機動戦士ガンダムSEED 赤い瞳の少女   作:くまたいよう

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 今回のオリ要素は?


驚愕 ~しれん~

【ジャンク屋ギルド】

 

 クルーゼも成り立ちだけでなく【真相と裏】を知っているが目の前の男には悪意が無い。無関係として話を進めるべきかとした。

 

「見せて欲しい・・・・か、これは私の私物ではないのだがな」

 

「おう、けどよ。地球を救ってくれた男用のMSなんだろ、興味あるんだ」

 

 ハインラインがうるさいから煙に巻きたいのだが、ベラベラと良くしゃべるので止められない。

 

「俺の機体もそれなりなんだがよ、8の奴が煩くて」

 

【8(ハチ)】

 

 誰だそれはと聞きたいが、ペースに流され兼ねない予感がして止めた。それより8と言い出してペースが緩まったので敢えてロウに有利な流れを開始した。

 

「君も機体を持っているようだが、お互い参考になるなら情報の交換をしないかね。ヘリオポリス以来、どうも落ち着かな・・・・何だ。ヘリオポリスと聞いて目を剃らそうとしたな?」

 

 見抜かれた以上に調子に乗り過ぎたし考えが足りなかったとロウは自省して正直に話した。

 

【レッドフレームを手に入れた時の事を】

 

「お互い、話を聞かなかった事にしよう。私は必然だが、君は私のような後ろめたさは持つ必要は無い」

 

「い、いや・・・・そりゃ、痛み入るよ。けどヘリオポリスを崩壊させちまったのは、その?」

 

「足つきがコロニー内で主砲迄使ってしまったからもあるだろうが、万が一に機体を実用化してしまっている可能性を含め損傷無しで奪取する手段を考えず攻撃してしまったのは私の判断だ。それを忘れてしまってはいかんのだ!口に出せない者に・・・・そう、口に出せない者に顔向け出来ないのでね」

 

「そいつは、あの【白紫のパイロット】・・・・ぐえっ、掴む事は無い・・・・何だあんた。マジなのか?」

 

「マジとは?」

 

「あんたが、あの【白紫のパイロットの少女】に御執心って・・・・お、おい!殺意を出、ぐっぐるじいいっ!」

 

「やめんか、それより。そのパイロットが少女と何故か広まっている事が肝心であろう」

 

「ひ、人の頭をボールみたいに掴むなロンド・ギナ!」

 

「お、おう。そのまま握り潰しかねないくらいに力入ってんじゃねえかタンマだタンマ!」

 

 いつの間にか来たギナも何やら感情的と思う余裕が無い、この三名にはヘリオポリスは因縁が深過ぎるのだ。

 

 

 

 ―――――――。

 

 

 

「デュランダルさんに面白いものが見れるからって聞いて来てみたら、確かにアンタの言うクルーゼさんじゃないわよ、何て言うか・・・・【人間味】がある」

 

「違う、ラウは・・・・」

 

「えぇ~、違うにしても悪いとは言えないじゃないの。そう言えば白紫のパイロットが少女ってのは聞いてたけど。クルーゼさんって、もしかして顔知ってるのかしら、共闘した時に見ちゃったとかで。リンに聞かせたらどうなるかしらねえ?」

 

「リンに聞かせたら益々アイツはラウをバカにする!そう出来ないように俺がアイツの思い上がりを正してくれる!」

 

「あらあら、アンタもシミュレーションでボロ負けしてリベンジ誓ったにしても【熱】があるじゃないの・・・・それに、リンってクルーゼさんをバカにしているワケじゃないと思うけど」

 

 尚もヒートアップしているレイはルナマリアからしたクルーゼ共々に決して悪い方向では無かった。

 

(可愛くなったかも。良い意味でコメディみたいになってるわね。ザフトの人達喜んでくれるかな?)

 

 実はルナマリアもアデスやゼルマンには会っていたが、クルーゼは人望が無いワケでは無いのだ。それをわかって欲しいのかどうかとした場合、人間味があるとするのは悪い事ではないとしながらシミュレーションを始めた。アカデミーに入った場合を想定した際の細かい事無しにMSの訓練をやれるのは贅沢極まるとして簡単な模擬戦を開始した。

 

「先ずは宇宙での遭遇戦ね、シミュレーションで訓練用のジンだけど。かなりのカスタム型よ!」

 

「わかっている。星屑の海に落ちるなよ!」

 

「意地悪ね・・・・来た!」

 

 

 Shooting Down!

