機動戦士ガンダムSEED 赤い瞳の少女   作:くまたいよう

7 / 59
 トリィが出ます。


託された者

『追悼慰霊団』

 

 核攻撃を受けた悲劇の地に赴いているからには余程の大物かその縁者であろう。

 

 通信を送って来た強硬偵察型ジンのパイロットにしても、紳士的な態度。対処をどうするべきなのか?艦長として、どうするべきなのかとマリューは迷うが、ここは無難にと判断した。

 

「此方は、地球連合所属の艦です。この場には戦闘目的で赴いたワケではありません、其方の行動には干渉いたしませんので?追悼慰霊とやらの件はよしなに・・・・」

 

『よしなに』

 

 妙な言い分だが、確かに墓荒らしをした直後には何も無いに越した事は無いとした時。

 

『艦長、狙われてるぞ!』

 

 リンからブリッジへの通達が入った。何事かとした時に?

 

「小型ミサイル大量に接近!」

 

「ミサイルっ?か、回避運動!」

 

 ノイマンが必死に舵を取り、自動にした対空機銃が迎撃するが、その何発かが通信を入れたジンに命中して爆発し、艦にも軽微な損害が出た。そして、後方からは大量のメビウスが接近して来た。

 

「な、何なの?メビウスが約三十機?これだけの数が一体?」

 

「艦長!メビウスが向かった先にある艦艇から救難を求める通信が入っています!」

 

「プラントから地球軍所属の戦艦にかっ?何を勘違いしているっ!」

 

 確かに、両陣営の間にある溝は未確認の何かに襲われているとしても、救援等をすんなり受け入れられる域ではない、まして現プラント政権の関係者は?とした時。

 

「つ、追伸が来ました?『頼む、我等の守りたい御方を託せる可能性があるのは、君しかいないのだ!『ミラージュ・フレームのリン・アスカ』・・・・だそうです」

 

 衝撃的な内容だ。機体とパイロットの名前はどちらも漏れてはいないハズ・・・・だが、元々あの機体は何処のかすら知らない、ハッキングが得意なキラに頼んで解析してもらったが、やれたと思ったらそれは第一段階、次に料理関連の用語で固められた暗号ばかりでキラには解析が不可能、知識のあるリンですら半分わかった程度らしい。

 

 ハッキングをやる人間もソフトもプロテクトの内容を専門外や見当違いの分野で暗号だらけにされてはどうにもならないとして保留していたのだ。

 

「どうします?」

 

「そ、それは?仕掛けてるのは地球・・・・いえ、待って?地球軍としたら、此方に協力を呼び掛けないのは不自然よね?」

 

「はい、艦長はどう考えます?」

 

 ナタルは珍しく真っ先に一任した。そもそも、マリューも機体以前にリン絡みで何処かおかしいとしているからだ。今回の件も何故索敵レーダーより早く気付けたのか?疑念が絶えないが、今やるべき事を考えた結果。

 

「リンさん、通信内容は聞こえたわね?皮肉にも艦に軽傷が出たから念の為の出撃くらいならおかしくないわ?偵察を兼ねる意味でも、メビウスが攻撃をしてるポイントに行ってみて」

 

『了解、行きます・・・・』

 

 規格の合う弾が無かったが為にガトリングを外して、ソードストライカーのシールドを左腕に装備したミラージュー・フレームが攻撃を受けている地点に向かった。

 

 現場では、艦艇一隻をボロボロの強行偵察型ジンが守りながらメビウスを必死に迎撃していたが?

 

(数が足りない?)

 

 聞いた限りでは、約三十だったハズだが十にまで減っている。

 

 そして、ピンク色の戦艦は・・・・後に、エターナルと名付けられる艦の試作型であった。

 

 その艦から、次々火の手が上がっていた。見ると各所にアンカーを使って張り付いているメビウスが見えた。

 

(潜入したのか?)

 

 そう、メビウスのパイロット達は既に二十名が艦に潜入して内部で白兵戦を開始していた。遅かったかとした時に?

 

(何の冗談だ?)

 

 ジンが撃破された時、艦は降伏を申し出た。残ったメビウスがミラージュ・フレームが離脱したのを確認した時に?追悼慰霊団の代表を乗せた戦艦は。

 

 

『自爆した』

 

 

 しかも、自爆し始めた際に電子妨害パルスの類いを含んだミサイルを含めて全弾を撃ち込んでいたが為に近くにいたメビウスは一溜りも無かった。

 

 そして、リンは呆然としながらも送られた指定ポイントに射出された救命ポッドを確認して回収してそのまま帰艦した。

 

 そうさせて欲しくなったからだ。

 

 

 

 

 ―-―-――-―。

 

 

 

 

「報告は以上です」

 

 ポッドはマードックさん達に警戒してもらいつつブリッジに上がり、それっぽく説明した。プラントの関係者が俺を指名して来たので、フラガ大尉が監視兼ねて同行する形になってる。怪しく見られるのやむ無しだしな。

 

「リン・アスカ、心当たりはあるか?」

 

「ありません」

 

 あるがまま言うしかない、そもそもミラージュー・フレームに乗ったのは、あのサングラスした連合兵らしき男に誘導されたからだ。

 

 コックピットにも、あれから何の連絡も来ないしな。

 

「ポッドを開くにしても?誰か大物かその縁者が乗っているかかもね・・・・ここは建前を大事にするべきね」

 

 

 

 と言うワケで、マリューさんが立ち会いながら開封か。まあ、プラントの成り立ちを考えたら中に入っているのは?

