機動戦士ガンダムSEED 赤い瞳の少女   作:くまたいよう

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 最初に、フレイも?な回。


始まりへの脱出

 アークエンジェルの食堂、そこである騒ぎが起きていた。サイ達が近くに来た事で転機が訪れた。

 

「嫌よっ!何で、わざわざ私が食事持って行ったりしなきゃならかいのよ!?コーディネーターなんかにっ!」

 

「でも・・・・その?あの・・・・ミーアさん達の部屋は全員、女の子だからさ?」

 

 カズィのぐずるような態度にフレイの苛立ちが更に増した。そもそもカズィも言ったように向かう先が女子ばかりだからではなく自分でやるのは嫌だとしたのが根拠、そのせいで溜め込んだものが出たのだが?

 

「第一、影武者とは言っても?寄りによってラクス・クラインの関係者・・・・いえ、地球にNJを撃ち込んで億単位の人間を餓死させた政治家のとこへいたようなのに?二次被害考えたら十億は軽く越えたんじゃない?」

 

「え?」

 

「な、何があったんだよ?」

 

「いや、ラク・・・・じゃなかった。ミーアさんのとこに携行食を運んでくれってクルーから頼まれてさ」

 

「クルーから?・・・・な、何で・・・・」

 

「ふん、結局?あの女と言うよりプラントに住んでたコーディネーターが怖いし憎いしじゃないの?第一、仮にスパイか何かとしてプラントに帰った時に?捕虜にでもされてひどい扱いされたとかでたらめ吹き回るかもしれないじゃない!」

 

 フレイの言う事が不明に過ぎたが為に止める術は無い、何故そうなっているか知る術も。

 

「オーブは旧時代の違う場の国の流れを組んだ国って聞いた事があるわ!その国の兵士は戦時中に、他国の捕虜が栄養不足で可愛そうだったから、確か『ごぼう』を取って来て食べさせてあげたけど、敗戦後に裁判で木の根を食べさせられた事にされて悪者扱い!そういうの怖がって私達に嫌な事を押し付けてるのかもしれないわ!下手したら、戦後に僻地とかに送られて労働刑の流れを現代風にしたものになるかもしれないしねっ!」

 

「な、何でそんな発想するのよ?」

 

「知らないの?連中はね、理事国のコロニーを乗っ取ったのよっ!自分達の不始末で宇宙に負われたようなものなのに、そこでも?」

 

「そこまでにしとけ」

 

「リ、リン・・・・」

 

「言おうとしてるのはわかるけど?『効率』ってもんがある。それに、コーディネーターの住んでる国の学校に通ってたって事は?全員がそうだと思ってるワケじゃないんだろ」

 

「うっ」

 

 何事も無く携行食を受け取って退散するリンにサイ達は呆気に取られる他は無かった。あたふたしてるキラにしてもワケがわからない、そもそもフレイは父の影響でコーディネーター嫌いとは聞いていたが、何処かおかしい。

 

「キラだったわね?リンは私の言おうとした事を知ってそうだったけど、あんたはどうなの?私達の味方をしてるって事は、プラントのコーディネーター寄りなワケじゃないんでしょ?」

 

 ワケがわからないが、マリューから避難民達にMSデッキに集まってもらうようアナウンスが響いた。キラ達もそれに立ち会ったが?

 

「お、降りられるのか?」

 

「はい、一時間後『ジャンク屋組合』に所属する船が定期的に通う場に通ります。そこで半数だけ降り・・・・そう、降りれます。幸い?鹵獲したジンがありますので、それを代価にすれば」

 

 出所不明な情報としながら告げるマリューが言う形通りに話は進んだが?サイ達は救命ポットに入ってた側の半分だけの話だと言われて希望者過多で揉め事になると思ったのだが、あっさりと決まったので戸惑いを隠せなかった。

 

 

 そして、マリューの言うように・・・・リンが最初に撃破したのを回収していたジンを代価にして避難民の半分が降りたが?