 

 

「いきなり・・・・味方の背中を撃つのは何のつもりだ。発進中の艦載機を主砲で撃つ戦艦の砲撃手のようだったぞ!」

 

「い、いや・・・・その場合。当たり前に回避して文句言うような奴・・・・リンの男版みたいな」

 

「そんな化け者がいるか!実例があるのか!?そんなのいたら味方の方が怖いぞ!」

 

 

 

 

 ――――――。

 

 

 

 

「レイは元気になったようね・・・・ギル、何か明後日の方向見てるけど?」

 

「わ、わからんが。何故か的外れな事ばかり言ってしまいそうだ・・・・タリア、二人はこのまま訓練させよう。汗を流すのは悪い事ではない」

 

 その日、連帯が取れるまでにレイはルナマリアのフレンドリーファイアーを合計三回受けてしまった。格闘戦においては強いが型に嵌まりすぎるルナマリアの曲者振りは見物に来たギナですら表情が崩れた。彼女はリンとは違う意味で扱いに困る気がした。

 

 

 

 

 一方で本人にとって不本意に他者の印象に残ってしまっているリンも意図せぬ流れの中にあった。

 

 

 

 リティリアにて、リンはミナから申し付けられた訓練を始めようとしたが嫌な予感全開であった。空手道場程な広さの密室に入ったリンにミナからの支持が出る。

 

『良いか、隅にある小さな箱を手で開けるのではなく蹴飛ばせ。中にあるものが訓練の全てだ』

 

「箱を蹴飛ばせって・・・・てっきり猛獣と戦わされると思ってたけど」

 

 ミナと共にモニター越しにリンを見詰める劾とシニストも何事かとしていた。言われたように箱を蹴飛ばすリンは飛び出したものの異様な速さに驚愕した。

 

『心して掛かれ、考えようによっては猛獣の方がまだマシよ!』

 

「こ、こいつら・・・・【蜂】じゃないか!」

 

「そうだ。昔読んだ資料を参考にしたトレーニングよ、その蜂共は。ナチュラル側のイカれた連中の研究所から手に入れたのだ。遺伝子レベルで強化された身体能力と猛毒持ちよ。元の種類は旧世紀に地球のブラジルで数人を死に至らしめていたもので余のようなコーディネーターですら抹殺出来るよう改造したらしいな。数回刺されれば命の保証は無い」

 

「「「な、何だと~~~!?」」」

 

『蝶のように舞い、蜂のように刺す!戦いにおける究極点の一つだ。貴様は最強になれる素質があるが最強である故な欠陥が多い、先ずはこの戦いで【恐怖】と言う概念を学べ!』

 

 奇しくもクルーゼが感じた事と酷似した発想から出した結論、以前とは違うリンがミラージュ・フレームに乗りながら過酷な訓練をして迂闊にリミッターを破壊しては今度は味覚の代償程度ではないかもしれないからの生身訓練だが完全に意表を突いてしまった。リンは必死に渡されていた模擬銃と剣と拳で払う。

 

「ふ、ふざけるな。こんなの有りか!他にやりようは無いのか!」

 

「泣き言は聞かん。貴様、この程度で狼狽えて良い立場ではなかろうに、身内に死体で対面する気か?」

 

「っ、足元を見て・・・・こうなりゃ皆殺しにしてくれる!」

 

 観戦する劾もミナと体術で手合わせをして顔面を握り潰され兼ねない目に遇わされたが、やはり彼女を敵に回すまいとした。外見に似合わないようで似合うハラハラ具合を見せるシニストを笑えまいとしつつ、戦士はいかなる戦いにおいても勝たねばならないとして蜂に一回刺されて悶絶するリンの無事と勝利を祈った。

 

(若者達が有事に備えているのは良いが、問題は他だな。大人しくしてるワケは無い)

 

 

 

 

 シニストの予感はアメノミハシラやリティリアより危険な地球上のスカンジナビアにて実現していた。

 

 

 

 

「寒っ、けどアラスカに行くよりはマシか」

 

 ムウはナタルにノイマンと一緒に街中へ出向いたが、目的な店の外で警戒の為に周りの様子を見ていた。スカンジナビアは娯楽は無いにしても嫌な空気があるようで無い。ハルバートンからの連絡待ちにしても考えられる展開はとした時。

 

「ふぇっ・・・・」

 

 向かいの歩道でやや特徴的をまとめ方をした金髪の少女が凍結気味な場で転倒していた。薄目の格好に白い羽織をしていてスタイルだけならフレイ並な良さだが顔付きからしてマユの方がまだマシな頼りなさだった。右手を取って立たせたがどうも感覚からしてズレていた。

 

「おい大丈夫か、どこか痛むか?」

 

「うぇ~い?」

 

「痛くないかって聞いてるんだが、何かなあ・・・・知ってる嬢ちゃん向けな相手だ」

 

「嬢ちゃん・・・・?」

 

「おっ、悪い悪い。おっかねえけど面倒見が良いのがいてな、君みたいなのに相性良・・・・ああ悪いな【親父】みたいな考えしちまった・・・・っ!」

 

【親父】

 

 その一言が運命を決した。ムウが焼けるような痛みを感じたと思った時は【右胸部をナイフで刺されていた】・・・・いつの間にか倒れ、薄れゆく意識の中で見上げた少女はナイフに付着した血を振り払い、何処かに去って行った。

 

「親父・・・・駄目、ステラを【 】・・・・駄目、ステラが守る・・・・【親父】から・・・・」

 

 ナタルとノイマンが用件を済ませて外に出た時には悲鳴を上げるか医者を呼ぶよう叫ぶ民衆達の真ん中で血濡れになって倒れているムウに掛け寄った。いつの間にか降り始めた雪が人々の喧騒を沈める事は無い。




 この小説のステラ、ある経緯により【親父】がブロックワード程じゃないスイッチ?になってましたな展開。
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