 

 

 

「ご苦労様です・・・・あらあら・・・・まあまあ?此処はザフトの船ではありませんのね?」

 

 ピンク色の髪をしてアイドルか何かの衣装を着た女が無重力だから、ゆっくり浮き上がって来た。キラさんが受け止めてるけど、あの丸っこいのは何のロボットだ?キラさんが連れてたトリィって、鳥型ロボットと場違いなやり取りしてるが・・・・。

 

「あの?わたくしを助けていただいた御方ですわね?」

 

 事情を聞いたようで、近付いて来たけど。感じたのは?

 

 

 

 

『苛立ち』

 

 

 

「助けたのは・・・・『艦を自爆させて死んでまで貴女を逃がしてくれた方々』です」

 

 そうだ。例え俺がいなくても新手さえなければ生き延びた可能性はある!あの艦が自爆した時に何故か感じたのは自分なりに命懸けで決断をした人達だとわかるもの・・・・なのに、この女は・・・・っ!と不愉快に思った時? 

 

「貴女の名は?」

 

「リン・アスカ」

 

 目を見開いた表情、何かが薄く・・・・だけど、強烈に宿ったような目と顔色で俺の目を覗き込むようにした?出しているのは善意とか悪意とかじゃなくて。

 

「あの、事情聴取をさせていただきたいので?同行を願えますか?」

 

 マリューさんの呼び掛けで妙な空気が変わってくれた・・・・何だってんだ?まるで、そうするのが当然なだけの存在?

 

『ハロっ♪♪』

 

『トリィっ!』

 

 場違いな声が響くのみな空間となってしまったが、容姿とかであれが誰かくらいはわかる。

 

『ラクス・クライン』

 

 寄りによって、自分なりに調べた事によると最大の不確定要素を持ち帰ってしまったけど?

 

『託されたのだとわかってしまっていた』

 

 

 

 

 ―-―-――-―-―。

 

 

 

 

「査問委員会!?隊長と私が呼び出されたのでありますか?」

 

 アスランは、クルーゼから呼び出されて用件を聞かされていた。ヘリオポリス崩壊直後、その混乱に乗じてガモフを突破されつつ全力離脱される形で見失った戦艦を後退しつつの捜索をしていたが、月やアルテミス要塞と見当違いの結果になってばかり。無念だが潮時だと言う結論だ。

 

「し、しかし?」

 

「しかし?」

 

 何だと言うのだと仮面越しの目で問われているのをアスランは感じていた。

 

 

 

 何故、こうしているか?それはヘリオポリス崩壊後の時だ。

 

 

 

 無断出撃をした事についての聴取をした場において、ストライクのパイロットが幼年学校時代の幼馴染みと聞いたクルーゼはアスランに対して同情したような言葉で宥めた。

 

 しかし、クルーゼには鋭い指摘を受けた。

 

『だが、君は戦闘には参加していなかったと言う事になるな』

 

 最初の潜入以降、ジン部隊は撃破されてミゲルは戦死。イザークは機体の右肩を被弾した状態でヘリオポリスの崩壊に巻き込まれた為に負傷、ガモフは損傷重大で死傷者多数。

 

 友軍がこのような被害を出す中で戦闘に録に参加しなかったアスランを庇うのは難しいし、次の戦闘に出せないと言い渡された。

 

 キラを説得したい、説得に応じなければ自分が撃つと約束をして、引き続きイージスを任せてはもらえただけの結果、その後にガモフの負傷兵達とイザーク達を救助したのだ。

 

 アスランに幸いなのは、クルーゼに指摘された事についてはニコルがたまたまイージスとストライクが離れた場で確認した事で、ジンが撃破されている間も交信を試みていた場を目撃されてはいない事。

 

 何より、クルーゼも交戦した機体が、何故かミラージュ・コロイドのステルス機能が通用しなかった事実、ニコルが念入りにデータを見ていなければ展開中にPS装甲が解除されているとは気付けずに撃破されていたと冷や汗ものだった。

 

 そして、今後を検討する場でアデスやニコルを始めとした慎重派が、ある推測を立てた。

 

『元々、向こうの開発した物、つまり?ミラージュ・コロイドを使った機体の位置すら特定出来る何かを持っていたのでは?』

 

 姿が見えないハズのブリッツの位置を特定した以上は有り得る話、更に言えば?

 

『奪取した機体にも、此方が奪取して使った場合の何かを用意しているのでは?』

 

 流石にリンの超感覚の賜物と知らないからこその案に対してのクルーゼの反応は?

 

「有り得るな、あの白と紫の機体がソレかもしれん!我々の手持ちのMSは?奪取した機体以外は従来の装備で出撃可能になるまで暫く掛かる私のシグーのみだ!戦死した者達には顔向けが出来んが、此処は四機を奪取出来たのと、中立コロニーであると同時に?もしかしたら違う機体まで開発していたかもしれない軍事基地とすべき場を叩けただけマシとする!周囲を警戒しつつヘリオポリスからは撤退だ!奪取した機体の再調査を即座に開始、何が仕組まれているかわからん!徹底的に当たれ!」

 

 

 

 そして、出撃してキラを説得する以前の問題で時間だけが過ぎていった。クルーゼの慎重論に異を唱えたい程であったが、少なくとも?

 

 

『ヘリオポリスが違う機体まで開発していたかもしれない軍事基地とすべき場』

 

 

 暫定的にそう評したクルーゼの考え自体は、完璧に的確だった。

 

 見える範囲の内外で動く意図を知る術の無いアスランには立場上の行動をするしか出来る事は無かった。




 ラクスが何を感じたか?少なくとも、原作で自分をポッドで逃がした可能性ある人々にどう思ってたかは不明な結果、リンの怒り爆発寸前だったのが思わぬ結果になったな回。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。