機動戦士ガンダムSEED 赤い瞳の少女   作:くまたいよう

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 常時スパロボや劇場版のシンみたいなモードのリンの前に?な回。


散華 ~かのうせい~

「色恋沙汰に関しては、ケジメと言うものが付いていれば別に構わん・・・・付いていればな」

 

 クルーゼ隊のみならずザフトにおいても良識人として知られるアデスの言葉はアスランにとっては痛かった。アグネスに関しては、酔った際にな事だが回線が切れていた等は重大であった。

 

「アスラン、お前はまだ若い。自分の信じた道を進むがいい」

 

 何の事なのか理解が出来ない表情に呆れながら退室したがアデスの言う事は?

 

 

【婚約者等は他が決めた事だ。違う道を進みたいならそうしろ】

 

 

 要はラクスを二の次にしてまで自分のやりたい事をしたいのならば好きにやれと言っているのだ。それを理解出来ないならそれでも構わないとする言い分、現にアスランはラクスへの気遣いが無さすぎるとしていた。実を言うと、真相はこうだ。

 

【アスラン、わたくしは、自分の影武者でありますが・・・・それ以上に『お友達』を亡くしてしまいました】

 

【今はそっとしておいて下さい。貴方も、今は時間を欲しがっているだけの女より、自分のお友達を・・・・大事に思ってあげるべきです】

 

 実はラクスではなくミーアであり、ミーアのその場逃れの言い分。これ等に甘えて地球にいるキラに気を取られているとは知る術もない。

 

 当のミーアはコンサートを重ねているが、リンが言ってくれた事を大事にしながら歌っている。ミーア自身が自分よりリンの方が注目されたと漏らした時。

 

 

【物珍しさでしょう、注目されてどうとか関係は無いです。それより、其方も途中から楽しそうでしたから、それで良いのでは?】

 

 

 それを大事にしている。他の者からの言葉を支えにしている者同士であるが大きすぎる差が出ている。

 

 アデスからしたら友達を失くしたショックから立ち直ってリンを始めとした者達と楽しく歌って徐々に人の和を広めているラクスとなっているのでアスラン絡みで変な事にならねば良いがとして切り上げた。

 

 

 

 だが、その事について皮肉な事態が迫っていた。

 

 

 

「何でよ・・・・」

 

 アグネス・ギーベンライトは、厳重注意を受けてやさぐれていた。暗い情念と言うより一定の顔の特徴が当て嵌めるとすべきだ。

 

「私は、アカデミーで・・・・成績良くて、だから此処に来たのよ、私じゃなくて・・・・あんたらこそ、この艦を降りなさいよ・・・・」

 

 当初、狂ったように喚いたがアデスに図々しい子供の発想とされ一蹴された事を漏らしながら艦内を移動していて肩に何かが当たる。

 

「ああ、失礼」

 

 冷たいが美形だと見惚れるアグネスだが、相手が潜入している者だとは勿論、毒虫を見ているようだとは気付かない、少年は知っていたのだ。この女性が寄りによってラクスが婚約者であるアスランへの卑猥な手段に及んだ事を。

 

「私は【シュラ・サーペンタイン】・・・・君は容姿からしてアグネス・ギーベンライトか、事態は察しているから、来るかい?」

 

 歪な自尊心を傷付けられたアグネスの道は定まってしまった。シュラも同胞達の窮状をまだ知らないし考えようが無い事を気にせず自分が罵るところの毒虫を招き入れてしまった。

 

 

 

 

 

 ――――――――――――。

 

 

 

 

 

「ここが、リティリアですか」

 

「そうだ。このコロニーに乗って地球外に脱出をするのが我等の青写真よ」

 

 ミナ様の言い分は自分も含めてな話だな、それはそうとして。

 

「怪我をしたリーダー以外を引っ立てて来ましたが?」

 

「ご苦労、其奴らが【アコード】か・・・・まるで蛇に睨まれたカエルのようだな」

 

「いや、虎やライオンに喰われる前の小動物共だな」

 

 劾さんの言うように、何か突っ張ってそうなのが似合う連中な割にはまとめて竦んでる。特に女の方は。

 

「こ、来ないで!来ないでよぉぉっ!」

 

「リ、リデルぅっ!」

 

「ほう、相当にリンが怖いようだ。恐怖心が他に伝染していて使い物にならんとはこの事、ふはははははっ!」

 

 解せぬ。俺からしたら、この人の方が怖いハズなんだがとしたら・・・・何かミナ様に対してもびびり出してやがる。

 

「どうやら、リンが恐れる余にも恐怖心を抱いたようだな・・・・結構、貴様等にはこれから大いに役立ってもらおう」

 

 御愁傷様だ。コロニーには劾さんの案内で行くからミラージュフレームで出たが、劾さんのは。

 

「それが【ブルーフレーム】ですか、改修が大変だったそうですね」

 

 ミラージュフレームとは違うが、質実剛健そうな機体だ。姿見せて良いのかな流れを問われるが、これが【計画】の内として、コロニー内で責任者に会った。

 

【シニスト・ガーフィールド】

 

 褐色肌で筋骨隆々な身体も髭の映える顔付きも質実剛健だがロマンティストな男は事情を聞いていたのか確認を取る。

 

「君が我等の新しい【兄弟】・・・・いや【妹】に紹介された娘か」

 

 妹か、下の方になるんだからそうなんだろうな。

 

「資料は送って貰った。確かに君がいてくれれば追撃部隊は恐れるに足らんが、地球圏にはいつ戻れるかわからんが・・・・」

 

 それが狙いだから良いとした。マユにまた会えたら骨の何本か折られるだろうけど、今のまま会ってはいけない理由だらけなんだ。そして準備を進めて何日経ったか数えられなくなった時。

 

 

『緊急報告、ザフトの部隊が迫って来ます!』

 

 

「来たか、リン。済まないが君にも出て欲しいのだが・・・・」

 

 まあ、戦力不足だし俺にも後ろめたい事があるから二つ返事で準備した。何やらジャンク屋の連中も出てるらしいが、俺は後詰めだった。伏兵に備える為だが?