 

 

「ね、ねえ?何で、避難民は渋ったのかな?乗った側も直ぐには決めなかったようだけど・・・・」

 

「信用ならないからでしょっ!」

 

「な、何で?」

 

 キラが思わず質問したが、フレイはキラに対して呆れたような目を向けはしたが、軽蔑に近い類いだが、どこか態度が氷解していた・・・・実はキラの頼りなさに満足していたからだ。

 

 悪い言い方をすれば見下せる対象と見なしたのだ。

 

 キラにしてもブルーコスモス寄りの人種と聞いていたので化け物扱いに近い目を向けられる恐れを密かに抱いていたので、それよりはマシだとしていた。

 

「あんたは、本当にコーディネーター?さっきの見たでしょ?今回みたいな鹵獲品ならまだマシなの!ジャンク屋組合ってのは戦争で出来たデブリを回収したりする組織だけど?兵器とかにまで平然と手を出す・・・・極端な話で崩壊したヘリオポリスに何かあるか調べに行ってMSとかが残ってたとしたらいただいちゃうような連中よ、案外ユニウス7とかにも何かあったとしたら、とっくにいただいてるんじゃない?」

 

 キラ達は驚愕した。自分達の住んでた場所をそんな風に?と考えたが、自分達も墓荒らしをして手に入れた水を既に使っているので偉そうな事は言えない。

 

「で、でもあれは農業用の・・・・」

 

「それが間違いなのよ、アレはね?」

 

 説明を聞いて、途中で更に青ざめた。特にキラは?

 

『ザフトにいるアスランに真意を問い質したくなった程だ』

 

「ま、待てよ?これって・・・・リンならともかくラミアス艦長・・・・特に、あのバジルール少尉とかに聞かれたら不味いかもしれないぜ?」

 

「うん、少し控えましょうよ?」

 

 トールとミリアリアの制止にハッとなった。確かに、忘れてたがマリューとてリンに何かされて以降はお人好しに見えては来たが、最初にどうなったかを思い出した。

 

「フレイは・・・・だから乗らないの?」

 

「サイ、貴方は何も聞いてないのね・・・・」

 

 フレイが自分なりに事情を知る理由・・・・それを言うのは躊躇った時?

 

 

 

『未確認機接近!未確認機接近!パイロットは出撃準備!』

 

 

 

 放送が響いて、準備を整えたリンとキラは自分の機体に乗り込んだ。

 

「ブリッジ、状況は?」

 

『近付いて来たのは、ユーラシアの連絡艇で普通に連絡要員のようだわ』

 

「そう、なんですか・・・・」

 

『わ、わかってるわよ?何が起きるかわからないしね』

 

 リンが何か感じているような目をしたので気圧されたが、着艦は普通に行われて警備兵の指示でノーマルスーツ姿の連絡兵が一人降りて来た。キラとそう変わらない背丈である。

 

「ご苦労様です。ブリッジに案内しますので」

 

「ああ」

 

「えっ?」

 

 メットを外した姿に周囲は固まった。近くに来たキラは特に・・・・若い少年兵のようで、やや伸ばし気味な黒髪だが?

 

『似ているからだ』

 

「・・・・っ!?貴様・・・・貴様は、まさか・・・・い、いや・・・・違う!お前・・・・お前なんか、がっ」

 

「あの、早くブリッジに案内を」

 

「む、貴様・・・・貴様、なら・・・・」

 

「?」

 

 キラに対してもだが、警備兵に語りかけるリンを見た反応で更に周りが戸惑う、案内されて行く連絡兵がブリッジに向かうのを見送るしかなかった。

 

 

 

(あの女なら、まだわかる!だが・・・・あんなのが・・・・あんなのが『本物』でも『完成品』であるものか!)

