機動戦士ガンダムSEED 赤い瞳の少女   作:くまたいよう

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 リンの状態は比較的わかりやすい?


狂想 ~ちょうわ~

 妙なやり取りでの接敵。思考が読めない状態とデブリで溺れそうな場で何とか敵の動きに集中しようとしたオルフェだが?

 

『下らん・・・・』

 

 違和感があったが、読め始めたとしたのでデブリの隙間をくぐり抜けてサーベルで斬り掛かろうとしたミラージュフレームを迎え打とうとしたオルフェだが?

 

 ズドッ

 

 来たのは蹴りであった。次に両腕に装着されている赤い実体剣らしき武器で来ると読めたのだが、先程の同様に読んだのとは違ってライフルのビームが来た。三発被弾して、ラミネートよりは上のビーム耐性がある装甲でなければ既に負けていたとしながら事態を悟る。

 

「バカな・・・・違う誰かがいるだと?」

 

『そうだよ、君は見当違いな中ではマシなようだな?』

 

【見当違い】

 

 リンのようで違う声が聞こえる。自分達が全てそうだと言い放たれていると感じた。それに憤る時には高出力ライフルが撃ち抜かれた。

 

「悪いが、証拠隠滅させてもらう」

 

 次はリンの私的な本音。やはり落差がひどいが絶対零度な怒り。何とか対応しなければ勝負にならないとしたが、デブリ帯の僅かな隙間から突っ込んで来た敵機に自機の左肩を抉られたと理解した。信じられない程の精密さでヒットアンド・アウェイを繰り返してくる相手にオルフェは戦慄した。

 

「上、いや横、ぐわっ!」

 

 下から急上昇しながら左腕を振り上げながらの実体剣に機体の右胸を浅く切り裂かれたとオルフェは理解した。慣れていた思考を読む戦法が通用しない状況では致命傷を避けるのが精一杯であった。まるで密林で獣や猛禽に襲われているような恐怖を押さえ込むが、負傷して出血したのか視界が赤くなってきた。今のオルフェには痛みすら感じる余裕が無かった。

 

 

 

 

 

 ーーーーーー。

 

 

 

 

 

 アークエンジェルでは、取り押さえられたイングリットがカナードの提案で連れてきたミーアと対面していた。

 

 クルー達には何故錯乱していたのかわからないイングリットにとって幸いなのはソキウスとエクステンデット等の情報が頭にあるので、彼女は何かの非道な処置を受けているのではないかとする仮説が出たのを見て取って初対面で一見は人当たりの良いミーアに宥めてもらう事にした。カナードに見張られながら輸送機の操縦席で意味の無い懇願を続けていた。

 

「助けて下さい!オルフェを・・・・オルフェを助けて!!」

 

「・・・・どうやって、です。わたくしには、貴女程に遠く離れた場の特定の人物を感じる事すら出来ませんわ、それに助けてとは?・・・・どうやら、リンさんと戦ってしまっているようなのはわかりましたが、勝負は勝負でしょう。勝つよう祈るくらいはしなさい!誇りがあると言った身でしょう!」

 

 仕掛けたのはオルフェの方だと言っているくらいはわかる言い分。カナードには示し合わせたから好きに言えるとしてラクスは追い討ちを掛ける。

 

「アウラは、前の方々の例を認めずに思考を読めたりの能力で勝てると考えたようですわね、それに関しては読んでどうするのです。読んだ程度で対応出来ない攻撃をされては意味がありません、頭で考えられたりわかる事が多い程度で自由にやれる程に【人間】は甘くありません」

 

 リンの受け売りだが、アカデミー等では無理な形に学んだ武道をある者に習って自分なりに考えた結論。

 

【流石にナチュラルでありながらコーディネイターを素手で倒す等は半信半疑であるが】

 

 少なくともラクスは感謝していた。例えば、そのような存在に太刀打ちする為に更なる遺伝子操作にまで手を伸ばしたならわかるが、この情勢では自分達は何をしているのかと考えの幅が広がったからだ。

 

 リンに出会う前に知っていた者全てに無理な形に強くなる存在を早くイングリットにも会わせてあげたいとも考えていたが、今は彼女の相手が先だ。

 

「結果だけを語るなら、自分で思っていたでしょう。貴女達にリンさんは倒せません、コーディネーター関係無しに強くなるのが人間の強さです・・・・その恐ろしさを心に刻みなさい、それが出来るなら、貴女は人間なのです。勝てないワケが無いのです。尤も人質を使ったり心身が疲労の極みにあるところを仕掛けるのを除いての話ですが?」

