機動戦士ガンダムSEED 赤い瞳の少女   作:くまたいよう

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 消してしまった内容に続く内容回です。


悪霊 ~みせかけ~

 恐慌状態のレイは回収されてパイロット用の鎮静剤を打たれて眠らされた。あのメビウスゼロの発展型に乗っていたのは間違いなくクルーゼや自分の同類でどのような育ち方をしたか迄理解できたが、それを感じる力はあるのが仇になったのだ。夢の中では尚も立ち上がろうとしていたが身体が鎮静剤に抗えない現実は覆らない。

 

(俺は、ラウだ・・・・っ)

 

『何処がだよ?』

 

 知っている声が響く。リンにこんな姿を見られてはと屈辱に震えるが、そのリンが言ったようにレイは例えばザフトアカデミーに入って首席卒業してたとしてもクルーゼ程に全てを費やしているワケではない。現に助けられる前の記憶を唐突に思い浮かべる類いのショックを跳ね返せなかった。折角、自分がラウと同じになる機会を早期に掴んだハズなのにと泣き崩れた。

 

 

 

 そして、個人の感傷に合わせてくれない最たる状況が戦場であった。エグザスに接触した辺りにバリーとルナマリアは敢えて戻ったが、再び現存する戦艦の中では最高な威力の艦砲射撃が次々と飛んで来る。バリーもMSでの初の実戦なので冷や汗を流していたが、ルナマリアも恐怖を堪えるので精一杯だった。シールドで防げばな考えは甘過ぎるとした時にバリーは先程と同じパターンの主砲が来るが撃ってくる側が移動はしていない感じだとした時にバリーに対して小惑星郡内に向かうよう命令が来てルナマリアは警戒辺りがジャマーの問題で通じず追従してしまった。どのみちルナマリアはこのまま退散は不本意であったからである。

 

 

 

 

 ――――――。

 

 

 

 

「ちょ、ルナマリアさんも行っちゃったじゃないの!」

 

「構わん、クサナギの通信状況以前に具体的に言わない側のミスで済ます」

 

「貴方、さっきの罵倒気にしておなざりにしてない?」

 

「私はそんなに小さい男か【小さいわね】・・・・何故かな?」

 

「何となくわかったわ、貴方。能力を目の当たりにした人間から遠慮ない罵倒された事があんまり無いでしょ?」

 

 それはクルーゼにとっては真実だが、ルナマリアは口が軽いだけだから良くも悪くも一時的にしか響かないのだ。本音は敵側の立場を想像したら深入りしてしまったと映り丁度良い。

 

【掛かったと見せ掛けられる】

 

「私はレイが使っていたカオスで出る。有りがちだが、来るぞ」

 

 

 

 その頃。

 

 

 

「え、何あれ?」

 

「発電衛生だな、デブリに見せ掛けたアレを使って戦艦の主砲と動力炉のユニットにエネルギーを送り、主砲が撃ち放題だったのだ」

 

 射線スレスレを真っ直ぐに向かって主要部分をサーベル切り裂いて潰し、ルナマリアはやったのだと歓喜したが爆発に紛れてジンの改良型がバリー機に迫り、斬撃を見舞われるがバリーはルージュのシールドで受け止めた。援護をと慌てた時には何故かルージュの素手の一撃で胸部が貫かれて目を丸くするしかなかった。

 

 そのまま帰還したが、クサナギ周辺ではクルーゼが乗ったカオスが奇襲部隊を冷静に撃滅していた。遠目からでわかるが、ジンの偵察型をジャンク屋が関わったような形で補修した機体であった。スコープを使って射撃しようにも既に片付けた動きにはバリー機の不可思議な技と違って単純な実力の違いを悟らずにはいられなかった。

 

 

 

 帰還後にブリッジで報告が行われたが、ルナマリアは自分の迂闊さに釘を刺されていた。

 

 

 

「申し訳、ありません・・・・」

 

「気にするな、通信状況以前にアバウトな命令だったからさ。艦が危なかったとわかっているならコレ以上は言うまい」

 

(上手いわね、これなら。それに相手はリンさんじゃないし)

 

 クルーゼの策か否かにしても鼻っ柱の強い相手に合わせてコントロールする手腕は流石だとエリカは見ていた。ルナマリアの場合はそこまで我が強くは無いので構わないとしたのだ。

