『地球上にいるコーディネーターには、ブルーコスモスに加わる者までいる』
クルーゼが述べた事はアスラン・ザラにとって、無断出撃に踏み切る程に決定的な動機になってしまった。経緯はまだ知らないが、幼馴染みであるキラがそうなってしまっとしてたら思い直させたい。
次の可能性で事情があるのだとしたら問い質したい。
もしも騙されたりしているのであれば。
『自分がキラを救う』
そして、ミゲルに合流して付いて行った際。
『無理矢理付いてきた根性を見せてもらうぜ』
そう言われながら、イージスのデータでストライクと判明した名の機体に当たるように言われたのだ。
尤も、これは現時点でミゲルが以前に自分の機体を損傷させたジンを思い出し、名も知らないMSの方を優先させたからでもある。一連の流れは立場より私情に偏ってしまったアスランの背中を更に押してしまったのだ。
そして、ストライクに組み付いて必死に呼び掛けていた・・・・同僚からの通信すら、無我夢中なせいで、聞こえない程となって。
「キラ!キラなんだろ?」
「アスラン・・・・アスラン・ザラ!」
「やはり・・・・キラ・・・・っ」
キラにしても、悪い予感が現実となってしまい、他に何も考えられなくなっていた。戦場において、二人だけが別世界に入ってしまった。
-―-―-―。
俺は、キラさんと取っ組み合いしてる赤い機体を見たけど、動きがおかしい、キラさんの機体に組み付いて何をしてるんだ?
交戦中の機体も動きが鈍ったから、何か変と気付いたようだとした時。
『リンさん!ジンが艦に近付いてるわ!援護を・・・・』
聞いた時に、俺は優先事項を取る。重装備なジンとの距離を確認・・・・っ!すぐ近くと感じた俺は。
『手持ちのものを投げて、アークエンジェルに最大速度で戻る』
『バカめっ、後ろを見、せっ』
相手の声が聞こえた気がした。けど、今はアークエンジェルの近くにいる二機を!ミサイル構えた機体、誘爆させたら駄目だからすれ違い様にコックピットを切り裂いて、次は背中を取って、そのまま貫通させない程度に貫く。振り替えると、オレンジ色が確認された。さっき投げたのはストライクのビームブーランの予備だったが、回避したようだ・・・・キラさんの方も、組み付きをやめて距離を取ってる。
数だけは対等になったとした時だった。
「~~っ」
咄嗟にだが、ストライクの近くに何かがいるように感じて、左腕のガトリングをありったけに撃った。何かに着弾して、槍みたいのが付いたシールド部分を微かにを凹ませた黒い機体が姿を現した。何かのステルス機能か?
『アスラン、無事ですか?』
『ニ、ニコル?』
『離れて!』
それ程に距離が無いのと、よっぽと慌ててるようで、声が聞こえる。どうやらザフトのようだから、ビームを乱射したが散開した。
そして、別の反応があった。違う場所から新手が二体来た。しかも、あの黒いのと違ってやたら好戦的な気配だ。
-―-―-―。
「確認しました!新手は『バスター』『ブリッツ』『デュエル』!」
「イージスだけじゃなくて、いきなり奪った機体の全機を投入したと言うのっ!?」
「艦長!迎撃を!」
「そ、そうね!」
通信関連を任されたチャンドラの悲鳴に近い声に誰もが冷静さを保てない、咄嗟のやり取りを交わしてしまう、これがヘリオポリスの運命を決定づけた。
ブリッツとイージスのいる方には対空榴散弾頭。デュエルとバスターには出力を抑えているが主砲であるビーム砲ゴッドフリードを撃ってしまったが、コロニー内で付近にXナンバー4機の状況になっては撃沈は免れない現実故だった。
-―-―-―。
「シャフトに・・・・当たった」
アークエンジェルからの散弾する弾頭ミサイルを回避する敵機を見ながら、普通の家で言えば大黒柱であるシャフトに新手が来た方向へ撃ったビームが当たったのを見た。
今までの戦闘で穴が空いたり、例のシグーが潜入した時にもかなりの損傷があるから・・・・。
『崩壊する』
「不味い、キラさん!アークエンジェルに戻りましょう!」
『で、でも・・・・』
赤いのと黒いのが近くにいるからとは思えない感じだけど、としたが遅かった。
崩壊が始まり、所々が崩れ始めてコロニー内の空気の流れが無茶苦茶になっているけど、何だか新手が次々と此方に攻撃して来た。MSでもこんな中では危険だと考えないのか、としたらオレンジ色のジンもだ。キラさんが遮二無二投げたストライクのブーメランを回避されたが、余波で体勢が崩れた?
