「私達、とんでもないのと一緒にいたのね。ブルーコスモスの言うような【化物】そのものを知っていたとはね」
湯上がりの髪を整えるフレイが言った事は否定出来なかった。
【尤もラクスは、イングリットがアコードとは言ってない】
【アコード以外に何かが産み出されていては、アコード関連を元凶とするのが逆効果となる】
この二点により、例えば知れ渡っても構わない形に説明をしたのだとは知らない。
当面、ミリアリアはアコードについてコーディネーターを越えた存在だけではなく、戦火に乗じて勢力を伸ばす用意をしていて一例でエイプリルフール以外にどう関わったのか考えたら空恐ろしいとした。そのような思考で自分本位に動いている者達こそが化物とする場合、アコードを生み出した科学者達やそれに追従するアコード達の方が余程にブルーコスモスが定義した化物とするべき考えは正しいとしていた。能力ではなく思考面での問題だ。
しかし、例えばキラやリンがアコードとしてもラクス同様に同情の余地はあるとはした。自分が望んだりしてそうなったワケではない。
ならば問題は親。
落ち込むキラにフレイが言ったように、何故コーディネーターにしたか親に聞いてみる場合にアコードを産み出した科学者と同列の思考持ちとする場合は意味が無い、親についてならラクスが言うには彼女の母は度々ラクスに語っていたらしい。
「『世界は貴女のもの、貴女は世界のもの』って言うような人だった。もう故人らしいにしても・・・・思い上がった金持ちに有りがちな思考じゃないの」
「けど、そうなるように整えられた世界だから一理あるんじゃない?ってとこだけど、それじゃプラントで旦那が親友の息子を婚約者にしながら娘が暮らせるようにした意味が薄れるわ。自分の母親がリンみたいなのだったら良かったって言っちゃうのも無理無いかもね」
確かに毒親に辟易していた者に有り得るパターンだが、聞いた限りの【アウラ】を否定するだけマシだとフレイはまとめた。ミリアリアは我が儘と思っていた学友が何故こうなってるか納得する答えが無く安心していないが核心に近付く話題が振られた。
「ねえ、何となくだけど結論が見えて来た気がしない・・・・私がコーディネーターもピンからキリって言った事についてだけど。ラ、いえ此処ではミーアって呼んであげよっか。もしかするとさ、最初のコーディネーターの遺伝子操作技術公表って【仕組まれたもの】だったんじゃないの?」
ミリアリアは驚愕した。これから始まる話題は聞き逃してはいけない気がしてフレイを見据えていた。
「飽くまで仮説よ、違うのだとしたら仮説組み直すけど、可能性はある!アコードなんて造れると踏んでた連中が黒幕な場合は今の世界は都合良すぎるわ!駒になるのを大量に用意できていたんだしね」
「け、けど。それ言ったらプラントにいる方のミーアさんみたいにアコードの姫となるハズなのと同種の【声】出せるようになれるのが意図せず出る時点でアコード自体も完成度が高くないんじゃない?」
「ああ、それはエクステンデットとかも同じよね。結局、自分の考えた究極のなんとやらが実は中途半端な代物でした・・・・遺伝子を改造してる以外、歴史上で繰り返された事ね。良く言えば多少臆病なとこあるくらいで丁度良いとか手の掛かるのが放っとけないとか映るって例かもなキラの方がまだマシよ!」
ミリアリアは少し感心した。フレイのキラ評がトールが以前語った事に近い、見下せる要素がある者には甘いとすべき気性にしてもと認識が改まった。