 

『リン、新手だ!ザフトの【ナスカ級】が来ているぞ!』

 

 ナスカ級とは贅沢だが、青写真通りにする為には例え相手が【クルーゼさん】だろうと・・・・何であの酔っ払いが出てくんだとしながら発進したら、何だかおかしい。この辺りはNJの影響が無いから確認出来たが、前から来るのは。

 

【クルーゼさんが使ってたのを標準装備にしたようなシグーとイージスを何やら改修したような機体だった】

 

『アグネス、前に出過ぎだ。目的は戦闘じゃないぞ!』

 

『何を言ってるんです!通告に従わないのが明らかじゃないですか!』

 

 何だアレ、此方のレーダーや通信関連が強化されているから聞き取れたが・・・・一応、エース機や隊長用に使う機体だよな。全然連携が取れてる空気じゃないが、とにかく通達。

 

「ザフトらしき機体、聞こえるか。此方はリティリア所属の機体だ。戦闘の意は無し、戦闘の意は・・・・?」

 

 何か、固まってないかとしたら凄い殺気染みた気が出て全速力で飛んできたから回避して、思い切り距離を取ったらMA形態で追い掛けて来た。途中で旋回してはそれの繰り返しだとしたら通信繋がった。

 

『貴様、貴様が何故ここにいる!キラは、キラは一緒なのか!?』

 

 そう言えば、何かキラさんと顔見知りだったよな。丁度良いから、引き離させて貰おうとしたら怖いくらい追っ掛けて来てくれる。

 

『待て、貴様!キラに何をした!キラは何故地球軍のMSに乗っているんだ!?』

 

「お前らがコロニー内を滅茶苦茶にしながらその機体を奪取した騒ぎに巻き込まれたからだろ!・・・・ぬぐっ、てしてるけど。ブリッツのパイロットについては聞かないのかよっ!?」

 

 また黙った。もしかして、理知的なようで俺みたいな短気なのみたいに複数考えない種類なのか、そういうのって自覚してるようでしないから上司ガチャの失敗例なんだと父さんに聞いたぞ!ノールックで機体を屈ませたらビームが通過した。戦闘が目的じゃないとか言ってるのになあとしたら、何か動きがクリアになってないかとして逃げるのは止めた。迎え撃たないと不味い予感がする。サーベルを振り下ろそうとしてるが、右足にマウントされたサーベルキックで来たから、相手の左方向に飛んでいきなり用意したのを投げた。イージスはシールドで弾こうとしたが。

 

【引っ掛かった】

 

『ぬなっ!』

 

 突き刺さったのは、ストライクのアーマー・シュナイダーのようで違う。対装甲貫入弾としても使えるコンバットナイフだ。アンチビームシールドが命綱になりかねないからミナ様が試作してたんだ。

 

『ぐっ、待てよ貴様!』

 

 距離を取りながらライフルを撃ち合う、手足のサーベルや変形時の機能があるからこれが一番!

 

『君は、地球軍で【身売り】をさせられながら過ごしたコーディネーターなのか!そんなにまでして何故戦う!』

 

 何だそれ!ブルーコスモスに加わったコーディネーターとやらの下衆な噂とか鵜呑みにしてやがるのか!けど、シーゲルさんやデュランダルさんの話ならそれもあるか!

 

【プラントに住む者はね、地球に残ったコーディネーターを同胞とは認めていないのだ】

 

 シーゲルさんは、自分がやった事を考えての発言だからこそだが、コイツはとしたら。

 

「ははは、確かに【出生率】の低いコーディネーターはそうしてでも種の保存をしたがるだろうからなあ」

 

 頭に浮かんだ事を棒読みだが、胸糞悪い。彼方は何を言ってんだとしたから畳み掛けた。

 

「君も我等と来たらどうかね、戦争やってるより遠くでキャベツ畑やコウノトリを信じる少女達に癒される国作りを堪能しよう、人口ではあるが地に足を着けられる生活を足掛かりにしたまえ」

 

 何やら動揺してふざけるなとか叫びながら再度突っ込んで来る気配があったが、その瞬間。イージスのパイロットの不意を突かれた声が聞こえた。スローモションのように此方に近付いて来て爆散したから、その余波で機体を飛ばされた・・・・俺は思わず【切り札】を使った。

 

【特殊ミラージュコロイド】

 

 爆発したと見せ掛けられる措置をしながら機体の姿を消してリティリアに退散した。何だか知らないが怖い・・・・関わりたくないものが渦巻いていた。

 

(うむ、これがキャベツ畑やコウノトリを信じる少女の正反対か)

 

 解説せんで良い、とにかく帰る。俺だってマユに会う為と、会えた後に半殺しにされる時の心配が重要だから他の事言える筋じゃない。

 

 

 

 

 

 ―ー――――――――。

 

 

 

 

「あ、ははは・・・・やった!やったわよシュラ!これで私を必要としてくれるよね、そうよ私を蔑ろにする奴等を消さなきゃ世界は救われないのよ!」

 

 イージスを背後から撃ち抜いたのは、改良されてシグーでも数発使えるビームライフルを放ったアグネスだった。シュラに依頼された事をやるチャンスがこんなにも早く舞い込むとは思わずに狂喜の笑いを宇宙に響かせ続けた。数時間後にリティリアが発進する意味と可能性すら考えない思考が世界を歪みに歪ませている事に気づかないまま。




 リン、怖いものを遠回しに見ましたな回。
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