弱キャラ友崎くんとサンドバッグ相原くん 作:mosumosu
放課後に菊池さんを加えてたまちゃんの練習を行ったあと、ちょうどいい時間になったので練習を終わりにしてここ最近のお決まりのようにみみみ、それに日南と合流した。
「あっ、たまぁー!今日も待っててくれたんだー!愛を感じるぅ!」
「俺たちもいるぞー?」
「はらみーに、友崎とタカヒロ!……と、菊池さん!?」
「こ、こんばんはっ」
「あ、えっと、こんばんは!」
「は、はい……」
菊池さんはみみみ達にそう挨拶をすると、スススっと俺の後ろに半分ほど隠れるように下がっていく。
こういうところもいちいち可愛い、さすが菊池さん。
「おー、待ってた俺たちの愛を感じるかー?」
「うーん、そこそこ?っていうか、どういうメンバー?」
「さらっと流された……」
横で相原がガクッとうなだれている。
まぁなんというか、どんまい。
「チーム友崎とその臨時メンバーって感じだな」
「ちょっと待て、これって俺のチームだったのか?」
「何を今更。発起人は友崎だろ?みんなお前の一声で集まったんだ」
「いやお前らは声かけなくても勝手に集まっただろ」
そんなふうにぼやいてはみたが、正直水沢や相原が来てくれて助かっている実情ではあるが。
「さすが友崎!今日もブレーンしてるね!」
「ブレーンしてるってなに……?」
「あはは、さすが友崎くんだね!」
「お、おう」
日南に流石と言われるとそれはもう皮肉にしか聞こえない。
そんな日南の言葉に押しつぶされそうになりながらも何とか相槌を返した。
「うーん……むむむ……」
「みみみ?」
みみみは俺の後ろの方に控えている菊池さんの方をじっくりと観察しながら
「……可愛い!」
「え?」
「どうして私はこんなにかわいい娘を見逃していたのでしょう!ようこそ、ななみワールドへ!」
「え、ななみわー……?」
みみみのノリに完全に押されている菊池さん。
ここはさすがに助けてあげないと。
「こらこらみみみ、そんなノリにまだ慣れてないんだから手加減してあげて」
「そんな!ブレーンは私じゃなく菊池さんの味方をするの!?」
「当たり前だろ、そもそもとして友崎と菊池さんは付き合ってるんだから。……友崎はともかくあんまり菊池さんに失礼な態度とるんじゃないの」
「あれー!?はらみーも菊池さんの味方をするの!?なんで!?」
「日頃の行いかな?」
……友崎はともかく、とは?
ツッコミを入れようとしたが会話の流れが早くて口を挟めなかった。
「うわーん、やっぱり私にはたましかいない!」
「みんみ、あんまり風香ちゃんに迷惑かけないでね?」
「たまぁ!?」
そんなやりとりが続く中、後ろの方からふふっと言うような声が聞こえる。
それを聞いて視線が俺の背にいる菊池さんに集まる。
「なんだか、楽しいですね。友崎くんが変わった理由が、なんとなくわかった気がします」
「……うん、そっか。よかった」
なんか、俺のことを少しでも菊池さんに知っていってもらえる嬉しさと若干の照れからそう短く返した。
そんな俺達を水沢なジーッと見てから「ふーん」なんて呟いている。
「な、なんだよ……」
「ははっ、別に!」
なんだか視線にそわそわしたのでそう聞くが、笑いながら答えて隣りにいた相原の肩を掴む。
「悪い。ちょっと教室に忘れ物したわ、取りに行ってくる。相原、付き合えよ」
「ん?ぁー。おっけー」
「……あ、ごめん!私も部室に忘れ物したかも!みみみちょっと付き合って」
「んー?あ、オッケー!たまも行こっ!」
「え?うん、わかった」
そういうなり俺と菊池さんが置き去りになり、この5人は戻ってくることはなかった。
つかラインから別々に帰るなんて連絡が着た。
そして菊池さんと2人きりで下校することになった。
は、ハメたな、あいつら……。
***
翌日。
放課後の練習はいい方向に働いた。
たまちゃんは水沢や相原のフォローを受けて少しずつ、みみみとセットではあるが中村グループのメンツとも会話をすることが増えていく。
そしてそれがクラスにも周知されていったように思う。
そして。
「それじゃカンパーイ!」
「こんなにうまくいくとはな」
「あぁ、後は時間が解決してくれるだろ。紺野も嫌がらせをやめていくと思う」
「え、そうなの?」
「たぶんだけどな。露骨に手を出してくることも減ってきただろ?」
「たしかに」
学校帰りに打ち上げとしてファミレスで俺と水沢と相原、それにたまちゃんでだべっていた。
みみみと日南も部活が終わってから来るとのことだがまだこの場には来ていない。
席には4人ということで片側に俺と水沢、向かい側にたまちゃんと相原が座っている。
「それにしてもみみみ達遅いなー」
「相原と違って部活頑張ってるから仕方ないよ」
「俺も頑張ってますぅー!今日はちょっと早めに部活が終わっただけですぅー!」
こうやって対面で楽しそうに話している2人をみていると、今回の問題も無事に終わりそうだと思って安堵のため息が出る。
その後に日南とみみみも合流して打ち上げを楽しんだ。
ここが、学校の近辺であるというリスクに気が付かないままに。