 

 考えてみれば、ザフトのお偉いさんの身内達を上手く扱えていた男、特に今頃はボアズ辺りで荒れている若者達をとした時に考えを中断した。

 

(うちの跳ねっ返り相手は駄目ね)

 

 本人も周りも力量以前に、自分か身内でなければとする傾向があるのでクルーゼがオーブにいてくれた場合な考えは却下だ。ヘリオポリスを破壊した以前の問題とした。 

 

「では、進路は修正して微速前進!我々はこのまま【予定通りの場】を目指す!」

 

 攻略では無く【パイプを繋げるのが目的】なクルーゼの計画は感心したが、一応は見限った祖国への思いがあるか否かへの試しがあるハズとした。エリカとて伊達にサハクやアスハに目を付けられてたワケではない。

 

 

 

 

 ――――――。

 

 

 

 

 そして、クルーゼは【パイプ】のある場に接近して擬装したフリーダムを予定地点に移動させた。

 

「理論上は可能・・・・後はデータと言うより予定表頼みか」

 

『光が見えましたけど、本当に可能なんですかコレ?』

 

「やってみるさ・・・・いけ!」

 

 クルーゼは万一に備えて随行したルナマリアに後は任せて推力強化型のドラグーンを射出した。データを信じるしかないので針の穴を通すようなどころではないのが周りの懸念だが?

 

(やはり・・・・いるな!)

 

 クルーゼの勝算は相手の艦艇に先日のエグザスのパイロット達の同類がいる事であった。どのみち戦うのならば・・・・とした時に、悲哀を感じてしまった。

 

【死にたい】

 

 そう考えている気配があった。ソキウスとは違った措置を掛けられているのだろう、それに応えられる手段は自分には一つしかないとしてドラグーンを突撃させながらビームを斉射、巡洋艦一隻と偵察艦が二隻、宇宙に爆発の華を咲かせた。

 

 唖然とするルナマリアに構わず帰艦してはピンポイントで同じ事を繰り返す。相手からしたら気付いたら撃沈されている等は恐怖の極致、悪霊にでも襲われている気分だろうとして四日が経った。

 

 

 ―――――。

 

 

「まだ原因が判明せんのか!?」

 

【アルテミスのガルシア司令】

 

 停戦してしまった情勢下において、彼のヒステリーが起きない日は無いとされている。カナードやジョージ・アルスターを使った策が悉く空振りとなっていたのだとした中での謎の艦艇襲撃で一層に喚くが、要塞内にアラームが鳴り響いた。システム全てがダウンかハッキングな中で奥にある一室に潜入した男は目当ての存在を発見した。

 

「大西洋連邦の外務次官ジョージ・アルスター殿ですな?」

 

「き、君は・・・・?」

 

 外見は立場上で小綺麗だったハズな男は半年以上は軟禁されていたのでやつれているようで荒れているようだった。それを見て潜入したバリーは建前を述べた。

 

「私は【フラガ家の秘密】を探っていたエージェントであります。同士を求めていた際に丁度貴方がユーラシア連邦に軟禁されていたままと聞いて救出を依頼された。貴方の娘の消息を始め、有益な情報があるので是非ご同行を」

 

 堅物に過ぎる言い方だが、ジョージ・アルスターが求める事が多分に含まれていたので信用はされた。これがクルーゼの策、使ってる手段がわからない側からしたら連日の怪奇現象に移る事態の中で恐怖と混乱の飛び交う中で脱出や救助の艦艇が飛び交う状況を作り、バリーを艦艇に紛れさせてシステムダウンのウィルスプログラムで内部を撹乱しつつジョージ・アルスターを連れ出す。

 

【知る術は無いが、この世界の戦史上でドラグーンを使いこなす点では他の追随を許さないクルーゼの能力任せな計画である】

 

 外務次官救出に関しては使い道があるのだと説明されたバリーは何やらクルーゼには狂喜のようで違うものを感じていた。

 

(こういった策謀を巡らすのがクルーゼ殿の本来の顔とするのは間違いではないが、半分は違って来ている気がするな)




 クルーゼさん諸事情で能力全開。ドラグーンみたいのをこんな風に使えるのってファーストのララァくらいだったから敵からしたら恐怖そのもの回。

 とにかく、何故かフレイの父連れ出したな回。
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