「それにしても、例えばストライクとか・・・・ヘリオポリスで強奪されたXナンバーって、聞いた限り確かデュエルってのを元にストライクを含めた四機が製造された。そんなならまだわかるけど、延々と遺伝子操作技術を産み出しては次、更にその次ってやる必要あるのかしら、何をどうする気なのよ」
「そ、それは当の人間達に聞かないと、この場合はやるべき事は、騒ぎの始まりなジョージ・グレンと、当のジョージを産み出した者に聞いてみたいとかだけど、誰がそうか・・・・ある程度調べてる人なん、て・・・・そうだ。リンなら!」
「当面やるべき答えが出たわね・・・・何となく避けてた話題、気になったのは私達が最初じゃないだろうし、今は誰か調べたりしてる人に相談するくらいしかない・・・・とするとやってて信用は出来て話が通じそうなのは確かにリンね!」
ヘリオポリスの一部で話題になっていた。調べていたリンは【ジョージ・グレン友の会】のメンバーか入会希望者なのではないかと。実際に存在する団体であるので信憑性はあった。
「け、けどリンは今はプラントにいるハズ。だからリンに近い人は・・・・マユちゃんだけど、迂闊に踏み入るの駄目だよね。軍医さんに聞いたけど、実はリンに比較されて荒れてた時期あったのかもとか・・・・それに、ステラちゃんを返り討ちにしちゃう子だし」
「うん、私達どころかキラより強いかもで怒らせたくないわね。聞くなら聞くでやり方考えないと・・・・」
暫定的にやるべき事は見えたとする学生達だが、当のリンは新たな段階に近付いていた。
それと同時に、足元を疎かにしていた半身の喪失に嘆くミナも目的に近付いていた。
そして、動いていた方が楽だとしたミナは自分が身内より優先させたリンと並んで戦場にいた。
『此処からが次の段階よ。リン、お前に問うがジョージ・グレンはバカか利口か?』
「少なくとも、ユーモアのセンスは無いです」
『ほう、こんなものが大量に来てもか!?』
ミナ様は、以前に俺を助けてくれた時に乗っていた黒い機体を運んで来たから乗っていた。ミラージュ・フレームを黒くしたのを所々金色にして、何か羽織ものみたいなオプションを装備した機体。劾さんのブルーフレームも出て迎撃しているのは?
【パイプ付き】
いや、何か上半身と下半身がパイプで接続されて宇宙戦闘機みたいになる機体が次々来ている。接近戦になると脆いが支援ポッドや通常戦闘機みたいのに混じって数が出て来るから厄介だ。
そうしている内に劾さんがビームライフルで撃ち抜いたメビウスタイプより前の航宇機に似たのが爆発しないだけなのに突っ込んで来た。
「散開だ!」
ミナ様の指示で思わずそうしたら、爆発したと同時に電磁パルスみたいのを出した。かなりのレベルだから捕まってたらアウトだったかもしれない。
『三機共、一旦補給に戻れ!』
シニストさんの声が届いた。移動要塞みたいになってるリティリアに帰還して補給と不備が無いかなチェックだが、皆がワケわからない顔をしていた。
【ジョージ・グレンの立ち寄った辺り】
嘗て、ジョージが木星に向かった航路を仮想した図があるが、この近くに途中でかなりの期間滞在した場所があるらしい。先日の隕石基地みたいのがあるか調査しに行った偵察用メビウスの人が何やら計器がおかしくなったので帰還した次に俺達が赴いた。又も入れ替わりで行った連中からまた計器がおかしいと連絡が来た。
「どうやら、俺達の機体くらいなら計器がおかしくならない何かを撒いているようだな、この先に何があるかは知らんがどうする?」
劾さんが言うのは進むか引くか、俺に注目が集まるのは何となく察しているからだが、俺は進むのを提案した。そうして次に出てきたのは戦闘機だけじゃなくて?