 

【人間ならリンに勝てる】

 

 要約するとそれ、自分は辛うじてそうなのだと言われているとイングリットは理解した。ならば今の自分達は何なのだと・・・・酷薄であり喜ばしいようである笑みを浮かべてラクスはイングリットを優しく抱いて挫折して涙する幼女のようにあやしてあげていた。

 

「向き合いなさい。貴女達も【結果の一つに過ぎない】と実感する為に」

 

 

 

 

 ――――――――。

 

 

 

 

 

 ミラージュフレームの猛攻に晒されながらも必死に勝機を掴もうと粘るオルフェは、能力ではなく機体の挙動で実体剣らしきものを使うとしたのを読めた。敢えて懐に飛び込もうとしまが姿を確認した時には両腕には無かった。気を取られた一瞬が災いし、側面から不利な形に接近された時にワイヤーか何かで繋がれていた実体剣が左腕に戻って来て連結して巨大なハサミのようになって両腕と胴体を捕らえられてしまった。

 

「なっ、これは?」

 

「ははははっ!読めはしても次がなってないようだなあっ!?」

 

 ギギギっ・・・・と、機体が悲鳴をあげるが、剣自体がレアメタルに近い何かで造られているようで装甲がもたない。このままではなぶり殺しにされる現実しか見えなかった。

 

「ばっ、バカな・・・・何故、私が」

 

「何故だと、不覚を取るのを想定してないのかね、何たる無様さだ!」

 

 リンの声で違う誰かが語り掛けてくるが、システムがダウンしてオルフェには余裕が無くなっている。

 

「最早、木偶人形か」

 

「な、何っ!人形?私が、人形だと!貴様ぁぁああっ!!」

 

「ほう、らしい感情を出しているが、お仲間に人形にすらなれないものが紛れている君に言えるのかな!?【母】の人形にすらなれないものがね」

 

「ばっ、バカな。私達はそんなものにはなっていない!そもそも、私達は人形ではない!あの御方の子供達だ!」

 

「そんなセリフはな、動く人形のように働いてから言うべきだよ!歯車となって連携するのも生きている者がやるべき事だっ!君は【応用】と言うものを知らぬのかっ!そんなザマで何を導く気だったのだね」

 

「ち、違う!私は・・・・【母】の」

 

「今の君のような無様を晒させるのが【母】だと言うのか、この状況は獅子は我が子をとやらでは断じて無いぞ。単なる過信だよ、君もそうだろうに!」

 

 確かにそうだとオルフェは思ってしまった。先の四人の敗北を確認はしたが、相手の強さすら認めてないアウラの衝動的な命令に反射的に従ってしまった。歪んで行くコックピットの中で認めざるを得ない状況に追い込まれる。

 

「母とは強いものだ!愛情だけではく、悪役になってでも、子供にどんなに苦しい状況になっても諦めずに立ち向う強さを身に付けさせたいと願う存在だ!尤も、それを曲解した結果で産まれたのが君達だ!後はあの世で考えるべきだな、消えろ失敗作めが!」

 

 悲鳴すら出せない程に心が折れ掛けたオルフェの機体にトドメを刺す瞬間、リンの中にいる者はレバーを動かせなくなった。そして、声を聞いた。

 

 

 