「突っ込め!」
思わず叫んだ通りに飛び出したキラさんが、対艦刀でオレンジ色を両断しながらアークエンジェルの方に戻った。
俺もひたすら他にライフルを撃ちながら後退して、やや青っぽいのの右肩に一発当たって吹き飛ばせた。焦ったのかどうなのかで猪突な動きになってたからだな、その隙に帰艦をしようとするが、何か通信が繋がった。通信パネルの画像が乱れてるけど。
『・・・・キラ!キ、ラ・・・・じゃないのか、その機体のパイロット、君もコーディネーターなのか?』
『君も』
口振りからして、ストライクに繋げようとしたら此方に中途半端に繋がったようだが、何が言いたいのか以前にキラさんを知ってるのか?
『君はブルーコスモスに加わっているコーディネーターなのかっ!?何故だっ!?』
何となくわかった。キラさんとの事は知らないけど、MSを動かせるからにはとしてな結論かとして此方も知ってる事を言った。
「『エイプリル・フール』を思い出してみろ!『地球に住んでるコーディネーターは、現プラント政権を許すと思うか』?」
息を飲んだのがわかった。その隙に推力を全開にして、アークエンジェルに接近し、出来るだけ離れないようにした。全く、軽量な装甲はこういう時にキツい、瓦礫からの盾にするしかない。ストライクも何とか接近はしてるけど、その辺りに決定的なものが崩れて。
『ヘリオポリスは崩壊した』
更に凄まじい空気の流出、次々と外壁から内部がバラバラになって崩壊するコロニーから何とか脱出したが、発見したストライクの動きが鈍いから接触した。
「こ、コロニーが・・・・」
呆然としてる。
『此方も頭にノイズみたいのが響いてる』
逃げ込んだ住民の救命ポッドとかが全て射出されてるハズだけど、せめて不備とかが無いように祈ろう。
取り敢えずだけど体勢を建て直した連中に来られたら不味い。早く帰還をとしたら、何か推進機関が壊れたポッドがあったからキラさんが回収した。アークエンジェル見つけたから着艦しようとした時。
『早く着艦して、説明は後よ!』
マリューさんの怒鳴り声に近い声が響いたから、言われた通りにした直後だった。
アークエンジェルが推力全開で突撃し、途中で出くわした戦艦にはそのまま陽電子砲を撃って、すれ違いざまにも撃ちまくって撃沈は出来なかったらしいけど、かなりの損害を与えたらしい。
そして、説明が始まった。
『コロニーから脱出は出来てもクルーゼなら網を張るだろうな』
フラガ大尉の発言に対し、他に助力を頼もうにもユーラシア連邦の宇宙要塞アルテミスとかは有力視されるから待ち伏せされる。
入り込めても上手く協力してもらえはしない可能性がある。
「だから、事が済んだらアルテミスとは違う方向に真っ先に逃げ出す算段でしたか」
『えぇ、敵には高速艦のナスカ級がいるけど?コロニー・・・・崩壊・・・・の』
無理してるな、やっぱり根が善人じゃヘリオポリス崩壊の混乱に便乗したような形は割り切れないよな。けど、あのまま戦いを続けてたら他の救命ポッドが危険だから結果は正しいだろう。マリューさんは一呼吸置いて、説明を再会した。
「その・・・・最初、脱出した場所次第や状況が良ければ、な話だったのよ・・・状況に加えて、いきなりこうなれば、直ぐには追われない可能性もある。宇宙の迷子になってしまうけど、撃沈されるよりはマシとしての判断なのよ・・・幸い物資はギリギリあるし・・・・ど、どうしたの?』
『物資はギリギリ』
俺とキラさんは、その言葉に青ざめた。じゃあ、俺達がやった事でマリューさん達の算段が崩れる。
次回?
宇宙の怖さ、戦場で最も恐るべき事態の一つ。