細は指定された日にな」

 

 別れながらクルーゼは何と言う傲慢な男だと憤るが、途中で自分がか?と思ってしまう。

 

(恐妻家・・・・私が【妻】だと、妙な縁談を進められるとしたら・・・・待て、縁談だと?)

 

 クルーゼは重大な事を忘れていた。長い間プラントで暮らしていたからには?と。

 

 事前に調べてないワケではない、それに手も回した。そこから考えた可能性からして次を考えた時に先日に聞いた声が響いた。

 

【静かに、幸せに生きてみませんか?】

 

(馬鹿な、私は・・・・この先、どれだけ長く生きれたとしても)

 

【それでも】

 

 次に聞こえたのは忌まわしい記憶からの声だ。

 

【どんな命でも、生きられるのなら生きたいでしょ?】

 

(貴様が・・・・貴様が言うな!あの時、貴様が【リン・アスカ】のよう・・・・な、女ならば!)

 

 路地裏とすべき壁を殴り付けながらクルーゼは必死に自分の【今】を決定付けた原因の一番に数えられる女を思い浮かべた。そこにはリンの名前を出してしまう戸惑いがまだ入る余地は無かった。

 

 

 

 

 その頃、地球では。

 

 

 

「カザブスタン迄、まだ遠いですね」

 

「ユーラシア連合の勢力圏には通達が来てるらしいに怖いわね、やっぱり」

 

 マリューが言うように司令部からの命令通りにするアークエンジェルクルーは何が起きるか以前に普通に進めるのも怖いが、やはりユニウス7の破片が落ちた影響を見るのも怖かった。砂漠が終わる頃になると、嫌な意味で想像通りの光景があった。

 

 エイプリルフールの後にゴーストタウンのようになった街並と違って吹き飛んでいるか暴動が起きたような光景が珍しく無い。

 

 しかし、クルーゼとリンの機体に関心が向いているのかアークエンジェルは注目度が僅かに劣っている気がした。冷静に考えれば地球側にはミラージュ・フレームが何故かこの艦に搭載されているのを知られきってない方が自然なハズだ。カガリと名乗った少女を始めとして何故知られているのかとを初めとして、ブリッジにいる者達の話題はフラガからのものになった。

 

「フラガ大尉・・・・」

 

 クルーゼに言い負かされた後に、クルーゼがフラガ家のお家騒動が原因でプラントに行ったと成り行きで明かしたが、それについては触れるか否かにしてもハルバートンの率いる艦隊に明かしてしまったので一波乱あるハズとして聞きにくかった事を聞いておくと決定した。

 

 フラガ家の成り立ちは多少知っていたが、肝心なのはムウの両親だったとして本人は語り始めた。

 

「俺の親父ってさ、それっぽい家系に有りがちな傲慢で身勝手な男で・・・・ある時から育児方針とかでお袋と衝突し始めた」

 

「衝突、ですか・・・・いや、しかし?」

 

「バジルール少尉は何となく察したようだ。そうさ、絶大な権力持った人間に逆らえるのは妻でも無理とかな方向さ。けど折り合い悪いままやってたようなのさ、クルーゼが言ったように俺は使用人やらの子供同様に分け隔てなく育てられてて、親父はそれが気に入らなかった」

 

 その日から、何故か夫婦間が冷えきったとして暫くしてまた父が自分に構い始めたのだとした時。

 

「二人が何をどうしたのかは知らない、今思えば最初から親父にガツンと文句言って力づくでも話し合いに持ち込んじまえば良かったのかもな、けど親父にそんなのやれる女なんか・・・・例えば、リンのお嬢ちゃんがそのまま大人になったようなんじゃなきゃ無理だったろうがな」

 

 特にマリューが納得した。泥を被るのも何も躊躇わないリンなら身近にいれば先ずは徹底的に向き合ってしまうだろう、仮に外で浮気や不祥事をしたら鉄拳、みっともない姿を見せたら絶対零度の目や仕打ちを躊躇無く見舞うだろうと。だが、マユへの態度でわかるが身内への情なら類を見ないリンは腹を割って話せば多少の考えの違いは受け入れてくれるとしている。

 

 しかし、それこそがクルーゼが抱いてしまった遅すぎた願望であったと知る術は無かった。

 

「俺は好き勝手やってたから当時は気にはしなかったんだが・・・・時々、俺に冷たい目を向けた大人か同年代がいた気がするよ、もしかしたら。そいつらの身内か本人がクルーゼだったのかもな」

 

 そして、謎の火災が起きて党首が死亡した。それがクルーゼの火傷痕の原因だったらしいと迄はユニウス7を破砕し始める前のやり取りで聞いたとした次が問題だった。

 

「俺は、血筋やら遺産やらな身内のゴタゴタが嫌で軍に入ったりする道を選んだ。細かい事は他任せにしてな」

 

「フラガ大尉、それは擁護出来ません」

 

「バジルール少尉!」

 

「良いんだよ、確かに上手くやれた保証無いけどにせよ、俺が逃げたりしなければ遺産問題とかのゴタゴタはかなりの度合いで起きなかったハズ。仮にクルーゼがそれで嫌な目に遭ってたとしたら俺に恨みつらみあるのは筋が通るさ」

 

 実際はそれ以前からのであるが今は知る術は無い、暫定的に纏めてクルーゼが今すぐに文句を言いに来ても不思議ではないとした時。

 

「艦長、前方から輸送機サイズの機体が接近して来ます。ユーラシア連邦の機体・・・・コンタクトを求めています!」

 

 マリューはそれに対して、カナードとキラをMSで待機させながら受け入れを許可した。アルテミスの一件で油断は出来ないのである。

 

「受け入れ感謝します」

 

 メットを取り、青髪の品の良さそうな女性が顔を見せた。年はキラと同じくらいのようだ。

 

「此方はアークエンジェル所属のムウ・ラ・フラガ大尉であります」

 

「私はユーラシア連邦・・・・の【イングリット・トラドール】と申します。お見知り置きを」

 

 渡された物を持ってブリッジに案内されるイングリッドは一瞬だが、複雑な感情を込めた目線を途中で横に向けた。

 

 彼女にはわかるのだ・・・・目線の先には。

 

【ラクスがいた】

 

 それが、彼女の【願望】をどう刺激したのは自分でも理解していない。




 次回、イングリットの~~。
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