 

 ~~~~~~~。

 

 

 

 

【君が~~の~~家の母親なら~~】

 

「違う、母は子供を強くするだけじゃない」

 

「は、母上、いや違う?」

 

「産んだ子供、旦那や自分を育ててくれた人達と、一緒に学んで・・・・【自分も母親として強くなる】んだ」

 

 システムが止まる。ハサミの力を弛めてコックピットからパイロットスーツの下を血塗れにしたオルフェが放出されたので掴んだ。

 

「何故?」

 

「お前を・・・・捕まえた連中の前に連れてく。悪さしないようにさせろ、お前はリーダーなんだろうけど【兄】でもあるだろ、兄はな。弟や妹を守るんだ・・・・」

 

 

 

 

 ――ー――――――。

 

 

 

「ば、馬鹿な・・・・私の子供達が!」

 

 アウラは呆然としながらオルフェの敗北をひたすら受け入れまいとしていた。自分の子供達と言った事に偽りは無い、だが子供達に比べるとあって無きが如しの調整しかされていない小娘にこうまでとはとした時。

 

「極秘回線です。発信主は【管理者】?」

 

『やあ』

 

「貴様っ、貴様が何故、私の前に顔を見せたのじゃ【ギルバート・デュランダル】!」

 

 一方的に割り込んだ者はアウラにとっての因縁の相手だが、自分のオモチャを勝手に使う仕方ない幼女に向けるような仕方無さを漂わせる目であった。脳や目の血管が破裂しそうな形相をするアウラに構わずデュランダルは用件を述べた。

 

「率直に言おう、我等は【失敗】をした。それをやり直さんかね?」

 

 失敗、自分がか?としたアウラであるが、それに関する説明を聞き終えた時。

 

「ふ、フハハハハっ!にひゃはははは、ひゃあはははははは!!」

 

 狂ったように笑うアウラに危機を感じて逃げ出そうとするクルー達であるが、ブリッジを襲った衝撃に気を取られた。前方には【ストライク】を思わせる機体が取り付いていた。

 

『機密とやらは漏らせんのでね、誘導に従ってもらおう、このラウ・ル・クルーゼの名に置いてね』

 

 誘導した先で出迎えたのは訓練用のジンを偵察用に特化した機体、赤く塗ってあるのは招いたパイロットへのサービスである。

 

「ほう、中々上手い操縦ではないか【ルナマリア】」

 

「ええ~、そうですか?早く偵察用じゃないMSに乗りたいなあ」

 

「はははは、立派な発言だ」

 

 軽口を交わすクルーゼは左下から接近する部隊を確認した。アウラの興奮ぶりから彼女の息の掛かった部隊と理解した。

 

「では、テストといこう!」

 

 クルーゼは機体の翼に当たる部分を一斉に射出した。不安定極まるが、クルーゼになら出来るとされている。

 

 射出されたモノの先端のビーム、側面から拡散式なレーザーが撃たれ、接近するMSはまるで網に閉じ込められようになりながら半数が撃破される。

 

「ふむ、感覚は良し。だがリン・アスカでもなければ手応えが無い!」

 

 感想を述べながらの射撃で二十近い爆発の華が咲いた。アウラが大人しくなったのは諦めたのか否かで警戒を崩すまいとした。

 

「ふふ、尺に触る事を言われたので悔しいが、流石だ。ハインライン。動力炉が今のままでは経戦能力が乏しいが、組み上げたばかりにしてはな・・・・」

 

「クルーゼさあん、その【フリーダム】っての早く私用のも申請して下さい」

 

「私には君の方がフリーダムに思うよ、それにこれは本来のとは違うのだ」

 

 

 

 

 ――――――――――。

 

 

 

 

 アスラン・ザラは隊長であるにも関わらず自室での謹慎を言い渡されていた。アデスからのもので正式では無いのだが、この部屋で起きた事を回想していた。

 

 キッカケはミゲルと良く似た存在からの好意からの催しだった。

 

【ハイネ・ヴェステンフルス】

 

 性格はより陽気に映ったが、ミゲルから聞いていたのか自分が実はニコルがいてくれなければ上手く立ち回れないのだと看破して酒の席に招いてくれた。貴重な時間だったとして明日からのやり直しを図った翌朝。

 

『ザラ隊長、回線が切られ・・・・隊長、失礼します!』

 

 やや酒が残った自分の部屋にロックを強制解除で入って来た部下達、言うように何故か回線が通じなくなったとあってシステムの不備かとしたが?

 

『ん? うわああアアっ!』

 

『ぅう~ん?』

 

【アグネス・ギーベンライト】

 

 先日、着任した新兵が何故か下着姿で自分の横に寝ていた。

 

『ゆうべはおたのしみでしたね・・・・なのか、アスラン?』

 

 クルーゼが隊長だった頃の口調で冷ややかな目で自分を見下ろすアデスが問題行動に対する処置を迅速に開始した。折角のハイネの好意が逆効果になったとする以前に、何故アグネスがこうしていたかに考えが及ばないアスランだった。




 ミラージュフレーム実体剣。

 イメージは、エンゲージでのゼータの新装備とキュリオスやアリオスのハサミを足して割ったもの。

 クルーゼ用のフリーダム。

 フリーダムを標準装備にして翼の部分を形はストフリだが、プロヴィデンスに近いドラグーンにした感じ。

 最後の。

 クルーゼすら頼りにするアデスが大人の対応、続きでどうしてこうなった?な展開。
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