「何だアレ、SFに出るタンクと戦闘機の中間を含む三機?」
『む、何やら急上昇して・・・・何っ。ドッキングだと?』
そうして現れたのは古風な外見をした合体ロボットだ。寸胴だったり尖った部分あったりで剣を持って、宇宙に雷が落ちてるようにポーズを決めてたが劾さんがビームで撃ち抜いた。
『倒せる時に倒す。それが傭兵のやり方だ』
まあ、アレは合体前後を狙われないと踏んでいる動きだしなとしたら、違う場にも次々と来て同じく古風なのが三体現れた時。
『~~~っ、?¥#、~~ZR、っ!』
『む、何の真似だコレは。生身の人間ではなあく機械の音声が送られているが翻訳も何も無いな。回線が開いたが、コックピットは無人とするとAIが動かしているようだ』
『叢雲劾、何やら貴様に向けられているが不意討ちとは何事だと怒っているような声色なのではないか?』
それだ。劾さんが知り合ったジャンク屋の騒動男は【機械にも心がある】とか言ってるような人らしい、こいつらはそんな類いなのかとせざるを得ない熱がある。
『まあ良い、丁度数は対等だ。貴様等の目的は知らぬが、性根を示すが良い・・・・』
『~~~っ、¥#、~~BARA、っ!』
機体の腕組んだり、腰に手を当てたりして。何かワハハ!と笑ってるように見えるが、パワーはありそうだ。お互い言葉はわからなくても通じてはいる。
『何だ?』
腕を飛ばすような仕草で飛んで来たのは腕部の小形ミサイルだった。待て、バズーカとかじゃないんだから・・・・としたら、土踏まずの部分からエネルギーの放電する何か・・・・わざわざ構えて剣を振り下ろして来た。
『リン、こいつらはポーズを取って間を置いてから攻撃していばかりだが傭兵からすれば隙だらけだ』
同感。無人機ならでは欠点かもだが、推力全開にして斬り付けたりしても急所は守ってるとしたら何かヤバいと感じた。バックステップで反撃を回避してライフルを撃ったら【分離して回避された】・・・・いや、その前に。
「何か、こいつら動きが秒単位で良くなっていせんか?」
『うむ、同じパターンの攻撃は絶対にやるな。データの上書きが上手い』
それだ。自動書き換えとかが早いとした時にまた分離して違う形状になっていてドリルだけじゃなくて宇宙空間で相撲や柔道やるような豪快な動きで来てる。このままじゃ此方の戸惑い具合の方が上回ってしまうが、新たに違和感が出た。
『む、分離合体が盛ん、・・・・だっ!』
全員がピンと来た。最大推力で距離を取ってライフルのビームを散らしている内に連中は高起動形態になるよう分離した時。
『『「貰った!」』』
中心部に突っ込んで合体後の硬直を狙わせて貰った。やたらやりたがるのが裏目に出たな。
俺は一思いにサーベルで斬り。劾さんはアーマーシュナイダーを投げてブレさせた瞬間にライフルを見舞うが?
『ほう、我ながらやってみるものだ』
ミナ様は蹴り飛ばした後に実体剣で刺して一機ずつ近くの隕石に縫いとめるようにしてしまった。蝶か何かの標本かよ。
『連れ帰りたいが、自爆でもされては厄介だから監視と行こう。連中の来た先にあるものを調べるのが先だしな』
『それはそうだが、誰に監視させる。メビウスタイプにでも反応する奴等だぞ?』
ミナ様はそれに対して悪魔染みた笑みを浮かべて一計を案じた。やっぱり俺が何か危険視されてるのは解せないと思う。
その案とは?
「リ、リデルぅぅっ!」
「や、止めさせろ!このような非道があるものか!」
「安心せよ、軌道は安定している」
そう、引き立てたアコードの中からリデルって名のやかましい女をミナ様が持ち込んだのに入れて監視させる事にした。
【軌道拘置所監房】
それに監視用の設備を搬入したものに入れて近付けたんだ。あれは軌道ステーション内にも入れときたくないのを拘束する際のものだ。地球にいつ落ちても可笑しくない場にある人口衛星があるが、それを模した拘束施設。多少マシな大きさだが、入れられたら通常の宇宙空間でも頭を冷やす程度じゃない。
「エイプリルフール・クライシスに便乗し【口減らし】した連中にしては肝が座っておらぬ。聞いた限りでイングリットなる者ならば、やるなら私をとでも申し出たハズだが?」
嗚呼、オルフェって奴も反論出来てない。確かに自分犠牲に申し出る奴等じゃないしな。拘束されてるからにしても窮地に弱いと言うか何と言うか・・・・これがミナ様が言うとこの?
【敗北を知らない者の弱さ】
けど、ミナ様こそ敗北なんか知らないのに強い例と思えるのは参考になるかと思ったら【少しは尊敬したか?】って目を向けられた。アコードをわざわざ使う意図はさておき、俺は運が良いのか悪いのかと思い知らされた。
オリ敵の内容。
パイプ付き呼ばわりされたのはメタスやガザCみたいなの。
支援ポッドはボールとドータップみたいなイメージ。
そして劾が一機倒して、残り三機になったドッキングする機体のヒントは【スパロボW】でジョージが関わったアレみたいなの。