 

 

 早すぎたからにしても、カナードは目にした者を認めたくはなかった。それが今後を決めてしまったのだ。

 

 

 ブリッジに集まったクルー達も驚いた。似ているとは思ったが、ムウに言わせればキラとは面構えが違う・・・・平和な場所の学生と死線を知る軍人という肩書きが表情に諸に出ている。

 

「あ、あの・・・・いえ、ごめんさいね?」

 

「いや、こちらはユーラシア連邦の特殊部隊X所属の『カナード・パルス』・・・・通信通りに司令官からの親書を持って来た・・・・これだ」

 

「拝見します・・・・っ!?・・・・な、何ですか?これは・・・・何と破廉恥な!カナード君?この内容は知っていますか?」

 

「これは?」

 

「ふ~ん?」

 

 ムウとナタルも見たが、カナード自身は別に何とも思っていない対応だ。

 

「・・・・っ!?なる程、らしいと言えばらしいかな?崩壊したヘリオポリスの民間人の中に娘がいたからと捜索を開始し、ユーラシアのアルテミスに協力を申し出た大西洋連邦の外務次官である『ジョージ・アルスター』を招待してあるから、直ぐにアルテミスにおいで願いたい?」

 

「そこまでなら、別に構わないです。それよりも途中にザフトの艦隊が襲撃してくるかもしれない?要するに私達を当て馬にでもしようとでも?」

 

「ふん、それよりも?私的な感情で出回った外務次官様、しかも代々今の立場を勤めた家系の男だ。醜聞として使われたら大西洋連邦の威信に関わる。さて、どうするんだ?」

 

「カナードだったな、君は一応は公的な場でそのような口の聞き方は・・・・」

 

「構わないとされたのだろう、何故ならば俺はコーディネーターだからな、しかも捕らえられて実験動物扱いされていたクチだ・・・・お前達、見たところコーディネーターの力を借りているな?アルテミスに行けばさぞや歓迎されるだろうなあ?」

 

 カナードの発言は聞き捨てならないが、迂闊には切り出せない。

 

 アルテミスに行けば辺りからはわかってはいた事だ。ナチュラルとコーディネーター以前に、地球連合はユーラシア連邦と大西洋連邦のみならず。旧世代からの因縁だけで数え切れない確執が有り余る。それを見て取ったカナードは機転を効かせた。

 

「取り引きと行かないか、どうやら逃げ場所を探しているようだから・・・・ザフトも不用意に立ち寄らないところを知っているんだ。それに、大西洋連邦の本拠地に逃げ込めてもその後に命の保証はないぞ?なにせ、コーディネーターの力を借りたんだからな」

 

 そう言って航路図を渡すカナードは何処か危険な光が宿っていた。種類が違うが、まるでリンから感じた恐怖に近い。

 

「艦長、敵艦接近!この反応は・・・・ザフトのものです!」

 

「何ですって、貴方・・・・まさか?」

 

「ほう、俺が誘導したと見なすか?それは良いがどうする?」

 

 周りが冷静な判断が出来ないでいる。カナードは行き当たりばったりにしては頭の回転が速すぎると感じてはいる。まるで、本来の目的を達しているようなレベルだ。

 

「リンさんとキラ君に出撃準備を!本艦は敵部隊を突破して・・・・『コロニー・メンデル』を目指します!」

 

 ナタルは歯噛みしているが、不確定要素が多すぎるのだ。リンのミラージュ・フレームを始めとして最初からアヤがついていたくらいは認めている。それを見たカナードがこの艦の構成を大抵把握したのには気づかなかった。

 

 

 

 

 ーーーーーーーーーーー。

 

 

 

 

「ディアッカ!俺の判断は正しかったな!デュエルASが屈辱を晴らす!」

 

「おう!あの白紫にたっぷりお礼をしてやろうぜ!」

 

 イザークとディアッカはクルーゼに頼み込んで本国に帰らずにアークエンジェルの捜索部隊に加わっていた。解析を終えたデュエルに追加装甲を施した機体で先陣を切る相棒に続くディアッカ・・・・逸脱に逸脱を重ねる運命が戦士達を更なる歪みに導いた。




 原作から逸脱開始回。

 フレイがこうなってる理由は続きで。

 カナードに関して、少なくとも初期辺りのキラに早期に会ったら?な展開考えたら、闘志燃えるかどうか?って回でした。
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